デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.746-764(DK210132k) ページ画像

明治35年4月12日(1902年)

是ヨリ先三月二十五日、商業会議所法公布セラル。是日栄一当会議所会頭トシテ、同法施行上ニ関スル当会議所ノ意見ヲ農商務大臣男爵平田東助ニ建議ス。


■資料

東京商業会議所報告 第一〇三号・第二九頁 明治三五年一二月刊(DK210132k-0001)
第21巻 p.747 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇三号・第二九頁 明治三五年一二月刊
○第百九十回役員会議 明治三十五年一月二十五日開
 出席者
  渋沢栄一君     井上角五郎君
  長尾三十郎君    雨宮敬次郎君
午後一時三十分開議、木内商工局長ヨリ渋沢会頭ニ内示セラレタル商業会議所法草案ニ付種々協議ヲ為セリ
午後三時三十分閉会


渋沢栄一 日記 明治三五年(DK210132k-0002)
第21巻 p.747 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三五年     (渋沢子爵家所蔵)
一月廿五日 晴
○上略 午飧後商業会議所ニ抵リ、木内局長ヨリ諮問セラレタル会議所条例改正ノ草案ニ付キ役員諸氏ト協議ス ○下略
   ○中略。
一月廿九日 晴
○上略 十一時農商務省ニ抵リ、木内商工局長ニ面会シテ、商業会議所条例改正ノ事ヲ談ス、萩原源太郎氏同伴ス ○下略
   ○中略。
二月七日 曇
○上略 十時八十島親徳来ル、商業会議所法案改正ノ件ニ関シ意見ヲ萩原書記長ニ書送ス ○下略


渋沢栄一書翰 萩原源太郎宛 (明治三五年)二月七日(DK210132k-0003)
第21巻 p.747-748 ページ画像

渋沢栄一書翰  萩原源太郎宛 (明治三五年)二月七日   (萩原英一氏所蔵)
拝啓然者今日ハ商業会議所法之件ニ付各地之会議所員諸君御会同相成且夕方よりハ一同平田大臣邸ヘ罷出候筈之処、少生義何分風邪快方ニ不相成候為、出席難仕候間、御一同へも可然御申訳可被下候
法案ニ付而ハ別紙書類ニて明了ニ相成居候得共右之中今日御会同ニて決定之上大臣と御話合被成候都合と存候、就而愚案之廉々左ニ申上候
 第一、聯合会を法案ニ明記せさるハ、過日木内局長より詳細ニ説明せられたるも、御一同ハ右ニて領意する哉否、小生之考ニてハ木内氏之説稍尤之処有之様被存候ニ付、法律ニて規定せさるも従来之慣例ニよりて聯合大会は開設し得へきニ付、或ハ然らん歟と存候
 第二、諮問ヲ要スル件ヲ明記する事も、法案中ニ夫々重要之案ハ包含し居る様相見へ候間、強而列記を主張するニも及はさる哉と存候
 第三ハ細目ニて、法人ニ被選挙権ヲ与フル事其他一昨日御一同御協議之件々ハ小生も同案ニ付、是非今日充分御引合被下度と存候
 又外国人一人ニても重役たる之会社ニ経費負担を免かれしむる之制ハ、却而反対之結果と相成、経費負担を避くる為メ外国人を加ふる之悪弊を生するの恐ある歟と存候
右等之廉々大倉・井上両君へ篤と御打合之上、御会同之諸氏ニも御協議相成、願くハ一同之意見一致之上ニて大臣邸へ御越相成候様仕度と存候ニ付、其辺貴兄より宜敷御伝声可被下候、依而関係書類都而返上いたし此段書中得貴意候 匆々不一
 - 第21巻 p.748 -ページ画像 
  二月七日
                      渋沢栄一
    萩原源太郎様
 尚々御用済之上ハ関係書類中要件丈ケ御仕分被下、手元之控として御廻し置被下度候也


中央新聞 第六〇七五号 明治三五年二月二三日 新会議所条例(渋沢栄一氏談)(DK210132k-0004)
第21巻 p.748 ページ画像

中央新聞  第六〇七五号 明治三五年二月二三日
    新会議所条例 (渋沢栄一氏談)
今回議会に提出せる商業会議所条例は、銀行条例の如き突然発表されしに非ず、現に全国各商業会議所に改正事項の意見を徴したる外に、箇人として自分も種々其筋の諮問に接せるを以て、夫々本件に通暁する諸氏と熟議を凝らして、答申に及びたるが、扨て発表されし条文を閲読すれば、採用の箇条もあり、又然らざる箇条もありて、悉く自分の所見に符合せりとは称し難く、殊に注文中に今一歩進みたる条例の希望なきに非らず、而して其注文の要点は一にして足らずと雖も、先づ
  △全国聯合会の権限
を法文に認めざる事是なり、即ち旧条例に比すれば新法は多少選挙方法・事務権限・選挙権・被選挙権・経費徴収等に対し、其範囲の拡張したるを見るも、聯合会の議決権に就ては全然之を除却されたり、然るに本項に関する其筋の意見を聞くに同一法文の下に組織せるに拘らず、商業会議所中には地方商工業の繁閑に依り同一程度の事情を以て律すべからざる関係ありて、各地より代表せる委員の議決権を孰れも同等に規定する能はざると共に、農商工高等会議の存立する今日、万一前者に議決権を許容すれば、後者は益々効力を失するに至るを以て旁々之れを刪除せりと謂へり、其他会議所が
  △公共事業の諮問
を受くる件の規定を希望せるが如し、仮ば道路・鉄道を始めとし取引所の設立等に於ける経営に対し、其地の会議所が其利害の諮問に応ずべき権能を定むるにあり、然れども其筋にては此権能を付与するを以て、却て幾多の情弊を誘起するを恐るゝものゝ如く、従つて何等の規定をも見受けざるなり、尤も以上二件の箇条には是迄当局者に時々会見して交渉を重ねた結果なれば、爰に至つて各会議所員は、絶対的に異論を挟むものもなかるべし、去りとて
  △新法は完全無欠
なりとは固より信ずる能はざるも、大体に於て現時の情勢より察すれば、改正条例としては余程穏当なる箇条が尠なからざるゆゑ、自分一箇の考案を以てすれば、当分は此辺にて我慢するも敢て差支なく、無事に議会の通過を欲するなり云々


渋沢栄一 日記 明治三五年(DK210132k-0005)
第21巻 p.748 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三五年     (渋沢子爵家所蔵)
三月十一日 晴
○上略 午飧後三時東京商業会議所ニ抵リ、役員会ヲ開ク ○下略

 - 第21巻 p.749 -ページ画像 

東京商業会議所報告 第一〇三号・第三〇頁 明治三五年一二月刊(DK210132k-0006)
第21巻 p.749 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇三号・第三〇頁 明治三五年一二月刊
○第百九十三回役員会議 三月十一日開
 出席者
  渋沢栄一君   大倉喜八郎君
  馬越恭平君   井上角五郎君
  加藤正義君   藤山雷太君
午後四時十分開議、左ノ事項ヲ決議セリ
 一 商業会議所法案貴族・衆議両院ヲ通過シタルニ付、其施行ノ順序・手続等協議ノ為メ、予テ各地会議所上京委員ノ申合ニ基キ京都・大阪・横浜・神戸・名古屋・仙台及東京ノ七会議所発起人トナリ、東京ニ於テ臨時商業会議所聯合会ヲ開設スルモノトシ、前記七会議所ニ其同意ヲ求ムル事
 一 右聯合会ニ於テ協議スヘキ商業会議所法施行上ニ関スル事項ノ調査ヲ井上角五郎君ニ委託スル事
○中略
午後六時二十分閉会
   ○臨時商業会議所聯合会ハ是年四月四日ヨリ八日マデ当会議所ニ於テ開催セラレタリ。


渋沢栄一 日記 明治三五年(DK210132k-0007)
第21巻 p.749 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三五年     (渋沢子爵家所蔵)
四月九日 雨
○上略 九時半東京商業会議所ニ抵リ、臨時会議ヲ開ク、議事畢テ役員会ヲ開ク ○下略


東京商業会議所報告 第一〇三号・第七―九頁 明治三五年一二月刊(DK210132k-0008)
第21巻 p.749 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇三号・第七―九頁 明治三五年一二月刊
○第百十三回臨時会議 四月九日開
 出席者
  馬越恭平君 ○外二十七名氏名略
午前十時十五分開議
会頭渋沢栄一君議長席ニ就キ、先ツ井上角五郎君ヨリ臨時商業会議所聯合会ノ議事ニ関スル報告アリ、猶審議ノ末、該聯合会決議事項ノ処分ニ関シ左ノ如ク決議ヲ為セリ
 一 商業会議所法施行上ニ関スル件
 一 諸法律規則改正ニ関スル件
以上二件ハ全然聯合会ノ決議ヲ是認シ、本会議所ニ於テモ其決議ノ趣旨ニ基キ政府ニ建議スルモノトシ、其文章ノ起草ハ役員会議ニ一任スルニ決ス
○中略
午前十時三十分閉会


東京商業会議所報告 第一〇三号・第四一頁 明治三五年一二月刊(DK210132k-0009)
第21巻 p.749 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇三号・第四一頁 明治三五年一二月刊
○中略
○同月同日 ○四月一二日 商業会議所法施行ニ関スル義ニ付、農商務大臣ヘ建議書ヲ呈出ス(建議書ノ全文ハ参照ノ部第一〇号ニ掲載ス)
 - 第21巻 p.750 -ページ画像 


東京商業会議所報告 第一〇三号・第六七―六八頁 明治三五年一二月刊(DK210132k-0010)
第21巻 p.750-751 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇三号・第六七―六八頁 明治三五年一二月刊
○参照第一〇号
 四月十二日商業会議所法施行ニ関スル義ニ付、農商務大臣ヘ呈出シタル建議書ノ全文ハ左ノ如シ
    商業会議所法施行ニ関スル義ニ付建議
過般東京ニ開設セル商業会議所聯合会ニ於テハ、商業会議所法施行上ニ関スル各種事項ニ付種々協議ノ末、別紙調査報告ヲ可決シタルニ付仰キ願クハ閣下各地会議所ノ希望ノ在ル所ヲ察セラレ、速ニ之ヲ採納セラレンコトヲ
右本会議所ノ決議ニ依リ別紙相添ヘ建議仕候也
  明治三十五年四月十二日
          東京商業会議所会頭 男爵 渋沢栄一
    農商務大臣 男爵 平田東助殿
(別紙)
    調査報告
商業会議所法施行順序ニ付調査委員会開会、当該局長及局員ニモ出席セラレ詳細ニ説明アリ、各種事項ニ付キ協議シタレトモ、地方ノ状況ニヨリ意見一定セサル者少カラス、一、議員選挙方法ハ普通選挙ニテ単記投票ト連記投票トヲ望ム者相半ハシ、階級選挙ヲ望ム者亦少カラス、一、有権者一人ニシテ二箇以上ノ権利ヲ有セストノ条項ニ対シテハ、投票ハ一箇ナルモ其資格全体ヲ合算シタル者ニ経費ヲ賦課スヘシト云フアリ、多クハ法律各号ノ順序ニヨリ又ハ経費負担額ノ多キ者ニヨリ一ヲ選テ之ニ経費ヲ賦課スヘシト為セリ、一、特別議員ノ議決権ハ無制限ナリトスルモノ多ク、但シ経費予算ニ対シテハ権利ヲ与フヘカラストスル者亦少カラス、一、選挙取締ハ衆議院議員選挙取締ト同一ニスルヲ以テ充分ナリトスル者多シ、一、会社重役・社員等ニシテ自然法律ノ解釈上二会議所乃至其以上ノ有権者トナルコトアルモ、実際ニ於テハ不便ナリトスルカ故ニ、相当ノ命令ヲ以テ之ヲ一会議所ノ有権者ト限ル事ヲ望ム者アリタリ
此外本調査委員会ノ特ニ決議シタルモノハ之ヲ別記ス
右及報告候也
  明治三十五年四月七日
            商業会議所法施行上ニ関スル件
                調査委員長 井上角五郎
    全国商業会議所聯合会
      会長 大倉喜八郎殿
(別記)
 一 商業会議所法第九条ノ営業税・所得税資本額ヲ以テ有権資格ヲ定ムルニハ地方ノ状況ニヨリ凡ソ三等ニ区別スルヲ適当トナス
    営業税有権資格
      五円以上
      十円以上
      十五円以上
 - 第21巻 p.751 -ページ画像 
    所得税有権資格
      三円以上
      七円以上
      十円以上
    資本額有権資格
      五千円以上
      五万円以上
      十万円以上
 一 前条ノ制限ハ仮ニ三等ニ分ツト雖トモ、若シ法律カ之ヲ許スモノトセハ、命令ノ定ムル制限ハ極メテ概数ニ止メ、定款ニヨリ其範囲内ニテ取捨セラルヘキヲ望ム、又鉱業税・取引所税ニ付テハ大要前条ノ制限ニ比準シテ決定セラルヽコトヲ望ム
 一 商業会議所経費ノ負担ハ営業税・取引所税・鉱業税ハ各々其幾分ノ一トシ、会社重役・社員等ハ平等割トシ、共ニ最高限ヲ定メラルヽハ妨ケナシト雖トモ、成ルヘク地方ノ状況ニヨリ其制限ノ範囲ヲ広クセラレンコトヲ望ム
 一 政府当局者ハ標準定款ヲ作リ、参考トシテ之ヲ各会議所ニ下附セラレンコトヲ望ム


東京商業会議所報告 第一〇三号・第八―九頁 明治三五年一二月刊(DK210132k-0011)
第21巻 p.751 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇三号・第八―九頁 明治三五年一二月刊
○第百十四回臨時会議 六月十日開
 出席者
  小林義則君 ○外三十九名氏名略
午後四時五十分開議
会頭渋沢栄一君欠席ノ為メ、大倉副会頭議長席ニ就キ、先ツ左ノ件々ヲ報告ス
 一 商業会議所法施行上ニ関スル義ニ付建議ノ件
    去四月九日臨時会議ノ決議ニ基キ、同月十二日附ヲ以テ商業会議所法施行上ニ関スル義ニ付、農商務大臣ニ建議書ヲ進達シタリ
   ○栄一、五月十五日欧米旅行ノ途ニ上リ十月三十一日帰国ス。


東京商業会議所報告 第一〇三号・第四三頁 明治三五年一二月刊(DK210132k-0012)
第21巻 p.751 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇三号・第四三頁 明治三五年一二月刊
○七月三日 商業会議所法施行ノ義ニ付、東京府ヨリ通達書ヲ接受ス
   ○本巻明治三十四年九月十五日、同年十一月七日ノ両条、並ニ本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十二年十月十三日、同三十三年五月十九日、同三十五年十二月九日ノ各条参照。



〔参考〕法令全書 明治三五年上巻 内閣印刷局編 刊 法律第三十一号(官報三月二十五日)商業会議所法(DK210132k-0013)
第21巻 p.751-756 ページ画像

法令全書 明治三五年上巻  内閣印刷局編 刊
法律第三十一号(官報三月二十五日)
    商業会議所法
第一条 商業会議所ハ法人トス
第二条 商業会議所ノ地区ハ市ノ区域ニ依ル、但シ特別ノ事情アル場合ニ於テハ市ト市町村、又ハ町ト町村ヲ合シテ一地区ト為スコトヲ
 - 第21巻 p.752 -ページ画像 

第三条 商業会議所ヲ設立セムトスルトキハ、議員ノ被選挙権ヲ有スヘキ者三十人以上発起人ト為リ、発起ノ認可ヲ農商務大臣ニ申請スヘシ
第四条 発起人前条ノ認可ヲ受ケタルトキハ、定款ヲ作リ議員ノ選挙権ヲ有スヘキ者三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ、設立ノ認可ヲ農商務大臣ニ申請スヘシ
第五条 商業会議所ハ設立ノ認可ヲ受ケタル日ニ於テ成立ス
 商業会議所成立ノ後役員ノ認可アル迄ノ間、必要ナル事務ハ発起人之ヲ行フ
第六条 定款ニハ左ノ事項ヲ記載スヘシ
 一 名称・地区及所在地
 二 議員ノ定数及其ノ選挙ニ関スル規定
 三 役員ノ権限・選任及解任ニ関スル規定
 四 会議ニ関スル規定
 五 仲裁ニ関スル規定
 六 庶務ニ関スル規定
 七 会計ニ関スル規定
 八 営造物ヲ設立シ又ハ管理スルトキハ、其ノ管理ニ関スル規定
第七条 商業会議所ノ事務権限左ノ如シ
 一 商工業ノ発達ヲ図ルニ必要ナル方案ヲ調査スル事
 二 商工業ニ関スル法規ノ制定・改廃・施行ニ関シ意見ヲ行政庁ニ開申シ、及商工業ノ利害ニ関スル意見ヲ表示スル事
 三 商工業ニ関スル事項ニ関シ、行政庁ノ諮問ニ応スル事
 四 商工業ノ状況及統計ヲ調査・発表スル事
 五 商工業者ノ委嘱ニ因リ商工業ニ関スル事項ヲ調査シ、又ハ商品ノ産地・価格等ヲ証明スル事
 六 官庁ノ命ニ因リ商工業ニ関スル鑑定人又ハ参考人ヲ推薦スル事
 七 関係人ノ請求ニ因リ商工業ニ関スル紛議ヲ仲裁スル事
 八 農商務大臣ノ認可ヲ受ケ商工業ニ関スル営造物ヲ設立シ、又ハ管理シ、其ノ他商工業ノ発達ヲ図ルニ必要ナル施設ヲ為ス事
第八条 農商務大臣又ハ地方長官ハ、商工業ニ関スル事項ノ調査ヲ商業会議所ニ命スルコトヲ得
第九条 帝国臣民又ハ帝国法律ニ依リ設立シタル法人ニシテ、商業会議所ノ地区内ニ主タル営業所又ハ事務所ヲ有シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ、議員ノ選挙権ヲ有ス、但シ合名会社ニ在リテハ社員ノ半数以上、合資会社及株式合資会社ニ在リテハ無限責任社員ノ半数以上、株式会社ニ在リテハ取締役ノ半数以上帝国臣民タルコトヲ要ス
 一 自己ノ名ヲ以テ商法第二百六十三条、第二百六十四条第一号・第三号乃至第六号及第八号乃至第十二号ニ掲ケタル行為ヲ為スコトヲ業トシ、営業税ヲ納ムル者
 二 自己ノ名ヲ以テ製造及加工ニ関スル行為ヲ為スコトヲ業トシ、営業税ヲ納ムル者
 三 取引所税ヲ納ムル取引所
 - 第21巻 p.753 -ページ画像 
 四 鉱業税ヲ納ムル鉱業権者
 前項納税ノ額ニ関スル制限ハ地方ノ状況ニ依リ命令ヲ以テ之ヲ定ム帝国法律ニ依リ設立シタル法人ニシテ商業会議所ノ地区内ニ営業所又ハ事務所ヲ有シ、第一項各号ノ一ニ該当スルモノノ業務ヲ執行スル社員・取締役・理事長・理事又ハ登記シタル支配人ニシテ、所得税ヲ納ムル帝国臣民ハ、其ノ主トシテ職務ニ従事スル営業所又ハ事務所ノ所在地ニ於テ議員ノ選挙権ヲ有ス
 前項納税ノ額及法人ノ資本額又ハ財産ヲ目的トスル出資額ニ関スル制限ハ地方ノ状況ニ依リ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ選挙権ヲ有セス
 一 身代限ノ処分ヲ受ケ債務ノ弁償ヲ終ヘサル者及家資分散、又ハ破産ノ宣告ヲ受ケ其ノ確定シタル時ヨリ復権ノ決定確定スルニ至ル迄ノ者
 二 剥奪公権者及停止公権者
 三 禁錮以上ノ刑ノ宣告ヲ受ケタル時ヨリ其ノ裁判確定スルニ至ル迄ノ者
第十一条 一人ニシテ同一商業会議所ノ議員ノ選挙ニ関シ二以上ノ選挙権ヲ有スルコトヲ得ス
第十二条 法人及年齢三十歳以上ノ男子ニシテ二箇年以来議員ノ選挙権ニ関スル要件ヲ具備スル者ハ議員ノ被選挙権ヲ有ス、但シ合名会社ニ在リテハ社員ノ全員、合資会社及株式合資会社ニ在リテハ無限責任社員ノ全員、株式会社ニ在リテハ取締役ノ全員帝国臣民タルコトヲ要ス
第十三条 第十条各号ノ一ニ該当スル者並禁治産者及準禁治産者ハ被選挙権ヲ有セス
第十四条 議員ノ定数ハ五十人以下トス
第十五条 商業会議所ハ定款ノ定ムル所ニ依リ議員定数ノ五分ノ一ヲ超エサル特別議員ヲ置クコトヲ得
 地方長官ハ議員定数ノ五分ノ一ヲ超エサル特別議員ヲ命スルコトヲ得
 特別議員ハ決議ニ加ハルコトヲ得、但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラス
 特別議員ハ年齢三十歳以上ノ帝国臣民タル男子ニシテ、商工業ニ関スル学術・技芸又ハ経験アル者タルコトヲ要ス
第十六条 議員ノ選挙ニ関シテハ複選挙・階級選挙其ノ他ノ方法ニ依ルコトヲ得
 議員選挙人ノ選挙ニ関シテハ議員ノ選挙ニ関スル規定ヲ準用ス
第十七条 議員ノ選挙事務ハ地方長官ノ命シタル選挙委員之ヲ行フ、其ノ費用ハ商業会議所ノ負担トス
 地方長官ハ選挙事務ヲ監督ス
第十八条 議員ノ選挙ハ選挙人自ラ之ヲ行フヘシ、但シ法人・女子及無能力者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ代人ヲ以テ之ヲ行フ
第十九条 議員及議員選挙人選挙ノ方法・手続及取締ニ関スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
 - 第21巻 p.754 -ページ画像 
第二十条 議員当選者ハ地方長官、議員ハ会頭ニ於テ正当ノ事由アリト認メタル場合ヲ除クノ外、商業会議所ノ決議ヲ経ルニ非サレハ当選ヲ辞シ又ハ其ノ職ヲ辞スルコトヲ得ス
第二十一条 議員タル法人ハ其ノ代表者ヲ定ムヘシ
 代表者ハ業務ヲ執行スル社員・取締役・理事長又ハ理事ニシテ年齢三十歳以上ノ男子タルコトヲ要ス
 第十三条ニ該当スル者ハ代表者タルコトヲ得ス
第二十二条 一人ニシテ同一商業会議所ニ於テ二以上ノ法人ノ代表者ト為リ、又ハ議員ト代表者トヲ兼ヌルコトヲ得ス
第二十三条 議員及特別議員ハ無給トス
第二十四条 議員ノ任期ハ四箇年トシ、二箇年毎ニ其ノ半数ヲ改選ス若シ二分シ難キトキハ初回ニ於テ多数ノ一半ヲ改選ス
 初回ノ改選期及減員ノ場合ニ於テ解任者ヲ定ムル方法ハ定款ヲ以テ之ヲ定ム
第二十五条 補闕議員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス、増員議員ノ任期ハ現任者ノ任期ヲ超ユルコトヲ得ス、議員増減ノ為必要ナル任期ノ異動ハ定款ヲ以テ之ヲ定ム
第二十六条 特別議員ハ議員ノ半数改選期毎ニ解任ス
第二十七条 議員ニシテ被選挙権ヲ有セサル者ハ其ノ職ヲ失フ
第二十八条 商業会議所ニ左ノ役員ヲ置ク
 会頭    一人
 副会頭
 会頭ハ商業会議所ヲ統轄シ、其ノ事務ヲ担任シ、会議ノ議長ト為リ商業会議所ヲ代表ス
 副会頭ハ会頭ヲ輔佐シ、会頭事故アルトキハ之ヲ代理ス
 商業会議所ニハ定款ノ定ムル所ニ依リ会頭・副会頭ノ外必要ナル役員及事務員ヲ置クコトヲ得
 役員ハ議員中ヨリ之ヲ互選シ、農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
 役員ニシテ議員ノ職ヲ失ヒタルトキハ解任ス、但シ定款ノ定ムル所ニ依リ後任者ノ認可アル迄其ノ職務ヲ行フコトヲ得
第二十九条 商業会議所ハ商工業ノ状況及統計ノ調査ノ為必要ナル材料ノ提出ヲ商工業者ニ請求スルコトヲ得
第三十条 商業会議所ノ経費ハ議員ノ選挙権ヲ有スル者ニ於テ之ヲ負担ス
 選挙権ヲ停止セラレタル者ハ停止中ト雖、経費ヲ負担ス
第三十一条 商業会議所ハ定款ノ定ムル所ニ依リ使用料若ハ手数料ヲ徴収シ、又ハ実費ノ弁償ヲ受クルコトヲ得
 前項ノ収入ニ関シテハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十二条 商業会議所ハ其ノ決議ヲ以テ職務ヲ怠リ其ノ他不正ノ行為アリタル議員ニ二百円以下ノ過怠金ヲ課シ、又ハ之ヲ除名スルコトヲ得
第三十三条 経費又ハ過怠金ヲ滞納シ督促ヲ受クルモ尚之ヲ完納セサルトキハ国税滞納処分ノ例ニ依リ之ヲ徴収スルコトヲ得
 前項ノ徴収金ハ市町村其ノ他之ニ準スヘキモノノ徴収金ニ次テ先取
 - 第21巻 p.755 -ページ画像 
特権ヲ有シ、其ノ追徴還付時効ニ関シテハ国税ノ例ニ依ル
 滞納処分ハ滞納者住所地ノ市参事会・町村長之ヲ行フ
第三十四条 商業会議所ハ滞納又ハ除名ノ処分ヲ受ケタル者ニ対シ、其ノ決議ヲ以テ、四箇年以内選挙権及被選挙権ヲ停止スルコトヲ得
第三十五条 左ノ決議ハ議員三分ノ二以上出席シ、其ノ三分ノ二以上ノ同意アルニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス
 一 定款変更ノ決議
 二 第三十二条・第三十四条及第四十二条第一項ノ決議
 前項ノ決議及経費ノ予算、賦課徴収方法ノ決議ハ農商務大臣ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ効力ヲ生セス
第三十六条 商業会議所ハ経費ノ決算ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 商業会議所ハ毎年少クトモ一回其ノ事業成蹟ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
第三十七条 商業会議所解散ノ決議ハ議員総数ノ三分ノ二以上ノ同意アルニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス
 前項ノ決議ハ農商務大臣ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ効力ヲ生セス
第三十八条 商業会議所ハ解散ノ後ト雖、清算ノ目的ノ範囲内ニ於テハ尚存続スルモノト看做ス
第三十九条 商業会議所解散シタルトキハ其ノ決議ヲ以テ清算人ヲ選任スヘシ、清算人欠ケタルトキ亦同シ、清算人ヲ選任シタルトキハ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ
第四十条 前条ノ規定ニ依リ清算人タル者ナキトキハ地方長官清算人ヲ選任ス
第四十一条 清算人ハ商業会議所ヲ代表シ、清算ヲ為スニ必要ナル一切ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
第四十二条 清算人ハ清算及財産処分ノ方法ヲ定メ、商業会議所ノ決議ヲ経ヘシ
 商業会議所前項ノ決議ヲ為サス又ハ為スコト能ハサルトキハ、清算人ハ農商務大臣ノ認可ヲ受ケ清算及財産処分ノ方法ヲ定ムヘシ
第四十三条 商業会議所ハ解散ノ後ト雖、其ノ債務ヲ完済スルニ必要ナル金額ヲ賦課徴収スルコトヲ得
 前項ノ賦課徴収ニ関シテハ第三十条及第三十三条ノ規定ヲ準用ス
第四十四条 農商務大臣ハ必要ト認ムルトキハ、定款、経費ノ予算及賦課徴収方法、清算及財産処分方法ノ変更ヲ命シ、其ノ他必要ナル命令ヲ発シ、又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第四十五条 議員ノ選挙、商業会議所ノ決議・行為、又ハ役員・清算人ノ行為ニシテ、法令若ハ定款ニ違背シ、又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ、農商務大臣ハ選挙若ハ当選ノ取消、役員・清算人・議員若ハ特別議員ノ停職若ハ解任、商業会議所ノ決議・行為若ハ役員・清算人ノ行為ノ停止若ハ取消、又ハ商業会議所ノ解散ヲ命スルコトヲ得
 農商務大臣ハ前項ニ依リ解任セラレタル議員又ハ役員及不正ノ行為ニ因リ当選ヲ取消サレタル者ニ対シ、四箇年以内選挙権及被選挙権
 - 第21巻 p.756 -ページ画像 
ヲ停止スルコトヲ得
第四十六条 選挙権及被選挙権ヲ停止セラレタル者ハ其ノ停止中議員特別議員又ハ法人ノ代表者タルコトヲ得ス
第四十七条 農商務大臣ハ本法ニ規定シタル職権ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第四十八条 本法中市町村・市参事会・町村長ニ関スル規定ハ市制町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ之ニ準スヘキモノニ之ヲ準用ス
   附則
第四十九条 本法ハ明治三十五年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
 商業会議所条例ハ之ヲ廃止ス、但シ同条例ニ依リ設立シタル商業会議所ニ関シテハ、本法ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外第五十二条ノ認可ヲ受クル迄其ノ効力ヲ有ス
第五十条 商業会議所条例ニ依リ設立シタル商業会議所ニシテ本法施行後継続セムトスルモノハ、本法ノ規定ニ従ヒ議員ノ定数・選挙方法其ノ他選挙ニ関スル必要ナル規定ヲ議定シ、農商務大臣ノ認可ヲ受ケ、明治三十六年三月三十一日迄ニ議員ノ選挙ヲ為スヘシ
 前項ノ選挙及之ニ依リ選挙セラレタル議員ニ関シテハ、本法及本法ニ基ツキテ発スル命令ノ規定ヲ適用ス
第五十一条 商業会議所条例ニ依リ設立シタル商業会議所ノ会員及特別会員ニシテ本法施行ノ際其ノ職ニ在ル者ノ任期ハ前条第一項ノ選挙終了ノ日迄トス
第五十二条 第五十条第一項ノ選挙ニ当選シタル議員ハ選挙終了ノ日ヨリ三十日以内ニ本法ノ規定ニ従ヒ定款ヲ議定シ、及役員ヲ選任シ農商務大臣ノ認可ヲ申請スヘシ
 商業会議所条例ニ依リ設立シタル商業会議所ハ第二条ノ規定ニ拘ラス従前ノ地区ニ依ルコトヲ得
第五十三条 商業会議所条例ニ依リ設立シタル商業会議所ノ役員ノ任期ハ前条第一項ニ依リ選任シタル役員認可ノ日迄トス
第五十四条 商業会議所条例ニ依リ設立シタル商業会議所ニシテ、第五十二条第一項ノ認可ヲ受ケタルモノハ本法ニ依リテ設立シタルモノト看做ス
 商業会議所条例ニ依リ設立シタル商業会議所第五十条第一項又ハ第五十二条第一項ニ定メタル手続ヲ為ササルトキハ解散シタルモノト看做ス、此ノ場合ニ於テハ第三十八条乃至第四十五条ノ規定ヲ適用ス



〔参考〕法令全書 明治三五年上巻 内閣印刷局編 刊 農商務省令第十四号(DK210132k-0014)
第21巻 p.756-759 ページ画像

法令全書 明治三五年上巻  内閣印刷局編 刊
 農商務省令第十四号
商業会議所法施行規則左ノ通相定ム
  明治三十五年六月二十七日
            農商務大臣 男爵 平田東助
    商業会議所法施行規則
 第一条 商業会議所発起ノ認可ヲ申請セムトスルトキハ、申請書又ハ其ノ附属書類ニ左ノ事項ヲ記載シ、発起人連署シテ之ヲ農商務
 - 第21巻 p.757 -ページ画像 
大臣ニ差出スヘシ
  一 商業会議所設立ノ理由
  二 地区
  三 議員ノ選挙権ヲ有スヘキ者及被選挙権ヲ有スヘキ者ノ数
  四 発起人カ議員ノ被選挙権ヲ有スヘキ資格
  五 創立費予算
  六 市ト市町村又ハ町ト町村ヲ合シテ一地区ト為サムトスルトキハ其ノ特別ノ事情
  前項ノ外発起人ハ農商務大臣ノ命ニ依リ商工業ノ状況其ノ他必要ナル事項ヲ記載シタル書類ヲ差出スヘシ
  市ト市町村、又ハ町ト町村ヲ合シテ一地区ト為サムトスル場合ニ於テハ各市町村ニ少クトモ一人ノ発起人アルコトヲ要ス
 第二条 発起人発起ノ認可ヲ受ケタル日ヨリ六箇月以内ニ設立ノ認可ヲ申請セサルトキハ、発起ノ認可ハ其ノ効力ヲ失フ
  発起人ノ行為ニシテ法令ニ違背シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ農商務大臣ハ発起ノ認可ヲ取消スコトアルヘシ
 第三条 発起人設立ノ認可ヲ申請セムトスルトキハ、申請書ニ定款及一年度経費ノ予定額並議員ノ選挙権ヲ有スヘキ者三分ノ二以上カ之ニ同意シタルコトヲ証スル書類ヲ添附シテ、農商務大臣ニ差出スヘシ
  市ト市町村又ハ町ト町村ヲ合シテ一地区ト為サムトスル場合ニ於テハ、各市町村ニ付キ議員ノ選挙権ヲ有スヘキ者三分ノ二以上ノ同意ヲ得タルコトヲ要ス
 第四条 農商務大臣商業会議所設立ノ認可ヲ与ヘタルトキハ、其ノ名称・地区及所在地ヲ告示スヘシ
 第五条 発起人ハ議員選挙終了後遅滞ナク商業会議所ノ会議ヲ開キ其ノ執行シタル事務ヲ報告シ、且創立費決算ノ承認ヲ求ムヘシ
  発起人ハ第一項ノ承認ヲ経タル創立費決算ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 第六条 役員ノ認可アリタルトキハ発起人ハ遅滞ナク一切ノ書類・物件及事務ヲ役員ニ引継クヘシ
 第七条 商業会議所ハ議員ノ当選者アル毎ニ其ノ氏名・職業・身分住所・生年月・納税種目及納税額ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ、但シ法人ニ関シテハ其ノ名称・目的・住所・設立ノ年月日・資本額又ハ財産ヲ目的トスル出資額・納税種目及納税額ヲ報告スヘシ
  商業会議所法第九条第三項ニ依リ議員ノ被選挙権ヲ有スル者当選シタルトキハ、前項ノ外其ノ主トシテ職務ニ従事スル法人ノ目的納税種目・納税額及資本額又ハ財産ヲ目的トスル出資額並其ノ法人ニ於ケル地位ヲ報告スヘシ
  階級・選挙区又ハ業種ニ分チテ選挙ヲ行ヒタル場合ニ於テハ、前二項ノ外当選者ノ属スル階級・選挙区又ハ業種ヲ報告スヘシ
  特別議員ノ選定又ハ任命アリタルトキハ、商業会議所ハ履歴書ヲ添付シ、其ノ氏名・職業・身分・住所・生年月ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 - 第21巻 p.758 -ページ画像 
 第八条 議員又ハ特別議員ノ退任アリタルトキハ、其ノ事由及氏名ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ、但シ農商務大臣ニ於テ解任ヲ命シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
 第九条 法人議員ニ当選シタルトキハ、当選確定ノ日ヨリ二十日以内ニ代表者ノ氏名、其ノ法人ニ於ケル地位・身分・住所及生年月ヲ商業会議所ニ届出ツヘシ、代表者変更ノ場合亦同シ
  商業会議所ハ前項届出ノ事項ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 第十条 第七条及第九条ニ依リ報告シタル事項ニ変更アリタルトキハ之ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 第十一条 商業会議所役員ヲ選任シタルトキハ、其ノ履歴書ヲ添附シ、認可申請書ヲ農商務大臣ニ差出スヘシ
  役員ノ退任アリタルトキハ其ノ事由及氏名ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ、但シ農商務大臣ニ於テ解任ヲ命シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
 第十二条 商業会議所ハ毎月一回其ノ前月中ニ執行シタル事務ノ要領ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 第十三条 商業会議所ニ於テ商業会議所法第七条・第八号ノ認可ヲ申請セムトスルトキハ、申請書ニ其ノ理由ヲ記載シ事業ノ計画及費用ニ関スル詳細ノ調書ヲ添附シ、之ヲ農商務大臣ニ差出スヘシ
 第十四条 商業会議所ノ経費ハ資本金額ヲ標準トシテ之ヲ賦課スルコトヲ得ス
  納税額ヲ標準トシテ経費ヲ賦課スル場合ニ於テハ、営業税及鉱業税ニ在リテハ其ノ百分ノ二十五、取引所税ニ在リテハ其ノ百分ノ一ヲ超ユルコトヲ得ス
  人頭割ハ等級ヲ定メテ之ヲ賦課スルコトヲ得
  商業会議所法第九条第三項ニ依リ選挙権ヲ有スル者ニ対シテハ、人頭割ニ依ルノ外経費ヲ賦課スルコトヲ得ス、但シ同時ニ商業会議所法第九条第一項各号ノ一ニ該当スル者ハ此ノ限ニ在ラス
 第十五条 商業会議所ハ其ノ会計年度二箇月前ニ経費ノ予算及賦課徴収方法ノ認可ヲ農商務大臣ニ申請スヘシ、但シ創立ノ場合ニ於テハ決議ノ日ヨリ七日以内ニ認可ヲ申請スルコトヲ要ス
  経費予算及賦課徴収方法ノ変更ノ認可ハ決議ノ日ヨリ七日以内ニ之ヲ申請スヘシ
 第十六条 経費ノ決算ハ財産目録ヲ添附シ、会計年度経過後四箇月以内ニ之ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 第十七条 商業会議所解散シタルトキハ、農商務大臣之ヲ告示スヘシ
 第十八条 商業会議所清算人ヲ選任シタルトキハ、其ノ履歴書ヲ添ヘ、遅滞ナク認可申請書ヲ地方長官ニ差出スヘシ
 第十九条 地方長官前条ノ認可ヲ与ヘ又ハ清算人ヲ選任シタルトキハ、其ノ氏名ヲ告示スヘシ
 第二十条 清算人ハ就職ノ日ヨリ六箇月以内ニ清算及財産処分ノ方法ヲ定メ、之ヲ商業会議所ノ決議ニ附スヘシ
  前項ノ清算及財産処分ノ方法ニシテ商業会議所ノ決議ヲ経タルト
 - 第21巻 p.759 -ページ画像 
キハ、財産目録及貸借対照表ヲ添附シ、七日以内ニ認可申請書ヲ農商務大臣ニ差出スヘシ
  商業会議所第一項ノ期間内ニ決議ヲ為サス又ハ為スコト能ハサルトキハ、清算人ハ其ノ事由ヲ具シ財産目録及貸借対照表ヲ添附シ期間経過後七日以内ニ認可申請書ヲ農商務大臣ニ差出スヘシ
 第二十一条 清算結了シタルトキハ、清算人ハ其ノ結果ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
  前項ノ報告書ニハ商業会議所ニ属スル帳簿其ノ他ノ書類及清算ニ関スル一切ノ書類ヲ添付スヘシ
 第二十二条 商業会議所法第三十五条第一項又ハ第三十七条ノ決議ニ関スル認可申請書ニハ、法定ノ同意ヲ得タルコトヲ証スル書類ヲ添附スヘシ
 第二十三条 商業会議所法又ハ本令ニ依リ農商務大臣ニ差出スヘキ書類ハ地方長官ヲ経由スヘシ
 第二十四条 本令ハ商業会議所法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス



〔参考〕法令全書 明治三五年上巻 内閣印刷局編 刊 農商務省令第十五号(DK210132k-0015)
第21巻 p.759-764 ページ画像

法令全書 明治三五年上巻  内閣印刷局編 刊
 農商務省令第十五号
商業会議所議員選挙規則左ノ通相定ム
  明治三十五年六月二十七日
            農商務大臣 男爵 平田東助
    商業会議所議員選挙規則
 第一条 商業会議所ニ於テ階級選挙ヲ行ハムトスルトキハ、定款ノ定ムル所ニ依リ選挙権者ヲ三級又ハ二級ニ分ツヘシ
  前項ノ場合ニ於テハ商業会議所法第九条第三項ニ依リ選挙権ヲ有スル者ハ別ニ之ヲ一階級ト為スヘシ、若シ其ノ数一階級ヲ為スニ足ラサルトキハ、定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ前項ニ依リテ定メタル各級ニ編入スルコトヲ得
 第二条 選挙権者ヲ分チテ三級ト為ス場合ニ於テハ、選挙権者中経費ノ納額最モ多キ者ヲ合セテ経費総額ノ三分一ニ当ルヘキ者ヲ一級トシ、一級以外ノ選挙権者中経費ノ納額多キ者ヲ合セテ経費総額ノ残余ノ一半ニ当ルヘキ者ヲ二級トシ、爾余ノ選挙権者ヲ三級トス
  選挙権者ヲ分チテ二級ト為ス場合ニ於テハ、選挙権者中経費ノ納額最モ多キ者ヲ合セテ経費総額ノ半ニ当ルヘキ者ヲ一級トシ、爾余ノ選挙権者ヲ二級トス
  前条第二項ニ依リ一階級ヲ作リタル場合ニ於テハ之ニ属スル選挙権者ノ経費納額ヲ経費総額ヨリ控除シタル残額ヲ以テ前二項ノ経費総額ト看做ス
  各級ノ間経費ノ納額両級ニ跨ル者アルトキハ上級ニ入ルヘシ、両級ノ間ニ納額同シキ者二名以上アルトキハ選挙権ニ関スル要件ヲ具備シタル年数ノ多キ者ヲ上級ニ入ル、其ノ年数ニ依リ難キトキハ年齢ニ依リ、年齢ニ依リ難キトキハ商業会議所ニ於テ抽籤ヲ以テ之ヲ定ムヘシ
 - 第21巻 p.760 -ページ画像 
 第三条 経費納額ニ依リ階級ヲ分ツコト能ハサル場合ニ於テハ、商業会議所法第九条ノ納税額ニ依リ前条ノ規定ニ準シテ選挙権者ヲ分ツヘシ、但シ取引所税ニ関シテハ其ノ二十五分一ヲ以テ納税額ト看做ス
  一人ニシテ商業会議所法第九条第一項各号ノ税ヲ納ムル者ハ其ノ納税額ヲ通算スヘシ
 第四条 選挙権者ヲ分チテ三級ト為シタル場合ニ於テハ、選挙権者ハ毎級各別ニ議員三分一ヲ選挙シ、選挙権者ヲ分チテ二級ト為シタル場合ニ於テハ、選挙権者ハ毎級各別ニ議員二分一ヲ選挙ス
  第一条第二項ニ依リ一階級ヲ作リタル場合ニ於テハ、定款ヲ以テ其ノ階級ヨリ選挙スヘキ議員ノ数ヲ定メ、残余ノ議員ニ関シテ前項ノ規定ヲ準用ス
 第五条 階級選挙法ニ依ル場合ニ在リテハ、定款ノ定ムル所ニ依リ改選期ニ於テ各級ヨリ議員ノ各半数ヲ改選スヘシ
 第六条 商業会議所ハ定款ノ定ムル所ニ依リ選挙区又ハ投票区ヲ設クルコトヲ得
  各選挙区ニ於テ選挙スヘキ議員数ハ各区ニ於ケル選挙権者ノ数ニ応シ定款ヲ以テ之ヲ定ムヘシ
 第七条 複選挙法ニ依ル場合ニ於ケル議員選挙人ノ数ハ定款ノ定ムル所ニ依ル、但シ選挙スヘキ議員数ノ三倍ヲ下ルコトヲ得ス
 第八条 商業会議所ハ定款ノ定ムル所ニ依リ選挙権者ヲ業種ニ分チ各業種ヨリ各別ニ所定ノ員数ノ議員ヲ選挙セシムルコトヲ得
  第五条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
 第九条 複選挙法ニ依ル場合ニ於テハ、議員選挙人ノ選挙ニ限リ階級若ハ業種ニ分チ、又ハ選挙区ヲ設ケ選挙ヲ行フコトヲ得
  階級選挙法ニ依ル場合ニ於テハ、二級若ハ三級ノ選挙ニ限リ選挙区ヲ設クルコトヲ得
 第十条 商業会議所ハ設立ノ認可ヲ受ケタル日及毎年一回定款ニ定メタル期日ノ現在ニ依リ選挙権者名簿二本ヲ調製シ、其ノ一本ヲ地方長官ニ差出スヘシ
  選挙権者名簿ハ階級選挙法ニ依リ議員ヲ選挙スル場合ニ於テハ選挙権者ノ属スヘキ階級、選挙区又ハ投票区ヲ設ケテ議員ヲ選挙スル場合ニ於テハ選挙権者ノ属スヘキ選挙区又ハ投票区、業種ニ分チ議員ヲ選挙スル場合ニ於テハ選挙権者ノ属スヘキ業種ニ区別シテ調製スヘシ
  選挙権名簿ニハ選挙権者ノ氏名・職業・住所・納税種目及納税額ヲ記載スヘシ、但シ法人ニ関シテハ其ノ名称・目的・住所・納税種目及納税額ヲ記載スヘシ
  商業会議所法第九条第三項ニ依リ選挙権ヲ有スル者ニ関シテハ、前項ノ外其ノ主トシテ職務ニ従事スル法人ノ名称・目的・納税種目・納税額及其ノ資本額又ハ財産ヲ目的トスル出資額並其ノ職務主トシテ職務ニ従事スル営業所又ハ事務所ヲ記載スヘシ
 第十一条 商業会議所選挙権者名簿ヲ調製シタルトキハ、十四日以上ニ於テ公示ノ期間ヲ定メ予メ其ノ期間及場所ヲ公告シ、其ノ事
 - 第21巻 p.761 -ページ画像 
務所又ハ地方長官ノ許可ヲ得タル場所ニ於テ之ヲ縦覧ニ供スヘシ
 第十二条 選挙権者選挙権者名簿ニ脱漏又ハ誤載アルコトヲ発見シタルトキハ、縦覧期間内ニ其ノ理由書及証憑ヲ具ヘテ之ヲ商業会議所会頭ニ申立ツルコトヲ得
 第十三条 会頭前条ノ申立ヲ受ケタルトキハ、其ノ理由及証憑ヲ審査シ、申立ヲ受ケタル日ヨリ二十日以内ニ之ヲ決定スヘシ、其ノ申立ヲ正当ナリト決定シタルトキハ、直ニ選挙権者名簿ヲ修正シ其ノ旨ヲ申立人及関係人ニ通知シ、其ノ申立ヲ正当ナラスト決定シタルトキハ直ニ之ヲ申立人ニ通知スヘシ
  前項ノ規定ニ依リ選挙権者名簿ヲ修正シタルトキハ、直ニ其ノ要領ヲ公告シ且之ヲ地方長官ニ報告スヘシ
 第十四条 前条第一項ノ決定ニ不服アル申立人又ハ関係人ハ其ノ事由ヲ具シ、決定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ七日以内ニ地方長官ニ裁決ヲ申請スルコトヲ得
  前項ノ裁決ニ依リ選挙権者名簿ノ修正ヲ要スルトキハ、商業会議所ニ於テ直ニ之ヲ修正シ、其ノ旨ヲ申立人及関係人ニ通知シ、且其ノ要領ヲ公告スヘシ
 第十五条 選挙権者名簿ハ第十一条ノ縦覧期間満了後二十日ヲ経テ確定ス
  前項ノ名簿ハ次年ノ名簿確定ノ日迄ヲ据置クヘシ
 第十六条 商業会議所ニ於テ議員ノ選挙ヲ要スルトキハ其ノ旨ヲ地方長官ニ申出ツヘシ
 第十七条 選挙委員ハ三名又ハ五名トシテ内一名ヲ委員長トス
  委員長ハ郡長又ハ市長ヲ以テ之ニ充ツ、郡長又ハ市長事故アルトキハ其ノ代理者其ノ職務ヲ行フ
  前項ノ場合ヲ除クノ外選挙委員事故アルトキハ地方長官ノ任命シタル予備員中ヨリ委員長之ヲ補充ス
 第十八条 選挙区又ハ投票区ヲ設ケタル場合ニ於テハ、選挙委員長ハ各選挙区又ハ投票区毎ニ投票管理者及其ノ代理者各一名並立会人二名ヲ選任スヘシ
  立会人事故アルトキハ投票管理者ハ臨時ニ立会人ヲ選任スヘシ
 第十九条 地方長官ハ選挙ヲ行フヘキ日時及場所ヲ定メ、選挙スヘキ議員ノ員数ト共ニ選挙ヲ行フヘキ日ヨリ少クトモ十五日前ニ之ヲ告示シ、且之ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
 第二十条 選挙ハ投票ニ依リ之ヲ行フ
 第二十一条 選挙権者名簿ニ登録セラレサル者ハ投票スルコトヲ得ス、但シ選挙権者名簿ニ登録セラルヘキ裁決書ヲ所持スル者ハ此ノ限ニ在ラス
  選挙権者名簿ニ登録セラレタル者選挙権ヲ有セサルトキハ投票スルコトヲ得ス
 第二十二条 法人・女子及無能力者ハ左ノ代人ヲ以テ選挙ヲ行フヘシ、但シ一人ニシテ数人ノ代理ヲ為スコトヲ得ス
  一 法人ニ在リテハ其ノ業務ヲ執行スル社員・取締役・理事長・理事
 - 第21巻 p.762 -ページ画像 
  二 無能力者ニ非サル女子ニ在リテハ自ラ選任シタル者
  三 無能力者ニ在リテハ親権者・後見人・保佐人又ハ夫
  代人ハ帝国臣民タル成年ノ男子ニシテ、商業会議所法第十三条ニ該当セサル者ナルコトヲ要ス
  代人選挙ヲ行ハムトスルトキハ其ノ代人タルコトヲ証スヘキ書面ヲ携帯スヘシ
 第二十三条 選挙委員長又ハ投票管理者ハ選挙場ノ秩序ヲ保持シ、必要ナル場合ニ於テハ警察官吏ノ処分ヲ請求スルコトヲ得
 第二十四条 投票ヲ為スコトヲ得ル者、選挙委員其ノ他選挙事務ヲ監視シ又ハ選挙ノ事務ニ従事スル者、及警察官吏ノ外選挙場ニ入ルコトヲ得ス
 第二十五条 選挙委員ハ其ノ決議ニ依リ、投票管理者ハ立会人ノ意見ヲ聞キ投票ヲ為スコトヲ得サル者ノ投票ヲ拒ムコトヲ得
 第二十六条 選挙場ニ於テ演説・討論ヲ為シ、若ハ喧騒ニ渉リ、又ハ投票ニ関シ協議・勧誘ヲ為シ、其ノ他選挙場ノ秩序ヲ紊ル者アルトキハ、選挙委員長ハ之ヲ制止シ、命ニ従ハサルトキハ之ヲ選挙場外ニ退出セシムヘシ
  前項ニ依リ退出セシメラレタル者ハ最後ニ至リ投票ヲ為スコトヲ得、但シ選挙場閉鎖ノ後ハ此ノ限ニ在ラス
 第二十七条 投票ノ効力ハ選挙委員之ヲ議決ス、可否同数ナルトキハ選挙委員長之ヲ決ス
 第二十八条 有効投票ノ最多数ヲ得タル者ヲ以テ当選者トス、但シ定款ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外、投票ニ記載スヘキ被選挙人ノ数ヲ選挙権者又ハ議員選挙人ノ数ニ乗シ選挙スヘキ議員ノ数ヲ以テ之ヲ除シテ得タル数ノ五分一以上ノ得票アルコトヲ要ス
  当選者ニシテ当選ヲ辞シ若ハ死亡シタルトキ、被選挙権ヲ有セサル為メ当選無効ト為リタルトキ、又ハ農商務大臣ノ命ニ依リ当選ヲ取消サレタルトキハ、前項ノ得票者ニシテ当選者ト為ラサリシ者ノ中ニ就キ、得票ノ順位ニ依リ之ヲ補充ス
  本条ニ依リ当選者ヲ定ムルニ当リ得票同数ナルトキハ年長者ヲ取リ、同年月ナルトキハ抽籤ヲ以テ其ノ順位ヲ定ム
 第二十九条 選挙終了シタルトキハ選挙委員長ハ直ニ其ノ結果ヲ地方長官ニ報告スヘシ
 第三十条 選挙委員長ハ選挙ニ関スル顛末ヲ記載シ、選挙委員ノ連署シタル選挙記録二本ヲ作リ、一本ヲ地方長官ニ差出シ、一本ハ投票ヲ添ヘ之ヲ商業会議所ニ交付スヘシ
  前項ノ選挙記録及投票ハ議員ノ任期間之ヲ保存スヘシ、但シ投票ハ有効無効ニ区別シテ之ヲ保存スヘシ
 第三十一条 当選者定マリタルトキハ地方長官ハ直ニ之ヲ当選者ニ告知スヘシ
 第三十二条 当選者当選ヲ辞セムトスルトキハ、其ノ事由ヲ具シ当選ノ告知ヲ受ケタル日ヨリ十日以内ニ之ヲ地方長官ニ申出ツヘシ一人ニシテ二以上ノ階級・選挙区又ハ業種ノ選挙ニ当選シタルトキハ、最後ニ当選ノ告知ヲ受ケタル日ヨリ十日以内ニ何レノ当選
 - 第21巻 p.763 -ページ画像 
ニ応スヘキカヲ申出ツヘシ、其ノ申出ナキトキハ地方長官其ノ当選ノ階級・選挙区又ハ業種ヲ定ム
 第三十三条 当選者ナキトキハ地方長官ハ更ニ選挙ヲ行ハシメ、当選者選挙スヘキ議員ノ数ニ達セサルトキハ其ノ不足ノ員数ニ対シ選挙ヲ行ハシムヘシ
 第三十四条 第三十二条依リ当選確定シタルトキハ、地方長官ハ直ニ其ノ旨ヲ当選者ニ告知スヘシ
  当選者ノ氏名ハ地方長官之ヲ告示シ、且之ヲ商業会議所ニ通知スヘシ
 第三十五条 左ノ各号ニ該当スル者ハ十五円以下ノ罰金ニ処ス
  一 詐偽ノ方法ヲ以テ選挙権者名簿ニ登録セラレタル者
  二 選挙委員・投票管理者又ハ立会人ニシテ正当ノ事由ナク本令ニ定メタル義務ヲ欠キタル者
 第三十六条 選挙ノ前後ヲ問ハス左ノ各号ニ該当スル所為アル者ハ刑法ニ規定アル場合ヲ除クノ外、二十五日以下ノ軽禁錮ニ処シ、又ハ二十五円以下ノ罰金ニ処ス
  一 選挙ニ関シ直接又ハ間接ニ金銭・物品・手形其ノ他ノ利益若ハ公私ノ職務ヲ選挙権者・議員選挙人・代人又ハ選挙運動者ニ供与シ、又ハ供与セムコトヲ申込ミタル者、又ハ供与若ハ申込ヲ承諾セムコトヲ周旋勧誘シタル者、並供与ヲ受ケ若ハ申込ヲ承諾シタル者
  二 選挙ニ関シ酒食・遊覧等其ノ方法及名義ノ何タルヲ問ハス人ヲ饗応接待シ又ハ饗応接待ヲ受ケタル者、又ハ選挙場ニ往復スル為メ車馬ノ類ヲ供給シ及其ノ供給ヲ受ケタル者、並此等ノ約束ヲ為シ又ハ約束ヲ受ケタル者
  三 選挙場ニ於テ正当ノ事由ナクシテ選挙権者・議員選挙人又ハ代人ノ投票ニ関渉シ、又ハ被選挙人ノ氏名ヲ認知スルノ方法ヲ行ヒタル者
 第三十七条 左ノ各号ニ該当スル所為アル者ハ、刑法ニ規定アル場合ヲ除クノ外、二十五日以下ノ軽禁錮ニ処ス
  一 詐偽ノ方法ヲ以テ投票ヲ為シタル者
  二 選挙権者・議員選挙人又ハ代人ニ対シ往来ノ便ヲ妨ケ、又ハ詐偽ノ手段ヲ以テ選挙権ノ行使ヲ妨害シ、若ハ投票ヲ為サシメタル者
  三 選挙委員・投票管理者・立会人其ノ他選挙事務ヲ監視シ又ハ選挙事務ニ関係アル者ニシテ、選挙権者・議員選挙人又ハ代人ノ投票シタル被選挙人ノ氏名ニ付、真偽ニ拘ラス之ヲ表示シタル者
  四 選挙ニ関シ選挙権者・議員選挙人又ハ代人ニ暴行脅迫ヲ加ヘ若ハ之ヲ拐引シタル者
  五 選挙委員・投票管理者・立会人其ノ他選挙事務ヲ監視シ又ハ選挙事務ニ関係アル者ニ暴行脅迫ヲ加ヘ、又ハ選挙場ヲ騒擾シ、又ハ投票・投票函其ノ他関係書類ヲ抑留・毀壊、奪取シタル者
 - 第21巻 p.764 -ページ画像 
 第三十八条 当選者其ノ選挙ニ関スル犯罪ニ依リ刑ニ処セラレタルトキハ、農商務大臣ハ其ノ当選ヲ取消スヘシ
 第三十九条 本令中議員選挙ニ関スル規定ハ議員選挙人ノ選挙ニ之ヲ準用ス
 第四十条 商業会議所法第五十条第一項ニ依リ議員ノ選挙ヲ行ハムトスルトキハ、議員ノ定数・選挙方法其ノ他選挙ニ関スル規定ノ認可ヲ受ケタル日ノ現在ニ依リ選挙権者名簿ヲ調製スヘシ
 第四十一条 本令ハ商業会議所法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス



〔参考〕法令全書 明治三五年上巻 内閣印刷局編 刊 農商務省令第十六号(DK210132k-0016)
第21巻 p.764 ページ画像

法令全書 明治三五年上巻  内閣印刷局編 刊
 農商務省令第十六号
商業会議所議員選挙権ニ関スル納税額及資本額又ハ財産ヲ目的トスル出資額ノ件、左ノ通相定ム
  明治三十五年六月二十七日
            農商務大臣 男爵 平田東助
   ○右省令ノ内容ハ本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治三十五年十二月九日ノ条ニ収録セルヲ以テ略ス。