デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.850-855(DK210143k) ページ画像

明治36年7月22日(1903年)

是ヨリ先六月十五日ヨリ十九日迄、第十二回商業会議所聯合会大阪商業会議所ニ於テ開カル。井上角五郎・岩出惣兵衛ノ両名当会議所ヲ代表シテ之ニ参会シ、是日当会議所総会ニ於テ右聯合会議事ノ顛末ヲ報告ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三六年(DK210143k-0001)
第21巻 p.850 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三六年     (渋沢子爵家所蔵)
六月十三日 晴
○上略 午後東京商業会議所役員会ニ出席シ、大坂ニ開カルヽ聯合会出席員ノ事ヲ評議ス ○下略


東京商業会議所報告 第一〇五号・第五頁 明治三七年一月刊(DK210143k-0002)
第21巻 p.850 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第五頁 明治三七年一月刊
○第一回役員会  明治三十六年六月十三日開
午後一時開会、大阪ニ於テ開設スル第十二回商業会議所聯合会参会委員選挙ノ件外二件ヲ審議シ、午後二時過閉会ス


東京商業会議所報告 第一〇四号・第五頁 明治三六年七月刊(DK210143k-0003)
第21巻 p.850 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇四号・第五頁 明治三六年七月刊
○同月同日 ○六月一五日 本会議所副会頭井上角五郎君、常議員岩出惣兵衛君ハ、第十二回商業会議所聯合会ニ参会ノ為メ大阪ニ出張セラル
○中略
○同月同日 ○六月二〇日 曩ニ第十二回商業会議所聯合会ヘ参列ノ為メ大阪ヘ出張セラレタル副会頭井上角五郎君ハ、用務ヲ終リ帰京セラル


東京商業会議所報告 第一〇五号・第二頁 明治三七年一月刊(DK210143k-0004)
第21巻 p.850 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第二頁 明治三七年一月刊
○第三回臨時総会  七月 ○明治三六年二十二日開
   出席者数 二十九名
午後五時五分開議、会頭渋沢栄一君欠席ニ付、副会頭大倉喜八郎君議長席ニ着キ、先ツ諸件ノ報告ヲ了リタル後、左ノ件々ヲ順次議事ニ附セリ
○第一号
 一 第十二回商業会議所聯合会ノ義ニ付、代表委員ノ報告
本件ハ井上角五郎君代表委員ヲ代表シテ報告ヲ為シタル後、全会一致ヲ以テ之ヲ承認セリ(報告ノ全文ハ参照第三号ニ掲載ス)
○中略
午後七時五分閉会


東京商業会議所報告 第一〇五号・第二六―三〇頁 明治三七年一月刊(DK210143k-0005)
第21巻 p.850-855 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第二六―三〇頁 明治三七年一月刊
○参照
○第三号
 - 第21巻 p.851 -ページ画像 
 明治三十六年七月二十二日、第三回臨時総会ニ於テ全会ノ承認ヲ得タル第十二回全国商業会議所聯合会代表委員報告書ノ全文左ノ如シ
    報告書
今般小生等両人代表委員トシテ大阪ニ於テ開設シタル商業会議所聯合会ニ参列候処、其経過ハ別紙ノ通リニ有之候間、此段報告候也
  明治三十六年六月二十日
                   代表委員
                      岩出惣兵衛
                      井上角五郎
    会頭 男爵 渋沢栄一殿
(別紙)
    全国商業会議所聯合会経過
六月十五日、全国商業会議所聯合会ヲ大阪商業会議所内ニ開会シ、先ツ正副会長トシテ同会議所代表委員土居通夫・法橋善作ノ両氏ヲ選挙シ、別ニ会計委員五名ヲ選挙ス
十六日、第一号・第三号議案ヲ委員ニ附託シ、第二号議案ヲ可決ス
本聯合会ハ新会議所法ノ実施セラレタル今日以後ニ於テモ継続スヘキヤ否ヤノ問題アリ、満場一致ニテ継続スルコトヽ決定シ、聯合会規則改正委員ヲ選挙シタリ
十七日、第四号・第六号・第九号議案ヲ可決シ、第五号・第七号議案ヲ委員ニ附託シ、第八号議案ヲ否決ス
十八日、各審査委員会ヲ開会ス、井上角五郎ハ聯合会規則改正委員会及ヒ第三号議案委員会ニ出席シ、岩出惣兵衛ハ第五号議案委員会ニ出席シタリ
十九日、聯合会規則改正ヲ可決シ、第一号委員報告ハ之ヲ延期スルコトニ決シ、第三号・第五号・第七号ハ委員報告ヲ可決シ、財政策ニ対スル意見開申書案ヲ大阪・京都・神戸・名古屋・広島・熊本・富山・和歌山・新潟及ヒ東京ノ十会議所連名ニテ提出シ直チニ可決シ、終テ聯合会ハ明治三十七年十月ヲ以テ東京ニ開会シ、必要アルトキハ其前ニ臨時開会スルコトアルヘシト申合セ、閉会シタリ
今左ニ本聯合会ノ成績ヲ列記セントス
 一第一号議案、官設生糸検査所ヲ北陸地方ニ設置セラレタキ義ニ付建議ノ件
   本案ハ官設生糸検査所ヲ機業地ニ移スノ建議トシテ委員ノ修正アリシカ、終ニ延期スルコトニ決シタリ
 一第二号議案、壱円紙幣流通ニ関スル意見開申ノ件(可決)
 一第三号、移民保護ニ関シ意見開申並ニ請願ノ件
   本案ハ移民保護ニ関スル意見開申書トシテ委員ノ修正アリ、修正案通リ可決ス
   本案ハ重要ノ問題トシテ聯合会々長ノ名ヲ以テ直チニ其筋ニ建議スルニ決セリ、其案文ヲ左ニ掲ク
    移民保護ニ関スル意見開申書
本邦現当ノ経済事情ニ鑑ルニ、規律アリ実力アル海外移民ハ健全ナル国家ノ発達ヲ期図スル上ニ於テ国是トシテ保護奨励セサルヘカラサル
 - 第21巻 p.852 -ページ画像 
ハ、朝野ノ既ニ明ニ認メ居ル所ナルニモ拘ハラス、我カ移民事業ノ今日尚ホ未タ十分ニ発達スルニ至ラサルハ何ソヤ、其ノ原因固ヨリ一ニシテ足ラスト雖トモ、今吾人ノ見ル所ヲ以テスレハ左ノ三大要因ノ与リテ最モ力アルヲ信シテ疑ハサルナリ、即チ一ニハ我カ移民事業ニ対シ政府当局ノ方針確定セサル事、二ニハ海外移民地ノ事情ニ関シ詳密明確ナル調査報告ヲ欠ケル事、三ニハ完全有力ナル移民会社ノ存立ナキ事是ナリ、就中其ノ第一妨因タル政府方針ノ確定セサル一事ノ如キハ、其ノ関係スル所最モ広ク、其ノ影響スル所最モ大ナルモノニシテ此ノ妨因ニシテ除却セラレサル間ハ、第二・第三ノ妨因ノ如キハ到底完全ニ之ヲ治正スルコトヲ得サルナリ、之ヲ要スルニ官民協力シテ一日モ早ク此等三大妨因ヲ除却スルニアラサレハ、我カ移民事業ハ決シテ十分ナル発達ヲ為シ顕著ナル効験ヲ我カ国家経済ノ上ニ致スコト能ハサルナリ、是レ敢テ卑見ヲ具陳シ当路者ノ猛省ヲ乞ハントスル所以ナリ、切ニ望ムラクハ政府当局ニ於テ速ニ我カ移民事業ニ対シ積極的方針ヲ確立シ、一面ハ海外派駐ノ外務官ニ訓示シ、一面ハ各地方長官ニ諭達シ、内外相応シテ我カ移民ヲ保護奨励シ、依リテ以テ直接ニ我カ移民ヲシテ規律アリ実力アルモノタラシメ、間接ニ我カ経済事情ノ緩和ヲ計リ国際貿易ノ増進ニ利セラレンコトヲ
 一第四号議案、高等教育会議々員ニ実業者ヲ加ヘラレンコトヲ要望スルノ件(可決)
 一第五号議案、保護政策ノ実行方法ニ関スル意見
   本案ハ委員修正ノ上之ヲ可決シ、主査会議所トシテ東京・京都大阪・名古屋・仙台・博多ノ六会議所ヲ指名セリ、其案文ハ之ヲ左ニ掲ク
    保護政策ノ実行方法ニ関スル意見
商工立国ノ国是ヲ確立シテ我カ産業ノ発達ヲ促進シ、我カ経済上ノ実力ヲ充足シ、以テ我カ国ヲシテ欧米列強ト相対シテ敢テ遜色ナキニ至ラシメント欲セハ、須ラク保護政策ノ断行ニ待ツヘキモノナルコトハ前数回ノ全国商業会議所聯合会ニ於テ既ニ決議スル所ニシテ、又其保護ノ方法ノ如キハ人ニ対スル直接保護ヲ斥ケ、物ヲ目的トスル間接保護ノ法ヲ採ルヘキコト、細言スレハ消費税ト奨励金トヲ併行正用シテ我カ関税作用ヲ十全ナラシメ、而シテ其ノ保護スヘキ物品ハ第一、内地ノ生産額ヲ増大ニシ、同種品ノ輸入ヲ防遏シ得ルノ見込アルモノ、第二、清・韓・印度及南洋諸島ニ輸出シテ彼ノ地ニ於テ欧米ノ生産品ト競争シ得ルノ望アルモノニシテ、其ノ保護ノ程度及ヒ前後ニ付キテハ宜シク彼我産業ノ状況ヲ精査シ、具ニ其ノ軽重緩急ヲ計リテ之ヲ実行スヘキモノナルコトモ、亦既ニ各商業会議所ノ敢テ異論ナキ所ナリ然ラハ即今後各会議所ニ於テ最モ速ニ協力事ニ当ルノ要アルモノハ、保護スヘキ品類ノ調査ヲ遂行シ、其ノ調査ノ結果ニ基キテ具体的保護案ヲ調成シ、朝野ノ賛襄ヲ得テ以テ之カ実行ヲ促スノ一事ナリトス、仍テ第一着手トシテ左ノ事項ヲ実行スルモノトス
  一各商業会議所ハ公平精密ニ保護ヲ必要トスル品類ヲ撰択スルコト
    但シ生産費ハ勿論、税率・運賃其ノ他ノ附帯費用ヲモ併セテ
 - 第21巻 p.853 -ページ画像 
調査スルコト
  二地区ノ便宜上若干ノ主査会議所ヲ選定シ、本件ニ関スル報告書類ヲ取纏メ及ヒ其ノ精査ニ任セシムルコト
  三各会議所ニ於テハ約六箇月ヲ限リ品類ヲ撰択シ、之ヲ主査会議所ニ報告スルコト
  四各会議所ニ於テ撰択シタル品類ニ就キ保護案ヲ調成シタルトキハ、其ノ都度之ヲ主査会議所ニ報告スルコト
  五主査会議所ハ其ノ精査シタル事項ヲ取纏メ、之ヲ次回ノ聯合会ニ報告スルコト
 一第六号議案、全国各三等郵便局ニ於ケル電報取扱時間復旧ヲ其筋ヘ建議スルコト(可決)
 一第七号議案、支那米輸出解禁ノ義ニ付、開申ノ件
   本案ハ修正可決セリ
 一第八号議案、電話事業改善ノ義ニ付、逓信大臣ヘ開申ノ件(否決)
 一第九号議案、所得税法中改正ノ件(可決)
 一財政策ニ対スル意見開申書案(可決)
   本案ハ重要ナルヲ以テ聯合会会長直チニ之ヲ其筋ニ建議スルコトニ決シタリ、其案文ハ之ヲ左ニ掲ク
    財政策ニ対スル意見開申書案
我カ行政ヲ根本的ニ整理シ、其ノ節約シ得タル所ヲ以テ国家ノ生産力ヲ増進スルニ必要ナル事業費ニ充用シ、以テ経済利益ノ増進ニ利シ、以テ財政ノ基礎ヲ堅実ナラシムヘシトハ各商業会議所ノ多年斉シク唱道シ来レル所ニシテ、政府当局ニ於テモ亦既ニ第十六議会ニ於テ従来公債支弁ニ係レル専業費ヲ移シテ経常歳入ノ剰余ニ取リ、以テ民間金融ノ利通ヲ計ルニ至リシハ現下ノ国状ニ処スルノ財政計画トシテ大ニ見ルヘキモノアリシニ、何ソ図ラン今次ノ議会ニ於テハ政府忽チ其ノ方針ヲ一変シ、再ヒ公債ニ頼リテ十年計画ニ属スル製艦費ヲ得ルノ財政策ヲ採リ、尚ホ且ツ其ノ不足額ニ対シテハ鉄道・電話等ノ建設費ヲ削リテ之ニ転用スルノ議ヲ決セシムルニ至レルカ如キハ、国家ノ為メ深ク遺憾トスル所ナリ、夫レ然リ、然リト雖モ今日ニ於テ強テ往事ヲ議スルモ詮ナシ、要ハ唯之ニ対スル善後策ヲ講スルニ在ルノミ、即チ吾人カ此際政府当局ニ対シ要望セントスル所ハ、次年度ノ予算ヲ編成スルニ方リ、断然行政ノ整理ヲ遂行シ、及フ限リ生産的事業費・国防完成費、其他必需ノ費途ニ充ツヘキ費額ヲ剰得シ、尚ホ其ノ不足ナルニ於テハ更ニ適当ナル財源ヲ求メテ之ヲ塡補シ、公債ヲ募集セスシテ国費ヲ充足シ以テ我カ財界ヲシテ安泰ナラシムルノ一事是ナリ、切ニ望ムラクハ政府ニ於テハ今後深ク慮リ細ニ計リ、一時的ノ権策ニ依ラスシテ、能ク永久的ニ国家ノ財政ヲ堅実ナラシムルノ財政策ヲ画立実行セラレンコトヲ
                   提出者
                     東京商業会議所
                     大阪商業会議所
                     京都商業会議所
                     神戸商業会議所
 - 第21巻 p.854 -ページ画像 
                     名古屋商業会議所
                     広島商業会議所
                     熊本商業会議所
                     富山商業会議所
                     和歌山商業会議所
                     新潟商業会議所
 一商業会議所聯合会規則
   改正可決シタル案文ハ之ヲ左ニ掲ク
    商業会議所聯合会規則
第一条 本会ハ商業会議所聯合会ト称ス
第二条 本会ハ聯合各商業会議所ノ代表委員ヲ以テ組織ス
第三条 本会ハ商業会議所ノ任務ニ関スル事項ヲ審議シ、及ヒ其ノ可決事項ノ実行ヲ図ルヲ以テ目的トス
第四条 聯合各会議所ノ代表委員ノ定数ハ東京・大阪・京都・横浜・神戸・名古屋ノ六会議所ハ各三名、其ノ他ハ各二名トス、但シ各会議所ノ都合ニ依リ出席委員ノ数ヲ減スルコトヲ得
第五条 本会ハ聯合各会議所中三分ノ一以上参会スルニアラサレハ開会スルコトヲ得ス
第六条 本会ハ開会毎ニ出席委員中ヨリ正副会長各一名ヲ互選シ、議事ノ整理及ヒ開会中ニ於ケル事務ノ統轄ヲ委任ス
第七条 本会ニ於テ可決セル事項ニシテ特ニ必要ト認メタルトキハ、本会ノ決議ニ依リ会長ノ名ヲ以テ其ノ意見ヲ其ノ筋ニ建議シ、又ハ世ニ公表スヘシ
第八条 本会ノ会議ヲ分チテ定期会及臨時会ノ二種トス
第九条 定期会ハ毎年十月東京ニ於テ開会ス、但シ本会ノ決議ニ依リ其ノ開期及ヒ開会地ヲ変更スルコトヲ得
第十条 臨時会ハ聯合各会議所中五箇所以上ノ発起ニ依リ其ノ指定スル場所ニ於テ開会ス
第十一条 本会ノ事務ハ総テ開会地商業会議所ニ委任ス
第十二条 定期会ニ提出セントスル議案ハ、理由書又ハ参考書ヲ添ヘ八月三十一日マテニ開会地商業会議所ニ送致スヘシ、開会地商業会議所ハ開会通知ト共ニ開会期日三週間前ニ之ヲ聯合各会議所ニ送付スヘシ、但シ臨時会ノ場合ニ於テハ開会二週間前ニ之ヲ通知スルモ妨ナシ
第十三条 前条ノ規定ニ依ラサル議案ハ、聯合各会議所三箇所以上ノ委員ノ賛成アルニアラサレハ本会ニ提出スルコトヲ得ス
第十四条 議事ノ方法ハ別ニ細則ヲ以テ規定スヘシ
第十五条 議案提出会議所ハ其ノ議員及ヒ事務員中ニ於テ別ニ説明委員ヲ定メ、本会ニ出場セシムルコトヲ得
第十六条 本会ノ経費ハ聯合各会議所ノ負担トシ東京・大阪・京都・横浜・神戸・名古屋ノ各会議所ハ一箇年十円、其ノ他ノ各会議所ハ一箇年五円ヲ、代表委員ヲ出席セシムルト否トニ拘ハラス、毎年八月三十一日マテニ東京商業会議所ニ送付スヘシ
第十七条 本会開会毎ニ出席委員中ヨリ会計委員五名ヲ選挙シ経費予
 - 第21巻 p.855 -ページ画像 
算ヲ編成セシム、会計委員ニ於テ前条ノ予納金ヲ以テ不足ナリト認メタルトキハ、其ノ不足額ヲ代表委員ノ定数ニ割当テ参会会議所ヨリ追徴スヘシ
第十八条 本規則ハ本会ノ決議ニ依ルニアラサレハ修正加除スルコトヲ得ス
 一第十二回商業会議所聯合会会費予算
   右報告通リ是認ス