デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
4款 商業会議所聯合会
■綱文

第22巻 p.370-385(DK220028k) ページ画像

明治32年10月11日(1899年)

是日第八回定期会第一日及ビ十二日第二日ノ会議ニ於テ、前回定期会ヨリノ継続案タル鉄道法制定
 - 第22巻 p.371 -ページ画像 
ノ儀上程サレ委員附託トナル。其後委員ノ鉄道局訪問ノ結果、目下政府ニ於テ該法編纂中ニシテ近ク議会ニ提案ノ予定ナルコト明ラカトナリシヲ以テ、提案者仙台商業会議所ヨリ撤回サル。栄一会長トシテ之ニ与ル。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三二年(DK220028k-0001)
第22巻 p.371 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三二年     (渋沢子爵家所蔵)
十月十一日 曇
午前十時商業会議所ニ於テ聯合会ヲ開ク、終日議長席ニ於テ議事ヲ整理ス ○下略
十月十二日 曇
○上略 十時商業会議所聯合会ニ出席シ、昨日ト同シク議長席ニテ議事ヲ整理ス、午後一時ヨリ議長ヲ中野武営氏ニ譲リ、第一銀行ニ於テ重役会ヲ開ク ○下略
十月十三日 曇
午前十時商業会議所聯合会ヲ開ク、議長席ニ在テ議事ヲ整理ス ○下略
  ○中略。
十月十六日 晴
○上略 午前十時商業会議所聯合会ニ出席シ、午後五時閉会ス ○下略
  ○中略。
十月十八日 曇
○上略 午前十時商業会議所聯合会ニ列ス ○下略


明治三十二年十月開設 第八回商業会議所聯合会議事速記録 第二七―四一頁 刊(DK220028k-0002)
第22巻 p.371-378 ページ画像

明治三十二年十月開設
第八回商業会議所聯合会議事速記録  第二七―四一頁 刊
    ○第一日
明治三十二年十月十一日午前十時四十五分開議
  出席者
   委員     五十一名 ○氏名略
○上略
○会長(東京、渋沢栄一君) ソレデハ継続案ノ第一号カラ議事ニ附シマス、朗読仕ラセマス
   (書記朗読)
 継続議案第一号
 鉄道法制定ノ件           (仙台商業会議所提出)
  理由 鉄道ハ国道ニ均シク国家社会上ニ及ホス影響頗ル夥多ニシテ、交通運輸ハ勿論、軍事上・教育上・衛生上等人事百般ノ関係ヲ有シ、之カ取扱者タルモノハ即チ公衆ニ対シ公職ヲ行フ者ナルニモ拘ハラス、従来鉄道ニ対シテハ殆ト無法律ノ姿ナルヲ以テ取扱者時ニ或ハ其公職ヲ行フコトヲ忘レ、交通運輸ノ途ヲ梗塞スルカ如キ事アリ、是レ独リ経済社会ノ損失ナルノミナラス、公権私権ヲ侵害スルモノナルヲ以テ、玆ニ鉄道法ナルモノヲ設ケ、其官設ト私設トヲ問ハス監督ヲ厳密ニシ、国道タルノ性質ヲ完ウセシメントスルニ在リ
○六番(仙台、遠藤敬止君) 私ハ仙台商業会議所ノ代表者トシテ玆ニ
 - 第22巻 p.372 -ページ画像 
出席致シマシタモノデゴザイマスガ、此鉄道法制定ノ件ニ付キマシテ一応理由ヲ述ベ御賛同ヲ仰ギタイト思ヒマス、抑モ此議案ヲ出シマシタ当時ハ一昨年アタリ度々此水害出水等ガアリマシテ、鉄道ノ不通、通路ノ閉塞ナドガ始終ゴザイマシタタメニ、著シク不便ヲ感ジマシタ其当時提出致シマシタノデ、詰リ去年ノ春ノ聯合会ニ之ヲ提出シタノデスガ、未ダ近頃ニナツテモ、近クハ此度ノ水害ノ如キ、日本鉄道会社線路ノ箒川ノ惨憺タル出来事ノ如キ、或ハ官線鉄道ノ不整頓ナル、又先般ノ九州鉄道ノ一部ノ機関手等ニ改革派ナドガ出来マシテ、鉄道ノ組織ニ至ツテハドノヤウニナツテモ利益サヘ取レバ宜イト云フ株主ナドガアル、日本鉄道ノ株主ナドニモ色々ノ改革派、ストライキナドガアリマシテ、益々鉄道法ノ必要ナルコトヲ感ジタ次第デゴザイマス是等ニ付キマシテ、此案ノ儘デハ甚ダ議シ方ニ困ル訳デアリマスカラ是モ五名位ノ委員ヲ設ケテサウシテ宜シク御審議ニナラム事ヲドウカ願ヒタイト存ジマスルノデゴザイマス、一通リ其理由ヲ述ベテ置キマス
○五十五番(栃木、桜井源四郎君) 五十五番ハ本案ニ大賛成デゴザイマス、其事ハ予メ仙台会議所ノ委員ガ述ベラレタ如ク、是ハ是非トモ其法ノ改正ヲ希望致シマス、諸君去ル七日ノ災害ハ如何デスカ、既ニ新聞紙ヲ以テ拝見スレバ過失罪ノ公訴ガ起ツタト云フヤウナ次第デゴザイマス、此条例ガ完全デアツタナラバ吾々営業上或ハ権利上余程利益ニナルコトガアラウト考ヘマスカラ、飽迄モ是ハ仙台ノ提出ノ希望ヲ貫徹セシメルヤウニ希望致シマス
○三十八番(大阪、今西林三郎君) 私ハ、ドウモ此鉄道法制定ノ事ニ付キマシテハ、此頃承レバ政府ニ於テモ既ニ其事ガ御気付キニナツタト云フノデアルカ、或ハ必要ニ依ツテヤラナケレバナラヌト云フコトニナツタノカ、兎ニ角鉄道条例ト云フモノハ明治九年頃ニ出来タモノデアツテ、余程此当局者ニ於テモ之ヲ改正シナケレバナラヌト云フコトハヤカマシク言ツテ居ツタノデアリマス、夫故ニ今度鉄道法ハ余程緻密ナモノガ出来タト云フ評判デアリマス、ソレデアリマスカラ、今此処デ建議スルノハ少シ或ハ十日ノ菊ト云フヤウナ憾ミハアリハセヌカト思フ、ソレデ昨年是ハ御出シニナツタノデアリマスカラ、今年ハ少シ模様ヲ変ヘテ、或箇条ニ付テ御意見ガゴザイマスルナラバ格別デアリマスガ、大体鉄道法ヲ制定セラレムコトヲ希望スルト云フコトハ既ニ遅クナツテ居ルト云フ感ジガゴザイマスガ、御発案者ノ御意見ハ如何デゴザイマセウカ、サウ云フヤウナ条例其者ニ付テ――案ニ付テ御意見ガアルナラバソレヲ一ツ示シテ貰ヒタイトカ、ドウカ諮問ヲシテ呉レトカ云フヤウニシタラ宜カラウト思ヒマスガ、一応発案者ニ伺ヒマス
○六番(仙台、遠藤敬止君) 唯今三十八番ノ御質問ハ至極御尤モナ次第デ、是ハ前申上ゲタ通リ一昨年ノ東北地方ノ出水水害等ノコトニ付テ感ジマシテ、去年ノ春提出ヲシタ訳デアリマスカラ、今日ニナリマスレバ余程事情モ変ツテ居リマスルシ、殊ニ政府ニ於テモ既ニ適当ナ法案ナドガ出来テ議会ニデモ提出ニナルト云フコトデアリマスレバ、成程諮問ニデモナルヤウニシタラ宜カラウト思ヒマスカラ、三十八番
 - 第22巻 p.373 -ページ画像 
ノ御説ハ至極御尤モト存ジマス
○二十八番(広島、桐原恒三郎君) 本員ハ此案ニ付キマシテ趣意ハ三十八番ト略ボ同一デアリマスガ、六番ニ対シテ御注意ヲ与ヘタイト考ヘマス、此案ハ此儘デ御議シニナル場合ニナレバ本員ハ否決スル考ヘデアル、是ハ寧ロ御撤回ニナツテ、三十八番ガ申サレタ如ク御心付キニナツタ事ヲ更ニ御出シニナル方ガ宜カラウト思ヒマス、意見ヲ述ベルニ先立チマシテ六番ニ注意ヲ致シマス
○十二番(神戸、坪野平太郎君) 今二十八番カラ、此案ガ問題トナツタナラバ否決ヲスル、撤回ヲスルヤウニト云フ意見デアリマシタガ、私ハドウカ其御高説ヲ拝聴致シタイ、此場合十分ニ御陳述アラムコトヲ希望致シマス
○五十五番(栃木、桜井源四郎君) 五十五番ハ此鉄道法制定ノ案ニ対シテ賛成ヲ致シマシタ、賛成ヲ致シマシタ所ガ肝腎ナル提出者六番サンガ三十八番ニ御加勢ニナツタヤウナ訳デアリマスガ是ハサウ云フモノデナカラウト思ヒマス、実ニ此案ト云フモノハ前年カラ継続シテ居ル案デアル、唯今三十八番ノ御説中ニ近頃政府ニ於テハ此改正ノ必要ヲ感ジテ緻密ナル所ノ法案ヲ拵ヘタカラ、今之ヲ出スニハ及ブマイト云フ御注意ガアツタ、ソレハ政府ニ於テ近頃サウ云フ事ガアルカ知レマセヌガ、本案ヲ提出セラレタノハ前々会ノコトデアリマシテ、吾々カ常ニ脳髄ヲ痛メテ居ルコトデアリマスカラ、近頃緻密ナ事ヲ御取調ベニナツテ居ルカラソレデ宜カラウト云フコトニ提出者ガ承服スルヤウナコトデハイカヌト思ヒマス、提出者ハ宜シク御考直シアラムコトヲ希望致シマス
○二十七番(熊本、下田耕造君) 本案提出者即チ六番ハ、不完全ダカラ委員ヲ設ケテ調ベテ貰ヒタイト云フコトヲ言ハレタ、然ルニ三十八番ノ御説ガ出テ是ニ同意シタ、同意シタ所ガ又之ヲ撤回スルガ当リ前デアル、撤回シテ後ニ立派ナモノヲ出スガ宜イト云フ、即チ撤回説ヲ二十八番ガ発議シテ注意セラレタ、是ハ余程穏カデアラウ、少シ酷ニ当ルヤウデスガ、提出者ガ不完全デアルケレドモ委員ヲ設ケタイト云ツテ続イテ三十八番ノ説ニ賛成シタ以上ハ、改メテモウ少シ練ツテヤツタ方ガ宜カラウト思ヒマスカラ、二十八番ニ加勢シテ撤回ヲ注意致シマス
○五番(水戸、塙七平君) 五番ハ隣席デアリマスカラ、兎モ角委員ヲ置イテ此ヲ緻密ニ調ベルト云フ説ニ賛成致シテ置キマス
○八番(金沢、山田清三君) 本案ニ対シテ提出者ノ御意見ガ定マラヌヤウニ本員ハ考ヘル、委員ヲ設ケテ之ヲ鄭重ニ取調ベテ欲シイト云フノガ、即チ提出者ノ六番ノ発言デアル、然ルニ今日政府ニ於テ此法案ヲ制定セラレテ居ル故、寧ロ諮問案デモ出タラ、ソレニ因ツテ討論ヲスル方ガ宜イト云フ、此説ニ提出者ガ又傾イテシマツタ、何レニ付テ考ヘテ宜イカ、実ハ本員ハ迷ヒマスカラ、一ツ提出者ノ御意見ヲ承リタイ
○六番(仙台、遠藤敬止君) 今少シ言ヒ方ガ甚ダ曖昧ニナツタヤウナ訳デゴザイマスガ、何処マデモ委員ヲ置キマシテ御審議下サルヤウニ致シタイト思ヒマス
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○六十二番(東京、中野武営君) 此案ニ付キマシテ委員ヲ置クト云フ説ト、或ハ撤回ト云フ御論ト二ツアリマスガ、私ノ考ハ今之ヲ御撤回ナサルトシテモ或ハ又委員ヲ置イテ新タニコレコレト云フ廉々ヲ調ベルト云フコトニシテモ、是ハサウ面倒イコトニ存ジマセヌ、又委員ヲ置イタカラト云ツテ、即チ其条項迄ヲ此会議デ拵ヘルト云フコトハ甚タ難イ事ト私ハ信ジマス、信ジマスケレドモ此処ノ場合デハ私ハ一応委員ヲ御置キナサル方ガ大変好イ時機デアルト思フ、ソレハドナタカノ御説ノアツタ通リ、昨今当局者ハ此案ヲ次ノ帝国議会ニ提出スルタメニ調査シテ居ル、近日鉄道会議ヲ開クト云フ模様デアルノデゴザイマス、又サウアルベキ筈ジヤ、現ニ此商法・民法ナドニ付キマシテモ一般ノ会社ニ関係シタコトハ規定サレテ居ルケレドモ、此鉄道ニ関係シマス所ダケハ、施行法ト云フモノヲ以テ追テ私設鉄道条例ノ出来ル迄ハ先ノ条例ニ依ル、サウシテカラニ改正ノ商法ナドニハ取除ケニナツテ居リマスカラ、詰リ此鉄道条例ハ改正シナケレバナラヌノデアルソレト同時ニ此鉄道法ト申スモノニ踏込ンデ往ツテ、鉄道ヲ運転致ス働キヲサス上ニ至ルコトマデモ規定スルニハドウ云フ風ニスルカ、果シテ当局者ハドウ云フ方針デ取調ベテ居ルカ、吾々ガ此聯合会ヲ時機トシテ之等ヲ確メテ置クコトハ大変必要デアルト思フ、若シ見当違ヒナ何デモナイ事ヲ取調ベテ居ルノナラバ此聯合会ヲ機会トシテ十分言ハナケレバナラヌシ、兎ニ角此聯合会ガ本員ヲ置イテ委員ガ調査スルニ付テ、当局者ハ如何ナル方針ニ因テ調ベテ居ルカト云フ事ヲ求メマスレバ、大ニ考ヲ定メ得ルノ便利モ其間ニ起ツテ来ルダラウト思フ、委員ヲ置イテモ其委員ガ必ズシモ各条項ヲ作ツテ此会ニ提出スルコトガ出来ルカト云ヘバ、ソレハ出来得ラレヌト思ヒマスケレドモ、併ナガラ今ノ時機トシテ夫等ノ事ヲ聞イテ見テ、此会ニ出シテ貰ツテ、将来ノ考ヲ定メタラ宜カラウ、故ニ此際撤回ダノ何ンノト云フコトハ申サズニ、唯委員ヲ置イテ夫等ノ事ヲ調査シテ貰ヒタイト思ヒマス
○五十五番(栃木、桜井源四郎君) 五十五番ハ、委員ヲ挙ゲル説ガ大分賛成ガアリマスカラ、成立タウト考ヘマスルデ、委員トナル御方ニ対ツテ私ノ意見ヲ述ベテ置カナケレバナリマセヌ、ソレハ先年北越地方ニ非常ナル災害ガゴザイマシタ、此方ハ米モナク麦モナク困ツテ居ル、荷物ガ高崎ニ堆積シテ麦ガ麹ニナリ、米ガ砕ケテ腐敗スルト云フ有様、即チ高崎ニ覆ヒノナイ所ニ米麦ガ積ンデアツタノデス、ソコデ北越地方カラ金ヲ持テ仕入ニ来タ人ハ空シク金ヲ寝カシテ置イテ、其国ノ人ガ食物ニ困ルト云フ有様、実ニアノ柏崎ノ水害ナドハ予想ノ外ノ出来事デ、トテモ今回ノ箒川ナドノ事件ノ比デハアリマセヌ、其時分ニ荷物渋滞ノタメ米麦ガ腐敗シテシマツテ損害ヲ被ツタ者ガ多々アリマス、併シ是ハ下野バカリデアリマセヌ、全国此鉄道制度ノ不完全ナルタメ、迷惑ヲ被ツテ居ル人ハ挙ゲテ数フベカラザル有様デ、既ニ今日秋葉原ニ荷物ノ渋滞シテ居ルコトハ諸君モ御承知ノ通リデゴザイマス、之ヲ一日日歩幾ラト云フモノヲ払ツテ空シク積ンデ置カナケレバナラヌ、其損害ト云フモノハ実ニ大ナルモノデ、是ハ吾々商業家トシテ一日モ黙視スルコトハ出来マセヌ、デ幸ヒ委員ヲ御設ケニナツタナラバ、吾々ノ希望シテ居ルコトヲ十分満足ヲ得セシメルヤウニ、完
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全ナル鉄道法ヲ制定セラレムコトヲ希望致シマス、依テ一言ヲ述ベマシテ私モ委員説ニ賛成致シマス
○八番(金沢、山田清三君) 本案提出者自ラ委員ヲ挙ゲルト云フコトヲ御発議ニナリマシタガ、是ハ委員ヲ設ケテヤルト云フコトハ善クナイ、ソレヨリハ本案ノ儘デ往ツタ方ガ宜カラウト思ヒマスガ、提出者自ラ委員ヲ設ケテ調ベテ貰ヒタイト云フ以上ハ己ムヲ得マセヌカラ、速ニ委員ヲ設ケラレンコトヲ希望シマス
○二十八番(広島、桐原恒三郎君) 本員ハ提出者ニ対シテ甚ダ愛嬌ノナイ事ヲ申上ゲルヤウデゴザイマスガ、先刻モ申ス通リ実ハ之ヲ真ニ委員ヲ置イテ調ベテ立派ニ決議シヤウト云フコトハ到底出来ヌダラウト思ヒマス、併シ六十二番ノ御述ベニナツタ如ク、目下ドウ云フ方針ニ依テ調ベテ居ルカト云フコトヲ鉄道局ニ就テ取調ベルト云フコトハ至極善イカモ知レマセヌケレドモ、委員ヲ置イテ夫等ノ事ヲ鉄道局ニ聞合ハセルヨリモ、ソレダケノ便利ハ他ニアルノデアリマス、依テ此案ハ撤回シテ完全ナル案ヲ御出シニナルヤウニ致シタイ、サウデナイト三年越シノ問題デアルカラ、委員ヲ置イテドウスル斯ウスルト云ツタ所ガ到底満足ナコトハ出来得ラレヌ、ソレデハ却テ不親切ナコトニナラウト思ヒマスカラ、ドウカ是ハ一先ヅ御撤回ニナルコトヲ希望致シマス
○三十八番(大阪、今西林三郎君) 此議案ハマダ撤回ニナリマセヌカ私ハモウ撤回ニナツテ居ルト思ツテ居リマシタガ、全体此仙台ノ商業会議所ノ提出者ハ目的ヲ達シテ居ルノデス、既ニ発布コソサレマセヌケレドモ鉄道局ニ十分御取調ベガ出来テ、鉄道会議ニ之ヲ掛ケ議会ニ之ヲ提出スルト云フ運ビニ至ツテ居ルノデアリマス、ソレハモウ分リ切ツタ話デアル、仙台商業会議所カラ御提出ニナツタ時分ニハ、サウ云フコトハナカツタガ、今日ハ継続案トコソナツテ居レ、詰リ其目的ハ達シテ居ルノデアルカラ、撤回ト云フト語弊ガアルガ御見合ハセニナツタラ宜カラウト思ヒマス、併シ委員ヲ選ムト云フコトニ付テハ六十二番ト私ハ同感デゴザイマスケレドモ、マ少シ委員ノ権限ト云フモノヲ此処デ確メテ置カヌト云フト委員ハ迷フデアラウト思フ、ドウ云フ事ヲシテ宜イカ分ラヌノデス、鉄道法ノ箇条ニ就テ吾々商業家ガ調ベタ所ガ到底分ラヌコトガ多イノデス、尤モ営業ニ属スルコトモアリマスガ、技術上ニ属スルコトガ多イ、其営業ニ属スルコトニ付テハ色色意見ヲ述ベルコトガ出来ルカ知レマセヌガ、技術上ニ付テハ吾々ノ分ラヌコトガ多イノデアリマス、ソレヲ一々取調ベルト云フコトハ到底ムヅカシイコトデアラウト思ヒマス、併シ六十二番ノ言ハレル如ク此処カラ其筋ヘ交渉シテ、若シ既ニ此案ガ脱稿シテ居ルコトデアルナラ内見ヲ許シテ貰ウトカ何ントカ、此会ノ会期中ニ取調ベテソレニ意見ガアレバ予メ意見ヲ其筋ニ持出シテ置クト云フ位ノコトハ宜カラウト思フ、併シソレヲ取調ベテ今度ノ議会迄ニドウスル斯ウスルト云フヤウナ事ハ面倒ナコトデアリマスガ、委員ヲ設ケルナラバ其委員ガドウ云フ事ヲスルモノデアルカト云コトヲ、委員ヲ設ケル前ニ決シテ貰ヒタイト考ヘマス
○三十六番(岡山、香川真一君) 三十六番ハ二十八番ト同感デゴザイ
 - 第22巻 p.376 -ページ画像 
マス、六番ト六十二番ノ委員ハ六番ノ意ニナイコトデハナイカト思ヒマス、又六十二番ノ委員ト云フノハ至ツテ薄弱ナ委員デアル、唯ダ行ツテ開イテ見ルト云フ位ノコトデ、此鉄道法案制定ノ件ノ委員トハ認メラレヌカラ、私ハ此二十八番ト同様ニ之ハ御撤回ニナツタラ宜カラウト存ジマス、三十八番ニ御照会致シマスガ二十八番ニ御賛成デハナイノデゴザリマスカ
○四十六番(豊橋、三浦碧水君)私ノ考ヘデハ、之ハ委員ヲ置クト云フモ如何ニモ六十二番ノ御説ガ便利ナヤウデアリマスガ、ドウモ当リマセンヤウニ考ヘマスカラ、又之ヲ撤回スルト云フニ付テハ御提出者ハ未ダ御意見ガ定マリマセヌヨウデアリマス、且ツ之ハ鉄道国有ノ方ノ案モ出テ居リマスガ、其方ノ案ニモ関係ノアルモノト考ヘマスカラ今日決議スルコトハ見合セニシテモウ少シ後トヘ廻ハシマシテハ如何デアリマスカ、サウシテ六番モ御講究ノ上デ御撤回ニナルカ、能ク御考ヘニナルヤウニシタイ
○五番(水戸、塙七平君) 五番ハ六番ノ賛成者デゴザリマシテ、委員ヲ設ケタ方ガ宜イト云フ賛成ヲシテ置キマシタ、尚ホ其委員ヲ設クル趣意ヲ申述ベヤウト思ツタ所ガ幸ヒニ六十二番ガ縷々御述ベニナリマシテ如何ニモ同感デアリマシテ、固ヨリ是ダケノ文字カラ成立ツタ関係ノ原案デゴザイマスカラ、之ニ対スル所ノ総テノモノヲ商業会議所ノ会員ニ作ラセルト云ツタラ、作ラセルコトハ出来ナイコトハ分ツテ居ル話デ、兎ニ角当局者ニ付テ取調ベテ当局者ノ出来テ居ルト云フコトハ既ニ三十八番カラ御報道モゴザイマシタコトデアリマスカラ旁々以テ委員ヲ設クルノハ最モ宜カラウト斯ウ信ジテ委員説ニ賛成致シマシタ、然ルニ何番デゴザイマシタカ六十二番ノ説ハ薄弱デアル、委員ト云フモノモ誠ニ薄弱デアルト云フ御説モゴザイマシタガ、決シテ薄弱ナコトモ何ニモナイ、此五・六十名アル人ガ皆ゴタゴタ騒グヨリハ委員ハ鉄道局ニ出テ調ベテ来テ其悪ルイコトヲ爰デ調ベテ議シテ削除修正シテ宜キコトニシヤウ、斯ウ云フコトニシマスレバ委員ガ薄弱ダト云フコトハ聊カアルマイト思ヒマス、其委員ノ人ニ彼是ガアリマスナラバ之ハ別物デアリマスケレドモ、委員ト云フモノニ付テハ最モ相当ノ話デ、六番モ此所ニ至ツテ撤回スルト云フコトハ決シテセヌ方ガ宜イ、撤回ナント云フコトハ甚ダ怪カラヌ話デ、撤回スルニハ及バヌ是丈ケノ議題デ以テ此タメニ委員ヲ置クト云フコトハ最モ必要ノ事ト信ジマスカラ、ドウカ余リ議論ノ花ノ咲カヌ時分ニ採決ヲ願ヒタイ
○三十七番(大阪、土居通夫君) 此問題ハ余程迫ツテ参リマシタガ、或ハ委員ヲ置ク或ハ撤回ヲスルト云フヤウナ賛成者モゴザリマスルガ政府ノ方ニモ既ニ此鉄道法ト云フモノガ御出来ニナツタモノト承リマスルシ、此撤回ト云フモ甚ダ提出者ニ対シテハ遺憾ニモ思ハレマスノデゴザリマス、矢張リ之ハモウ一ツ経騒《(マヽ)》サセマシテ宿題ニシテ置キマシタナラバ、其中ニ政府カラ発表ニナレバソレデ能ク完全スルダラウト思ヒマス
○三十六番(岡山、香川真一君) 御隣カラ誠ニ明論ガ出マシタ、私モ二十八番ニ賛成致シマシタケレドモ、御隣リノ三十七番ノ極ク明論ナ説ニ其方ヲ賛成致シマス、ソレデ只今五番デゴザイマシタカ、薄弱デ
 - 第22巻 p.377 -ページ画像 
ナイトカ何トカ御議論ガゴザイマシタガ、私ハ鉄道法制定ノ委員トシテハ薄弱デ、制定交渉委員ト云フ六十二番ノ御説デアレバソレハ極ツテ居リマス、唯ダニ鉄道法制定委員ト云フト鉄道法ヲ拵ヘルコトニナル、六十二番ノハ、之ハ拵ヘルコトハ余程難カシイ、併シ交渉シテ見ル交渉委員ナラバ随分功能モゴザイマセウケレドモ、御隣カラ頗ルドウモ明論ノ御説ガ出マシタカラ之ニ賛成致シマス
○有志十二番(仙台、小原保固君) チヨツト述ベタイ、私ハ仙台会議所会員デゴザイマスガ、十八番・二十八番・三十八番ト云フ方々カラ非常ナ御非難ヲ受ケマシテ甚ダ不思儀ト考ヘテ居リマシタ所ガ、ソレニ御賛成ノ方モアリマシテ御攻撃ノ方ガ大分勢力ヲ得テ参リマシタヤウデアリマスガ、仙台会議所ハ、爰ニ鉄道法ト云フモノヲ仮想致シマシテ、其第一条カラ第何条迄逐条ニ対シテノ意見ヲ持ツテ居ルノデハゴザイマセヌ、其当時ヲ顧ルトまあ頻繁ニ災害ノタメニ非常ニ困難ヲ被ツテ居ル故ニ此一ツノ法律ヲ制定サレンコトヲ希望シタノデ、箇様ナ大キナ問題ヲ提出シタノデゴザイマスカラ或ハ不備ノ点モゴザイマセウ、或ハぼんやりシタ所モゴザイマセウガ、ドウカ此会議所ニ於テハ御互ヒニ精神ヲ御採用アランコトヲ希望致シマス、ソレデ私共ハ此鉄道ニ関スル所ノ法令ガ此弥ヨ当議会ヘデモ提出ニナルト云フコトガ確マツテ居ルナラバ、強チ彼是主張ハ致シマセヌノデゴザイマスガ、兎ニ角三十幾番カハ当年議会ニ提出ニナルト云フ御話デハゴザイマスケレドモ、法人ト法人トノ移リ変ヘデアリマスカラ、此法人ト法人トノ聯合体カラシテ公然ト委員ニ挙ゲマシテ、サウシテ政府ノ方ニ照会サレマシテ、果シテモウ此十四議会ニ提出ニナルトカ、斯ウ云フコトデゴザイマスレバ、私共ハモウ甘ンジテ撤回モ致シマセウ、又継続セヨト言ハレテモ甘ンジマセウ、否決サレマシテモ甘ンジマスル、ドウカ此唯ダぼんやりと個人ノ御話ヲ伺ツテ、サウシテ箇様デアルカラ撤回シタナラバ――継続法ニシテ黙ツテ来タト云フテ故郷ニ帰ル訳ニハ参リマセヌ、ドウカ諸君ハ委員ヲ挙ケテ此事ヲ確メラレンコトヲ希望シマス
○四十九番(横浜、左右田金作君) 先刻ヨリ諸君ノ御明説ヲ色々拝聴致シマシテゴザイマスガ、御提出ニナリマシタ六番アタリモ是非其調査委員ヲ置イテ云々ト云フ説モアル、又撤回ト云フ御説モアル、又六十二番アタリカラ、既ニ政府ニ於カレテモ最早其事ニハ心ヲ寄セラレテ夫々取調中デモアルト云フヤウナ御説モアル、又撤回説ニモ賛成ガアル、又委員説ニモ賛成ガアル、吾々昨今デゴザイマスカラ何方ラニ起立シテ宜イヤラ誠ニ賛成ノ途ヲ失ツテ居ル、故ニ次回マデ御延バシ下サルコトニ願ヒマス、明日、明後日ナリニ――サウ云フコトニ願ヒマシテ、能ク又吾々モ精神ヲ定メテ賛否ヲ決シマス、如何ニモ議場ガ区々デ何方ニ賛成シテ宜イカ分リマセヌ
○三番(知多、天野伊左衛門君) 種々御説モゴザイマスガ、此場合ニ於テハドウカ採決ノ外ハナイト思ヒマス、何レノ説モ少数デアルト云フコトニナレバ又消滅致シマセウ、又消滅シテ置ク可カラザルコトデアレバ即チ新タニ又出ルト思ヒマス
○四十九番(横浜、左右田金作君) 只今三番ノ説ガ出マシタガ、三番
 - 第22巻 p.378 -ページ画像 
ノ説ニ同意
○会長(東京、渋沢栄一君) 三番ノハ決ヲ希望致シマシタノデ
○十八番(京都、大沢善助君) 今ノ場合採決ト云フノハドウ云フ採決ヲヤルノデアリマスカ、撤回ト云フノハ多数デヤルコトハ出来ナイノデ、採決スレバ此儘延バスト云フナラバ採決セイデモ議長ノ権内デ御延バシニナツテモ宜カラウト思ヒマス、ドウモ余リ混雑シテ居リマスカラ、議長ノ権内デ御延バシニナツテ如何デアリマス
○五十一番(宇都宮、村上浜吉君) 諸君ノ御説モ種々拝聴致シマシタガ、何分種類ガ多イノデ……
○会長(東京、渋沢栄一君) 此案ハ如何デゴザイマス、明日マデ延バサウデハゴザイマセヌカ
   (「賛成々々」ト呼ブ多者シ)
○会長(東京、渋沢栄一君) ソレデハ継続議案第一号ハ、先ツ採決ハ今日延シマシテ更ニ議題ト致シマスヤウニ仕リマセウ、段々ノ御希望ハ余リ効能ヲ見マセヌケレトモ、却ツテ之ガ大ナル効能ニナルカモ知レセマヌ
   (「賛成々々」ト呼ブ者多シ)


明治三十二年十月開設 第八回商業会議所聯合会議事速記録 第七三―八四頁 刊(DK220028k-0003)
第22巻 p.378-383 ページ画像

明治三十二年十月開設
第八回商業会議所聯合会議事速記録  第七三―八四頁 刊
    ○第二日
明治三十二年十月十二日午前十時五十分開議
  出席委員     五十六名 ○氏名略
○上略
○六十二番(東京、中野武営君) 是カラ議事ニ御掛リデゴザイマセウカラ、私ハ昨日、今日マデ延期ニナリマシタ此継続議案第壱号鉄道法制定ノ件ニ付キマシテ、一寸昨日申述ベタコトニ付テ少シ正誤ヲ致シタイ、色々昨日之ニ付テ御論ガゴザイマシタガ、要スルニ此聯合会ナドハ能ク政府ノ意向ヲモ予メ確メ、又此事柄ニ依リマスルト大ニ研究ヲ致シ、十分ニ委員ヲ組織シテ、例ヘバ此儀ニ於テハ出来得ラレヌモノニシテ見テモ、何ニカ方法ヲ以テソレ等ヲ急ギ、意志ノ徹底致シマスルヤウナ方法ヲ又設クルコトモゴザイマセウト考ヘマスカラシテ、昨日ノ御論ニ依テ見マスルト此法案ニ対シテ委員ヲ置クトスルノハ中中容易ニ出来ルコトデハナイト云フ御論モアル、又同ジ委員トシテモ少シ此鉄道法制定ト云フ文字ニハ不適当デアルト云フ御論モゴザイマシタ、成程夫是承ツテ見ルト皆様ノ御考ノコトモ御尤デアル、唯ダ要スルニ、余リ名目ヤ何ニカニ拘泥シテサウシテ趣意ガ徹底致シマセヌノハ甚ダ遺憾ト思ヒマスル故ニ昨日ノ私ハ委員ノ説ニ付テ正誤ヲ致シタイ、此鉄道法ヲ今政府ガ編製ニ掛ツテ居ル事柄ガ吾々ノ希望シテ居ルヤウナ所謂鉄道法ト云フ趣意ノ方針ヲ執ツテ居ルカ、或ハ従来ノ私設鉄道条例ト云フモノノミニ対スル改正ヲスルノデアルカ、シテ見ルト官設鉄道ニハ少シモ関係セズ私設ノ鉄道ノ組織上ニ関係シテ参ルノカドウナルノカ、一体此建議者ノ趣意ノ如ク、官民ニ拘ラズ鉄道トシテハ大事ナモノデアルカラ、其取締総テノ事ヲ厳密ニスルト云フ方針デ法律ノ編製ニナルカト云フコトハ能ク確メテ見マシテ、ソレカラ吾
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吾研究致スノガ宜シイノデ、何ニモ其鹿爪ラシク此事ヲ四角ニ極メイデモ、成ルベク斯ウ云フ聯合会ニ於テハサウ云フ手続ヲシテ、政府ノ意志意向ヲ確メ得ラルヽ丈ケ能ク確メル途ヲ取ルガ却ツテ効用ノ多イコトダラウト私ハ信ジマスカラ、ソレ故ニ差向キノ所此問題ニ付キマシテハ其筋ヘ交渉ヲ致シテ取調ベルコトヲ第一ノ着手ト致シタイ、私ノ趣意モ最初ハ即チ其趣意ハ其所ニアルノデゴザイマスカラ、ソレデ別段此鉄道法制定ノ委員ト云フ名儀ニ致サズニ、此案ヲ取調ベル所ノ途ヲ立テル為ニ、議長ヨリ三人程ノ人ヲ御指名下スツテ、ソレデ此聯合会ノ議長ノ名ヲ以テ、此問題ニ付テ当会議所ガ調査ヲ要スルモノアルニ就テ、政府ニ於テ御編製トカ或ハ御調査ニナツテ居ル所ノ鉄道条例改正ノコトニ付テ承リタイ、差支ナイ限リ十分御示シ下サルヤウニアリタイト云フコトヲ議長カラ御照会下サツテ、其委員ガソレヘ出テ十分当局者ニ当リマシテ確メテ、ソレデ分リ得ラルヽ丈ケハ分ルヤウニシテ、ソレデ此議場ニ報告致シマシテ、此議場カソレニ付テハ委員ヲ改メテ置イテ十分スルガ宜イトカ、サウユウコトナレバモウ委員ヲ置クニ及バヌトカ、御決着ニナルコトガアルダラウト考ヘマスカラ、サウ云フ手続ヲ御取リニナツタ方ガ一番道理ニ於テ宜イ、余リ之ヲ今直グニ鉄道法ヲ此方ラデ拵ヘテ見マシタ所ガ、容易ナ業デモゴザイマセヌノミナラズ却ツテ事実ニ当ラヌ事ガアルカモ知レマセヌカラ、私ハ昨日ノ委員ヲ漫然ト委員ト申シテ置キマシタケレドモ、今日ハ其当局者ヘ交渉ヲ致シテソレヲ突留メテ此会ヘ報告ヲ致ス丈ケノ委員ヲ置クコトヲ、此問題ニ付テ建議ヲ致シマス
○五十六番(栃木、清水安平君) 只今六十二番ガ申サレマシタ鉄道法ノ、仙台カラ出マシタ所ノ議案ヲ議スルノデアリマスカ
○会長(東京、渋沢栄一君) イヤ未ダ其議事ニハ掛ツテ居リマセヌ、但シ此継続議案第一号ハ昨日議了致シマセヌデ今日ニ廻ハスト云フ御約束ニナツテ居リマスカラ、皆様ガ之ヲ議題トシタト云フコトデゴザイマスレバ、是カラ先ニ議シ了ツタ方ガ宜カラウト思ヒマス
○五十六番(栃木、清水安平君) 了解シマシタ、然ラバ本員ハ之ハ急ノ急デアルト思考致シマス、既ニ昨日モ此事ニ付テハ大ニ議論モ起リマシタ、其結果延期ト云フヤウナ話デ去ル七日既ニ箒川鉄橋ノ実例モゴザイマスル、実ニ実業上ノ盛衰ニ付キマシテモ関係ノ大ナルモノデ、其他教育其他万般ニ影響スルコトデアラウト確信致シマス、ソレデ中野君ノ御意見ヲ拝聴致シマスルト、今調査ニナツテ居ツテ尚ホ帝国議会ニ係ル、鉄道局ノ議ニ掛ルト云フヤウナ話デ、是ガ発布ニデモナルトカ御極リデモアルト云フコトデアリマスカ、少シモ早ク只今六十二番ガ申サレタヤウナ委員ヲ挙ゲラレテ、サウ致シテ其等ノ事ヲ十分ニ質問スル方ガ、私ハ宜カラウト思フ、実ニ之ハ急務ノ急デゴザイマスルト思ヒマスカラ、其意見ヲ一寸……
○三十七番(大阪、土居通夫君) 只今六十二番ノ御述ベニナリマシタ通リ、此議題ニ付テハ六十二番ノ述ベラレタ通リノ方針ヲ執ルガ宜カラウト考ヘマス、賛成致シマス
   (「賛成」ト呼ブ者アリ)
○会長(東京、渋沢栄一君) 昨日此継続議案第一号ハ種々御討議ガゴ
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ザイマシタ、或ハ原案ノ提出ニ付テ意志ガ明カデナイト云フヤウナ御駁撃意味ノ御演説モアツタヤウデアリマシタ、又撤回スルガ宜カラウ若クハ委員ヲ立テルガ宜カラウ、其委員ノ立テ方ニ付テモ意味ガ一・二ニ分ツテ居ツタヤウデ、併シ委員説ニ於テハ六十二番ガ趣意ガ十分徹底シナカツタカラト云フコトデ、就テハ今日此議案ハ玆ニ議題トシテ御議シニナツタ方ガ宜カラウト考ヘマスガ、御異議ガゴザイマセヌケレバ之ヲ議題ト致シマス
○二十八番(広島、桐原恒三郎君) 只今六十二番カラ昨日ノ委員説ヲ御申出シニナリマシタ所ヲ分析シテ御話ガゴザイマシタ、略々了解致シマシテゴザイマスルガ六十二番ノ説ニ依リマスト鉄道法ノ制定ノ委員デナクシテ当局者ニ聞合ス委員デアルト云フコトデ、サウシマスト此問題ハドウナルデゴザイマスルカ、一寸六十二番ニ質議ヲ致シマス
○六十二番(東京、中野武営君) 此問題ハ活キテ居ルノデゴザイマス此問題ノ心配ヲ致スタメニ先ヅ其前ニソレ丈ケノ今申述ベタ所ノ手続ヲ行ウノデ、ソレデ最早宜シイト皆様ガ其報告ヲ聞イテスルカ、サウ云フコトナレバ捨テ置ケナイ、進ンデマア一ツ細密ナ事ヲセンナラヌト云フコトニナルカ、其事ヲ定メルタメニ委員ヲ置クノデ
○番外二十五番(京都、岩村茂君) 此鉄道法制定ノ建議ガ出マシテ色色議論ガアリマシタガ、此京都ノ商業会議所デハ新商法ノ実施ノ時ニ鉄道規則ト云フモノガ商法ト伴ハナイノデ其疑義ヲ起シマシタノデ、鉄道ノ営業モ商法ノ原則ニ従ツテヤルモノデアルカ、或ハ特別法ハ商法ノ七条デアリマシタカ矢張リ一ツ様ノモノト認メテアルカラ、鉄道ノ諸規則ハ矢張リ行ウベキモノデアルカト云フコトニ疑義ヲ起シマシテ、段々調ラベテ見マシタ所ガ実ニ意外千万ナ規則、不完全ナモノガ未ダヤツテ居ル、未ダ則チ鉄道略則ト云フ明治九年デゴザイマシタカ制定ニナリマシタ案ヲ始メトシテ、其後条例トカ種々ナモノデ補ツテヤツテ居ル、ソコデ之ハ一ツサウ云フ妙ナ色々ノ集ツタ諸規則デハ甚ダ不便利デアルカラ、サツパリ一ツ洗ヒ直シテ鉄道ノ規則ガ出来ナケレバナラヌモノト云フ感情ヲ起シマシテ、既ニ調査委員ヲ置キマシテ調ベマシタ、調ベタ其結果ト云フモノハ役員会ニ報告致シマシテゴザイマスル、未ダ其事ガ総会ヲ開イテ会議所ノ意見トシテ世ノ中ニ発表スルマデノ手続ニハ至ツテ居リマセヌケレドモ、既ニ調査委員ヲ会員中カラ選挙ニナリ略二・三日ノ間研究致シマシタ結果ト云フモノハ只今私ハ此所ニ持ツテ居ル、是ニ理由ヲ附ケマシタノモ持ツテ居リマスガソレハ余程長クナルノデ、要スルニ鉄道ノ規則ヲモウ始メカラ終ヒマデ完全ナモノハ会議所デ出来ル訳ハゴザイマセヌカラ、今マデノ規則中デ最モ肝要ナ所ノ改正、此必要ナコトノ論説ト云フモノヲ集メマシテ凡ソ八箇条許リト云フモノハ研究ノ結果出来テ居ル、其中ノ一寸一・二ヲホンノ御参考ノタメニ御話ヲ致シマスレバ、貨物ノ集配ノコトヽ云フヤウナコトガ極ク不完全デアル、損害賠償ト云フヤウナコトハマルデ鉄道ニ運送ヲ託セバ殆ンド希望ガ少ナイト云フ位ノ規則ニナツテ居ル、ソレカラシテ貨物ヲ幾日間ニ送ツテ貰ヒタイト云フ約束モ勿論出来ナイ、ソラ鉄道デ貨物ヲ運送スレバ延着ト云フコトハナイト云フ結果ニナル、是誠ニ商工業者ニ取ツテハ不便極マル話デアルノミ
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ナラズ、サウ云フ未ダ不完全ナノニ、一方商法ノ方ヲ見マスレバ、貨物ノ荷物……何ント云フノガ商法ニ現ハレテ居リマスガ、ソレハ裏面ニ依ツテズンズン売買ガ出来ルト云フコトヲ新商法デハ認メテ居ル、ソレ位商法ノ方デハ大変進歩シテ居ツテ、鉄道ノ方ノ規則デアツテ見ルト滅失・破損等ニ付テノ一向賠償ノ責任ガ現ハレテナイ、実ニ跛ノ訳デ、ソンナ事ダトカ、或ハ商工業者ニ取ツテハ手荷物中ニ商品ノ見本位携帯ヲ許シテ貰ウト云フコトハ必要ナンデ、之ハ規則デ許サヌノヲ窃カニ持ツテ行クノデ誠ニ心持宜クナク持テ行ク姿デアル、ソンナ様ナ事モ一ツ新タニ加ヘテ行クト云フノデ、詰リ十箇条許リノ必要ノ条項ヲ――勿論鉄道法トシテモ、種々ナモノヲ言ハシナイ、所謂営業ニ関スル、商工業ニ直接ニ関係ノアルコトヲ研究スレバ足リルノデゴザイマスカラ、十箇条許リ拵ヘテ持ツテ居ル、此席デドウ云フコトニナリマスカ、委員ヲ御設ケニナリテ先ヅ以テ主務省ニ御問合セニナルト云フコトデゴザイマスレバ、京都モ其委員ノ一人ニ加ヘラレンコトヲ希望致シマス
○二十八番(広島、桐原恒三郎君) 昨日撤回ノ注意ヲ致シマシタノガ少シク害ニナツテ大分時間ヲ費スヤウデゴザイマス、考ヘマスルニ到底出来マシテモ此問題ハ消滅スルモノデアリマセウカラ、遅イト早イノ違ヒデアリマセウカラ、爰デ六十二番ノ委員ヲ置クコトモ、主務省ノ事情ヲ取調ベル事モ、利便ト考ヘマスカラ、昨日撤回ノ請求ヲ致シマシタノヲ撤回致シマス、六十二番ニ賛成ヲ致シマス
   (「六十二番ニ賛成」又ハ「採決」ト呼ブ者アリ)
○会長(東京、渋沢栄一君) 第一号議案ニ付キマシテハ、六十二番ハ委員ノ立方ガ幾名ト仰シヤリマシタナ
○六十二番(東京、中野武営君) 三名ト申シマシタ
○会長(東京、渋沢栄一君) 三名ノ委員ヲ置ク、其委員ノ性質ハ、此本案ヲ調査スルト云フヨリハ、寧ロ主務省ノ今下調ベノ模様ヲ聞合ハシテ其報道ヲスルヲ先ヅ第一ノ勤メトスルト云フ、一種ノ変ツタ委員説ノヤウデアリマスガ、此委員説ガ大分御賛成ガアルヤウデ
○八番(金沢、山田清三君) 本案ニ対シテ委員ノ御説、六十二番ノ御説ガアル、御尤モナヤウデアルケレドモ、本案ハ既ニ議題トナツテ今日議スル場合ニ当リマシテハ、或ハ討議スルカ或ハ又此所ニ於テ委員ヲ設ケテ取調ベヲスルトカ云フコトハ、委員ヲ設クルコトハ必要デ、其委員ノ取調上ノ事柄ニ至リマシテハ或ハ主務省ノ方ヲ問合スコトナラバ其委員ニ在ルコトデアル、此所ニ於テ委員ヲ設ルノ際主務省ノ方ヲ問合ス丈ケノ委員ヲ此所デ設クルト云フコトハ余リ面白クナイヤウニ思ハレル、ソレヨリハ純然タル此所ニ於テ委員ヲ設ケテ取調上ノ事ハソレハ委員ニ托シテ置ク方ガ、最モ委員ノ性質トシテ主務省ナリ何ナリ取調ベルコトハ必要デアル故ニ、ドウゾ取調ベノ委員ト云フコトニシタイト思ヒマス
○五番(水戸、塙七平君) 五番ハ矢張リ六十二番ニ賛成致シテ置キマシタデゴザイマスルガ、只今会長ノ御報道ニ依ルト、一種特別ノ委員ノヤウダト云フ御報道ノヤウデゴザイマスガ、別ニ矢張リソレデ差支ガアルマイカト思ハレマスノデ、議事ノ都合ニ依ツテ之ヲ第二次会ト
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致シテ、此仙台提出ノ鉄道法制定ノ件ヲ賛成致シマシテ、ソレデ直ニソコデ委員ヲ設ケテモ、又二次会ナリ三次会ナリニ至ツテ打破ルコトガ出来ルモノデアリマスカラ、委員ニサウ厳格ニ分劃ヲ置カズニ単ニ委員ト為スツテ、却ツテ御設ケニナリマスヤウニ致シタイ、デ都合ニ依リマシテハ又其三名ノ委員諸君ガ後ト後トマデモ御斡旋下サルヤウニト云フコトヲ一応希望シテ置キマス
○五十五番(栃木、桜井源四郎君) 私ハ六十二番ニ矢張リ賛成デゴザイマスガ、抑モ昨日モ此継続案ニ付キマシテハ色々説ガゴザイマシタガ、此議員諸君ノ平均ヲ見ルニ、此案ハ東北ニ重クシテ関西ニ軽ルウゴザイマス、私ノ見渡ス所デハサウ見受ケマス、然ラバ私設鉄道ガ不完全デ官設鉄道ガ完全デアルカ何レデアルカ、其所ニ行違ヒガアルト考ヘマス、依ツテ六十二番ニ賛成ヲ致シマシテ、報告ヲ受ケマシタ後尚ホ考ヘル所モアリマス、依ツテ六十二番ニ賛成スル所以デアリマス
○十番(名古屋、奥田正香君) 私ハ出席ガ遅参ノタメニ昨日ノ事ハ知ラヌノデ、特ニ私ノ為ニ承ルモ差控イテ居リマスル中ニ、種々ノ議論ガ出マシテ略了解シマシテゴザイマス、只今六十二番ノ御説モアリマシテ、成程主務省ヲ聴合シタ上デ存廃ヲ議スルタメニ委員ヲ置クト云フノハ御尤デアリマスガ、去リナガラ余程今日此鉄道法ノ官設・私設ヲ問ハズ不完全ナ事ハ申スマデモゴザイマセヌカラ、矢張リ仙台カラノ御建議ハ御尤モト思ヒマス、ソレデ只今五十五番デゴザイマシタカ東北ト関西デ事情ガ異ナルヤウナ御話モゴザイマシタガ、決シテサウデハナカラウト思ヒマス、官設ニモ甚ダ不完全ノコトモアリマスルシ又私設ノ上ニ付テモ不完全ノコトガゴザイマス、矢張リ只今八番・五番等ノ御述ベノ如ク委員ニ附託シテ、自ラ実際ニ於テハ六十二番ノ御述ノ如ク或ハ主務省ニ聞合シテ、其御報道ニ非常ニ満足ヲ得テ其儘止ム場合ニ至ルカハ知レマセヌガ、兎ニ角矢張委員ト云フモノヲ調査ノタメニ置キマシテ、ソレデ主務省ヲ第一着手ニ問フナリ何ナリ、ソレゾレ委員ノ意見内デ御ヤリニナルヤウニ、或ハ差向キ委員ガ其他ノ事ニ推及ボシテ御苦労下サルヤウナコトニナツテモ宜イ、余リ狭隘ニ唯ダ主務省ニ交渉スルト云フマデヾナク、マア籠メテ委員ヲ置カレルト云フ八番ナリ五番ナリノ御説ニ賛成デゴザイマス
○五十六番(栃木、清水安平君) 六十二番ニ大賛成デゴザイマス、之ハ実ニ昨日モ大ニ議論ヲ致シマシテ段々長引イタ事デアリマス、実ニ重大ナ問題デゴザイマス、然ラバ今三名委員ヲ増タイノデアリマス、他ノ委員ハ五名、七名或ハ問題ガ多ウゴザイマスカラト云フコトデアリマシタカ、之ハ実ニ重大デゴザイマスカラ三名デハ足リマセヌカラ今二名殖シタイト云フ意見デアリマス
○二十六番(八王子、鈴木信太郎君) 只今六十二番及八番ノ御意見モ至極何方ラモ御尤ト云フ考デ、本員ハ此昨日来仙台商業会議所ガ此鉄道案ヲ御提出ニナツテ、之ハ既ニ宿題トナツテ昨日ハ既ニ此法案ヲ撤回シタラ宜カラウト云フヤウナ御論モ出マシテゴザイマス、実ニ本員ハ遺憾ニ思ヒマシタ、此鉄道法案ヲ当聯合会ニ於テ宿題トナツタト云フモノハ、半バハ既ニ此仙台商業会議所ノ提出ガ希望ヲ達シテ居ルト云フ、本員ハ考ヘデゴザイマス、既ニ政府ガ、昨日何番カノ御意見ニ
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政府ハ既ニ此事ヲ調査シツヽアルト云フ御意見デ、政府ガサウ云フ考ヲ有タレルノデ調査シツヽアルノハ、此仙台商業会議所ノ御提出ガ半バ希望ヲ達シテ居ルト云フ考デ、最モ撤回スルノハ遺憾デ実ニ生埋ニスルト云フ考ガゴザイマシタ、既ニ段々今日ノ此法案ハ既ニ只今八番ノ御説ノ通リ九名ノ委員ヲ此鉄道法案ニ付テ議長御指名ニナリマシテ其九名ノ中カラ既ニ六十二番ノ御説ノ如ク政府ヘ交渉スルカ或ハ何レノ方向ニナルトモ、其中カラ三名ノ委員ヲ御選ミニナツテ、サウシテ九名ノ委員ヲ以テ始終御調査アランコトヲ希望致シマス、即チ八番ノ意見ヲ賛成致シマス
○十七番(阿波、根本民治君) 十七番ハ矢張リ六十二番説ヲ賛成致シマス、鉄道法制定ノ件ト云フコトニ付テハ既ニ昨日モ御論ガアツテ、或ハ廃棄ト云フノ所謂撤回ト云フノ御論ガアツタヤウナ場合デアル、政府ノ調製シツヽアル所ヲ先ツ一応取調ベタ後ニ弥ヨ此聯合会ガ制定法ヲ編纂スルノ必要ヲ認メテヤルカ、否ナ又其場合ニ至レバ寧ロ此聯合会ガセズト政府ノ所謂鉄道会モ最早開カレルノデソレデ調査サストカ或ハ諮問スルト云フノ場合ヲ竢ツ方ガ却ツテ完全ノモノガ得ラルヽカモ知レナイ、兎ニ角此一応当局者ニ依ツテ其調ベテ居ル所ガドウ云フコトニナツテ居ルカト云フノヲ調ベタ後ニ、先ヅ全廃トカ或ハヤルトカ云フコトヲ議決シテ行ク方ガ、穏当ニシテ完全ナモノガ得ラレルト云フ私ハ考デ、全ク六十二番ニ賛成致シマス
○会長(東京、渋沢栄一君) 委員説ガ一寸二ツアルヤウデスガ、五名説モ九名説モマタ御賛成ガナイヤウデアリマス、六十二番ノ三名説ガ段々御賛成ガアルヤウデ六十二番ノ説ニ依ツテ……
○四十九番(横浜、左右田金作君) 一寸六十二番ニ伺ツテ置キマスガ只今三名ノ委員ニハ会長閣下モ加ヘルト云フ御説ガアツタヤウデスガ果シテサウデスカ
○六十二番(東京、中野武営君) サウハ申サヌ、会長ノ御指名デ此決議デ会長ノ照会ヲ以テ出テ行クト云フ……
○会長(東京、渋沢栄一君) 採決致シマスル、六十二番ノ説、三名ノ鉄道法制定ノ件ニ付テ三名ノ委員ヲ置クト云フニ御同意ノ方ニ御起立ヲ……
   起立者  多数
○会長(東京、渋沢栄一君) 御多数――今ノ三名ノ委員ヲ申上ゲマス遠藤敬止君・大沢善助君・桐原恒三郎君、此御三名ヲ委員ニ御指名致シマス
○二十八番(広島、桐原恒三郎君) 少シ事情ガゴザイマスデ委員ヲ御辞ハリ致シマス
○会長(東京、渋沢栄一君) 併シ之ハ議長指名ヲ全会ガ御極メニナツタノデアリマスカラ、サウ致シマスト甚ダ差支マス
○二十八番(広島、桐原恒三郎君) 一応ソレジヤ御受ケヲ致シマス


明治三十二年十月開設 第八回商業会議所聯合会議事速記録 第二六九―二七一頁 刊(DK220028k-0004)
第22巻 p.383-385 ページ画像

明治三十二年十月開設
第八回商業会議所聯合会議事速記録  第二六九―二七一頁 刊
    ○第四日
明治三十二年十月十六日午前十時二十分開議
 - 第22巻 p.384 -ページ画像 
  出席委員     四十七名 ○氏名略
○上略
○六番(仙台、遠藤敬止君) 此航路補助ノコトガ済ンダ上ハ、順ニヤルト衆議院議員選挙法改正ノコトニ移ルノデスガ、私共三名鉄道法ノコトニ付テ主務省ノ交渉委員トナツテ交渉ヲシタ顛末ヲ玆デ御報道シタイト思ヒマス、是ハ書面デナク口頭デ報告シタイト思ヒマスガ宜シウゴザイマスカ
○会長(東京、渋沢栄一君) 宜シウゴザイマス、御報告ヲ願ヒマス
○六番(仙台、遠藤敬止君) 一昨日即主務省ノ鉄道局ニ三名ノ委員ガ午前九時ニ出マシテ、逐一御尋ネヲ致シマシタ所ガ、案外此法案ニ付テ其筋デモ色々御編成ニナツタモノガアツテ、既ニ十四議会ニ出スバカリニナツテ大臣ノ手許迄出テ居ルト云フ事デゴザイマス、其出シテアル法案ハドウカト云ツテ御尋ネヲシタ所ガ、私設鉄道法ト云フモノガ第一ニ今日迄アル鉄道条例トカ何ントカ云フモノニ代ハルモノガ一ツ、此私設鉄道法ト云フモノニ私設鉄道会社ノ監督法ト云フモノモ這入ツテ居ルサウデス、其外ニ営業法ト云フモノガ一ツ編成ニナツテ居ルサウデス、其営業法ト云フモノニ今日ノ鉄道略則――運輸ノ法ダトカ、運転ノ法ダトカ、建築ノ法ダトカ云フヤウナ、大体ノ事ガ規定サレテ居ル、是ハ官設鉄道デモ何ンデモ営業法ニ由ツテヤラナケレバナラヌ、是モ既ニ出来テ居ルサウデス、此編成ニナツタモノヲ委員ハ拝見ガ出来ヌカト云ツタ所ガ、ソレハ今日見セラレヌト云フコトデゴザイマシタ、其話ヲシタ人ハ鉄道ノ事ニ関シテ官ノ命ヲ受ケテ欧羅巴各国ノ調ベヲシテ帰ラレタ人ダサウデス、一々詳細ノ話ヲ聴キマシタガ私共一々記憶シテ居リマセヌカラ、大体ヲ摘ンデ御話申シマスガ、ソレカラ其下ニ今日アル補則トカ云フモノニ代ハルモノモ出来テ居ルサウデ、ソレハマダ大臣ノ手許迄出ナイガ編成ハ半バ出来テ居ルト云フコトデス、是ハ営業法ノ細則ミタヤウナモノガ出来ルノダサウデス、ソレハ第一建設規定ト云フヤウナモノ、ソレカラ運転規定、運輸規定――物品ヲ運搬スルノ方法、或ハ賠償方法トカ、或ハ是迄ノ如ク二十四時間以上ハ物品ヲ預カツテ置カレヌトカ何ントカ云フコトガ是ニ這入ルノダサウデス、ソレカラ信号「シグナル」規定トカ何ントカ細カニ聴キマシタガ、先ヅ大体斯ウ云フモノガ出来テ、今日迄ノ鉄道略則トカ、鉄道条例トカ、補則ナドヽ云フモノニ代ハルベキモノヲ、成ルタケ急イデ是非トモ十四議会ニ提出スルト云フ考デアルサウデス、其場合ニ今此聯合会ニ於テ細カナ箇条ナドヲ列ベ立ツテ建議ダトカ請願ダトカスルヤウナコトニナルト、世ノ中ノ議論トナツテ却ツテ困ル、併シナガラ大臣ノ手許ニ迄出シテアルノダガ、若モ此議会ニ出ナイヤウナコトガアツタナラバ各会議所カラ催促状位出スノハ宜イガ、此際細カイ箇条ヲ列ベ立ツテ建議・請願等ハシテ貰ヒタクナイト云フ局長カラノ御話デゴザイマシタ、細カイ事ハ種々欧羅巴帰リノ局長様デ詳シイ御話ガアリマシタガ、私共一々記憶シマセヌガ、サウ云フ訳デゴザイマシテ、ソレデ斯ル手続ニ迄進行シテ居リマスカラ、鉄道法ノ事ニ付テ此聯合会ニ於テ調査スルノ何ンノト云フコトハ先ヅ止メテ置キマシテ、私共ノ会議所カラ一昨年カ提出致シマシタ議案ハ撤回致シテ
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置キマシタ方ガ都合ダラウト存ジマスデ、一言


明治三十二年十月開設 第八回商業会議所聯合会議事速記録 第三〇六頁 刊(DK220028k-0005)
第22巻 p.385 ページ画像

明治三十二年十月開設
第八回商業会議所聯合会議事速記録  第三〇六頁 刊
    ○第五日
明治三十二年十月十八日午前十時十分開議
  出席委員     五十名 ○氏名略
  有志会員      五名 ○氏名略
  事務員      二十名 ○氏名略
○副会長(東京、中野武営君) 会長ガ事故ガゴザイマシテ、朝ノ中欠席ヲ致シマスデ私ガ代理ヲ致シマス、皆サンノ御承認ヲ一ツ経テ置キマスガ、継続案第一号鉄道法制定ノ件ハ一昨日ノ会議ニ於キマシテ、六番即チ提出商業会議所ヨリ此案ヲ撤回スルト云フコトノ御発議デゴザイマシタガ、其撤回ニ付テ皆サン御承認ノアツタコトヽ致シテ宜シウゴザイマスカ
   (「異議ナシ、々々」ト云フ者アリ)
   ○政府ハ明治三十三年二月私設鉄道法案並ニ鉄道営業法案ヲ第十四議会ニ提出シ、同年三月十六日法律第六十四号ヲ以テ私設鉄道法ヲ、第六十五号ヲ以テ鉄道営業法ヲ公布セリ。其詳細ニ就イテハ「日本鉄道史」中篇(第七二六頁以下)参照。