デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
4款 商業会議所聯合会
■綱文

第22巻 p.643-653(DK220050k) ページ画像

明治33年5月19日(1900年)

是日第九回定期会第三日ノ会議ニ於テ、前定期会ヨリノ継続議案タル東海道鉄道複線速成ノ儀上程サレ、討議ノ末其趣旨ヲ可認シ方法ハ審議セザルコトニ決ス。栄一会長トシテ議事ヲ司宰ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三三年(DK220050k-0001)
第22巻 p.643 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三三年     (渋沢子爵家所蔵)
五月十九日 晴
午前商業会議所聯合会ヲ開ク、午後二時議事ヲ了シ ○下略


第九回商業会議所聯合会報告 第一五―一六頁 刊(DK220050k-0002)
第22巻 p.643-644 ページ画像

明治三十三年五月開設
第九回商業会議所聯合会報告  第一五―一六頁 刊
○継続議案第一号           (浜松商業会議所提出)
一東海道鉄道複線速成ノ件
  理由 東海道鉄道複線工事起工以来玆ニ数年、東西両京ニ近接ノ
 - 第22巻 p.644 -ページ画像 
地方ハ漸次其工ヲ竣ヘリ、運輸事業ノ一大進歩ヲ来タセシト雖トモ、独リ静岡最寄以西名古屋近傍以東ノ地ニ限リ未タ工事ノ着手ヲ見ルニ至サルハ大ニ遺憾トスル所ナリ、抑々東海道鉄道ニ於ケル静岡以西名古屋以東ノ地ハ物産最モ多ク百貨ノ消費又少カラス然ルニ海運ノ利便完カラサルニ因リ専ハラ鉄道ニ拠テ以テ集散ノ途ヲ計ラサル可ラス、複線工事ノ遅速如何ハ商工業ニ偉大ノ影響ヲ蒙ラシムルヤ必セリ、如斯ハ単ニ東海道地方ノ不利ノミニ止マラス、苟クモ東海道鉄道ニ依ル乗客・貨物ハ等シク運輸遅緩ノ不利ヲ免カルヽ能ハス、於爰乎全国ニ於ケル運輸交通上東海道鉄道ノ複線ヲ速成セシムルハ須臾モ等閑ニ付ス可ラス、況ンヤ該地方ノ間ニハ大崩及金谷ノ隧道アリ、富士川・大井川・天竜川及浜名裏海等ノ長橋アリテ、其工事容易ナラストスルモ、之レヲ中央鉄道ノ難工事ニシテ其開通前途猶ホ遠キモノニ比スルトキハ蓋シ同日ノ談ニアラス、故ニ若シ一旦緩急アルニ至リ複線工事ノ遅延ヲ悔ユルモ何ソ及ハン、国家ノ為メ豈ニ戒心セサル可ケンヤ、由是観之、東海道鉄道複線ノ貫通ハ国利民福ヲ希図スル上ニ於テ迅速成功ヲ希望シテ止ム能ハス、是レ本案ヲ提出スル所以ナリ


明治三十三年五月開設 第九回商業会議所聯合会議事速記録 第四五―六三頁 刊(DK220050k-0003)
第22巻 p.644-651 ページ画像

明治三十三年五月開設
第九回商業会議所聯合会議事速記録  第四五―六三頁 刊
明治三十三年五月十九日午前十時十五分開議
  出席委員     四十九名 ○氏名略
○会長(東京、渋沢栄一君) 諸君是ヨリ開会仕リマス、継続議案ガ一号・二号・三号、継続協議案ガ一号・二号トゴザイマスカラ、継続議案ノ第一号カラ処分ヲ御取極メナサルヤウニ願ヒタイト考ヘマスノデ之ヲ議題ト致シマス
○三十八番(岡山、香川真一君) サウシマスルト此継続議案ノ一号カラ御始メニナルノデスカ
○会長(東京、渋沢栄一君) サウ致シマセウ
○三十八番(岡山、香川真一君) 此継続議案ニ付キマシテ御提出者ニ忠告ガ致シタイノデゴザイマス、凡ソ此聯合会ノ議案ニシテ宿題トナサルヽモノニ二・三ノ種類ガアルヤウデゴザイマス、其議案ノ事柄ノ重大ニシテ容易ニ議決スベカラザルモノガ考案ノ余地ヲ与フルガ為メニ宿題トナルモノモアリマス、又其事柄ノ左マデ重大ナラザルモ去リトテ捨テヽ仕舞フト云フ訳ニモイカヌカラ所謂鶏肋ト云フヤウナ次第ヲ以テ宿題トサルヽ所ノモノモゴザイマス、又其事柄ハ可モナク不可モナクト云テモ宜イト云フヤウナ議案デアリマシテモ、一概ニ之ヲ否決スルハ提出会議所ノ名誉ニモ関係スル、提出者ニ花ヲ持タセルト云フヤウナ次第デ宿題トナサルヽモノモゴザイマス、此継続一号議案ハ今ノ末ノ種類ニ属シハセヌカト私ハ思考致シマス、成程東海道ノ複線工事ハ非常ニ急速ヲ要スルコトデハゴザイマセウガ、今日已ニ著手ニナツテ居リ著々歩ヲ進メツヽアリマス、斯ノ如キ大工事ヲ頻リニ早クシテ呉レト云フテ請求スルノハ、丁度飯ノ煮ヘルノヲ見テ子供ガ直グ飯ヲ食ハシテ呉レト云フト同ジ観ガアルト思ヒマス、又全国ヲ見渡シテ調査致シマシタ時分ニハ此工事ヨリモ急ヲ要スル所ガナイトハ極マ
 - 第22巻 p.645 -ページ画像 
リマスマイト思ヒマス、商業会議所ノ聯合会ハ唯目ニ見ル所ノモノニ付テ頻リニ催促スルト云フコトハ、少シ全国ノ商業会議所聯合会ニハ其当ヲ得マイカト存ジマスルノデ、前会ニモ段々之ハ議論ガゴザイマシタガ御撤回ニナランコトヲ私ハ希望致シマス
○十七番(仙台、伊沢半蔵君) 三十八番ガ東海道鉄道ノ件ニ付キマシテ縷々御述ベニナリマシタガ、私ハ三十八番ヲ賛成致シマス、其主旨ハ三十八番ガ詳細ニ述ベラレマシタカラ十七番ハ述ブル必要ハナイト思ヒマス
○会長(東京、渋沢栄一君) 本案ハ浜松商業会議所ヨリ御提出ニナツテ居リマス、即チ四十三番ハ提出会議所ノ委員デ、御出席デゴザイマスガ
○四十三番(浜松、山葉寅楠君) 唯今三十八番ノ説モゴザイマスガ、東海道鉄道ノ複線工事速成ノコトハ殊ニ急務ノ急ナルモノデゴザイマシテ、唯浜松商業会議所ガ認メテ居ルト云フ訳デハゴザイマセヌ、又唯今三十八番ノ仰セニハ飯ノ煮ヘルノヲ待テ子供ガ飯ヲ早ク食ハセロト云フヤウナ御説デアリマスケレドモ、中々左様ナ訳デハゴザイマセヌ、実ニ今日ノ貨物運輸等ニ付キマシテハ其不便ヲ感ジテ居リマスコトハ、モウ三日モ五日モ食事ヲ致シマセヌ者ガ今飯ヲ食タイト云フヤウナ訳デアリマシテ、実ニ渇望致シテ居ルコトデゴザイマスルコトハ事実デゴザイマシテ、又其貨物等ノ今日増進致シマシタ所ノ理由ハ已ニ此議案ニゴザイマスル通リデ、之ハ唯浜松商業会議所ノミガ承知シテ居ル訳デハゴザイマセヌ、殆ド全国中ノ御方ハ御承知ノコトヽ信ジマスルノデゴザイマス、何卒諸君モ御賛成アツテ速ニ此鉄道事業ノ速成センコトヲ希望スルノデゴザイマス
○三十八番(岡山、香川真一君) 御忠告ヲ折角申シ上ゲマシタケレドモ御用ヰ下サイマセネバ仕方ガアリマセヌカラ私ハ反対致シマス、反対ノ主旨ハ今述ベマシタカラ別段述ベマセヌガ、比喩ノコトニ付テ御取違ヒガアリマスカラ一言弁ジテ置キマス、子供ガ飯ノ煮ヘルノヲ待ツテ食ハセテ呉レロト云フヤウナコトデハナイ、斯ウ云フ大工事ハサウ急イダ所ガ俄ニ出来ヌ、ソレヲ急グト云フノハ今御飯ヲ焚キ掛ケテ居ルノヲ見テ直グ飯ヲ食ハセテ呉レト云フ児戯ニ類シハセンカト云フ喩ヘデゴザイマシテ、此比喩ヲ少シ御取違ニナリマシタカラチヨツト申シ上ゲテ置キマス、私ハ之ハ無用ナコトヽ思ヒマス
○五十七番(直江津、大西徳太郎君) 四十三番ニチヨツト伺ヒマスガ此議案中ニ「中央鉄道ノ難工事ニシテ其開通前途尚ホ遠キモノニ比スルトキ」ト云フ文字ガゴザイマス、ソレデ東海道鉄道複線工事ガ速急ヲ要スルカラ中央鉄道ノ工事ヨリモ早ク其方ヘ着手ヲシテ貰ヒタイト云フ意思デアルカ、又国防上必要ダト云フ所ノ御考モアツテノコトデアルカ、一応御尋ネ申シマス
○四十三番(浜松、山葉寅楠君) 別段此案ニ付キマシテハ、他ノ工事ヲ妨ゲマシテモ此複線工事ヲ速成シテ貰ヒタイト云フ訳デハゴザイマセヌノデアリマス、唯単ニ此実地ニ非常ニ不便ヲ感ジテ居ルコトデアリマシテ、商品ナドノ運搬ガ不十分ニテ実ニソレハ非常ナ不便ヲ感ジテ居ルコトデゴザイマスカラシテ、速ニ成工ヲ望ミマスノデ、中央線
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ガ如何様ニナリマシテモ此複線工事ヲ速成シテ貰ヒタイト云フ趣意デハアリマセヌノデゴザイマス
○五十七番(直江津、大西徳太郎君) 了解致シマシタ、ソコデ東海道鉄道複線ノコトニ付キマシテハ政府ニ於イテモソレ相当ナ処置ヲサレテ居ルヤウニ伺ツテ居リマス、年々四五百万円ヅヽ複線工事ノ費用トシテ支出シ、四十年ニ至ツテ完成ヲスルト云フノ見込ヲ立テヽ着々之レニ取掛ツテ居ラレルヤウニ聞テ居リマス、只今複線モ随分必要デハアリマセウケレドモ、又他ニ必要ナ場所モ幾ラモアリマス、又国家経済ノ許ス限リハ政府ニ於イテモ東海道線路ノコトデアリマスカラ速成ヲ希望サルヽデゴザイマセウガ、何分目下ノ有様ト云ヒ殊ニ又年々四百五十万円ヅヽノ工事費ヲ充テヽ拵ヘルト云フノニハソレ相当ノ準備ニナツテ居ラウト思ヒマス、デ私ハ三十八番ト同意デ、撤回ヲ希望致シマス
○会長(東京、渋沢栄一君) 五十七番サンニ一寸御注意致シマスガ、三十八番ガ最初撤回説ヲ出シマシタガ四十三番ハ必要ダト云フノデ撤回ハ致サヌト云フコトデアリマスカラ、此案ノ廃棄ヲ希望スルト云フ御趣意デゴザイマスナラバ、三十八番ヲ御賛成ニナレバ詰リ此案ニ反対ヲ唱ヘルコトニナルノデス、ソウ云フ御趣意デスカ
○五十七番(直江津、大西徳太郎君) 左様デス
○四十三番(浜松、山葉寅楠君) 実ハ此案ハ昨年提出致シマシタモノカト存ジマスノデゴザイマスガ
○会長(東京、渋沢栄一君) 昨年ノ御提出デ即チ継続案ニナツテ居リマス
○四十三番(浜松、山葉寅楠君) 之ハ本席デ申シ上ゲルコトデゴザイマセヌガ、私ハ昨年留守中デ御ザイマシテ一向此事ニ付マシテハ悉シク承テ居ラヌノデゴザイマス、ソレユヘ十分ノ説明ガ出来マセヌト申シテハ甚ダ迷惑ナ訳デゴザイマスケレドモ、大体カラ申シテ見マスト年々四百五十万円カラノ大金ヲ掛テ此複線工事ヲ政府ガ着手致シテ居ルト云フノヲ以テモ、其複線工事ノ甚ダ貴重ナルコトト、速成ヲ希望スルコトノ一班ガ分ルノデゴザイマス、東海道複線工事ヲサウ急ギマスト言ツテモ、ソレハ成程速成スルコトハ中々ニ六ヅカシイコトデゴザイマセウ、又本員等モ六ヅカシイト存ジテ居ルノデアリマスカラ、之ヲ等閑ニ付シマスレバ愈ヨ以テ六ヅカシクナルノデゴザイマスカラ速ニ此鉄道ノ成ランコトヲ希望致シテ置キマスノデゴザイマス、ドウカ諸君宜シク御諒察アツテ御賛成アランコトヲ希望致シマス
○二十七番(長崎、松田源五郎君) 五十七番サンニ一寸御尋致シマスガ、此成案ノ趣意デ見マスルト只希望ヲ御述ナサル許リデ、希望ヲ御述ベニナツタ以上ノ手続ハ或ハ之ヲ政府ニ建議・請願スル手続ヲシタリ、其他ノ方法ヲ以テ速成ノ方法ヲ他ニ速ニ求メル手段ヲ講ジタイトカ云フノ御意見デゴザイマスルカ、只速成ヲ希望スルト云フダケニ止マリマスルカ、希望スルト云フコトハ恐ラク之ニハ反対ハアルマイト思ヒマス、只今三十八番ノ御説ノ如ク政府ハ已ニ着手シテ進行シツヽアルノデゴザイマスカラ殊更ニ之ヲ其筋ヘ建議・請願スル必要モアルマイト云フ御趣意ノヤウニ伺ツテ居ルノデ、只希望ト云フコトデアレ
 - 第22巻 p.647 -ページ画像 
バ、ソレニ反対ハナカラウト思ヒマスガ、此御成案ノ趣意ハ希望ヲ御述ニナルト云趣意ニ止マリマスルカ、他ノ手段方法ヲ以テ之ヲ速成スル方法ヲ講ズルト云フノ御趣意デゴザイマスカ、一寸……
○会長(東京、渋沢栄一君) 二十七番ハ四十三番ニ対シテデセウ
○三十八番(岡山、香川真一君) 先キニ四十三番ハ御出席ガナイト云フコトデゴザイマスカラ四十三番ニ代ツテ私ガ答弁スルノデゴザイマスケレドモ、希望ト云フコトデアリマスレバ昨年ヨリノ継続議案ニナル筈デハナイノデス、希望ト言ヘバ誰モ不都合ト云フ者ハナイノデゴザイマスカラ、御尤デゴザイマスト言ツタラ其年ニ消エテ仕舞ウノデゴザイマス、建議シヤウト云フノデスカラ継続議案ニナツテ当年現ハレタノデゴザイマス、昨年ハ種々ナ議論ガアツテ撤回ト云フコトヲ言ハレタ人モアリマシタガ、大阪ノ土居君ガマア宿題トシヤウヂヤナイカト云フノデ私ハソレニ賛成シタノデ、希望デハナイト云フコトハ昨年ノコトデ能ク分ツテ居リマス
○会長(東京、渋沢栄一君) 本案ニ対シマシテハ三十八番・二十七番《(五)》ノ反対ノ御説ガゴザイマスガ、モウ別ニ御説ガゴザイマセヌケレバ採決致スヤウニ仕リマセウカ
○二十七番(長崎、松田源五郎君) 之ヲ否決ト云フコトニナリマスレバ速成ハ必要デナイト云フ様ニモ聞ヘマスガ、只希望ト云フダケニ止メテ置キマシテ、其他ノ手段ハモウ三十八番ノ述ラレタ如ク手段方法ハ議スニ及バヌト云フコトデ、其趣意ヲ以テ此議案ハ只希望ニ止メテ置クト云フ位ノ御議決ニシタ方ガ宜シウゴザイマセウ
○二十三番(横浜、大谷嘉兵衛君) 二十三番モ只今ノ二十七番ト同感デアリマス、之ハ理由ヲ見マシテモ本案ヲ見マシテモ只提出サレタダケニ止マルノデゴザイマス、理由ノ方ヲ見マスルト別ニ建議ヲスルト云フ理由モナイヤウデ、只速成ヲ希望サレルト云フコトニ止マルノミナラス只今四十三番ノ御答ニ於テモ同ジク左様ニ心得マスルノデ、只今二十七番ノ申サレル如キガ大変ニ其当ヲ得テ居ルカト考ヘマス、ドウカ左様ニ御決議ヲ願ヒマス
○五十四番(京都、中村栄助君) 本員モ松田君ト同感デゴザイマシテ否決スルト云フコトハ議案ノ方針カラ見マシテモ反シマスカラ、私ハ只今ノ希望ト云フコトニ同意致シマス
○二十番(神戸、横田孝史君) ナンダカドウモ此議案ハ少シ拍子ノ抜ケタヨウナ感ジガゴザマス、已ニ一昨日デアリマスカソレソレ当局大臣ノ出席ヲ請フ、或ハ財政問題ニ対シテハ大蔵大臣ノ意見ヲ聞ク、交通機関ニ対シテハ逓信大臣ノ意見ヲ聞クト云フノデ已ニ大臣ノ出席モ請フテゴザイマス、ソレユヘ今此問題ハ此処デ大変力ヲ入レテ可否ヲ論スルニ付テハ時期已ニ失シテ居ルヤウナ問題デハナカラウカト思ヒマス、去リ乍ラ継続案トシテ重ネテ之ヲ継続スルト云フコトモ出来マスマイ、ドナタカノ御説デアリマシタガ、年々歳々四百万円以上ノ金ヲ使ツテ此複線工事ヲ進行シツヽアルト云フノデゴザイマスレバ、最早此案ハ此処ニ於イテ論ズルノ必要モナイ、要スルニ此案ノミナラズ他ノ之ニ類シタ案モアラウト思ヒマスカラ、暫ク此決議ヲ延期シマシテ、大臣ノ出席ノ上デ、此交通機関等ニ対スル説ヲ聞マシタ上デ
 - 第22巻 p.648 -ページ画像 
可否ヲ決スルコトニシタイト考ヘマス
○三十八番(岡山、香川真一君) 只今二十七番ノ御説モアリマシタガ希望スルト云フコトハドウナリマスカ、此処デ皆希望スル、私モ希望スルト言ツテ、其次ギハドウナリマスカ、只多ク希望シテ見タ所ガ此処ニ御出席ノ御連中ガ希望ニ賛成ヂヤト云フダケデ其次ギハドウナルカ、政府ニ希望スルト云フコトヲ言フノデゴザイマスカ、只希望スルト云フナラバ、モウ撤回モ同ジコトデアラウト思ヒマスガ、希望スルト仰ツシヤル御方ノ御意見ヲ一ツ伺ヒトウゴザイマス
○六番(高崎、関根作三郎君) 六番ハ二十七番ノ説ニ賛成致シマス、デ二十三番ニ賛成致シマシタ所以ハ、二十七番ノ述ベラレタ如ク国利民福ヲ図ルタメニ速成ヲ希望スルト云フノデアルカラ、此聯合会ノ決議ノ趣旨ヲ以テ建議スルコトハ之ヨリ出来マスト思フ、デ二十七番ニ六番ガ賛成致シマシタノハ、此案ニ付テ賛成ヲ表スル商業会議所ガ其地ノ商業会議所ヘ返ツテ諮ツテ此案ヲ賛成シテ政府ヘ建議致シマシタナラバソレデ宜カラウト思ヒマス、此処デ反対ヲ御表シニナツタ商業会議所ハ元ヨリシテ不同意デアルカラ建議ヲ御出シニナラヌデモ宜カラウト思ヒマス、尤モ聯合会ノ決議ヲ建議スルトカ或ハ希望スルニ付テハ方法ヲ尽サナケレバナラヌト云フ喧マシイ議論ニナリマスガ、二十七番ノ言ハレタ如ク吾々ガ賛成シタ所ノ意思ヲ以テヤリマシタ以上ハ敢テ理窟ニ搦マリマセヌデ宜カラウト思ヒマスカラ、私ハ採決ヲ望ミマス
○二十三番(横浜、大谷嘉兵衛君) 二十三番ハ二十七番ニ賛成ヲ致シマスガ、詰リ三十八番等ノ御尋モアツタヤウデ、之ハ斯ウ云フ問題デアリマシテ誰モ速成ヲ望マヌモノハナイ、デ速成ヲ望ムト云フコトヲ此処ニ発表スレバ之ガ輿論トナリマスカラ大ニ提出者ノ希望ヲ達スルダラウト思ヒマス、只今六番ノ御話シノ如ク之ヲ建議スルヤ否ヤト云フコトハ其商業会議所ノ見込ニ依ルコトデアラウト思ヒマス、今日ハ詰リ速成ト云フコトヲ発表スル、詰リ輿論ト云フコトニ重キヲ置キマスカラ敢テ差支ハナイカト思ヒマス
○会長(東京、渋沢栄一君) 二十七番ノ希望ヲ賛成スルト云フノハ、希望ハ賛成シテ、此希望ヲ達セシムル方法ニ付テハ議サヌト云フ趣意ナンデスナ
○二十七番(長崎、松田源五郎君) 左様デゴザイマス
○五十七番(直江津、大西徳太郎君) 只今希望ト云フコトニ止メテ置クト云フノハ至極穏当ナ御説デアラウト考ヘマス、然シ希望ト云フノハ随分範囲ノ広ヒコトデアリマシテ、之レガ希望アレガ希望ト云フヤウナコトデ、一向商業会議所トシテ決ノ採レヌヤウナコトヲ提出サレマシテ貴重ナ時間ヲ費ヤスヤウナコトデハ甚ダ無用ナコトヽ考ヘマスソレデ希望ト云フコトハドノ希望ニモナリマスノデ、全国鉄道ノ速成ヲ希望スルコトニ付テハ中央鉄道モ最モ必要デアル、之ヲ必要ダト云フニハ所謂国防上カラ言フテ見マシテモ又運輸交通ノ不便ヲ感スル上カラモ、実ニ松本地方ナドハ全国無二ノ高ヒ米ヲ食テ居ル、左様ナ場所モアル、併シ此希望々々ト云フコトニナツテ見マスルト、範囲ガ広クツテ到底治マリガ付マスマイト思ヒマス、デ希望ト云フコトニ止メ
 - 第22巻 p.649 -ページ画像 
テ提出サレルヤウナコトデアルト、詰リ商業会議所ノ聯合会ヘ希望ト云フコトダケノ提出ヲスルノニ新聞ニ公告スルヨリカ却テ便利ダト云フ考ヲ持タレテ提出セラレマシテハ、甚ダ貴重ナ時間ヲ空費スルコトニナリマスカラ、斯ル提出案ハ私共ハ余リ望ミマセヌ
○三十八番(岡山、香川真一君) 度々立ツテ悪ウゴザイマスケレドモ希望ト云フコトヲ決議スルト云フハ極妙ナ話デ議長ニモ御困マリナサリハシマイカ、又吾々ニ於イテモ希望ニ対シテ決議スルコトハ今日マデ覚ヘマセヌ、又希望ト云フコトヲ別ニシテ見タ所ガ治マリノ付カヌ話デアツテ、此案ヲ希望スルコトニ御賛成ノ方ハ起立ナサイト言ツテ決ヲ御採リナサルカ知レマセヌカ、少シ漠然トシテ居テ商業会議所ガ斯ノ如キコトノ決ヲ採ルノハ可笑ナ話デアリマスカラ、希望ハ皆希望デ分ツテ居リマスカラ、モウ御希望サヘ分ツテ居レハ撤回スルト仰ツシヤラヌデモ済ミハシマスマイカ、私ハ之ガ一番穏カデ立派ナ結末ガ付キハ仕舞ヒカト思ヒマスカラ一言申シ上ゲマス
○二十三番(横浜、大谷嘉兵衛君) 大変議長ハ御困難デアラウト思ヒマス、之ハ希望ト云フコトノ決ハ御採リニナラヌデモ、諸君ガ御一人モ希望スルコトハ御反対ガナカラウト思ヒマス、故ニ反対ハナイ、詰リ希望ヲ容レタダケニ止メテ置キマシタナラバ決ヲ採ルニ及バヌト思ヒマス、却テ其方ガ宜カラウト思ヒマス
○一番(赤間関、松尾寅三君) 私ハ遅参ヲ致シマシテ半バニ出マシタカラ最初ヨリノコトヲ能ク知リマセヌガ、兎ニ角色々御議論モゴザイマスガ、聯合会ニ議案トシテ出マシタ以上ハ之カ決ヲ採ラヌト云フナラ、寧ロ退ケテ仕舞ツタ方ガ宜シイト云フコトニナリマス、尚ホ先キニ私ノ出席シマスル前ニ撤回ナスツテハドウデアルト云フ御注意モアツタト云フヤウナコトヲ只今伺ヒマスルガ、斯ノ如キ案ハ願クハ提出者ニ於テ尚ホ御勘考アツテ撤回セラレタ方ガ穏カデアラウト考ヘマス已ニ単リ東海道鉄道ノ複線ノミナラズ交通機関全般ノ拡張速成ヲ希望シテ居ルコトデゴザイマスレバ、無論東海道鉄道モ其他ノ交通機関モ皆含有シテ居ルコトデゴザイマスカラ、斯ノ如キ案ヲ採決シテ此聯合会デ議シマスルト、モウ続々地方々々ノ問題ヲ提出サレテ際限ノ無ヒコトデアラウト考ヘマス、尚ホ提出者ニ向テ御撤回ヲ願ヒ御議論ハ暫ク中止セラレンコトヲ希望致シマス
○二十三番(横浜、大谷嘉兵衛君) 度々煩シマスガ之ハ私ガ思フノニ差支ナイト思ヒマス、大変此案ニ付テ御心配ナサル御方モゴザイマスケレドモ、併シ此会ハ決議シマシタ処ガ実行ニ付キマシテハ詰リ思ヒ思ヒノコトデ、或ハ何処ノ会議所デ建議スル、何処ノ会議所ハ請願スルトカ、一方ノ会議所デハシナイト云フヤウナ力ラノナイ聯合会デゴザイマスカラ、只此処デ輿論ニ訴ヘテ之レカ速成ヲ希望スル、ナニコンナモノハ何時マデ掛ツテモ差支ナイト云フ御方ガアレバソレマデ、輿論ニ訴ヘルト云フコトハ敢テ差支ナイト思ヒマス、ト云フノハ詰リ決議シタガ会長ノ名義デ建議スルコトハ出来ナイノデゴザイマスカラ、敢テ体面ヲ汚スヤウナコトハナカラウト思ヒマス、ドウカ之カラ聯合会ノ会長ヲ以テ建議シ或ハ又請願スルト云フコトノ出来ルヤウニ諸君モ御骨折下スツテ、サウ云フ手続ハ渋沢会長ニ之カラ出来ルヤウ
 - 第22巻 p.650 -ページ画像 
ニ私ハ御尽力ヲ願ヒタイト思ヒマス、今日ノ処デハ其処マデ至ラヌノデアリマスカラ決議致シマシテソレダケノ効ガアルカナイカト申シマスルト、決議シタナラバ其効ハアルニ違ヒアリマセヌガ先ヅ以テ希望ヲ述タイト云フ位ノコトデアラウト思ヒマスカラ、之ヲ撤回致シマスレバ已ニ之ハ速成シナイデモ宜ヒト云フヤウナコトガ輿論ニナリハシナイカト思ヒマス、詰リ之ハ速成ハ勿論ノコトデアラウト思ヒマスカラ、輿論トシテ希望スルダケデ敢テ本会ニ傷ハ付カヌト思ヒマス、サウ云フ思召ヲ以テ、会長ノ御考ヘデ只認メテ置クト云フ位デ宜カラウト私ハ信ジマス、サウ致シマスレバ提出サレタ御方モ其希望ヲ達スルコトデアラウト思イマス
○三十八番(岡山、香川真一君) 二十三番ニ対シテハ申スコトモアリマスケレド、モウ駄目デアリマセウ、ドウカ早ク採決ヲ願ヒマス
○二十九番(金沢、水登勇太郎君) 東海道鉄道ノ複線ヲ殊更ニ速成シナケレバナラヌト云フ必要ハ無論アルダラウト思ヒマスケレドモ、未ダ鉄道ノナイ場所ニ於テハ尚ホ更之ヲ敷設スルノ必要ガアルト私ハ深ク信ズルノデス、ソレデスカラ今単ニ東海道ノ複線ノミ速成スル必要ガアル云フノデ、此聯合会ガ同意シテ之ヲ希望スルトカ云フコトニナリマスルト、聯合会ハ只其コトノミヲ見テ全般ノコトヲ見ナイト云フコトニナラウト思ヒマス、先刻二十三番ノ御説ニ格別ナ力ラノナイ聯合会デアルト云フ御話モアリマシタガ、自ラ其地位ヲ低メルノデアツテ、兎モ角モ効用ノアルヤウニシヤウト云フナラバ出来ベキダケヤルト云フ、聯合会ハ責任ヲ以テドウカ一般ニ其力ヲ遂行スルト云フヤウナコトヲ出来ベキダケヤリタイト思ヒマス、兎モ角モ法律上組織上サウナツテ居リマセヌカラ今日強ヒテヤルト云フ訳デハアリマセヌケレドモ、何レカ之ヲ決スルト云フコトハ必要ダラウト思ヒマス、ケレドモ独リ東海道鉄道ノミ複線ヲ必要ダト云フコトニ至ツテハ同意ガ出来ナイ、一体鉄道ノコトニ付テハ独リ東海道ノミナラズ其他ニモ必要ナ処ガ随分アルノデアル、已ニ鉄道敷設法案ト云フモノガ極マツテ居リマスケレドモ尚ホ不完全ヲ免レマセヌカラ、今殊ニ東海道ト言ハズ広ク全国ノ必要ナル場所ニ速成セラルヽヤウニト云フコトヲ言ツタ方ガ却テ宜イト思フ、サウ致シマセヌト又彼処此処ノ鉄道速成ト云フコトモ出テクルト思イマスカラ、私ハ兎モ角サウ云フ希望ト云フヤウナコトニ止メルト云フナラバ、寧ロ之ヲ全般ノ鉄道ヲシテ早ク出来得ルヤウニト云フコトヲ決議シテ建議スル方ガ宜カラウト思ツテ居リマス
○三十三番(大阪、三谷軌秀君) 皆サンノ御述ニナル中ニ少シ私ノ考ヘデハ此案ノ趣意ト違ツテ居ラナイカト考ヘマスルノデ一言申シ述タイト思ヒマス、即チ此表題ノ東海道鉄道複線速成ト云フコトニ力ヲ入レテ此複線工事ハ速成ヲ希望スルト云フヤウナ御議論ガ理由ニ思ハレマス、此案ノ理由ヲ見レバ東海道鉄道全部ニアラズシテ独リ名古屋最寄以東静岡最寄以西ノ地ニ限リ未ダ工事ノ着手ヲ見ルニ至ラサルハ大ニ遺憾トスルトコロナリ、斯ウ云フノガ即チ此議案ノ骨子デアルト思ハレル、又事実ニ顧ミマシテモ東海道ノ複線工事ハ今日着々ヤツテ居ルノデ、只此ニ提出サレタ所ノモノハ静岡・名古屋間ノ工事ガ未ダ着手セラレヌノハ困ルカラ速ニ着手シテ呉レト云フノニ過ナイノデ、全
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部デナク其中間ノ静岡・名古屋間ノ問題ト本員ハ考ヘル、果シテ此案ノ精神ガ静岡・名古屋間ノ工事ヲ速ニ着手シテ呉レ、未ダ着手シテ居ラヌガ早クシテ呉レト云フコトヲ希望スルニ付テハ、複線工事ノ全部ヲ速成スルモノト論断スルコトハ出来ナイト思ヒマス、故ニ目的ハ東海道鉄道工事其モノデナク静岡・名古屋間ノ未着手ノ分ヲ速ニ着手シテ呉レト云フ案ニ付テハ本員ハ反対ヲ表シナケレバナラヌト思ヒマス故ニ本員ハ東海道鉄道複線工事ニ反対スルノデナク、此案ニ対シテ反対シマス
○会長(東京、渋沢栄一君) 段々御議論モアルヤウデスガ大抵論旨ガ尽キマシタヤウデ、三十八番ノ論旨モ微細ニ分別シテノ御説デアルガ詰リ三十八番ハ此案ハ廃案ニシテ宜カラウト云フ御討論デ、又二十七番ハ此希望ト云フ趣意ダケハ賛成スルガ、希望ヲ達セシムル方法ニハ弁論ヲ及ボスマイト云フ趣意ノヤウデゴザイマス、此二ツニナリマス此三十八番ノ御説ニ依ツテ先ヅ決ヲ採リマス、三十八番ノ此案ノ廃棄説ニ御同意ノ方ハ御起立ヲ願ヒマス
  起立者  少数
○会長(東京、渋沢栄一君) 少数デゴザイマス、ソレデハ続ヒテ二十七番ノ速成ト云フ趣意ダケデ希望ヲ賛成シテ、其速成ヲセシムル方法ハ論及セヌト云フノ御説ニ付テ決ヲ採リマス、二十七番ニ御同意ノ御方ハ御起立ヲ願ヒマス
  起立者  多数
○会長(東京、渋沢栄一君) 多数デゴザイマス、此一号継続議案ハソレデハ二十七番ノ御説、即チ速成希望ノ趣意ハ賛成シ、希望ヲ達セシムル方法ハ議サヌト云フコトニ決定仕リマシタ
   ○本巻明治三十二年十月十二日ノ条参照。



〔参考〕日本鉄道史 鉄道省編 中篇・第一五七―一五八頁 大正一〇年八月刊(DK220050k-0004)
第22巻 p.651-652 ページ画像

日本鉄道史 鉄道省編 中篇・第一五七―一五八頁 大正一〇年八月刊
 ○第十二章 第二節 建設改良其他ノ工事
    第十一 東海道線・信越線
補充費ヲ以テ支弁シタル東海道線複線工事ハ明治二十七年ニ西ノ宮・三ノ宮間ヲ竣功シ、二十八年ニハ大阪・西ノ宮間、二十九年ニハ向日町・吹田間、三十年ニハ大谷・京都間ヲ竣功セシカ、二十九年度以降官設既成鉄道改良費ヲ以テ支弁スル東海道線改良工事著手セラレタリ其改良ハ新橋・品川間ヲ四線トシ、其他ヲ二線トシ、尚ホ停車場其他ノ設備ヲ改良スルヲ目的トシ、二十九年ヨリ三十二年ニ至ル間ニ殆ト全線ニ亘リ起工シタリ、之カ功程ヲ繹ヌルニ、三十一年ニハ京都・向日町間、馬場・大谷間、神奈川・茅ケ崎間、岩淵・静岡間工事竣功シ三十二年ニハ吹田・大阪間、平塚・国府津間、熱田・名古屋間、三十三年ニハ新橋・品川間〔第三線敷設〕、草津・馬場間、茅ケ崎・平塚間、沼津・富士川東岸間、三十四年ニハ国府津・小山間、垂井・関ケ原間、関ケ原・長岡間、米原・野洲間、三十五年ニハ野洲・草津間、長岡・米原間、静岡・石部間、蒲郡・岡崎間、三十六年ニハ鷲津・豊橋間、長良川・岐阜間、金谷・堀ノ内間、三十七年ニハ浜松・鷲津間三十八年ニハ堀ノ内・掛川間、天竜川・浜松間竣功シタリ、就中関ケ
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原・長岡間ハ複線敷設ト同時ニ従来ニ於ケル四十分ノ一勾配ヲ百分ノ一ニ改良スル計画ヲ以テ、長岡ヨリ柏原・今須ヲ経テ関ケ原ニ至ル新線ヲ採リ、之カ為旧線路ニ比シ六十三鎖ヲ延長シ新ニ柏原停車場ヲ設ケタリ、是ヨリ先深谷・長浜間貨物線ハ三十二年十二月二十八日之ヲ廃線トセリ、又三十年度ニ於テ大阪停車場ノ改築ニ著手シ、三十四年七月一日ヨリ之ヲ営業ニ使用シタリ
東海道線ノ支線トシテ神戸及横浜ニ於ケル海陸連絡線ノ工事ハ三十五年度以降計画セラレタリ前者ハ住吉・三ノ宮間ヨリ分岐シテ小野浜税関ニ至ル延長二哩四鎖ノ線ニシテ、三十九年度ニ至リ殆ト竣功シ、後者ハ横浜停車場ヨリ税関埋築地ニ至ル四十二鎖ノ線ニシテ三十九年度ニ於テ起工シタリ
○下略



〔参考〕日本鉄道史 鉄道省編 下篇・第一八〇―一八二頁 大正一〇年八月刊(DK220050k-0005)
第22巻 p.652-653 ページ画像

日本鉄道史 鉄道省編  下篇・第一八〇―一八二頁 大正一〇年八月刊
 ○第十八章 第三節 建設改良其他ノ工事
    第二十二 既成各線
○上略
東海道線ニ在リテハ、明治四十年度ニ於テ焼津・島田間、掛川・中泉間、安城・熱田間、枇杷島・清洲間第二線工事ヲ竣リ、神戸海陸連絡線ハ完成ヲ告ケ、名古屋陸軍兵器本廠ト千種停車場間線路敷設ヲ了シ四十一年度ニ於テ中泉・天竜川東岸間、岡崎・安城間第二線工事ヲ竣リ、四十二年度ニ於テ新橋・品川間第四線工事、富士川東岸・岩淵間木曾川西岸・岐阜間、長良・穂積間第二線工事亦完成シ、四十三年度ニ於テ新橋・横浜間二線増設及新橋・程ケ谷間線路及停車場改築ノ工事ニ著手シ、同年度ニ於テ石部・焼津間第二線工事ヲ竣リ、横浜海陸連絡線工事亦完成シ、又桜島海陸連絡工事ヲ畢リ、四十四年度ニ於テ名古屋海陸連絡工事ヲ完成シ、品川停車場拡張工事ニ著手シ、又同停車場地先海面埋立工事ヲ起シ、大井工場新設工事ト相待テ進工シタリ大正元年度ニ於テハ野田・安治川口間第二線ノ敷設ヲ了シ、国府津・山北・豊橋・名古屋等ノ停車場拡張ヲ竣リ、二年度ニ於テハ横浜停車場ノ新設ニ著手シ、東海道本線残部ノ第二線工事ヲ完成シ、京都停車場ノ拡張工事ニ著手シ、岐阜停車場ノ移転工事ヲ了シ、三年度ニ於テ新橋・程ケ谷間線路及停車場改良工事竣功シ、逗子・田浦間第二線工事ヲ畢リ、品川海面埋立亦竣功シ、四年度ニ於テ横浜停車場ノ新設ヲ了シ、同年度ニ於テ大津・京都間線路変更工事ヲ起シ、京都停車場ノ拡張ヲ竣リ、米原停車場ノ拡張亦落成ヲ告ケ、五年度ニ於テ大船・逗子間第二線工事ヲ畢リ、又江尻ヨリ分岐シテ清水港ニ至ル延長六十五鎖ノ貨物線ヲ敷設シ、六年度ニ於テ大阪北方直通線ヲ起工シ、大船停車場ノ改築ヲ竣リ、横浜電車高架線ヲ略々完成シ、又同年度ニ於テ川崎ヨリ分岐シテ浜川崎ニ至ル二哩五十五鎖ノ線ヲ敷設シ、七年五月一日開通シタリ、尚ホ七年度ニ於テ赤坂支線ヲ起工シ八年八月一日荒尾〔聯絡所〕美濃赤坂間一哩十五鎖開通シ、又七年度ニ於テ四日市臨港線ニ著手シタリ、尚ホ明治四十年度以降本線ハ概ネ六十封度軌条ヲ七十五封度軌条ニ変換敷設シ、唯舞坂・豊橋間、幸田・木曾川間、岐阜
 - 第22巻 p.653 -ページ画像 
米原間ノ各一部ノミ尚ホ六十封度軌条ヲ存セリ ○下略