デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
5款 関東東北商業会議所聯合協議会
■綱文

第22巻 p.923-935(DK220080k) ページ画像

明治36年11月16日(1903年)

第十二回商業会議所聯合会ノ決議ニ基キ、保護政策実行方法調査方針打合ノ為メ、東京商業会議所及ビ仙台商業会議所ノ主催ニテ、当協議会是日及ビ十七日ノ両日東京商業会議所ニ於テ開催セラル。栄一東京商業会議所ヲ代表シテ之ニ参会シ、会長ニ選バル。


■資料

東京商業会議所報告 第一〇五号・第六頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0001)
第22巻 p.923 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第六頁 明治三七年一月刊
○第八回役員会議 十月二十七日開
午後零時三十分開会、保護政策ノ義ニ付、関東東北商業会議所聯合協議会開設ノ件外四件ヲ審議シ、午後一時過閉会ス
○第九回役員会議 十一月五日開
午後五時開会、保護政策ノ件外八件ヲ審議シ、午後九時過閉会ス
○第十回役員会議 十一月十一日開
午後三時開会、臨時総会ノ件外七件ヲ審議シ、午後五時閉会ス


東京商業会議所報告 第一〇五号・第一四頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0002)
第22巻 p.923 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第一四頁 明治三七年一月刊
○同月 ○明治三六年一一月十二日、関東・東北会議所聯合協議会開催ノ件ニ付農商務省商工局長ヘ届書ヲ呈出ス


渋沢栄一 日記 明治三六年(DK220080k-0003)
第22巻 p.923 ページ画像

渋沢栄一  日記  明治三六年     (渋沢子爵家所蔵)
十一月十四日 雨
○上略 午後一時東京商業会議所ニ抵リ、臨時会ヲ開ク ○下略


東京商業会議所報告 第一〇五号・第四頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0004)
第22巻 p.923-924 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第四頁 明治三七年一月刊
○第六回臨時総会 十一月十四日開
  出席者数 二十四名
午後二時五分開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、先ツ諸件ノ報告ヲ了リタル後、会議ニ移リ左ノ件々ヲ順次議事ニ附セリ
○第一号
 一 来十六日ヨリ東京ニ於テ仙台商業会議所及本会議所主催トナリ関東東北商業会議所聯合会協議会ヲ開設スルニ付参会員選挙ノ件
本件ハ参会員ヲ三名ト定メ、正副会頭ニ委託スルコトニ全会一致ヲ以テ決定セリ
○第二号
 一 前記聯合会ヘ協議案「保護政策ニ関スル調査希望ノ件」提出ノ件
本件ハ大多数ヲ以テ字句ノ修正ヲ会頭ニ一任シテ原案ハ可決セリ(本件ノ全文ハ参照第十号ニ掲載ス)
 - 第22巻 p.924 -ページ画像 
午後三時四十分閉会


東京商業会議所報告 第一〇五号・第三六―三八頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0005)
第22巻 p.924-926 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第三六―三八頁 明治三七年一月刊
○参照
○第十号
  明治卅六年十一月十四日第六回臨時総会ノ決議ニ基キ、同月東京ニ開設シタル関東東北商業会議所聯合協議会ニ提出シタル協議案ノ全文左ノ如シ
    保護政策ニ関スル調査希望ノ件
一国ノ生産ヲ増進シテ、貿易上輸入ヲ抑制シ、輸出ヲ奨励スルハ各国ノ均シク政策トスル所ニシテ、本会議所ノ玆ニ保護政策ト称スルモノ亦タ之ニ外ナラス、我国ノ国是トシテ其ノ実行ヲ期センニハ、官トナク民トナク、国民共同国家ノ全力ヲ挙ケテ以テ之ニ当ラサルヘカラス貿易ノ平衡ヲ保持シテ輸出入其ノ宜シキヲ得ント欲セハ、海関税率ノ全権ヲ国家ニ収メ、高キニ過キス低キニ失セス、税率ヲ適当ノ程度ニ定ムルヲ要ス、是レ本会議所ノ保護政策ノ為メニ切ニ所謂協定税率ノ廃止ヲ希望スル所以ナリ
以上ハ保護政策実行ノ手段トシテ一般ニ通シテ希望スル所ナリ、猶ホ輸出入品ヲ精細ニ調査スルトキハ更ニ多ク希望ス可キモノアルヲ見ル可シ
現在貿易輸出入品ハ大要之ヲ八種ニ分類スルコトヲ得
 一輸入品中現在我国ニ同一ノ物産ナク、又ハ代用ス可キモノナク、当分輸入ヲ仰クノ外ナキモノ
 一輸入品中現在我国ニ同一ノ物産アリ、又ハ将来ニ於テ之アルヘキモノ
 一輸入品中原料ヲ輸入スルトキハ我国ニテ之ヲ製造シ得ルモノ
 一輸出品中現在海外ニ同一ノ物産ナキモノ
 一輸出品中現在海外ノ物産ト競争シ、又ハ将来ニ於テ競争スヘキモノ
 一輸出品中現在海外物産ノ代用トシテ競争シ、又ハ将来ニ於テ競争スヘキモノ
 一輸出品中輸入原料ニ加工シタルモノ
今此八種ニ対シ各別ニ左ノ各項ニ依リ調査ス可シ
     輸出品調査事項
 一品名
 一産額(数量及価額)
 一輸出額 最近五箇年数量及価額(各港及全国)
 一輸出先国別
 一輸出ノ状況
 一市価
 一製産ノ状況
   一原料(品名・品質・価額・産地・産額及生産ノ状況・輸送費輸送方法・荷造・途筋及其ノ状況)
   一工場(個人・会社)
 - 第22巻 p.925 -ページ画像 
   一製造(人力・機械)
   一職工(職工ノ種類〔男・女・年齢〕労働時間、賃金)
   一副産品(種類・産額)
   一資本ノ状況(資金ノ多寡・運資方法・利息)
   一利益ノ割合及実況
   一本産業ノ概況
 一荷造方法
 一輸出港迄ノ運賃諸掛リ
 一輸出港諸費
 一輸出先迄ノ運賃
 一輸出先海関税諸掛リ
 一輸出先ニ於ケル需要ノ状況
 一需要地ニ於ケル嗜好並ニ本品ノ長所若クハ欠点
 一需要地ニ於ケル本品需要ノ程度及将来ノ見込
 一需要地ニ於ケル本品ノ競争品
     輸入品調査事項
 一品名
 一輸入額 最近五箇年数量及価額(各港及全国)
 一市価
 一輸入元国別
 一主要産地ニ於ケル生産ノ概況
 一輸入ノ状況
 一輸入税
 一荷造方法
 一海外産地ヨリ輸入港迄ノ運賃諸掛リ
 一輸入港諸費
 一本品需要ノ状況
 一本品需要ノ程度並ニ将来ノ見込
 一内地ニ於ケル同種品製造ノ状況並ニ将来ノ見込
   此ノ外原料トシテ輸入スルモノハ其ノ産地及買入方法ニツキ特ニ精密ニ調査スルヲ要ス
   輸出入品共其ノ貿易取引ノ方法・手数料等ヲ精密ニ調査スルヲ要ス
輸出奨励輸入抑制ノ保護手段トシテ実行ス可キモノハ
 一必要ナル生産ニ対シテ政府ハ営業税其ノ他公課ヲ低減シ、又ハ免除シ及ヒ相当ノ補助ヲ与フルコト
 一輸出品ノ海関取扱料ヲ低減シ、又ハ之ヲ免除スルコト
 一輸入原料ノ海関税・取扱料ヲ低減シ、又ハ之ヲ免除スルコト
 一輸出品及輸入原料ノ海陸運搬ニ対シ便宜ヲ与フルコト
 一政府事業ニ於テハ可成内国生産ヲ使用シ、官民共ニ之ヲ使用スルコトヲ奨励ス可キコト
 一生産ヲ取締リ濫造又ハ生産過度等ノ弊害ヲ防遏スルルコト
 一貿易上内国品ヲ輸出シ又ハ原料ヲ輸入スル目的ニテ成立シタル貿易組合ヲ組織セシメ、又ハ之ヲ保護スルコト
 - 第22巻 p.926 -ページ画像 
 一同上ノ商業ニ従事スルモノヲ保護スルコト
 一各生産者取引商ヲシテ内外ノ事情ヲ知ラシムル為メ政府ニ於テ相当ノ通信機関ヲ設クルコト
是等ハ輸入品調査ノ結果ニ依リ実行スヘキ手段ヲ掲ケタルニ過キス、如何ナル物品ニ対シ如何ナル手段ヲ以テ之ヲ保護奨励ス可キカハ要スルニ輸出入品ヲ精細ニ調査シタル上ニアラサレハ之ヲ明言スル能ハサル可シ、故ニ本会議所ハ先ツ之カ調査ヲ為サントス、而シテ政府当局ニ於テモ亦タ同一ニ調査ヲ為シ速カニ相当ノ保護手段ヲ実行センコト実ニ希望ニ堪ヘサルナリ


渋沢栄一 日記 明治三六年(DK220080k-0006)
第22巻 p.926 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三六年     (渋沢子爵家所蔵)
十一月十六日 晴
○上略 九時東京商業会議所ニ抵リ、関東東北各会議所ノ聯合協議会ヲ開ク、十二時会議畢テ ○下略
十一月十七日 晴
○上略 午後四時半紅葉館ニ抵リ、各地商業会議所ノ懇親会ニ出席ス、和田農商務総務長官モ参席ス、開宴前一場ノ演説ヲ為ス、和田氏答辞様ノ演説アリ ○下略


明治三十六年十一月開設 関東東北商業会議所聯合協議会議事要領 第一―一二頁 刊(DK220080k-0007)
第22巻 p.926-930 ページ画像

明治三十六年十一月開設
関東東北商業会議所聯合協議会議事要領  第一―一二頁 刊
関東東北商業会議所聯合協議会議事要領
    会場及開期
関東東北商業会議所聯合協議会ハ明治三十六年六月大阪ニ開設シタル全国商業会議所聯合会 ○第十二回定期聯合会ノ決議ニ基キ、保護政策実行方法調査ノ方針打合ノ為メ、当時主査ノ一トシテ選ハレタル東京・仙台両会議所ノ主催ニ係リ、同年十一月十六日・十七日ノ両日ヲ以テ東京商業会議所ニ開会セリ
    参会員
召集状ヲ発シタル商業会議所ハ東京・横浜・八王子・川越・長野・上田・直江津・新潟・栃木・宇都宮・高崎・前橋・水戸・仙台・山形・酒田・青森・函館・小樽ノ十九会議所ニシテ、其中参会シタルモノハ山形・高崎・新潟・仙台・直江津・長野・栃木・函館・水戸・八王子川越・東京ノ十二会議所ナリ、即チ参会員ノ氏名ハ左ノ如シ

          山形  会頭   斯波信太郎君
          高崎  副会頭  反町慎哉君
          新潟  書記   風間正太郎君
          仙台  会頭   遠藤敬止君
          同   常議員  清野喜平治君
          同   同    針生安次郎君
          同   議員   高橋喜右衛門君
          同   書記長  掘源太君
          直江津 会頭   石塚六三郎君
          長野  会頭   鎌原仲次郎君
          栃木  会頭   大塚金兵衛君
 - 第22巻 p.927 -ページ画像 
          同   副会頭  桜井源四郎君
          函館  副会頭  辻快三君
          同   書記長  秋保辰三郎君
          水戸  副会頭  塙七平君
          八王子 常議員  青木勇吉君
          川越  会頭   綾部利右衛門君
          同   副会頭  高山仁兵衛君
          同   書記長  鶴岡伊作君
          東京  会頭   渋沢栄一君
          同   副会頭  大倉喜八郎君
          同   同    井上角五郎君
          同   常議員  馬越恭平君
          同   同    大橋新太郎君
          同   同    雨宮敬次郎君
          同   同    岩出惣兵衛君
          同   同    根津嘉一郎君
          同   同    伊藤幹一君
          同   同    吉田幸作君
          同   同    星野錫君
          同   同    小野金六君
          同   同    服部金太郎君
          同   同    窪田弥兵衛君
          同   同    小松正一君
          同   書記長  萩原源太郎君

    正副会長ノ選挙
協議会ハ其決議ニ依リ渋沢男爵ヲ会長ニ、遠藤敬止君ヲ副会長ニ選挙シタリ
    議事ノ経過及決議
協議会ニ提出セラレタル議案三アリ
 第一号 輸出入品ノ分類、輸出入品調査事項、輸出奨励輸入抑制ノ保護手段等ニ関スル件(東京提出)
 第二号 輸出重要品同業輸出組合ヲ組織セシメ、各組合ヨリ適当ノ人物ヲ海外要地ニ派シ、輸出品販路拡張ノ任務ニ当ラシメ、国庫ヨリ相当ノ補助ヲ与フル件(函館提出)
 第三号 本邦石油ヲ保護奨励スヘキ産業品中ニ加フル件(新潟提出)
以上三案中、第一号及第二号ノ両案ハ一括シテ委員ニ附託スルニ決シ会長指名ヲ以テ東京・仙台・函館・水戸・長野ノ五会議所ヲ委員ニ選挙シ之カ調査ヲ附託セリ、依テ此等ノ委員ハ審議ノ末更ニ修正シテ一案トナシ、之ヲ報告シタルニ、全会一致ヲ以テ之ヲ可決セリ、其決議書ハ左ノ如シ(但第三号ハ別段決議ヲ為サスシテ唯之ヲ参考ニ供スルコトヽ為セリ)
     保護政策ノ実行ニ関スル件
貿易上輸入ヲ抑制シ輸出ヲ奨励スルハ各国ノ均シク政策トスル所ニシテ、玆ニ保護政策ト称スルモノ亦タ之ニ外ナラス、我国ノ国是トシテ
 - 第22巻 p.928 -ページ画像 
其ノ実行ヲ期センニハ、官トナク民トナク、国民共同国家ノ全力ヲ挙ケテ以テ之ニ当ラサルヘカラス
貿易ノ平衡ヲ保持シテ輸出入其ノ宜キヲ得ント欲セハ、海関税率ノ全権ヲ国家ニ収メ、高キニ過キス低キニ失セス、税率ヲ適当ノ程度ニ定ムルヲ要ス、是レ保護政策ノ為メニ切ニ所謂協定税率ノ廃止ヲ希望スル所以ナリ
現在貿易輸出入品ハ大要之ヲ八種ニ分類スルコトヲ得
 一、輸入品中現在我国ニ同一ノ物産ナク、又ハ代用ス可キモノナク当分輸入ヲ仰クノ外ナキモノ
 二、輸入品中現在我国ニ同一ノ物産アリ、又ハ将来ニ於テ之アルヘキモノ
 三、輸入品中現在我国ニ代用スヘキ類似ノ物産アリ、又ハ将来ニ於テ之アルヘキモノ
 四、輸入品中原料ヲ輸入スルトキハ我国ニテ之ヲ製造シ得ルモノ
 五、輸出品中現在海外ニ同一物産ナキモノ
 六、輸出品中現在海外ノ物産ト競争シ、又ハ将来ニ於テ競争スヘキモノ
 七、輸出品中現在海外物産ノ代用トシテ競争シ、又ハ将来ニ於テ競争スヘキモノ
 八、輸出品中輸入原料ニ加工シタルモノ
今此八種ニ対シ各別ニ左ノ各項ニ依リ調査スルヲ要ス
     輸出品調査事項
 一品名
 一産額
 一輸出額
 一輸出先国別
 一輸出ノ状況
 一市価
 一製産ノ状況
   一原料(品名・品質・価格・産地・産額・生産ノ状況・荷造方法費用・運賃諸掛リ・途筋及其ノ状況)
   一工場(個人・会社)
   一製造(人力・機械)
   一職工(職工ノ種類〔男・女・年齢〕労働時間、賃金)
   一副産品(種類・産額)
   一資本ノ状況(資金ノ多寡・運資方法・利息)
   一利益ノ割合及実況
 一荷造方法及費用
 一輸出港迄ノ運賃諸掛リ
 一輸出港諸費
 一輸出先迄ノ運賃
 一輸出先海関税諸掛リ
 一輸出先ニ於ケル需要ノ状況
 一需要地ニ於ケル嗜好並ニ本品ノ長所若クハ欠点
 - 第22巻 p.929 -ページ画像 
 一需要地ニ於ケル本品需要ノ程度及将来ノ見込
 一需要地ニ於ケル本品ノ競争品
    輸入品調査事項
 一品名
 一輸入額
 一市価
 一輸入元国別
 一主要産地ニ於ケル製産ノ概況
 一輸入ノ状況
 一荷造方法及費用
 一海外産地ヨリ輸入港迄ノ運賃諸掛リ
 一輸入税及輸入港諸費
 一本品需要ノ状況
 一本品需要ノ程度並ニ将来ノ見込
 一内地ニ於ケル同種品又ハ代用品製造ノ状況
   一品名
   一産額
   一市価
   一製産ノ状況
   一将来ノ見込
 (備考)
   産額・輸出入額ノ数量・価額其他数字ニ関スルモノハ総テ最近ノ統計ニヨリ、尚参考トシテ既往数年間ノ累年比較ヲ附スルヲ要ス
   原料トシテ輸入スルモノハ其ノ産地及買入方法ニツキ特ニ精密ニ調査スルヲ要ス
   輸出入共、其ノ貿易取引ノ方法・手数料等ヲ精密ニ調査スルヲ要ス
輸出奨励・輸入抑制ノ保護手段トシテ実行スヘキモノ左ノ如シ
  一必要ナル物産ニ対シテ政府ハ営業税其ノ他公課ヲ低減シ又ハ免除シ及ヒ相当ノ補助ヲ与フルコト
  一輸出品ノ海関取扱料ヲ低減シ又ハ之ヲ免除スルコト
  一輸入原料ノ海関税・取扱料ヲ低減シ又ハ之ヲ免除スルコト
  一輸入品中必要ト認ムル場合ニ於テハ海関税ヲ増課シ又ハ相当ノ内地消費税ヲ課スルコト
  一輸出品及輸入原料ノ海陸運搬ニ対シ運賃割引其他ノ便宜ヲ与フルコト
  一政府事業ニ於テハ可成内国物産ヲ使用シ、官民共ニ之ヲ使用スルコトヲ奨励ス可キコト
  一製産ヲ取締リ濫造又ハ製産過度等ノ弊害ヲ防遏スルコト
  一貿易上内国品ヲ輸出シ又ハ原料ヲ輸入スル目的ニテ成立シタル同業組合ヲ組織セシメ又ハ之ヲ保護スルコト
  一各製産者取引商ヲシテ内外ノ事情ヲ知ラシムル為メ政府ニ於テ相当ノ通信機開ヲ設ケ、且ツ当業者ヲ海外ノ要地ニ派シ、実地
 - 第22巻 p.930 -ページ画像 
ノ景況ヲ視察セシムルコト
是等ハ輸出入品調査ノ結果ニ依リ実行スヘキ手段ヲ掲ケタルニ過キス如何ナル物品ニ対シ如何ナル手段ヲ以テ之ヲ保護奨励ス可キカハ、要スルニ輸出入品ヲ精細ニ調査シタル上ニアラサレハ之ヲ明言スル能ハサル可シ、故ニ先ツ之カ調査ヲ為サントス、而シテ政府当局ニ於テモ亦タ同一ニ調査ヲ為シ、速カニ相当ノ保護手段ヲ実行セラレンコト実ニ希望ニ堪ヘサルナリ

     本件調査期限ニ付協議事項
 一各商業会議所ニテ本件ノ調査ヲ結了スヘキ期限ヲ明治三十七年一月末日トス
 一各商業会議所ハ自今毎月末日其ノ既ニ調査シタルモノヲ取纏メ、東京商業会議所ニ通知スルモノトス
 一東京商業会議所ハ前項通知ノ大要ヲ編纂シテ、更ニ各商業会議所ニ通知スルモノトス
又東京・仙台・函館・水戸・長野ノ五会議所ハ更ニ提出者トナリ、前記保護政策ノ実行ニ関スル件ノ決議書ト之ニ建議文ヲ添ヘ、各参会員連署ヲ以テ其筋ヘ呈スヘシトノ案ヲ提出シタルニ、満場一致ヲ以テ之ヲ可決シタリ、即チ左ノ如シ
 列国ノ形勢ヨリ考ヘ国内ノ現状ヨリ察スルニ、保護政策ノ国是トシテ実行スヘキハ更ニ呶々ヲ俟タス、於是乎本年六月全国商業会議所聯合会ヲ大阪ニ開設シタルニ当リ、保護政策ノ実行ニ関スル件ヲ決議シ、今般更ニ関東東北商業会議所聯合協議会ヲ開設シ、以テ別紙ノ決議ヲ為セリ、自今各会議所ハ着々調査ノ歩ヲ進メ、将ニ全国商業会議所聯合会ノ決議ヲ経テ、其ノ意見ヲ政府ニ具申スル所アラントス、然リト雖トモ克ク其ノ実行ヲ期セントセハ、官民共同、国家ノ全力ヲ挙ケテ以テ之ニ当ラサルヘカラス、故ニ此ノ際政府当局ニ於テモ亦タ此ノ方針ニ依リテ速ニ調査ヲ為シ、其ノ急施ヲ要スルモノニ至ツテハ直チニ之ヲ実行セラレンコトヲ請フ、特ニ政府ノ如キハ諸般ノ機関完備シ、之ヲ調査セラルヽニ於テ克ク適切ナルコトヲ得ルハ各商業会議所ノ企及シ能ハサル所アルヲ信シテ疑ハス、玆ニ予メ建議スル所以ナリ、希ハクハ採納セラレンコトヲ
  明治三十六年十一月十七日        参会員連署
    内閣総理大臣
    外務大臣
    大蔵大臣  各通
    農商務大臣
    逓信大臣
右ノ外協議会ノ費用ニ関シ左ノ事項ヲ協議決定セリ
 一参会各会議所ハ聯合協議会費用並ニ将来ノ調査費ニ充ツル為メ一会議所ニ付金五円ヲ負担スルモノトシ、主査会議所ヘ払入ルヽ事


東京商業会議所報告 第一〇五号・第八頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0008)
第22巻 p.930-931 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第八頁 明治三七年一月刊
    ○保護政策実行調査ニ関スル要件
 - 第22巻 p.931 -ページ画像 
○関東東北商業会議所聯合協議会 該協議会ハ明治三十六年六月大阪ニ開設シタル全国商業会議所聯合会ノ決議ニ基キ、保護政策実行方法調査ノ方針打合ノ為メ、当時主査ノ一トシテ選ハレタル東京・仙台両会議所主催トナリ、同年十一月十六日・十七日ノ両日ヲ以テ本会議所ニ開設セルモノニシテ、参会シタル会議所ハ、山形・高崎・新潟・仙台・直江津・長野・栃木・函館・水戸・八王子・川越・東京ノ十二会議所ナリキ(其議事ノ要領ハ別冊報告書及ヒ参照第十一号ニ審カナルヲ以テ之ヲ略ス)
  因ニ記ス、十一月十七日聯合協議会閉会後、午後四時半ヨリ本会議所主人トナリ、芝公園紅葉館ニ於テ農商務大臣・同総務長官・農商務省商工局長・同商事課長・農商務大臣秘書官及ヒ関東東北商業会議所聯合協議会参会員ヲ招待シテ宴会ヲ催セリ、席上会頭渋沢栄一君開会ノ挨拶ヲ兼ネ保護政策ニ就キ一場ノ演説アリ、農商務総務長官和田彦次郎君謝辞ヲ述ヘ併セテ所見ヲ述ヘラレ、尋テ仙台商業会議所会頭遠藤敬止君地方参会員ヲ代表シテ謝辞ヲ述ヘラレタル後、主客一同歓ヲ尽シテ午後八時過キ散会セリ


東京商業会議所報告 第一〇五号・第六頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0009)
第22巻 p.931 ページ画像

東京商業会議所報告   第一〇五号・第六頁 明治三七年一月刊
○第十一回役員会議 十一月二十四日開
午後四時過開会、関東東北商業会議所聯合協議会議事要領ノ件外八件ヲ審議シ、午後九時過閉会ス
○第十二回役員会議 十二月三日開
午後二時過開会、保護政策主査会議所聯合協議会開設ノ件外四件ヲ審議シ、午後四時閉会ス


東京商業会議所報告 第一〇五号・第四―五頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0010)
第22巻 p.931 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第四―五頁 明治三七年一月刊
○第七回臨時総会 十二月三日開
  出席者数 二十七名
午後五時十分開議、会頭渋沢栄一君欠席ニ付副会頭大倉喜八郎君議長席ニ着キ、先ツ左記ノ件ヲ報告シテ全会ノ承認ヲ求メタリ
○中略
次ニ議長ハ左ノ件々ヲ順次議事ニ附セリ
○第一号
 一 関東東北商業会議所聯合協議会参会員報告ノ件
本件ハ井上角五郎君参会員ヲ代表シテ聯合協議会議事ノ経過及ヒ其決議ノ要領ヲ報告シタル後、全会一致ヲ以テ之ヲ承認スルニ決セリ(報告ノ要領ハ参照第十一号ニ掲載ス)
○中略
右了リテ井上角五郎君ヨリ左ノ緊急動議ヲ提出セリ
 一 関東東北商業会議所聯合協議会決議事項ニ関スル処分方法
本件ハ全会ノ同意ヲ以テ議題ニ供スルコトニ決シ、審議ノ上全会一致ヲ以テ役員会ノ意見ヲ是認シ、重要輸出入品凡ソ二百余種ヲ選ヒ、議員各自分担ヲ定メ精細ニ調査スルト同時ニ、市内各団体ニ之カ調査ヲ依託スルニ決定シ、其議員ノ分担取極メハ之ヲ正副会頭ニ一任セリ
 - 第22巻 p.932 -ページ画像 

東京商業会議所報告 第一〇五号・第八頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0011)
第22巻 p.932 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第八頁 明治三七年一月刊
    ○保護政策実行調査ニ関スル要件
○上略
明治三十六年十二月三日臨時総会ニ於テ全会ノ承認ヲ経タル保護政策実行調査ニ関スル調査品目ハ、参照第十五号ニ掲載スル通ニシテ、其後正副会頭協議ノ上議員ノ調査担任ヲ参照第十六号ノ通リ取定メタリ
○保護政策ニ関スル市内組合協議会 該協議会ハ本会議所ニ於テ保護政策実行調査ノ進行上本邦輸出入品ノ実況取調ノ必要ヲ認メ、本会議所議員各自之カ調査ヲ担任スルト同時ニ、調査品目ニ関係アル市内当業者ノ取調及ヒ意見ヲ徴取スルコトニ決定シタル為メ、明治三十六年十二月十三日ヲ以テ市内九十六実業団体ノ会同ヲ求メ、取調方法打合セニ付協議シタルモノナリ
当日出席シタルモノハ総数七十一名、午後二時五分開議、副会頭大倉喜八郎君議長席ニ着キ、開会ノ趣旨及ヒ産業保護ノ必要ナル所以ヲ縷述シ、次ニ副会頭井上角五郎君ヨリ本会議所ニ於ケル本問題調査ノ沿革並ニ調査ノ方針ニ就キ詳細ナル説明ヲ為シ、且ツ当業者諸君ニ於テモ充分之カ調査ニ助力セラレ、本会議所ヨリ各団体ヘ依頼スヘキ輸出入品実況調査ニ就キテハ精密ナル取調ヲ致サレタシトノ希望ヲ述ヘ、満場之ヲ了シ、午後三時閉会セリ
○本会議所ハ前記協議会ノ趣旨ニ基キ、明治三十六年十二月二十五日ヲ以テ、東京洋酒問屋組合外市内各団体八十八箇所ニ、調査用紙ヲ添ヘテ、各調査品目ノ実況調査及ヒ之ニ対スル意見開陳ノ義書面ニテ依頼シタリ


東京商業会議所報告 第一〇五号・第四三―四六頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0012)
第22巻 p.932-935 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第四三―四六頁 明治三七年一月刊
 ○参照
○第十五号
  明治三十六年十二月三日第七回臨時総会ニ於テ決議セル保護政策実行調査ニ関スル調査品目ハ左ノ如シ
    調査ヲ要スヘキ品類
茶(緑茶・紅茶・玉茶・磚茶・粉茶・番茶)

皮類(熟皮・皮革製品・長靴及短靴)
硝子(玻瓈製品・玻瓈鏡・ランプ及部分品・プレート玻瓈片)
石油・色油
花莚
麦稈サナダ・麦稈製品・縄索叺及莚
柳サナダ
汽鑵諸機(汽鑵及汽機・機械帯及管)
電気諸機械(電気発動機・電灯機械)
洋傘(傘骨・傘柄及手・傘用綿布)
印刷機
護謨品(生護謨・護謨製品・同布・同紐・同管)
 - 第22巻 p.933 -ページ画像 
墨汁(印刷用墨汁・石版用墨汁・簿記用墨汁)
医療器
酒精
セルロイド板及竿
文房具(鉛筆)
翫具・運動具
ブラツシ・箒
石鹸及化粧品(化粧石鹸・洗濯石鹸・香水・香油)
薬(醋酸・苛性曹達・樟脳・樟脳油・薄荷脳・薄荷油・黄連・大茴香木蝋・茯苓)
漆器・漆
染料(乾藍・五倍子・ログウード越幾斯・アニリン染料・アリザリン染料)
麦酒・麦芽
帽子・帽子裏皮
生糸(機械製太糸・同細糸・熨斗糸・屑糸・柞蚕糸・繭)
綿糸(綿織糸・綿縫糸・屑綿糸)
絹布(羽二重平織・紋織・綾織・甲斐絹・縮緬・縮緬呉呂・絹紬・刺繍絹布・諸絹布・屑布・絹製手巾・絹製寝衣・絹製肩衣・絹製襦袢・諸絹製品)
絹綿織物(絹綿天鵞絨・絹綿繻子)
綿織物(生金巾・天竺布・白木綿・晒金巾・緋金巾・綾金巾・寒冷紗更紗・雲斎布・綿帆布・綿天鵞絨・綿縮・綿繻子・瓦斯糸織・綿フランネル・綿メリヤス・イタリアンクローズ・浴巾・シーチング・綿ブランケツト・手拭地・綿襦袢・綿製手巾・綿メリヤス肌衣・諸布帛及材料製品)
毛織物(地氈・檯衣・羅紗・アルパカ・フランネル・肩衣・ブランケツト・襟巻・毛綿メリヤス)
苧麻(苧麻縄索・苧麻・麻織糸・麻帆布)
時計(掛時計及置時計)
海産(鯣・魚油・昆布・刻昆布・鮑・海参・鰕・貝柱・鱶鰭・干魚・塩魚・鱈・牡蛎・田作・揚巻貝・塩鮭及鱒・食塩・鮑殻・鑵詰食物〔魚類ニアラサルモノヲモ含ム〕)
農産及林産(寒天・椎茸・落花生・乾薑・百合根・蕃藷・蕃椒)
肥料(魚糟・干鰯)
木材(木材及板・枕木)
紙類(印刷料紙・薄葉紙・鳥ノ子紙・壁紙・装飾紙・板紙・擬造鳥ノ子紙・擬造日本紙・擬羊皮紙・簿記用紙・紙製ナプキン・諸紙製品・ポルプ)
洋服
襟飾
鈕釦(打紐及真田紐・リボン及ガルン)
袴釣
煙草(紙巻煙草・巻煙草・煙草用紙)
 - 第22巻 p.934 -ページ画像 
鉄道諸機械(鉄道機関車・軌条・鉄道貨車・同客車)
楽器
船舶(汽船及帆船)
生卵
砂糖(精糖)
竹材(竹材・竹籠・竹製品・竹簾)
農具
陶器(磁器及陶器・七宝器)
車類(自転車)
釘類(釘・錨及錨鏈・釘螺旋)
マツチ(マツチ軸木・マツチ用紙)
扇子・団扇
油布
包蓆
○第十六号
  明治三十六年十二月三日第七回臨時総会ノ決議ニ基キ、正副会頭協議ノ上決定シタル保護政策実行調査ニ関スル本会議所議員ノ担任ハ左ノ如シ
    調査担任
茶・籐・皮革・硝子・石油・色油    大倉喜八郎君
石油・色油              田中平八君
石油・色油              吉田幸作君
石油・色油              村上太三郎君
花莚・麦稈サナダ・柳サナダノ類    井上角五郎君
花莚・竹材              稲延利兵衛君
竹材                 服部与兵衛君
汽鑵諸機・電気諸機械・電線      加藤木重教君
汽鑵諸機・自転車・自動車       野中鴻君
電気諸機械・洋傘・汽鑵諸機      吉村鉄之助君
電気諸機械              前田武四郎君
電気諸機械・生卵           田中経一郎君
印刷機・護謨品・墨汁         星野錫君
墨汁                 宏虎童君
医療器・酒精・セルロイド・薬品    雨宮綾太郎君
セルロイド・文房具・翫具類・ブラシ類・石鹸及化粧品・扇子・団扇    三輪善兵衛君
酒精                 中沢彦吉君
薬品                 福原有信君
薬品・漆器・漆            山崎嘉太郎君
薬品・染料              仲万兵衛君
染料                 半田善八君
麦酒・麦芽              金沢三右衛門君
麦酒・麦芽              馬越恭平君
帽子・帽子裏皮            渋沢栄一君
生糸・繭               町田徳之助君
 - 第22巻 p.935 -ページ画像 
絹布・絹綿織物・綿織物・毛織物    阿部孝助君
綿糸・苧麻              前田兼七君
綿糸                 柿沼谷蔵君
毛織物                伊藤幹一君
時計・楽器              服部金太郎君
海産・肥料・農産及林産        窪田弥兵衛君
海産・肥料              岩出惣兵衛君
木材                 松本忠次郎君
木材                 木村春東君
木材・農産及林産           小松正一君
紙類                 岡田来吉君
紙類                 小野金六君
紙類                 八尾新助君
洋服・襟飾・鈕釦・袴釣        高羽惣兵衛君
煙草                 岩谷松平君
鉄道諸機械・釘類           雨宮敬次郎君
鉄道諸機械・釘類           根津嘉一郎君
鉄道諸機械・釘類           榎本慶三郎君
鉄道諸機械・釘類           森清右衛門君
鉄道諸機械・釘類・砂糖        菊島正宜君
砂糖                 片野重久君
船舶                 加藤正義君
農具・包蓆              中村清蔵君
農具・包蓆              栗生武右衛門君
農具・包蓆              谷崎久兵衛君
陶磁器                大橋新太郎君
油布                 山中隣之助君
マツチ                宮川鉄次郎君


東京商業会議所報告 第一〇五号・第八頁 明治三七年一月刊(DK220080k-0013)
第22巻 p.935 ページ画像

東京商業会議所報告  第一〇五号・第八頁 明治三七年一月刊
    ○保護政策実行調査ニ関スル要件
○上略
○保護政策第一回主査会議所聯合協議会 該協議会ハ保護政策問題ニ関スル各主査会議所第一回ノ会合ニシテ、東京・大阪両会議所ノ発企ニヨリ明治三十六年十二月十五日・十六日ノ両日ヲ以テ本会議所ニ開設セリ、参会シタル会議所ハ東京・仙台・名古屋・大阪・京都・博多ノ各主査会議所、及ヒ神戸・長崎・久留米ノ三会議所ナリキ(其議事ノ要領ハ別冊報告書ニ審カナルヲ以テ之ヲ略ス)

渋沢栄一伝記資料 第二十二巻 終