デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

2章 国際親善
3節 外賓接待
14款 其他ノ外国人接待
■綱文

第25巻 p.696-698(DK250108k) ページ画像

明治41年12月27日(1908年)

是日栄一、フランス実業家アルベール・カーンニ日本女子大学校及ビ東京市養育院ヲ参観セシメ、後、飛鳥山邸ニ招ジテ午餐会ヲ催ス。此前後ニ亘リ各所ニ催サレタルカーン歓迎会ニ出席ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四一年(DK250108k-0001)
第25巻 p.696-697 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四一年     (渋沢子爵家所蔵)
十二月二十一日 曇 寒
○上略 五時 ○午後帝国ホテルニ抵リ仏人アルベルトカン氏ヲ訪問ス、種々ノ談話ヲ為シ、六時半有楽座ニ抵リ ○中略 夜十二時王子ニ帰宿ス
十二月二十二日 晴 寒
 - 第25巻 p.697 -ページ画像 
○上略 品川益田氏ヲ訪ヒ ○午後五時頃仏国人カン氏招宴ニ陪席ス、夜飧畢テ種種ノ談話ヲ為シ、夜十時帰宿ス
○下略
   ○中略。
十二月二十七日 雨 寒
○上略 午前十時女子大学ニ抵リ、仏国人カーン氏ト会話シ且学校ノ全部ヲ巡覧セシム、十二時同氏ヲ伴フテ養育院ニ抵リ、同シク各室ヲ巡覧セシム、午後一時王子ニ同伴シ茶席ニ於テ午飧ヲ饗ス、兼子・愛子・篤二・八十島等来会ス、食後カーン氏身上ノ経歴談アリ、長田秋濤通訳ス、午後五時ヨリ多数ノ来客アリ、蓋シカーン氏紹介ノ為招宴スルモノナリ、六時半開宴、酒間余興アリ、後新ニ作レル女優劇ヲ演セシメ、夜十時一同散会ス
十二月二十八日 晴 寒
○上略 六時 ○午後大倉氏葵町邸ニ抵リ、カーン氏ノ招宴ニ出席ス、畢テ夜十一時王子ニ帰宿ス
   ○中略。
十二月三十一日 晴 寒
○上略 午前十時第一銀行ニ抵リ、仏国人カン氏ノ来訪ニ接シ、佐々木氏ト共ニ日仏金融上ニ関スル談話ヲ為ス ○下略


渋沢栄一 日記 明治四二年(DK250108k-0002)
第25巻 p.697 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四二年     (渋沢子爵家所蔵)
一月二日 晴 寒
○上略 午後一時浜町常盤屋ニ抵リ、仏国人カーン氏ト会見ス、本野大使佐々木勇之助・長田秋濤氏等来会ス、種々ノ要件ヲ協議ス、畢テ午飧ヲ共ニシ ○下略
一月三日 晴 寒
○上略 十時 ○午前三田邸ニ桂侯爵ヲ訪ヒ、仏人カン氏ノ事ヲ談ス ○下略
一月四日 雨 寒
○上略 六時 ○午後浅野総一郎氏ヲ訪ヒ、仏人カン氏ノ招宴ニ陪席ス、食後余興数番アリ、来会スル者三十人余、頗ル盛宴ナリキ、夜十時王子ニ帰宿ス ○下略
一月五日 曇 寒
○上略 午前十時半麻布井上侯邸ヲ訪ヒ、仏国人カーン氏ノ事ニ関シ種々ノ談話ヲ為ス、十二時益田孝氏モ来会ス、協議ノ後侯爵邸ニテ午飧シ午後三時帰宿ス ○下略
一月六日 晴 寒
○上略 帝国ホテルニ抵リ ○午前十一時頃益田氏ト共ニ仏人カン氏ニ面話ス、午飧ヲ共ニシテ○下略
   ○中略。
一月八日 晴 寒
九時 ○午前三井集会所ニ抵リ、本野大使・益田孝氏ト共ニ仏国人カン氏ト会話ス、日仏シンヂケート設立ニ関スル協議ヲ為シ、畢テ帝国ホテルニ抵リ重役会ヲ開キ要件ヲ議決ス ○下略

 - 第25巻 p.698 -ページ画像 

(八十島親徳) 日録 明治四一年(DK250108k-0003)
第25巻 p.698 ページ画像

(八十島親徳) 日録  明治四一年   (八十島親義氏所蔵)
十二月廿七日 日曜 雨
今日ハ臘末ニモ拘ハラス王子邸ニ於テ外賓ノ招宴アリ、即チ目下来遊中ノ仏人カン氏ヲ正客トシ、仏国大使・銀行家・実業家等合計二十二人ノ主客ナリ、尤朝十時ヨリ女子大学及養育院ヲ示サレ、午後一時過王子来着、茶席ニテ昼飯ノ馳走、終リテ愛子嬢ノ御手前ニテ薄茶ヲ饗セラル、カン氏ハ長田ノ通訳ニテ立志経歴談ナドナセリ、茶席ハカン長田ヲ客トシ、男爵御夫婦・若主人及愛子嬢・並ニ予ヲ合セテ主客七人ナリシガ、午後四時半ヨリ晩餐客ニ移リ、広間ニテ日本料理ノ饗応ナリシガ、余興トシテハ川上貞奴主管ノ女優養生所生徒(去九月開校一昨日初メテ交詢社ニテ試演)試演ノ踊(鶴亀及忍売)、及食後ニハ益田太郎冠者書卸シノ悲劇、心ノ声二幕ヲ演ス、初ノ踊ハ殆見ラレタモノニ非ズトノ酷評アリシガ、悲劇ノ方ハ真正ノ写実的ニテ、シコナシ表情・只蹟《(跡)》トモ意外ノ上出来、大ニ感嘆セシメタリキ、夜十二時帰ル



〔参考〕東京市養育院月報 第九五号・第二六頁 明治四二年一月二五日 ○仏国紳士アルベルト・カン氏の寄附(DK250108k-0004)
第25巻 p.698 ページ画像

東京市養育院月報  第九五号・第二六頁 明治四二年一月二五日
○仏国紳士アルベルト・カン氏の寄附 同氏は十二月廿七日金弐百円を本院へ寄附し内壱百円を収容児一同へ、壱百円を大人収容者一同に福引法にて配与し呉れよとの事なり、されば院児へは菓子を購入して平等に与へしも、大人には一等より六等迄の等差を附し抽籤せしめしに、一等壱円の福運を得しは女健康の西沢コト、回春病室の田代冬吉及一病室の患者柴田某と呼べる一時新橋に嬌名を謡はれし左褄の果なりと云ふ、何れも一月早々の事とて、雀躍欣舞の外なかりき
   ○第三編第一部第三章国際親善中「カーン海外旅行財団」ヲ参照。
   ○カーンハ明治三十年我邦ニ渡来セリ。本款同年十月十七日ノ条参照。