デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

3章 道徳・宗教
5節 修養団体
1款 竜門社
■綱文

第26巻 p.206-213(DK260042k) ページ画像

明治30年5月9日(1897年)

是日栄一、当社第十八回春季総集会ニ出席シ「竜門社員ノ為ニ処世ノ覚悟ヲ語ラム」ト題スル演説ヲナス。


■資料

竜門雑誌 第一〇八号・第三四―四〇頁 明治三〇年五月 ○竜門社第十八回春季総集会記事(DK260042k-0001)
第26巻 p.206-209 ページ画像

竜門雑誌  第一〇八号・第三四―四〇頁 明治三〇年五月
    ○竜門社第十八回春季総集会記事
我竜門社第十八回の総集会は明治卅年五月九日を以て王子曖依村荘に於て開かれたり、是より先き数日陰晴常なく、人皆会日の天気を気遣ひたるに、幸ひにも当日は薄曇りにて、時々雨滴を漏したれど雨傘を要する程にもあらず、却て日傘を要せざる点は春の終り夏の初めの村荘園遊会には最も屈竟の好天気と覚えたり
されば来会者は開会時刻といふ午前九時より陸続として会場なる庭園
 - 第26巻 p.207 -ページ画像 
に集まり、軈て午前十一時に至り同荘の広間に於て諸大家の演説会は開かれぬ
 渋沢社長 先つ起て開会の辞を述へられ、畢て第一席の演説には多年実業家として且政治界に熱心尽萃せらるゝ
 中野武営君 政治界並ひに実業界に於ける自家経歴談を述へられ、「政治界は既に輿論に服従するに至れり、今後は実業界に於ける輿論を喚起せざるべからず、而して是は即ち諸子の任なり」と喝破して、大に我竜門社員を警醒する所あり、拍手の内に演席を下れは、次には帝国大学教授文科大学長
 外山正一君 起て、日本の社会問題を論述し、端を「日本歴史上英雄の最も多く輩出したる二大時期は、元亀・天正の際及ひ維新以後の今日たり、而して其然る所以は、自由競争の最も盛に行はれたるに在り」と云ふに発して、然る後論鋒一転、自由競争の弊害に及ひ「現今の自由競争は一方に於ては実業界の英雄を輩出せしむるの利益ありと雖とも、同時に他方に於て無数の貧困なる労働者を生出するものにして、謂ゆる社会問題の起るは免かれず」と説きて、以て深く実業界の英雄たらむことを期する我輩竜門社員の注意を惹き、最後に
 青淵先生 「竜門社員の為に処世の覚悟を語らむ」と称して起立し口を開けば奇喩湧くか如く、妙譬人の頤を解くの間に於て、我輩社員の宜しく服膺すべき処世の真理を訓諭せられたり、読者請ふ、之を本号の論説欄に徴せよ、先生の演説畢りて後、来会者一同に支那料理を饗し、然る後
  園遊会
を開く、雨後の村荘新緑正に滴る如き処、牡丹・芍薬・躑躅・藤花其間に点綴して紅を争ひ紫を闘はす、桜花の節の園遊に比するに更に一段の好致なり、而して各処の丘上樹根に煮込・甘酒・寿司・天麩羅・螺壷焼・団子・燗酒・麦酒・煎茶等の露店あり、又中央の稍広き芝生の辺には三遊連一座の江戸両国の賑ひといふ趣向にて、カツポレ・仮声・見世物・女義太夫・踊り・伝授・竹琴・法華坊主・大道講釈・浪花節・長井兵助・あめ屋・読売・鬼娘・手品・新粉細工等滑稽なる興行あり、吾人の耳目口腹殆んと皆応接に遑あらす、而して午後四時半の頃に再ひ広間に於て円遊一座余興茶番の催ありて、人を抱腹絶倒せしめ、斯くして一同歓を尽して散会を告けしは午後六時頃なりき
当日来会者は無慮三百余名にして、其重なるは
 青淵先生・同令夫人・渋沢社長・同令夫人・穂積陳重君・同令夫人阪谷芳郎君・外山正一君・中野武営君・尾高惇忠君・同令夫人・田口卯吉君・島田三郎君・穂積八束君・小手川豊次郎君・佐々木慎思郎君・佐々木勇之助君・角田真平君・朝倉外茂鉄君・福岡健良君・斎藤精一君・星野錫君・谷敬三君・清水釘吉君・原林之助君・田中元三郎君・本山七郎兵衛君・木村清四郎君・山田昌邦君・田島錦治君・神谷義雄君・斎藤峰三郎君・鈴木徳次郎君の諸氏なりし
  附言 本会の為め金員物品を寄附せられたる左の諸氏に対し深く鳴謝す
  一金五拾円            青淵先生
 - 第26巻 p.208 -ページ画像 
  一金五円             青淵先生令夫人
  一金弐拾円            渋沢篤二君
  一金五円             同令夫人
  一金五円             穂積陳重君
  一金参円             同令夫人
  一金五円             阪谷芳郎君
  一金参円             同令夫人
  一金拾円             浅野総一郎君
  一金五円             大倉喜八郎君
  一金五円             大倉喜八郎君令夫人
  一金五円             谷敬三君
  一金五円             佐々木勇之助君
  一金五円             田中元三郎君
  一金五円             星野錫君
  一金五円             清水満之助君
  一金参円             穂積八束君
  一金参円             同令夫人
  一金参円             大川平三郎君
  一金弐円             同令夫人
  一金参円             田中栄八郎君
  一金弐円             同令夫人
  一金参円             藤山雷太君
  一金弐円             同令夫人
  一金参円             福岡健良君
  一金弐円             同令夫人
  一金参円             尾高惇忠君令夫人
  一金参円             横山孫一郎君
  一金参円             清水釘吉君
  一金参円             笹瀬元明君
  一金参円             皆川四郎君
  一金参円             白石元治郎君
  一金参円             竹田政智君
  一金参円             阪倉清四郎君
  一金参円             山口荘吉君
  一金弐円             神谷義雄君
  一金弐円             原林之助君
  一金弐円             本山七郎兵衛君
  一金弐円             山中譲三君
  一金弐円             鈴木徳次郎君
  一金弐円             猿渡常安君
  一金弐円             磯長令夫人
  一金弐円             朝山令夫人
  一金弐円             渋沢市郎君令夫人
  一金弐円             斎藤精一君
 - 第26巻 p.209 -ページ画像 
  一金弐円             尾高幸五郎君令夫人
  一金弐円             荒木民三郎君
  一金弐円             斎藤平太郎君
  一大黒ビール 二打        札幌麦酒株式会社
  一同     二打        鈴木恒吉君
  一ビール   一打        第十九銀行支店会員中


竜門雑誌 第一〇八号・第六―七頁 明治三〇年五月 ○竜門社第十八回春季総集会開会の辞(社長渋沢篤二君)(DK260042k-0002)
第26巻 p.209 ページ画像

竜門雑誌  第一〇八号・第六―七頁 明治三〇年五月
    ○竜門社第十八回春季総集会開会の辞
                   (社長 渋沢篤二君)
皆様、唯今より竜門社第十八回春季総集会を開きます、今日は天気もどうかと思ひまして余程心配致しましたが、先づ宜い按排に降りも致しませぬで、斯く皆様御来会下さいましたのは誠に難有仕合でございます、此会も毎度ながら皆様の御寄附や何かで追々盛大になりますので、難有一同に代つて御礼を申上けます、今日は中野武営先生・外山正一先生の御演説がございます、了つて青淵先生が一場の演説をして呉れますさうでございますから、どうぞ御緩りと御遊びを願ひます、殊に中野先生・外山先生には御忙しい所を枉げて御出を願ひましたので、是は他に代つて御礼を申上げます、此竜門社も追々盛大になつて参りまして、追々には一の経済社会の団体ともなりますのでございますから、成るべく発達致しますやうに追々改良を致して参りたいと思ひまして近頃計画を致して居ります、社則其他も以前とは少しく更へた所もございますから、それは尚ほ雑誌上か或は其他の方法を以て皆様に申上げるやうに仕ります、且つ唯今までの雑誌はほんの申訳見たやうなもので面白いこともございませぬが、追々改良して参りたいと思ひますから、相変らず皆様に御尽力を願つて、竜門社の盛大になりますやうに致したいと存じます、今日は演説が済みますと庭で園遊会を催し、円遊が旧を思出すやうに昔しの両国の景と云ふのをやつて御目に掛けますそうでございますから、其御積りで御緩りと御遊びを願ひます、一寸会を始めますに就きまして一言申上ます


竜門雑誌 第一〇八号・第一―六頁 明治三〇年五月 ○竜門社第十八回春季総集会に於て(青淵先生演説)(DK260042k-0003)
第26巻 p.209-211 ページ画像

竜門雑誌  第一〇八号・第一―六頁 明治三〇年五月
    ○竜門社第十八回春季総集会に於て (青淵先生 演説)
今日の竜門社の総会には大家諸君の尊来を得まして、社員一同も嘸ぞ満足に思ひますことでございませう、中野君・外山君の貴重な御演説がございましたので、最早私が蛇足を添へます必要もないやうでございますが、私の務めとして一言を述べて清聴を煩はしますやうに致します、何をがなと考へましたが、諸君の耳を喜ばしむべき新案もございませぬ、戦後の経営を如何処理致して宜からうと云ふことは、引続いての問題でございますけれども、殊更に玆に新案を出して諸君と共に攻究致して見たいと云ふ程の心付も未だ生じませぬ、追々に共に論じ、共に計つて、其宜しきを得ると云ふことを努めなければなりませぬけれども、今日の演題として申述べる程の好い工風は未だ出ませぬ其他にまだ種々ありますが、多くは政治問題で私が玆に喋々すること
 - 第26巻 p.210 -ページ画像 
は好みませぬのです、そこで私が玆に申述べたいのは大方諸君の御聴に達するのでなうて、竜門社員の世に処する思入り、即ち処世の覚悟と云ふことを一言述べたいと思ふのです、凡そ人の世に在るは上王侯より下車夫とか馬丁とか云ふものに至るまで、各々其所に居つて総て国の利益を増すとか、福祉を進めるとか云ふことを務めざるはないと言ふても宜い位なものと思ふです、さうして其各種の人々が其業に就き其職を営む有様を見ますると、丁度国家が美観を粧点する如き有様で、甚だ工合の宜いものである、喩へて申すと或一家の中に骨董品もあり諸道具もあり、其他種々の雑具があつて、之が其家を潤飾して居ると云ふ如き有様である、偖て其一家の諸道具の中には種々なる用を為すものがある、例へば床間に掛ける掛物もあり、其前に座る置物もあり、傍に紫檀の棚もなければならず、盆栽の種類も要れば文房具も必要である、併し是等の種類許りでは一家を為す訳には行かない、一家を十分に潤飾するものではない、然らば其次に何が要るかと云ふと勝手の方へ行つて見ると、米櫃もあり、鍋釜もあれば七輪もあり、竈もあり、箒もあり、ハタキもあり、炭取もあり、斯う云ふ種類のものが集つて一家の中を整へることになる、斯様に一家を潤飾して居る品物の中で、私が観察すると大分幸不幸がある、例へは床間の掛物の如きは御客の来たときに、是は結構である、此掛物は文晁ですか、何時御求めになりましたと言つて批評される、又棚にしても此棚は瑞松が造つたものでせうか、中々善く出来て居ると言つて珍重される、が勝手にある米櫃や鍋釜は甚だ珍重されない、而して此家の働きに於てどつちが効用が多いかと云ふと、寧ろ米櫃・鍋・釜がなかつたならば其一家は立ちませぬ――凍餒に迫る、文晁の掛物は一向生活の足しにはならない、又例へは此節柄五月人形の如き者も至つて珍重されて、大層な価を以て飾付けられて居る、併し生活と云ふ方の点から見て、如何であるかと云ふと、此為めに一家の凍餒を凌ぐと云ふことは出来ない、斯く一家を潤飾する財具に付て其用ひられるに甚た厚薄があると同時に、人の世に在るに於ても私は尚ほ其感あることを免れぬやうに考へるです、例へば政治に従事して、国家の枢軸を握ると云ふ如き人は、或は今申す床間の置物の類でもございませうか、又軍務に従事する人は今の五月人形抔に比して宜からうと思ふ、さうすると実業家と云ふ吾々は、世帯道具に喩ふべきものではないかと思ふのでございます、そこで軍人とか政治家とか云ふ者、即ち掛物や置物抔に比較すると世帯道具は平日甚だ軽蔑されて居る――貴重されない、今外山君は実業者が注意をしなければ労働者の怨みを受けると仰しやつたけれども、是は反対で床間の掛物若くは置物に対して、世帯道具たる吾々は苦情を言はなければならぬ世の中だらうと思ふのです、随分中には甚しい贋物の掛物を床間に麗々と飾つて之を珍重して、米櫃・鍋・釜の如き日々なければならぬものは殆と放棄して置くと云ふことは、今日の社会に往々あることであらうと思ふ、左りなから又熟々考へて見ると云ふと此米櫃・鍋・釜は何時も人に要用視せられて居る、是に反して今の床間の掛物若くは置物は、今申す如き贋物が立派な玉堂に上ることもありませうが、或場合には塵に委ねられて倉庫の隅に隠れると
 - 第26巻 p.211 -ページ画像 
云ふこともある、故に米櫃・鍋・釜はさう苦情を言ふには及ばない、詰りは共に其宜きを得て居ると謂ふて宜しからうと思ふ、即ち吾々は今申す日用道具の性質のものであるから、甚た人に貴重されぬと云ふ代りに、又久しく人に捨てられず、何時も世の中に要用視されると云ふことを能く観念せねばならぬのである、丁度それに就て思い当るのは、支那の唐子西と云ふ人が古硯銘と云ふ一の文章を書いた、その文章は硯と墨と筆とは気類相同しく、任用寵遇亦相近いもので常に相ともに交つて居る、それでありながら寿命丈けは大変違ふ、硯の寿は世を以て計へる、墨は月を以て計へる、筆は日を以て計へる、斯様に寿命が違ふ、それはどう云ふ訳であるかと云ふと筆と云ふものは至つて働くものである、墨は是れに次き、硯は最も鈍いものである、さうして見ると働くものが果して世の中に寿命が短かうて、静かなものが寿命が長いと申して宜いか、曰く否な若し筆をしてじつと仕舞つて置いたにしたところが、中々幾代も保つと云ふやうなものではない、して見れば寿命は性質であつて、その利鈍に依つて夭寿を定める訳には行かない、さうして其終りに銘を書いて曰く「不能鋭因以鈍為体不能動因以静為用惟其然、是以能永年」斯う云ふ文章がありましたが、誠に気の利いた文章で支那人中々隅に置けない、私は実業者はこの世帯道具たることに安んして、一時人に珍重されると云ふことは望まないでその代り久しく世の中に要用視されると云ふことを希望致すのでございます、どうぞ諸君もともにその御心掛を願ひます、依つて簡単にこの一言を申して置きます



〔参考〕竜門雑誌 第一一一号・第三八―三九頁 明治三〇年八月 ○竜門社夏期大会(DK260042k-0004)
第26巻 p.211 ページ画像

竜門雑誌  第一一一号・第三八―三九頁 明治三〇年八月
○竜門社夏期大会  社員田島錦治・仁保亀松両君の送別を兼ね、予記の如く去月十七日午後五時より日本橋区阪本町銀行集会所に於て開会せられたり、来会者は例の如く開会前より来会せられ、会場為に立錐の余地なきに至れり、午後七時開会、社長渋沢篤二君起て開会の辞を述へ、併せて竜門社々則改正の由来並に要項に就て説明せられ、次て田島学士登壇し、君の渡欧研究の事項に付演説し、以て告別の辞に代られ(同君の演説筆記は載せて本号論説欄にあり)次て浅野総一郎君の欧米漫遊談あり、散会せしは午後十一時なりし、同日は鰻飯の饗応・橘家円喬丈の落語数番等ありて頗る盛会なりし、来会者の重なるは渋沢社長・穂積陳重君・阪谷芳郎君・尾高惇忠君・矢吹秀一君・穂積八束君・浅野総一郎君・島田三郎君・佐々木勇之助君・田中元三郎君・木村清四郎君・長谷川一彦君・笹瀬元明君・藤井晋作君・尾高次郎君・原林之助君・湯浅徳次郎君・佐々木和亮君・中川知一君・諸井恒平君・山中譲三君・早速鎮蔵君・土肥脩策君・曾和嘉一郎君・斎藤峰三郎君等百九十余名なりし、仁保学士帰省中にて来会せられさりしは、同会の遺憾とする処なり
   ○此ノ日ハ栄一出席セズ。



〔参考〕竜門雑誌 第一〇八号・第四〇―四一頁 明治三〇年五月 ○竜門社々則の改正(DK260042k-0005)
第26巻 p.211-212 ページ画像

竜門雑誌  第一〇八号・第四〇―四一頁 明治三〇年五月
 - 第26巻 p.212 -ページ画像 
○竜門社々則の改正 同社に於ては此度社則を改正せしにより、次号に其全文を掲載すべし



〔参考〕竜門雑誌 第一〇九号・第五九頁 明治三〇年六月 ○竜門社社則及社員名簿(DK260042k-0006)
第26巻 p.212 ページ画像

竜門雑誌  第一〇九号・第五九頁 明治三〇年六月
○竜門社社則及社員名簿 竜門社に於ては前号に報道せし如く社則を改正し、新に社員中より竜門雑誌編纂顧問として嘱托員を撰置し、雑誌編纂上に就き協議し、其従事せらるゝ事業の情況等を報告せらるゝことと為せり、其氏名は次号に掲載すへし、且つ従来の社員を名誉・特別・通常及準社員の四種に区別し、名誉社員は社費として毎月金一円、特別社員は毎月金三十銭、通常社員及ひ準社員は毎月金十銭を支出することに改正し、来る七月より右改正社則に拠り徴収することに決せしよし、改正社則及ひ社員名簿は、次号に付録として社員に頒付すへし



〔参考〕竜門雑誌 第一四六号・表紙裏 明治三三年七月 竜門社社則(明治三十年七月改正)(DK260042k-0007)
第26巻 p.212-213 ページ画像

竜門雑誌  第一四六号・表紙裏 明治三三年七月
    竜門社社則(明治三十年七月改正)
第一条 本社ハ農工商ニ関スル事項ヲ研究論議シ実業上ノ智識ヲ開発スルヲ以テ目的トス
第二条 本社ハ竜門社ト称ス
第三条 本社ハ青淵先生ノ薫陶ヲ受ケタル者ヲ以テ之ヲ組織ス
  但右ノ資格ヲ有セサルモ本社ノ趣旨ヲ賛成シ入社ヲ望ム者ハ特ニ準社員トシテ之ヲ許可スル事アルヘシ
第四条 毎月一回通常会ヲ開キ社員各自ノ演説討論ヲ為ス
第五条 毎年四月・十月ノ総集会及ヒ一月・七月ノ大会ニ於テ朝野ノ諸大家ヲ招聘シ其講説ヲ請フヘシ
第六条 本社ノ機関トシテ毎月一回竜門雑誌ヲ発兌シ之ヲ社員ニ頒付スヘシ
第七条 社員ヲ別テ左ノ四種トス
    名誉社員 特別社員 通常社員 準社員
第八条 社員ハ本社ノ経費ヲ支弁スル為メ毎月左ノ金額ヲ支出スヘシ
    名誉社員 金壱円  特別社員 金参拾銭
    通常社員 金拾銭  準社員  金拾銭
第九条 社長ハ本社ヲ総理ス
第十条 社長ハ名誉社員中ヨリ監督三名ヲ推薦シ、本社重要ノ件ヲ協議ス
第十一条 社長ハ社員中ヨリ幹事十名ヲ撰ミ本社ノ事務ヲ処理セシム
第十二条 社長ハ幹事会ノ協議ヲ以テ竜門雑誌編纂主任ヲ定ム
第十三条 社長ハ幹事ト協議シ社員中ヨリ若干名ヲ撰ミ編纂顧問ヲ嘱托ス
 編纂顧問ハ竜門雑誌編纂上ニ就キ其意見ヲ開陳シ材料ヲ寄送スルモノトス
第十四条 本社ノ目的ヲ賛助セラルヽ大家ヲ推シテ客員トス
第十五条 社員タラン事ヲ望ムモノハ二名以上ノ社員ヲ介シ、幹事ニ申出ツヘシ
 - 第26巻 p.213 -ページ画像 
第十六条 社員ニシテ退社セントスルモノハ書面ヲ以テ幹事ニ申出ツヘシ