デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

3章 道徳・宗教
5節 修養団体
1款 竜門社
■綱文

第26巻 p.228-231(DK260044k) ページ画像

明治30年11月28日(1897年)

是日当社幹事会ニ於テ、来ル明治三十三年ハ栄一還暦ニ当ルヲ以テ、其ノ祝賀ノ為メ「青淵渋沢先生六十年史一名日本近世実業発達史」ヲ編纂シ、之ヲ世ニ公ニシ、且其ノ一部ヲ栄一ニ贈ルベキ儀ヲ決シ、当社名誉社員阪谷芳郎ヲ編纂委員長ニ推シ、編纂委員数十名ヲ置クコトヲ決ス。


■資料

竜門雑誌 第一一五号・第六八―七一頁 明治三〇年一二月 ○去十一月本社幹事会(DK260044k-0001)
第26巻 p.228-231 ページ画像

竜門雑誌  第一一五号・第六八―七一頁 明治三〇年一二月
○去十一月本社幹事会 十一月二十八日深川本社に於て開会し、渋沢社長・阪谷監督を始め斎藤・八十島・桃井・松平・韮塚・伊藤・木暮の七幹事出席の上、左の諸項を議決せり
○中略
 一来る明治三十三年青淵先生還暦祝賀の為め、本社に於て先生六十年史一名日本近世実業発達史を編纂し、之を世に公にし、且其一部を先生に奉呈する事
 一阪谷名誉社員を推して仮に編纂委員長となす事
 一編纂委員数十名を置き、編纂事務を嘱托する事
  右委員候補者撰定を渋沢社長及ひ八十島常務幹事に委任し、次回の幹事会に於て確定の上之を嘱托する事
 一本社幹事は当然委員たる事
 一原案の形式を作る事、及ひ編纂専務書記一名撰定の事を仮委員長に委任する事
 一経費の財源は追て方法を定むる事
 一編纂事務は十二月一日より開始する事
○青淵渋沢先生六十年史編纂趣意書 は左の如く之を定めて発表し、弘く内外諸氏の協賛を乞ひ、又一方には委員を撰定し、近々改めて其尽力を乞ふ筈なり
    青淵渋沢先生六十年史(一名)日本近世実業発達史編纂趣意書
 来る明治三十三年は我か青淵渋沢先生の還暦に当るを以て、本社に於て聊か祝意を表し、先生多年の恩沢に報ゆるか為め、玆に明治三十年十一月二十八日幹事会を深川区福住町本社に於て開会し、先生既往の歴史と近世に於ける帝国実業発達との関係沿革を編纂叙述し
 - 第26巻 p.229 -ページ画像 
之を世に公にし、其一部を先生の膝下に奉呈することを決議せり、其編纂委員長には本社名誉社員文学士阪谷芳郎君を推選し、幸に同君の承諾を得たり、而して同君立案大体の形式は別冊の如くにして同君の胸算によれは、明治三十一年十二月まてに洽ねく各種の材料を蒐輯し、明治三十二年一月より六月まての間に編纂を了し、同年十二月まてに印刷を終らんとするにあり、抑も此挙たる、独り先生の徳沢を後世に伝彰するのみならす、凡そ財政経済に関する学科の為め最も有益なる一部の参考書を世の学者に恵むことを得るものと確信す、伏て願はくは本社々員諸君は勿論、其他大方の諸君にして先生と交際あるものは、先生関係事業の来歴・統計・盛衰、其他先生に関し編纂の材料に供すへき事実を聞知するあれは、之を記述して本社に送付あらんことを、将又其編纂・印刷の費用は、此挙を伝聞して既に寄附を申込まれたるものあり、財源略ほ予定ありと雖も尚ほ他日一般に社員諸君に協議する所あらんとす
  明治三十年十二月 日         竜門社謹白
(別冊)
    青淵渋沢先生六十年史
    (一名)日本近世実業発達史
 一先生肖像
 一序文
 一凡例
 一目録
  第一章   総論(章を節に分つ、以下同)
  第二章   渋沢家略歴及先生出生地
  第三章   幼時及家業
  第四章   立志及出遊
  第五章   一橋家及幕府出仕
  第六章   外国行
  第七章   静岡藩出仕
  第八章   明治政府出仕
  第九章   在官中の事業
  第十章   退官
  第十一章  銀行業
  第十二章  海運業
  第十三章  鉄道業
  第十四章  保険業
  第十五章  鉱山業
  第十六章  紡績及織布業
  第十七章  陶器業
  第十八章  織物業
  第十九章  造船業
  第二十章  瓦斯業
  第二十一章 電灯及電話業
  第二十二章 製紙業
 - 第26巻 p.230 -ページ画像 
  第二十三章 水力電気業
  第二十四章 製油業
  第二十五章 築港及運河業
  第二十六章 開墾及植林業
  第二十七章 牧畜業
  第二十八章 牛乳業
  第二十九章 セメント業
  第三十章  石油業
  第三十一章 麦酒醸造業
  第三十二章 製麻業
  第三十三章 製藍及インジゴ輸入業
  第三十四章 製氷業
  第三十五章 印刷業
  第三十六章 水産業
  第三十七章 煉瓦製造業
  第三十八章 製糖業
  第三十九章 人造肥料業
  第四十章  帽子製造業
  第四十一章 土木業
  第四十二章 倉庫業
  第四十三章 硝子製造業
  第四十四章 熟皮業
  第四十五章 汽車製造業
  第四十六章 ホテル業
  第四十七章 直輸出入業
  第四十八章 開港場貿易習慣改良
  第四十九章 外賓接待
  第五十章  慈善業
  第五十一章 清国饑饉救済
  第五十二章 銀行集会所
  第五十三章 商業会議所
  第五十四章 手形交換所
  第五十五章 興信所
  第五十六章 新聞及雑誌業
  第五十七章 教育事業
  第五十八章 公共及公益事業
  第五十九章 貴族院議員並市及区名誉職
  第六十章  委員及総代
  第六十一章 諸家家政及諸会社社業整理
  第六十二章 仲裁
  第六十三章 救助及奨励
  第六十四章 家法及家訓
  第六十五章 家庭
 附録
 - 第26巻 p.231 -ページ画像 
 一 演説
 一 意見書及建議書
 一 詩歌文
 一 叙位・叙勲・賞杯・褒状・紀念章
 一 感謝状並寄贈品
 一 逸事



〔参考〕竜門雑誌 第一一五号・第七五頁 明治三〇年一二月 青淵先生六十年史編纂広告(DK260044k-0002)
第26巻 p.231 ページ画像

竜門雑誌  第一一五号・第七五頁 明治三〇年一二月
    青淵先生六十年史編纂広告
今般本社に於て別項記事欄内記載の趣意に拠り、青淵先生六十年史編纂の業に着手致候に付、社員各位に於て特に御協賛の上、先生関係事業の沿革盛衰を始め、先生の逸事・詩歌・文章、其他編纂上有益の材料御取調べ御送付被成下度、此段懇願致候 敬具
  明治三十年十二月           竜門社謹白
    社員各位



〔参考〕竜門雑誌 第一一六号・第六三頁 明治三一年一月 ○去十二月本社幹事会(DK260044k-0003)
第26巻 p.231 ページ画像

竜門雑誌  第一一六号・第六三頁 明治三一年一月
○去十二月本社幹事会 十二月二十七日兜町渋沢邸に於て開会し、渋沢社長を始め斎藤・韮塚・伊藤・石井・松平・木暮・八十島の七幹事出席の上、左の数項を議決せり
○中略
 一青淵先生六十年史編纂委員嘱托に関する件
○下略