デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

7章 軍事関係事業
3節 日露戦役
8款 日露戦役関係諸資料
■綱文

第28巻 p.508-509(DK280081k) ページ画像

明治38年9月8日(1905年)

媾和条約ニ不満ノ示威運動ノタメ、東京市中騒然タリ。是日栄一、皆川四郎ノ家ニ赴ク。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三八年(DK280081k-0001)
第28巻 p.508-509 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三八年     (渋沢子爵家所蔵)
九月五日 晴 清暑
○上略
此日日比谷公園ニ国民大会アリテ市中喧噪ナリ、要ハ媾和条件ニ不満ノ途示威的《(余カ)》ノ行動ニ出テタルナリ、夜ニ入テ内務大臣ノ官舎ヲ襲ヒ、各警察署ヲ焼キ、市中頗ル騒然タリ
九月六日 晴 清暑
午前六時起床、郊外ヲ散歩ス、七時入浴畢テ朝飧ヲ為ス、午前九時腕車ニテ谷中根津通リヲ経テ兜町事務所ニ抵ル、市中ノ騒動ヲ避ケタルナリ、事務所ニ於テ書類ヲ整理シ、十二時第一銀行ニ於テ午飧シ、事務ヲ処理ス ○下略
九月七日 曇 蒸暑
○上略
頃日来引続キ市中騒擾シテ、終ニ政府ハ戒厳令ヲ頒布スルニ至ル、実ニ浩歎ノ涯ナリ、想ハサリキ連戦連勝ノ我帝国ノ首府敵兵ナキニ戦争ノ衢トナラントハ
九月八日 曇 冷気
○上略 午後六時王子別荘ニ帰宿ス、此夜皆川四郎来話ス、郊外騒然ノ風聞アルニヨリ神田皆川氏宅ニ抵リテ一泊ス
九月九日 晴 暑
午前六時起床、室内及庭内ヲ散歩ス、入浴後朝飧ヲ為シ新聞紙ヲ閲ス篤二来話ス、此日ハ市中尚騒然タルヨシニ付皆川宅ニ於テ休養ス、終日外出セス、家ニ在テ読書又ハ遊戯ニ消閑ス
九月十日 晴 暑
午前六時起床、室内又ハ庭前ノ散歩ヲ為シ七時入浴畢テ朝飧ヲ為ス、食後新聞紙ヲ閲ス、此日モ市中未タ静穏ナラサルニ付外出ヲ見ハセ、家ニ在テ休息ス
時々来人ト談話シ、又ハ遊戯ニ閑ヲ消ス
 - 第28巻 p.509 -ページ画像 
九月十一日 曇 暑
午前六時起床、室内又ハ庭内ヲ散歩シ、七時入浴後朝飧ヲ為ス、食後新聞紙ヲ一覧シ、更ニ一日ヲ休息スルモノトシテ、読書又ハ遊戯ニ閑ヲ消ス、但来状アルモノハ夫々回答シテ当用ヲ弁理ス


(八十島親徳) 日録 明治三八年(DK280081k-0002)
第28巻 p.509 ページ画像

(八十島親徳) 日録  明治三八年   (八十島親義氏所蔵)
九月八日 雨後曇
○上略
今夕来王子邸ニテハ暴徒ニ焼打セラルノ恐ヲイダキ、男爵及夫人ハ匆惶神田皆川氏ヘ避ケ ○中略 原因ハ抱腹ノ些事ニシテ、只或書生カ大道演説ヲナシ、男爵ノ如キモ非償金説ノ一人ナリト云ヒシ情報アルト、井沢ガ王子附近出入ノ土方間ニ渋沢邸焼打ノ噂アリト注進セシト、深川ヘ匿名ノ手紙達シ、売国奴渋沢ト宛テヽ、近日中首級申受クベシト申越セシト、単ニ以上三個ノ極メテ薄弱ナル理由ニヨルモノニシテ、鈴木ハ驚テ耳ニシ、令夫人亦女トシテ大ニ畏怖セシニ因ル ○中略 果セル哉何事モナク、否聊ノ様子サヘナク夜ハ明ケタリ