デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

8章 其他ノ公共事業
2節 祝賀会・歓迎会・送別会
5款 東宮御慶事奉祝会
■綱文

第28巻 p.699-701(DK280109k) ページ画像

明治33年5月10日(1900年)

是日栄一、当会ヲ代表シテ会長千家尊福・副会長松田秀雄ト共ニ東宮御所ニ参候シ、賀牋ヲ上ル。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三三年(DK280109k-0001)
第28巻 p.700 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三三年       (渋沢子爵家所蔵)
五月十日 晴
此日ハ兼テ待チ居タル御慶事当日ニシテ、殊ニ天気モ晴朗ナレハ、朝ヨリ殿下ノ鹵簿ヲ拝観セントテ皇城近傍ニ群聚スル人絡繹トシテ路ニ充テリ、午前九時半大礼服ニテ馬場先門前ナル商業会議所ニ抵ル、議員ノ多数既ニ来会スルヲ以テ相携テ馬場先門ヲ入リ、徒歩シテ二重橋外ナル芝生ニ抵ル、時ニ数万ノ拝観人芝生ニ充満シテ奉祝会員ノ区域ニ侵入シ、之ヲ制止スルヲ得サルニヨリ、商業会議所議員ノ為ニ設クル奉迎所ノ区域ニ入リテ鹵簿ノ来ルヲ待ツ、十一時過皇太子及妃同乗ニテ鹵簿二重橋ヲ出テ桜田門ニ通過ス、奉迎畢テ十二時式場ヨリ徒歩シテ馬場先ヲ出テ商業会議所ニ抵ル、此間群聚ノ為歩行ヲ妨ケラレ容易ニ進ムヲ得ス、辛苦困頓漸クニシテ商業会議所ニ抵リ、来会者ト共ニ祝杯ヲ挙テ両殿下ノ万歳ヲ三唱ス、畢テ一時東京府庁ヲ訪ヒ府知事市長ト共ニ青山御所ニ抵リ、奉祝会ヨリ奉呈スル賀牋ヲ上ル、午後二時兜町ニ帰宅ス、午後五時再ヒ大礼服ヲ着用シテ今夕宮城内ニ開カルル饗宴ニ赴ク、二重橋正門ヨリ入リテ御車寄ニテ下乗ス、宮城内正殿ニ於テ天皇・皇后・皇太子及妃出座セラレテ群臣ノ拝賀ヲ受ケサセラル、畢テ午後六時過立食ノ宴ヲ開ク、食堂ハ豊明殿ヲ以テ之ニ充ツ、此夜徳川一位・同公爵・同昭武ノ諸公ニ面話ス、夜九時帰宿ス


東宮御慶事奉祝会報告 同会残務事務所編 第三三四―三三七頁 明治四二年四月刊(DK280109k-0002)
第28巻 p.700-701 ページ画像

東宮御慶事奉祝会報告 同会残務事務所編
                    第三三四―三三七頁 明治四二年四月刊
  第七 御慶事奉祝
    一 御慶事の奉祝
明治三十三年五月十日の良辰を以て御慶事の大典を挙けさせ給ふ、是日天気爽かに人々嬉々として朝来 東宮殿下 東宮妃殿下御参内の沿道に蟻集する者其数を知らす、本会正副会長及ひ会員は奉祝の為め 宮城二重橋外芝生の中央に大国旗を樹て奉祝の誠意を表し、各正装謹粛に整列し
両殿下を奉迎す、此他御盛儀を拝観せんとて群集せる者許多、而して 御車の轣轆として桜田門内に渡らせ給ふや、靄々たる瑞気天地に満つ、時に会長男爵千家尊福恭しく
両殿下の万歳を三唱し、会員七千及ひ拝観の群集これに和す、午後に至り正副会長は
東宮御所に参候し牋を上つり、又
天髢スに詣り賀表を上つること左の如し
    二 東宮御所ヘ上ツル牋
 臣等誠恐誠惶頓首。謹言。夫婦天地之大義。而婚姻人倫之本始。故詩詠桃夭。書記釐降。易郢ォ婚媾。礼載霜降。是皆聖経所以重三綱慎五礼也。矧我
皇統累一百二十三代。紀元経二千五百六十年。苟欲継一系不断之
皇緒。応天壌無窮之 神勅。則配徳之聘。嗣音之婚。豈可不謂之 皇室大典社稷盛事乎哉。臣等誠恐誠惶頓首頓首。伏惟
皇太子殿下。聡明英敏。備神授之徳。
 - 第28巻 p.701 -ページ画像 
皇太子妃殿下。窈窕婉娩。協天妹之俔。洵千載之嘉閠ヲ。一代之好逑。 乃奉定祥之 勅。乃成交歓之約。占紀元令節。修納采之礼。卜夏五吉辰。行合蟾ケ之儀。
列聖在天之霊。欣慰于上。百司盈廷之臣。慶賀於下。普天之下。率土之浜。不論市井。不問草莽。孰不手舞足踏家謳巷歌者。矧於東京市民辱住輦轂之下。親拝舟梁之儀者乎。臣等因相謀。築美術之館于錦城之衢。以献之。蓋欲賀大典于今日。伝盛事於後世也。幸賜采納之命。不勝感激之至。抑
祖宗 列聖。蘊粋之徳所感化。都鄙黎民。精美之術乃興起。自絵画織郢。。至陶漆彫刻。百種製作。万国推重。
今上陛下固既賜奨励之恩。
殿下更又辱臨観之栄。則工匠益勧。技芸愈精。我邦美術。与 皇室並隆盛。使万国永仰慕。是不独臣等同志之至願。而四海万姓之夙望也臣等誠恐誠惶頓首。謹上牋。
  明治三十三年五月十日
           東宮御慶事奉祝会
             会長  従三位勲三等男爵 千家尊福
             副会長 従四位勲四等男爵 渋沢栄一
             副会長          松田秀雄
    三 宮城ヘ上ツル賀表
謹奉賀
皇太子殿下御婚礼
右御執奏被成下度候
  明治三十三年五月十日
           東宮御慶事奉祝会
             会長  従三位勲三等男爵 千家尊福
             副会長 従四位勲四等男爵 渋沢栄一
             副会長          松田秀雄
    宮内大臣 子爵 田中光顕殿
   ○本資料第二十一巻所収「東京商業会議所」同日ノ条参照。