デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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渋沢栄一　日記　　明治三四年　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
四月六日　曇
○上略　午後五時白金三光坂ナル園田孝吉氏招宴ニ列ス、山本達雄・相馬永胤・三崎亀之助・豊川良平・池田謙三・佐々木・三村・木村ノ諸氏来会ス、経済ニ関スル時事談ヲ為ス、夜十時兜町ニ帰宿ス

渋沢栄一　日記　　明治三六年　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
十一月十七日　晴
○上略　午後二時林・園田両氏ノ男女結婚ノ披露会ヲ帝国ホテルニ開クニ列席ス、会スル者千余名、頗ル盛会ナリキ　○下略

中外商業新報　　第六五五四号　明治三六年一一月一八日
　　　　○林氏・園田嬢結婚披露
林友幸子嫡孫博太郎氏と十五銀行頭取園田孝吉氏令嬢峰子との結婚は愈々昨日を以て林子爵の本邸に式を挙け、夫より帝国ホテルに於て両家親戚に新郎新婦近づきの宴を張り、更に午後二時半よりは両家の知己友人を同しくホテルに招待し披露の宴を催せり、当日来会せしは目下御滞在中の印度旧王族殿下を始め、松方伯・井上伯・同夫人、田中宮内・小村外務・久保田文部の各大臣、板垣伯・大山元帥夫人、佐々木・田中・大鳥・蜂須賀の各枢密顧問官、香川皇后宮大夫・三宮式部長・鍋島侯爵、菊地（大麓）・三井・渋沢の三男爵、益田孝・安田善次郎・大倉喜八郎・松尾臣善・高橋是清・三井三郎助・三井守之助・添田寿一・浅野総一郎・豊川良平・近藤廉平・加藤正蔵・三井養之助・三崎亀之助・相馬永胤・朝吹英二・高橋義雄、早川千吉郎・団琢磨・渡辺専次郎・飯田義一・馬越恭平の諸氏、並に白・独・露・西・伊各国公使・同夫人、其他内外朝野の紳士淑女総て八百余名にして、林子爵・園田氏・同夫人・林氏・同夫人は、大広間の入口に立ちて一々叮寧に来賓に挨拶し、来賓は大広間或は特に芝生に設けたる控室に入りておのがじゞ談笑しつゝある中、時針四時を報すると共に食堂は開かれ、一同立食の饗応を受けたるが、食堂は今を盛りと咲き揃ふ菊花を以て装飾せられ、燦爛として今日を晴れと着飾りたる内外淑女の盛装と妍を競ふものゝ如く、其の綺羅びやかさ目も眩めかんはかりなりし軈て一同松方伯の発声に応し、林・園田両家の万歳を祝し、五時頃より漸次退散せしが、当日来会せし人々は流石社交上の礼儀に嫺ひたる人々とて、和気藹然たるが中にも其静粛なること近来稀に見る所にして、最ともめでたき宴会なりし

中外商業新報　　第七一七八号　明治三八年一一月一七日
　　　　○園田氏邸の園遊会
予報の如く、昨十六日午後二時より白金三光町なる園田孝吉氏邸にて園遊会の催ふしありたり、当日の会合は恰も満目の錦を織り成せる観楓を第一の余興と見て、至極清新の催ふしとて、来会者何れも主人夫妻の注意厚きを称へつゝ、ビールを傾け、酢志を試みなどして、三々伍々園内を逍遥し、笑声歓話中々に尽きず、興趣極めて深き中に散会
 - 第29巻 p.399 -ページ画像 
せしは午後五時頃なりしが、来会者の重なるは東郷大将・片岡中将始め海軍将校数十名、鍋島侯・林子・金子男・渋沢男・珍田外務次官・松尾臣善・朝吹英二・大倉喜八郎・馬越恭平・団琢磨・岩永省一・志村源太郎・三崎亀之助等の諸氏、其他内外の淑女紳士五百余名の多きに達し、最後には楽隊の先導にて嫺雅幽邃なる園内にマーチを試み、東郷大将は微笑を浮べつゝ楓葉の如き小児の手を取りつゝマーチに加はり、其他男となく女となく、老といはず将た幼と言はず、何れも打交りてさも愉快気に歩を移し、歓声湧くが如く、近来珍らしき園遊会なりき
　　　○是日ノ栄一ノ日記ニ右ノ記事ナシ。

渋沢栄一　日記　　明治四一年　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
十一月二十三日　晴　風寒
○上略　午後三時麻布三光坂園田孝吉氏ノ園遊会ニ出席シ、松崎氏ト種々ノ談話ヲ為ス、立食後王子ニ帰宿ス、夜新聞紙雑誌類ヲ読マシム
　　　○中略。
十二月二十八日　晴　寒
○上略　午後二時帝国ホテルニ抵リ園田孝吉氏ノ婚儀披露会ニ出席ス　○下略