デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

3部 身辺

6章 旅行
■綱文

第29巻 p.466-469(DK290160k) ページ画像

明治33年8月11日(1900年)

是日栄一、東京ヲ発シ大磯ノ長生館ニ赴キ、三十日帰京ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三三年(DK290160k-0001)
第29巻 p.466-468 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三三年     (渋沢子爵家所蔵)
八月十一日 晴
○上略 午後六時新橋発ノ汽車ニ搭シ大磯ニ抵ル、長生館ニ投宿ス
八月十二日 晴
午前篤二夫婦来ル、八十島親徳来ル、加藤正義氏来訪ス、此日午前六時海水ニ浴ス、朝気爽然タリ
八月十三日 晴
午前六時海水ニ浴ス、朝餐後読書・遊戯ニテ消閑ス、此日成瀬仁蔵氏女子大学ノ事ヲ談ス
八月十四日 晴
午前六時海水ニ浴ス、朝餐後東京萩原源太郎・安達憲忠二氏ヘ書状ヲ発ス、元治大津ヨリノ来書ニ回答ス、前田青莎氏来ル、岩越鉄道会社ノ事ヲ談ス、浅野総一郎氏来訪ス、家法ヲ浄写シ且読書・遊戯ニ終日ヲ消閑ス
八月十五日 晴
午前六時海水ニ浴ス、朝餐後家法浄写ニ終日ヲ了ス、午後成瀬仁蔵来ル、女子大学校ノ事ヲ話ス
 - 第29巻 p.467 -ページ画像 
八月十六日 晴
午前六時海水ニ浴ス、朝餐後諸方ヨリノ来状東京ヨリ転送セシモノヲ検閲シ回答ヲ発ス、且処分スヘキモノハ八十島ニ命シテ之ヲ取扱ハシム、午後遊戯ニ消閑ス、前田青莎来ル、岩越鉄道会社ノ事ヲ談ス
八月十七日 曇
午前昨日ト同シク海水ニ浴ス、朝餐後家法ヲ浄写ス、午後来人ニ接シ又ハ遊戯ニ消閑ス
八月十八日 大雨
此日ハ朝来雨強カリシヲ以テ海水浴ヲ為スヲ得ス、早起朝餐後読書ス午後ニ至ルモ降雨多カリシヲ以テ来人モナク、読書ニ終日ヲ消閑ス、午後東京ニ於テ京坂鉄道発起人会ヲ開クノ約アリシモ、降雨強キヲ以テ電報出席ヲ謝絶ス
八月十九日 曇
朝来海水浴ノ為海岸ニ抵リシモ、波濤常時ト異ルヲ以テ之ヲ停ム、朝餐読書揮毫《(後脱カ)》ヲ為シ、午後来人ニ接ス、夕七時十分発ノ汽車ニテ大磯ヲ発シ九時過東京ニ抵ル ○下略
   ○中略。
八月二十四日 晴
○上略 午後四時半新橋発ノ汽車ニテ大磯ニ抵ル、園田孝吉・三崎亀之助氏等同車ス
八月廿五日 晴
早起海水ニ浴ス、畢テ朝餐シ、終日読書・遊戯ニ消閑ス
八月廿六日 晴 暑甚シ
終日風無ク流汗麻ノ如シ、読書・遊戯ニ消閑ス、午前十一時梅浦精一氏及石川島造船所員十数名来ル、明日浦賀行ノ事ヲ話ス
八月二十七日 晴 朝霧
午前六時半大磯発ノ汽車ニテ浦賀ニ抵ル、梅浦精一氏同伴ス、十時過浦賀ニ抵ル、工場ヲ一覧シ、海岸ニ抵リテ突堤工事修理ノ事ヲ談ス、畢テ倶楽部ニ於テ午餐シ、食後福地其他ノ諸氏ヲ会シテ将来事務経営ノ事ヲ協議ス、午後三時浦賀ヲ発シ、大津勝男館ニ穂積ヲ訪ヒシモ既ニ出立セシヲ以テ、直ニ横須賀停車場ニ抵ル、玆ニ於テ穂積一族ニ会ス、同シク汽車ニ僦テ共ニ大船ニ抵リテ分袂ス、蓋シ穂積ハ帰京シ余ハ大磯ニ赴クカ為メナリ、午後六時大磯着、直ニ海岸ニ抵リ海水浴ヲ取ル、此夜迅雷大雨熱ヲ流《(洗カ)》フ、夜色殊ニ爽快ナリ
八月二十八日 曇
昨夜ノ雷雨ニ因シテ朝来涼気頓ニ加ハリ、又昨日ノ暑気ナシ、午前六時海水浴ヲ為ス、七時朝餐ヲ畢ル、磯永得三氏夫妻来ル、東京ヨリ八十島・大沢正道氏等ノ書状ヲ落手ス、午後読書又ハ遊戯ニ消閑ス
八月廿九日 晴
午前六時海水ニ浴ス、昨来ノ炎熱洗フカ如ク頓ニ秋涼ヲ覚フ、朝餐後東京ヨリノ来状ヲ一覧シ、其整理ヲ為ス、午後ハ読書ニ日ヲ終フ
八月三十日 晴
午前六時海岸ヲ散歩ス但朝来微恙アルヲ以テ海水浴ヲ停ム、朝餐後書類ヲ整理ス、蓋シ此日大磯ヲ発シテ帰京スル為メナリ、午後四時四十
 - 第29巻 p.468 -ページ画像 
五分発ノ汽車ニ搭シ七時過東京着 ○下略


竜門雑誌 第一四七号―第四八頁 明治三三年八月 ○青淵先生の避暑期(DK290160k-0002)
第29巻 p.468 ページ画像

竜門雑誌  第一四七号―第四八頁 明治三三年八月
    ○青淵先生の避暑期
青淵先生には、本月十一日以来避暑の為め大磯長生館に逗留中なりしが、去る十九日一旦帰京せられ、再応同地へ赴かれたりしが、今回は月末頃まで滞在し、其上全く帰京せらるべしと云ふ


(八十島親徳) 日録 明治三三年(DK290160k-0003)
第29巻 p.468-469 ページ画像

(八十島親徳) 日録  明治三三年   (八十島親義氏所蔵)
八月十一日 晴
○上略
主人公本日午後六時大磯ヘ避暑ノ為転地セラル
○下略
   ○中略。
八月十三日 晴
六時起、窓ヲ明クレハ直ニ青々タル畠ヲ見ハラシ爽快也、食事後七時半ヨリ長生館ニ青淵先生ヲ伺候ス、今朝五時迄ニ一回海水浴ヲ済マセラレシト、十時ヨリ武之助・正雄・秀雄・愛子諸氏、武沢等同道祷竜館裏海水浴場ニ来リ、入浴シテ十一時帰リ、夫より昼食ヲナス
一時十分ノ汽車ニテ在百足屋深川邸御一統帰京ニ付見送リ ○下略
八月十四日 晴 中々暑シ但風涼シ
六時過起ル、桂ヨリ手紙沢山来ル、携ヘテ長生館(徒歩十六分ヲ要ス)ニ至ル ○中略 男女息女方《(マヽ)》ハ已ニ海水行不在、独リ青淵先生ハ机ニヨリテ家法清書中也、来状一覧セラレ少シク用事ヲ承リ、十一時半帰リ食事 ○下略
八月十五日 晴
○上略
九時ヨリ兜町より転送ノ朝鮮電信来状等ヲ携ヘ長生館ニ至リ、青淵先生ニ謁ス、昼飯ヲ馳走ニナリ、武之助・正雄両氏及武沢等ト海水浴ニ至ル ○下略
八月十六日 晴暑シ
六時起ル、九時松平氏尋来ル、昨夜長生館ニ来リシト、一時間計リ緩話ノ上相携ヘテ長生館ニ至リ、青淵先生ノ指図ヲ受ケテ、書状認方等ノ用弁ヲナシ、十二時帰リ食事 ○下略
八月十八日 稍暴風雨
昨夜半ヨリ降雨、暁ヨリ暴風雨、浪声甚シ、終日甚シ、予ハ十時頃雨ヲ冒シテ長生館ニ至ル、青淵翁一時十分発ニテ帰京トノ事ナリシ、正午帰リ食事又雨ヲ冒シテ停車場ニ至リシニ出立ナカリシ ○下略
八月十九日 日よう
○上略 午後 ○中略 三時青淵翁帰京ノ予定ト伝承停車場ニ至リシニ来臨ナシ予ハ七時十分発ニテ帰京 ○中略 丁度青淵翁モ八木ヲ従ヘ帰京セラルヽニ際シ同列車ニテ帰ル、九時廿三分帰着、直ニ帰宅
○下略
   ○中略。
 - 第29巻 p.469 -ページ画像 
八月三十日 晴
○上略 青淵翁モ午後七時大磯ヨリ帰京セラル ○下略
八月卅一日 晴
○上略 青淵翁再度大磯行ノ後、昨夜愈帰京セラレシニ付、今日ハ一寸多忙也 ○下略