デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

1章 社会事業
1節 東京市養育院其他
5款 埼玉育児院
■綱文

第30巻 p.376-379(DK300034k) ページ画像

大正6年1月6日(1917年)

是日、当院社団法人設立発起人会開催サレ、翌七年二月設立認可セラル。栄一之ニ就キ援助ヲナス。


■資料

社団法人埼玉育児院 同院編 刊(DK300034k-0001)
第30巻 p.376-378 ページ画像

社団法人埼玉育児院 同院編  刊
    起源及沿革ノ概要
一、大正元年十月明治天皇聖徳記念事業トシテ創立セラル
一、同 三年四月名称ヲ埼玉育児院ト定ム
一、大正六年周囲ノ事情ト内部ノ実蹟トハ漸次一般ノ同情ヲ得、渋沢老閣下ノ御後援ノ下ニ社団法人設立発起人会ヲ設立スルニ至リ、弥々具体的組織ノ機運ニイタル
一、大正七年弐月社団法人設立ヲ許可セラル
一、大正七年十月本県ヨリ始メテ補助金ヲ下附セラレ、爾来毎年下附セラル
一、大正八年弐月内務省ヨリ始メテ国庫助成金ヲ受ケ、爾今九・十・十一・十二年、及ビ昭和参・四・五、各年ニ何レモ奨励金下附ニ浴ス
一、大正十年弐月畏クモ御内帑金御下賜ノ光栄ニ浴シ、爾来十二年度昭和参・四・五ノ各年ニ渉リ此ノ光栄ヲ拝受シ、益々事業ノ発展ニ努メ聖旨ニ添ヒ奉ランコトヲ期ス
一、大正十二年大震災ニ当リテハ懸命ノ努力ノモトニ罹災民ノ救護ニ努メ、罹災孤児・準孤児三名ヲモ今尚収容シツヽアリ
一、昭和参年十一月院舎新築松山町ヨリ移転ス
    入間郡霞ケ関村大字笠幡四九〇四番地
一、昭和四年十二月全ク之ガ竣功ヲ見テ、事業ノ発展ト内容ノ充実トニ一層努ム
一、昭和八年一月二十五日発智庄平院長ヲ辞シ、現院長之ニ代ル
    社団法人埼玉育児院定款抜萃
      第一章 総則
第一条 本法人ハ埼玉育児院ト称シ
   明治天皇聖徳記念事業トシテ県下無告ノ孤児貧童ヲ教養シ独立自活ノ民タラシムルコトヲ期ス
第二条 本院ハ本部ヲ埼玉県入間郡霞ケ関村大字笠幡ニ置キ、院務ノ発展ニ伴ヒ各地ニ支部ヲ設ク
第三条 本院ノ資産ハ基本財産及其ノ利子、社員ノ出資及慈善家ノ寄附金品ヲ以テ之ヲ組成ス
      第二章 社員
第五条 本院ハ本院ノ趣旨ヲ賛成シ出資スルモノ並ニ本院ヨリ推薦シタル者ヲ以テ社員トシ、左ノ四種ニ分ツ
   一、名誉維持会員 月額金拾五円以上ヲ五ケ年間出資スル者又
 - 第30巻 p.377 -ページ画像 
ハ本院ヨリ推薦セル者
   二、特別会員   月額金五円以上ヲ五ケ年間出資スル者又ハ本院ヨリ推薦セル者
   三、維持会員   月額金壱円以上ヲ五ケ年間出資スル者
   四、正会員    月額金弐拾銭以上ヲ五ケ年間出資スル者
     第三章 職員
第八条 本院ニ左ノ職員ヲ置ク
   一、院長  壱名    二、院父  壱名
   三、院母  壱名    四、理事  若干名
   五、監事  弐名    六、議員  若干名
第十一条 本院ハ院長ノ推薦ヲ以テ名誉顧問及顧問ヲ置キ重大院務ノ指導ヲ受ク
      第五章 会計
第十八条 本院ノ会計ハ毎年四月一日ニ始マリ翌年三月三十一日ニ終ル
第十九条 本院ノ資産ハ院長之ヲ管理シ日常ノ支出ニ不必要ナル現金及基本財産ハ郵便貯金又ハ確実ナル銀行ニ預入シ又ハ有価証券ニ換フルコトヲ得
第二十条 天災其他止ムヲ得サル事故ニ依リ必要ヲ生ジタル場合ハ議員会ノ議決ヲ以テ基本財産ノ幾分ヲ支出スルコトヲ得
      第六章 附則
第廿一条 本院ハ事業成績及会計報告等ハ院報ニ掲載報告ス
    収容児童ノ範囲
一、父ナク母ナキ無告ノ孤児
一、父若クハ母ナキ可憐ノ準孤児
一、極貧ニシテ保育困難ノ児童
一、天災地変ノ為メ保育困難ニ陥レル児童
    教養
院児ハ院内外ノ二種ニ分チ、乳児ハ親切ナル里親ニ托シテ養育シ、満四歳以上ハ院内ニ於テ保育シ、学令児童ハ町立小学校ニ通学セシメ、義務教育終了者ハ適当ナル業務ヲ修得セシム
    入院手続
町村長又ハ警察署長或ハ本院ノ信認スル人士ノ紹介ニヨリ慎重ナル調査ヲ遂ゲ更ニ理事会ノ承認ヲ経テ入院セシム
  但シ戸籍謄本及入院証書ヲ差入レシム
    入社手続及会費払込方法
一、本院会員ニ加盟セントスル人士ハ本院会員又ハ委員ノ紹介ニヨリ別紙入社申入書ニ適宜記入調印ノ上申込マルベシ
一、会費ハ折角ノ出資ナルニヨリ可成集金費用節減ノ為メ一ケ年又ハ半ケ年分宛取纏メ払込マレタシ
一、委員又ハ社員ハ直接金銭ヲ取扱ハサルモノトス
  但シ便宜取扱ハシムルコトアルベシ
    職員
        院長理事        河東田教美
 - 第30巻 p.378 -ページ画像 
        理事           繁田武平
        理事          発智金次郎
        理事          松倉慶三郎
        理事            幡宥秀
        監事          金井塚照郷
        主事             一名
        外務             一名
        書記             一名
        保姆             一名
        炊婦             一名


埼玉育児院経過ニ関スル赤裸々ノ告白 院父小島乗真著 第一三―一四頁 大正七年一〇月刊(DK300034k-0002)
第30巻 p.378 ページ画像

埼玉育児院経過ニ関スル赤裸々ノ告白 院父小島乗真著
                      第一三―一四頁 大正七年一〇月刊
○上略 大正五年十一月廿五日
玆ノ日ハ実ニ我ガ埼玉育児院ノ永遠ニ忘ルヽ能ハザル記念日ナリ、此ノ日入間学友会頭発智庄平氏ノ来院アリ、深ク従来ノ経過ニ同情セラレ全力ヲ奮ツテ翼賛スベキヲ誓ハレ、直ニ渋沢男爵ニ紹介セラレ、同年十二月四日男爵ニ謁シテ委曲陳述スル所アリ、快ク将来極力援助ノ声明ヲ受ケ、感激殆ンド云フ所ヲ知ラズ
同月廿一・二両日、発智氏親ラ本郡内有力家ヲ歴訪シ懇談スル所アリ大正六年一月六日、社団法人設立発起人会ヲ院内ニ開催シ、余ハ父ヨリ伝ヘラレタル山林八反三畝十四分・畑六畝四歩ヲ売却シ、創立以来法人組織以前ノ負債全部ヲ償却シ、更ニ日用器具悉皆ヲ法人ニ寄附シ真ニ赤裸々ノ身トナリ、弥々具体的組織ノ機運ニ際会シ、転タ今昔ノ感ニ堪ヘズ
○下略


渋沢栄一書翰 控 発智庄平宛 (大正六年)一月一〇日(DK300034k-0003)
第30巻 p.378 ページ画像

渋沢栄一書翰 控  発智庄平宛 (大正六年)一月一〇日  (渋沢子爵家所蔵)
新年之御慶芽出度祝納仕候、旧臘再度之芳翰、其際拝誦仕候得共、取込中貴酬延引ニ相成申訳無之候、然者来諭埼玉県下菅谷孤児院之義ニ付而ハ、小島乗真師にも再度面会いたし、従来経営之実況も一応承及且先頃来賢台ニハ特ニ地方御遊説も被成遣候云々拝承いたし、御尽力感佩仕候、小生も小島氏之訪問を受候折柄、例之埼玉学生誘掖会同志者申合、新任知事歓迎会相開候ニ付、其席上新知事ニ愚見申述候処、充分領意せられ、追而郡長其他とも申談し、相当之方法相立候上ニて本会之有志者よりも協賛有之度と申事ニ相成居候、右ハ其後小島師来訪之時委曲申述置候間、既ニ御聞取とハ存候得共、再度之尊書拝答旁前段之顛末可得貴意、匆々如此御座候 敬具
  一月十日                渋沢栄一
    発智庄平様
          拝復


河東田教美談話筆記(DK300034k-0004)
第30巻 p.378-379 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
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〔参考〕全国社会事業名鑑 昭和二年版 中央社会事業協会編 第四〇五頁 昭和二年一〇月刊(DK300034k-0005)
第30巻 p.379 ページ画像

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〔参考〕(岩崎信雄) 書翰 竜門社宛 (昭和一一年九月一七日)(DK300034k-0006)
第30巻 p.379 ページ画像

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