デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

1章 社会事業
2節 中央社会事業協会其他
1款 中央慈善協会
■綱文

第30巻 p.539-540(DK300063k) ページ画像

大正8年10月22日(1919年)

是日、帝国ホテルニ於テ当協会主催アメリカ合衆国社会事業家ロバート・エー・ウッヅ博士夫妻ノ歓迎晩餐会開催セラル。栄一之ニ出席シ一場ノ挨拶ヲナス。


■資料

集会日時通知表 大正八年(DK300063k-0001)
第30巻 p.539-540 ページ画像

集会日時通知表  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
十月廿二日  午後五時中央慈善協会催
 - 第30巻 p.540 -ページ画像 
        ウツド氏歓迎会(帝国ホテル晩餐会)
        午後七時半引続キ講演会


竜門雑誌 第三七八号・第四一頁 大正八年一一月 ○中央慈善協会の歓迎会(DK300063k-0002)
第30巻 p.540 ページ画像

竜門雑誌  第三七八号・第四一頁 大正八年一一月
○中央慈善協会の歓迎会 中央慈善協会に於ては、過般来朝せる北米合衆国社会事業の権威者ロバート・エ・ウツヅ博士夫妻の為め、十月二十二日帝国ホテルに於て歓迎晩餐会を開きたる由なるが、当日の出席者は主賓ウツヅ博士夫妻、陪賓として随員ストーン氏夫妻・発起人青淵先生・添田地方局長・阿部東京府知事・田尻東京市長・藤山東京商業会議所会頭・ジヨルゲンソン諸氏、其他社会事業関係者二百余名なりしと云ふ。午後六時食堂を開きデザートコースに入るや、青淵先生起ちて大要左の如き歓迎辞を述べられたる由。
 世界の人類を五ケ年の長きに亘り苦しめた大戦も、正義人道の為めに奮起した米国により終熄を告げたるは、世界人類の均しく感謝するところであるが、正義の国にも時としては腑に落ちぬ人がある、政治家の一部、経済界の一部には、我々日本人に対しては感心し兼る行動を敢てするものあるを聞知する、此の時に当りウツヅ氏の如き大思想家が来朝された事は、日米の親善の為め慶賀に堪へない
之れに対してウツヅ氏は謝辞を述べ、且つ曰く
 日米の関係は精神的に結合され、而も頗る鞏固にして永久不変であると信ずる、尤も渋沢男の云はれるやうな耳触はりの話は耳にしないでないが、私の考へでは兄弟が余り仲善過ぎて喧嘩するのと同様である、精神的勢力を認め相提携すれば兄弟喧嘩は無くなる云々
  次いで別室に於て講演会を開き、ウツヅ氏は牧野内務省嘱託の通訳に依り、約二時間に亘り「建国と社会事業」と題し、米国に於ける社会殖民事業の沿革・実績等に付て縷々説く所あり、最後に田尻市長の閉辞ありて、同十時散会せる由。