デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
2節 米国加州日本移民排斥問題
3款 日米関係委員会
■綱文

第33巻 p.637-640(DK330097k) ページ画像

大正11年11月2日(1922年)

是日、当委員会主催アメリカ合衆国スタンフォード大学名誉総長デーヴィッド・スター・ジョルダン博士及ビ同国ハワイ大学総長アーサー・エル・ディーン博士歓迎晩餐会、東京銀行倶楽部ニ開カレ、栄一出席ス。次イデ二十五日ディーン博士ヲ同所ニ招ジテ、ハワイ在留邦人問題ニ付懇談会ヲ催シ、栄一出席ス。又二十七日当委員会主催ジョルダン博士招待会同所ニ催サレ、栄一出席シテ、在米邦人問題ニ付懇談ヲナス。同夜当委員会主催両博士送別晩餐会同所ニ催サレ、栄一出席ス。


■資料

(増田明六)日誌 大正一一年(DK330097k-0001)
第33巻 p.637 ページ画像

(増田明六)日誌 大正一一年 (増田正純氏所蔵)
大正十一年十一月二日 木 雨午後晴
○上略
午後五時半東京銀行倶楽部ニ至り、姉崎博士と布哇大学総長デーン博士旅行日程を編成し、午後七時より日米関係委員会主催ジヨルダン博士(スタンフオード大学名誉総長)及デーン博士招待晩餐会に出席す食卓に於て子爵の両博士歓迎の辞あり、又ジヨンダン《(ジヨルダン)》博士及デーン博士ヨリ交々日米親善ニ関する演説あり、一同歓を尽し十時半終了
○下略


竜門雑誌 第四一四号・第六三頁 大正一一年一一月 ○日米関係委員会歓迎晩餐会(DK330097k-0002)
第33巻 p.637-638 ページ画像

竜門雑誌 第四一四号・第六三頁 大正一一年一一月
○日米関係委員会歓迎晩餐会 日米関係委員会にては、十一月二日午後六時三十分より東京銀行倶楽部に於て、今般来朝せるスタンフオド大学名誉総長ジヨルダン博士、並に布哇大学総長デーン博士の歓迎晩餐会を挙行したるが、当日の来賓及出席者諸氏は左の如し
 ジヨルダン博士 デーン博士
 青淵先生    伊東米治郎氏  団琢磨氏
 - 第33巻 p.638 -ページ画像 
 添田寿一氏   大倉男爵    瓜生男爵
 頭本元貞氏   江口定条氏   姉崎正治氏
 浅野総一郎氏  梶原仲治氏   浅野良三氏
 須田信二氏   久万俊泰氏   増田明六氏
 小畑久五郎氏


(増田明六)日誌 大正一一年(DK330097k-0003)
第33巻 p.638 ページ画像

(増田明六)日誌 大正一一年 (増田正純氏所蔵)
十一月廿五日 土 曇
定刻出勤
午後三時銀行倶楽部ニて、デーン博士と日米関係委員少数委員と之懇談会あり、幹事として列席す、談ハ布哇在留邦人労働問題が主題なりしが、特に記し置く程の事ニハあらざりしなり
○下略


(阪谷芳郎)日米関係委員会日記 大正一一年(DK330097k-0004)
第33巻 p.638 ページ画像

(阪谷芳郎)日米関係委員会日記 大正一一年
                      (阪谷子爵家所蔵)
十一、十一、廿五 ジーント会談 銀行クラフ渋沢・金子・阪谷・添田・串田・頭本・小畑・増田、布哇移民問題ナリジーン氏帰国近キニアリ


竜門雑誌 第四一五号・第六九―七〇頁大正一一年一二月 日米関係委員会デーン博士招待懇談会(DK330097k-0005)
第33巻 p.638 ページ画像

竜門雑誌 第四一五号・第六九―七〇頁大正一一年一二月
○日米関係委員会デーン博士招待懇談会 日米関係委員会にては、十一月廿五日午後二時より東京銀行倶楽部に於てデーン博士を招待し、青淵先生・金子子・阪谷男、添田・山田・姉崎三博士、串田・頭本両氏、並に増田・小畑氏等出席の上、布哇在留邦人問題に付懇談会を催し、五時散会せりと云ふ。


(阪谷芳郎)日米関係委員会日記 大正一一年(DK330097k-0006)
第33巻 p.638 ページ画像

(阪谷芳郎)日米関係委員会日記 大正一一年
                      (阪谷子爵家所蔵)
十一、十一、廿七 銀行クラブ、渋沢・金子・添田・阪谷・頭本・山田(三良)・姉崎・小畑・ジヨルダン氏ト高等聯合委員ノ件ヲ談ス、氏尽力スヘシ、若シ出来サレハ私立ノ高等委員設置ヲ談スヘシトノコト、十一月一日付アレキサンダーヨリ渋沢子宛来状、ヒユース氏ハ聯合委員ニハ不同意


竜門雑誌 第四一五号・第六九―七〇頁大正一一年一二月 日米関係委員会ジヨルダン博士招待懇談会(DK330097k-0007)
第33巻 p.638-639 ページ画像

竜門雑誌 第四一五号・第六九―七〇頁大正一一年一二月
○日米関係委員会ジヨルダン博士招待懇談会 日米関係委員会にては十一月廿七日午後三時より東京銀行倶楽部にジヨルダン博士を招待し青淵先生・金子子・阪谷男、添田・山田・姉崎三博士、頭本元貞氏並に小畑久五郎氏等出席の上、在米邦人問題に付懇談会を催し六時散会せりと云ふ。
○中略
○ジヨルダン、デーン両博士送別会 日米関係委員会にては、十一月
 - 第33巻 p.639 -ページ画像 
廿七日午後六時より、ジヨルダン博士及びデーン博士送別会を東京銀行倶楽部に開催せるが、出席者は前記二氏の外、青淵先生・一宮鈴太郎・服部金太郎氏・大倉男・金子子・添田博士・頭本元貞氏・瓜生男山田博士・阪谷男・梶原仲治氏、並に小畑・久万諸氏にして午後十時散会せりと云ふ。



〔参考〕中外商業新報 第一三一七九号 大正一一年一一月一五日 日本人は帰化できない 米国大審院の判決(DK330097k-0008)
第33巻 p.639-640 ページ画像

中外商業新報 第一三一七九号 大正一一年一一月一五日
    日本人は帰化できない
      米国大審院の判決
十三日華盛頓発=米国大審院は日本人は米国市民たる権利なしとの判決を下した(合同)
十三日華盛頓発=米国大審院は十三日午前判決を下し、日本人は白人にあらず、米国法の意義に従ひ米国市民たる権利なしと発表した、右はホノルヽの小沢孝雄の試訴に関し、加州法院の判決を支持するものである、小沢氏は白人であると称し、米国市民として帰化し得るものと主張して来たのである(合同)
十三日華盛頓発=前記大審院判決はワシントン州高等法院が山下卓次及びチヤーレス・ヱッチ・岡野に対して与へた判決をも支持するものである、即ちワシントン法院は右両人に対し、米国法に従ひ米国市民たることを得ず、又商事会社の株主たることを得ずと、判決したのである(合同)
十三日華盛頓発=前電山下の試訴は小沢のと同じく華盛頓大審院に上告したものである、大審院は之に対し彼が不動産会社を組織するの権利あることを否認した、是れ彼が米国市民権を得る権利がないと云ふ理由に基くものである、此等の事件に関する判決は久しく懸案となつて居たので関係人士間に熱心に待望されて居た、殊に太平洋岸に於て然であつた、小沢氏は白人種族たるアイヌ族の後裔として米国の市民権を得る権利ありと主張し、数年前之が為に布哇に於て問題を起し同地の法廷では敗訴となつた、追つて加州でも之を争つたが、同州最高法院でも敗訴に帰し、小沢氏は全く児童時代より布哇に居住し、米国人の学校に教育され、其の児女は今や米国市民として教育され、米国人の学校に通学して居る(合同)
十三日華盛頓発=日本人帰化問題に関しては米国大審院判事スザーランド氏判決文を朗読し「白人と言ふ語がコーカシヤ人種の人と言ふ語と同一の意味であるか否かを決することは、本問題を解決する捷径である、尤も是を以て本件を全部解決することは出来ぬ」と説き、其の結論に於て「白人なる語はコーカシア人種を意味して居るが、帰化の権利ある者と無き者との間には明確なる区別を設定するには至らぬ、併し此点は多少論議に値する論点の範囲を惹起す」と言ひ「右論点を別にして一方に於て明白に米国市民として帰化の権利ある者あり、又他方に於て明白に帰化の権利なき者もある、各個人に関する事件は此の範囲中に入るべく、此の問題が惹起される毎に、別々に解決されねばならぬ」と言つた、スザーランド判事は尚ほ目下審議中の本件に関する上告人は明かにコーカシア人種でない種族に属して居る、従つて
 - 第33巻 p.640 -ページ画像 
全然右範囲外に在る、而して聯邦裁判所の多数は余と同様の見解を採つて日本人の帰化を拒絶する判決を下してゐる、吾人は此等の判決を覆へすに足る反対の事件が報告されたことを知らぬ、此等の判決は多数の科学的権威に由つて支持されて居るのであると述べた、スザーランド判事は尚語を続けて「上告人の為に提起された弁論は、称讚的口調で日本人民の文化と聡明に言及してゐる、此種の賞讚に対しては吾人も之に反対する理由を有せぬ、併し此等の事実は当面の問題を解決するに方り考慮に入れることが出来ぬことである」と説き、更に語を続けて「勿論本件に関する立法的精神及吾人の右に関する解釈が、日本人が個人として価値なく又社会上劣等であることを意味するのではない」と指摘した(合同)



〔参考〕(阪谷芳郎)日米関係委員会日記 大正一一年(DK330097k-0009)
第33巻 p.640 ページ画像

(阪谷芳郎)日米関係委員会日記 大正一一年
                     (阪谷子爵家所蔵)
十一、十一、十六 新聞電報、米国高等法院日本人ノ帰化権試訴ヲ否認ス