デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
3款 日印協会
■綱文

第36巻 p.53-55(DK360023k) ページ画像

大正13年2月22日(1924年)

是日、栄一当協会会頭トシテ、大震災善後会会長徳川家達ニ対シ、大正十二年大震災罹災インド国人救済資金金三万円ノ補助願ヲ出ス。同月二十九日金一万円交付決定ノ由通知セラル。


■資料

(日印協会) 参考書類 自大正一一年至昭和五年 【(写) 罹災印度人救済資金補助願】(DK360023k-0001)
第36巻 p.53-54 ページ画像

(日印協会) 参考書類 自大正一一年至昭和五年
                     (日印協会所蔵)
(写)
    罹災印度人救済資金補助願
一金参万円也
 内訳
  一金参百六拾円也   学生学資補助金壱名壱ケ年分(一ケ月金三十円ノ割) 此内金百円ハ既ニ本会ニテ支出セリ
  一金壱万八千円也   宿舎兼事務所(百弐十坪ニテ三十四名収容、坪金百五十円ノ割)
  一金四千弐百円也   雑作費(互斯・水道・電灯取付費用ヲ含ミ、坪金三十五円ノ割)
  一金参千壱百円也   電話一 卓上電話三
  一金参千九百四拾円也 什器費
   内訳○略ス
  一金四百円也     見舞金(在東京罹災者弐名分)
      以上
右金額ハ本会ニ於テ一切責任ヲ負ヒ指定ノ目的ニ使用可致候間、何卒格別ノ御詮議ヲ以て御交附被成下度、別紙理由書相添ヘ此段御願候也
  大正拾参年二月廿二日
                  日印協会会頭
                    子爵 渋沢栄一
   大震災善後会長
    公爵 徳川家達殿

      理由書
大震災ノ為メ在横浜印度人約七十名ノ内死亡セルモノ二十八名、帰国セルモノ数名ニテ残三十五名ハ悉ク神戸ニ避難セリ、此内壱名ハ東京高工学生ニテ震災前ノ如ク働テ学資金ノ不足ヲ補フ能ハザル故本会ハ之ヲ援助シツヽアリ、又貿易業ニ従事セシ三十四名ノモノハ再ビ横浜ニテ業務ニ復センコトヲ切望シ居ルモ、復興容易ナラズ困憊ノ状黙視
 - 第36巻 p.54 -ページ画像 
スルニ忍ビザルヲ以テ、本会ハ国際的ニ人道ノ大義ヲ完フシ且ツ他日日印貿易復興ノ基礎タラシメンガ為メ、先ヅ彼等ニ宿舎兼事務所ヲ与ヘント欲シ、別紙願書ノ通リ計画ヲ立テ、同建物ノ敷地ハ目下横浜市及神奈川県ニ交渉ヲ進メツヽアリ、猶ホ此外東京印度人中ノ罹災者式名ニ対シテモ見舞金ヲ贈呈シ、此機会ニ於テ日印親善ノ実ヲ挙ゲン事ヲ期ス、貴会幸ニ本会ノ微意ノアル所ヲ察シ、特別ニ御援助ヲ与ヘラレン事ヲ懇願ス

  大正十三年二月二十九日
       大震災善後会々長 公爵 徳川家達 大震災善後会会長印
    日印協会々長 子爵 渋沢栄一殿
拝啓、陳者予テ御請願ニ係ル仕会事業資金補助《(マヽ)》ノ件聴届ケ、横浜市ニ於ケル罹災印度人ノ宿舎及事務所建設事業ニ対シ金壱万円也ヲ交付スルコトニ決定致候、就テハ左記ノ件々御諒承ノ上速ニ震災救護ノ実績ヲ挙ケラレ候様致度此段申進候也
      記
一、前記金額ハ該事業ノ建築、設備費ニ充当セラレ度
 但現金ハ其工事着手ノ報告ヲ以テ交付可致
一、事業実施ノ状況ハ随時視察スルコトアルヘシ
一、事業実施後ハ詳細ナル御報告ヲ得度
                         以上
   ○右大震災善後会ヨリ受領セル金壱万円也ハ当時インド人罹災者救済ノタメ右目的ト一致セル事業ニ其利子ヲ使用シ、元金ハ本会ノ経常費ニ組入レ同様ノ目的ニ使用スルコトナレリ。(副島八十六談)


日印協会書類(一)(DK360023k-0002)
第36巻 p.54-55 ページ画像

日印協会書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
       (別筆)
        大正一四、七、二五、本書浄書作成子爵ノ御小印ヲ受ケ日印協会ニ送附(副島八十六氏宛)シタリ
                        栄一
拝啓、陳者一昨年の関東大震災の際本会は罹災印度人に対し臨機慰問と救恤とに努め、尚昨年二月彼等の為に横浜に於て宿舎兼共同事務所を建設する計画を立て、同月廿二日附を以て之が資金参万円御補助願出候処、本会の微衷を察せられ同月廿九日附を以て金壱万円を御補助可被下旨御同示に接し一同難有感謝致候、依て本会は右建設資金の不足分を義捐金に依りて補足致度と之が募集に相勤め候へども、経済界不振の折柄意の如く進捗せず荏苒時日を経過するに至り候、然る所先般理事会に於て近く本会を財団法人の組織に改め、事務所を建設する目的を以て資金募集に着手する事に相成居候間、右事務所建設の際は印度人の便利を計る諸設備を為して前掲御補助金出願の趣旨に適ふ様可致候に付き、此際御下付金壱万円御交付被成下本会の計画の達成せらるゝ様御援助被成下度悃願仕り候 敬具
  大正十四年七月 日
                 日印協会会頭
                   子爵 渋沢栄一
 - 第36巻 p.55 -ページ画像 
    大震災善後会々長
     公爵 徳川家達殿
   ○本款大正十四年二月二十八日ノ条ニ収メタル「日印協会参考書類」中三月二日付通知書参照。