デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
12款 財団法人日仏会館
■綱文

第36巻 p.318-322(DK360128k) ページ画像

昭和2年7月13日(1927年)

是日、当会館理事会、当会館ニ催サル。栄一出席シテ会館移転問題ヲ協議ス。


■資料

日仏会館書類(三) 【(謄写版) 拝啓 時下益々御清祥奉慶賀候、陳者東京府に於て…】(DK360128k-0001)
第36巻 p.318 ページ画像

日仏会館書類(三)           (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
拝啓 時下益々御清祥奉慶賀候、陳者東京府に於て当会館所在地を買収せられ候趣にて、村井家より懇談の次第有之御報告申上度、随て会館移転に関し御高見拝承致度、来る十三日(水曜)正午より当会館に於て、理事・監事と御参会相煩はし会食旁御協議相願度候間、御繰合御来駕被下度特に御願申上候、此段御案内迄奉得貴意候 敬具
  昭和二年七月九日
              日仏会館理事長 子爵渋沢栄一
    子爵 渋沢栄一殿
 追而当会館移転に関し、種々御高案可有之候処、差向き借家之場合には「麻布区西町二二松方正熊氏宅(鉄筋コンクリート三階建洋館外ニ地下室モアリ)」は恰好なるものゝ一なるべくと被存候、御参考迄御内報申上置候、猶ほ乍御手数折返へし以別紙○欠ク 貴答願上候


集会日時通知表 昭和二年(DK360128k-0002)
第36巻 p.318-319 ページ画像

集会日時通知表 昭和二年 (渋沢子爵家所蔵)
 - 第36巻 p.319 -ページ画像 
七月十三日 水 正午 日仏会館理事会(同会)
   ○中略。
七月十七日 日 午前十一時 大倉喜八郎氏邸ヲ御訪問


(日仏会館)議事録(DK360128k-0003)
第36巻 p.319-320 ページ画像

(日仏会館)議事録           (財団法人日仏会館所蔵)
    理事会
  時日 昭和二年七月十三日正午ヨリ
  場所 日仏会館
  全数理事二十名、監事三名、計二十三名
 出席 十三名
   渋沢子○外氏名略
 欠席議決権委任 八名
   服部氏○外氏名略
先ヅ、レビ夫人ヲ招待シ、本館移転ニ関シ会談ナガラ午餐ヲ共ニシ、食後
『本会館移転問題』議事ヲ開キ
 渋沢子爵ヨリ 村井貞之助・藤平純三両氏、去ル六月廿七日老生事務所ニ来訪、日仏会館所在地ヲ府立第一中学敷地用トシテ東京府ヘ売却シタルニ付、立退ヲ乞フノ止ム可ラサルニ至リタレハ、明年五月末(三ケ年ノ借用期限)頃迄ニ、立退方可然取計被相成度旨申入リアリタリト
 小野○英二郎氏ヨリ 昨日来藤平氏ト再三電話ノ結果、先刻『村井家親族会員中ニハ旅行不在者モアリ、未タ全員ノ同意ヲ得ルニ至ラサルモ、重ナル会員ハ日仏会館用家屋ヲ無償ニテ同会館ニ寄附スル事ニ一致致居リ、右様親族会全員ノ同意ヲ得ヘキ見込アレハ、此旨本日ノ理事会ニ発表致シ差支ナシ』トノ電話アリタリト
 木島氏ヨリ 平塚東京府知事ニ面会シタルニ、同氏ハ日仏会館不時ノ移転ニ同情ヲ表シ、成ルヘク便宜ヲ供与スヘク、若シ日仏会館ニ於テ村井家ヨリ家屋ヲ譲受クル事トナリ、其家屋ニ対シ府庁ノ都合ニテ、期限前ニ立退ヲ求ムルカ如キ相当理由アル場合ニハ、予算ノ範囲内ニ於テ移転費ノ若干ヲ補助スル事ヲ得ヘキ旨内話アリタリト
 報告アリ、夫ヨリ会館移転候補地ニツキ討議中
 大倉氏ヨリ 大倉集古館境内ニ空地アレバ、適当ノ候補地見当ラサル場合ニハ右空地ヲ査考セラレテハ如何
 ト申出アリタル処、大倉氏ニ於テ之ヲ貸与スヘキ好意ヲ示サルヽ以上ハ、候補地ノ物色ヲ見合セ、同氏ノ好意ニ信頼セント云フニ一致シ、速カニ『集古館境内一部ノ地所ヲ日仏会館ニ貸与スルノ件』ヲ財団法人集古館理事会ニ提議セラレン事ヲ同氏ニ乞ヒ、同氏モ之ヲ快諾セラレタリ
 次ニ木島理事ヨリ 会館家屋移築中、一時立退場所トシテ山本理事紹介ニカヽル、麻布区西町二二松方正熊氏邸宅(地所六百坪○中略)ヲ提議シタルニ、大倉氏ハ自分方ニ於テ一時立退場ヲ無料ニテ供給シ得ヘシト思料セラルヽニ付、右家屋ハ借受クルニ及ハスト申出テ
 - 第36巻 p.320 -ページ画像 
ラレタレハ、一同其好意ヲ謝シ、右借入ヲ見合ハスニ決シタリ
右ノ如ク本日ノ議事要領議了後
 姉崎氏ヨリ 今ヨリ暑休季節ニ入ルベケレバ、右季節中、本件ニ関シテハ渋沢・小野両氏ニ於テ、百事可然処理セラルヽ様御依頼致度シト提議アリ
 渋沢氏ヨリ 然ラハ暑中休暇中、本件ニ関スル諸事ハ老生、小野氏及木島氏ト共ニ取扱ヒ置クベク、各員ノ御了承ヲ乞フト述ヘラレ
一同異議ナク之ニ決シ、散会ス
右之通リ
  昭和二年七月十三日
           議長 理事長 子爵 渋沢栄一
           書記 常務理事 木島孝蔵(印)


雑控書類 【記 一、昭和二年七月十五日、朝村井貞之助・藤平純三両氏飛鳥山邸に来訪…】(DK360128k-0004)
第36巻 p.320 ページ画像

雑控書類                (渋沢子爵家所蔵)
    記
一、昭和二年七月十五日、朝村井貞之助・藤平純三両氏飛鳥山邸に来訪。子爵より「日仏会館に於て借用中の村井邸は敷地共東京府へ売却せられたる趣の処、造作其他として相当の費用をかけたる義にも有之、抑も借用の動機をも考慮して無償提供を得度に付、日本興業銀行総裁小野英二郎氏を通し右申上置たるが御勘考下されたるや」と質したるに、村井氏より「従来の関係もあり、御申出の通り無償にて御提供致すことに決定したれば、左様御承知あり度」と答へたり。
○下略


(日仏会館)議事録(DK360128k-0005)
第36巻 p.320-321 ページ画像

(日仏会館)議事録(財団法人日仏会館所蔵)
(写)
拝啓
○上略
七月十三日、当館に於て理事・監事の御集会を乞ひ、当会館移転に関し御協議相願候際、大倉喜八郎氏より当会館移築地として、大倉集古館付属地の一部貸与の意向を示され、猶ほ移転工事中一時立退之場所も、同氏より提供せらるゝ様承及候
其後山田○三良博士大倉氏に面会之序に於て、談前記土地貸与の件に及ひ候際、同氏は貸与の意向を示され候由
七月十八日(日曜)渋沢子爵には炎暑を冒し、態々大倉氏を訪問せられ、本件に付懇談を遂け、諒解を得られたる趣に有之候
爾後命により、小生は本件に関し、集古館々長と往復致居候処、其結果左之通りと相成候
一、移転工事中一時立退の場所借用之件
   本件に関しては、集古館内を一覧致候得共、当館現在の止宿者を寝食せしむるに足る場所は見当らざるに付、之を館長に質したるに、其事は聞き居らずとの事に有之候、因て大倉家執事金子氏に就き、右立退場所とは何れの所なるや、大倉老主人に聞
 - 第36巻 p.321 -ページ画像 
き合せ貰ひ置候処
   本件に関し八月十三日、金子氏より電話にて
    時を隔てゝ両度(一回にては老主人の記憶の誤りあらん事を慮り)老主人に聞合せたるに、老主人は両度共
     「日仏会館会議の節、集古館地所貸与の事は話したるも、一時立退の場所は何等約束したる覚ひなし、若し必要あらばホテルに借室して間に合はせては如何」
    と被申居候、兎に角事実上、目下他人を収容し得るは向島の別荘のみなるも、此所も現に止宿者多く、此上収容の余地なければ、結局大倉側に於ては一時立退きの場所を提供する事不可能に付、右様承知ありたしとの回報有之候
   右之如くに有之候得は、更に本件立退き場所の捜索を要することゝ相成候
二、集古館付属地一部借入之件
   十六日、集古館長より聞き取りたる所に拠れば
    同館長は日仏会館に貸附する地所として、同館付属地の内、元朝鮮館の所在地にして、霊南坂と汐見坂に面する一角の地所約四百坪を擬し、八月十五日開催の理事会に上議したる処当日の出席者は、石黒忠悳子爵・大倉喜八郎・大倉粂馬・橋本館長の四氏(渋沢子・阪谷男・大倉男・門野重九郎・馬越恭平・徳富猪一郎・幸田露伴の諸理事欠席)にして、大倉喜七郎男は将来集古館拡張の意図を有し、出先より電信にて本件地所貸付に不賛成なる旨通知ありたる由、而して当日の理事会は現行の法律によれば、一旦家作用として地所を貸附くれば之を回収する事容易ならず、且つ集古館及日仏会館の現今の両理事者間には、好意の諒解存立すべきも、数十年間には双方の理事者も次第に交替すべく、幾度か理事の交替したる後にも猶ほ依然同一の諒解の存続する事は保し難く、其際回収の困難を見んよりは、寧ろ今日貸附を見合せ候方可然と云ふに一決したる趣に有之候
    右様の次第にて結局、更に当会館敷地及一時立退場所の物色を要する事と相成候間、適当の場所御心当りも有之候はゝ、御速報相煩はし度、右御報告旁此段御願迄奉得貴意候 敬具
  昭和二年八月十八日
                 常務理事 木島孝蔵
(欄外記事)
 渋沢子爵ハ欠席ナリシモ秘書白石喜太郎氏出席傍聴ノ由○八月十五日ノ理事会ニテ云フ就


渋沢栄一書翰 増田明六・白石喜太郎宛(昭和二年八月一八日)(DK360128k-0006)
第36巻 p.321-322 ページ画像

渋沢栄一書翰 増田明六・白石喜太郎宛(昭和二年八月一八日)
                   (白石喜太郎氏所蔵)
○上略
白石氏より来書之日仏会館移転地問題ニ付而ハ、不満足之議決にて遺憾此事ニ候、右ニ付而ハ老生更ニ鶴彦翁ニ一書を送り、其中喜七郎氏
 - 第36巻 p.322 -ページ画像 
帰朝を待て再議相試申度と存候、就而ハ前陳之内意、白石氏より木島氏へ極内々御申含有之度候
鶴彦翁・諸井氏へ之拙翰ハ別封差上申候、早々御送付可被下候
○下略
  八月十八日             香山客舎ニ於て
                      渋沢栄一
    増田明六様
    白石喜太郎様
        各榻下
増田明六様 緊要 伊香保客舎 渋沢栄一
八月十八日 封中大倉・諸井両氏宛之 書状ハ控取置早々御発送可被下候也



〔参考〕集会日時通知表 昭和二年(DK360128k-0007)
第36巻 p.322 ページ画像

集会日時通知表 昭和二年        (渋沢子爵家所蔵)
七月廿九日 金 午前八時    木島孝蔵氏来約(アスカ山)
   ○中略。
八月五日  金 午前九時半   木島孝蔵来約(飛鳥山)
   ○中略
八月十二日 金 午後三時―四時 木島氏来約(事務所)
   ○中略。
九月廿四日 土 午後〇時半   日仏会館午餐会(同会館)
   ○中略。
十月十二日 水 午後三時    木島孝蔵氏来約(事務所)
   ○中略。
十二月一日 木 午前十時    木島孝蔵氏来約永楽町事務所