デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.487-496(DK360187k) ページ画像

大正12年9月18日(1923年)

去ル九月一日ノ関東大震火災ニ際シ、都下各大学及ビ各図書館ニ於テ烏有ニ帰セシ図書ノ数ハ百数十万冊ニ及ベリ。イギリス国際聯盟協会ヨリ当協会ヲ通ジテ救援ニツキ申出アリタルニヨリ、当協会ハ焼失セル図書復興ニ尽力ヲ請フ。次イデ是日駐米埴原大使宛同様依頼ヲ発シ、更ニ諸外国ノ聯盟協会並ニ聯絡団体ニ図書寄贈ヲ請フ。大正十四年二月二十日、寄贈団体ニ対シ謝状ヲ発ス。栄一当協会会長トシテ之ニ与カル。


■資料

国際知識 第三巻第一〇号・第五七―五九頁大正一二年一〇月 学界の大損失 本協会の活動 国際的図書補充の計劃(DK360187k-0001)
第36巻 p.487-489 ページ画像

国際知識 第三巻第一〇号・第五七―五九頁大正一二年一〇月
    学界の大損失
      本協会の活動
        国際的図書補充の計劃
  ○焼けた図書館
 関東の大震災並に大火災により、我国の最も古き歴史を有する最高学府帝国大学の図書館蔵書七十万冊、文部省文庫十万冊、日本大学の蔵書十五万冊、明治大学・専修大学・慈恵会医科大学・東京高等工業学校・女子高等師範、其の他の学府の図書にして烏有に帰したるもの無慮百数十万冊に及び、一つ橋図書館・大橋図書・大倉集古館・安田善次郎氏蔵書・井上博士蔵書等、公立私蔵図書の灰燼に帰したのも甚だ多い。
  ○図書焼失の世界的損失
 此等焼失図書館の蔵書は、孰れも数十年の苦心経営によつて蒐集せられたものであつた。就中帝国大学には、マツクス・ミユーラー文庫
 - 第36巻 p.488 -ページ画像 
一万冊、デルンブルヒ文庫六千冊、コーラー文庫、エンゲル遺書五千冊、ゼシユイフトミツシヨン報告書類、西蔵文蒙古文一切経、朝鮮本李朝実録、楓山文庫古今図書館集成の一万冊、其の他内外の古書珍籍にして、今更金で買はれぬ貴重文書が一朝にして烏有に帰したわけである。
 此等の諸大学並に公立、私蔵図書は明治大正の文化の淵源を為したばかりでなく、海外諸国の文化を理解し、新しく勃興せんとする新日本が、世界人類の文運に貢献せんとする関門であつたのである。
 いふ迄もなく東京は、日本の学術の一大中心を為し、東京に於ける学術研究上も最も大切な機関であつた此等図書館が焼失したことは、実に日本にとつての大損害に止まらない。実に世界にとつての損失であることを痛切に感ずる次第である。
  ○ルーヴアン大学図書館の前例
 過般の大戦に際し、ベルギーのルーヴアン大学が独軍の為めに爆弾で破壊せられた時、同大学は五百年の古き歴史を有し、其の図書館に蔵してゐた数十万の貴重なる典籍は、実に世界の宝庫と称せられてゐたものであるだけに、之が恢復についても世界的同情翕然として集まり、日ならずして新館の礎を据へることが出来るやうなつたことは、吾人の耳に新たなる所である。
  ○日本に対する各国の同情
 今回関東の震災に対しては、国内を挙げての同情により幸危急を救ふことが出来た。吾人が特に感謝に堪へざるは、震災の報伝はるや、世界各国の同情翕然として集まり、精神的にも物質的にも救援の挙に出たことである。吾人の理想とする国際協力の精神が、偶々こゝに実現せられたるを見て忻快とする所である。
 英国々際聯盟協会は九月十三日、電報を以て本邦協会に宛て、今回の震災に同情を表し、本邦協会聯絡して震救に尽力し度き処、如何なる措置に出づること最も実際的なりや、当英国協会は英国諸大学と密接なる関係を有するに依り、校舎破壊の為、学業を中止せる日本諸大学々生を同国大学に収容すること、並に英軍が戦時使用せる天幕毛布を送付して、罹災学生の教授並防寒用に供することなどには、目下考慮中なる旨申越があつたので、本会は直ちに右に対して、此の際特に焼失図書の補充分につき、尽力を願はれまいかと返電を発し、更に駐米大使植原正直氏を通じ、米国の学術団体、平和団体にも同様の電報を発した。
 聯盟協会は亦、海外の聯盟協会並に聯絡団体に向つて、震災の実況を報じ、且つ震災による学術上、精神文明上の損失の測り知るべからざる現状を訴へ、東西文化の融合の鍵であつた図書の補充方につき、何分の尽力を請ひ度き旨を申送つたのである。尚手紙の原文は左の通りである。
 『拝啓、大正十二年九月一日東京及横浜方面に起つた大地震は、七十余ケ所の出火を伴うて、東京の約半、横浜の全市を焼き、東京のみにて死傷百五十万人以上、焼失戸数四十一万一千、共に昔日の影を止めざるに至つた。
 - 第36巻 p.489 -ページ画像 
 我国際聯盟協会事務所は、幸ひにして火災を免れたるも震害甚だしく、為めに一時事務所を麹町区霞ケ関に移した。諸外国が我国の災害に対して表せられたる同情乃至救護に至つては、我国朝野を挙げて感激に充ちてゐる。
 我協会は機関雑誌十月号を以て、右に関する事情を一般国民に紹介するに努める積りである。此の機会に国際協力、相互扶助の精神が遺憾なく発揮された事を見たるは、吾人の大いに欣快とする所、吾人の理想の強ち空ならざるを知つて、一層の勇気を以て理想実現に努むる決心である。
 人類の文明は、各国識者の協力によつて発達せらるゝ事は、国際聯盟第三回総会の認たる原則である事は、貴下の既に御存じの通りである。日本文化の学術の中心たる東京に於て、帝大初め四・五大学、及び公開の図書館の蔵書約百五十万冊焼失したるによつて、我国の蒙る精神的損失は実際に測知すべからず、且又西洋文明紹介の機関を失ひたるによつて、東西文化の融合に一大障害を来したる事は、又以て世界の一大損失と云ひ得るであらう。
 我協会は此の際、図書補充の為め運動を起す事となつた、貴会に於ても、我日本の文化復興のため図書其他の究研材料の寄贈につき、御尽力あらん事を希望す。
 本会は貴会が、この点に就て与えらるゝ一切の好意を、予め感謝するものである。』
     月 日
                        会長名
  ○聯盟に於ける措置
 九月十九日入電によれば、目下開催中の国際聯盟総会に於て、第五委員会は満場一致、左の決議を通過した。
「第五委員会は、日本の首都に於ける大学及図書館の受けたる災厄を悲しみ、其の文学及科学に関する蒐集品の回復を容易ならしむる為、国際的援助の方法を攻究する様、知的協力委員会に懇請す」と
 因に右の提案は、波斯代表の提出にかゝるものである。
  ○有志の図書寄贈を請ふ
 本会は上述の如く、既に海外の各関係団体に向つて訴へたのであるが、国内に於ても文部省当局・各大学・各新聞社・民間団体に於て、孰れ焼失図書補充の計劃に着手することゝ信ずるので、夫々之と協議の上、具体的計劃を発表する筈であるから、揮つて応援せられんことを。


国際聯盟協会書類(一) 【寿府発大正十二年九月十三日本省着十六日】(DK360187k-0002)
第36巻 p.489-490 ページ画像

国際聯盟協会書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
       寿府発大正十二年九月十三日本省着十六日
    山本外務大臣             聯盟会議全権
杉村ヨリ山川局長及堀内書記官ヘ
英国聯盟協会幹部ヨリ、日本聯盟協会ト聯絡ヲ取リ、今回ノ震災救助ニ付尽力シ度ク、就テハ此際如何ナル措置ニ出ツル事、最モ実際的ナリヤ御指示ヲ得度旨申出有リ、何分ノ儀至急御電信請フ、尚其際英国
 - 第36巻 p.490 -ページ画像 
協会ハ英国諸大学ト密接ノ関係アレバ、校舎破壊ノ為、学業ヲ中止セル日本諸大学々生ヲ同国大学ニ収容スルコト、又英国軍ガ戦時使用セル天幕毛布トヲ送附シテ、罹災者ノ教授及防寒ノ用ニ供スルコト等ニ付、目下考慮中ナルモ、事情不明ナルヲ以テ一応、日本協会ノ希望承知シ度旨申添ヘタリ
   ○全権ハ杉村陽太郎、山川局長ハ条約局長山川端夫、堀内書記官ハ堀内干城ナリ。

    山川ヨリ杉村ヘ
英国聯盟協会ヘ左ノ通リ回答アリタシ
日本協会ハ英国協会ノ好意ヲ深謝ス
罹災者ノ救助ハ政府、其ノ他ノ団体ニヨリ略手配リ済ナルニ付、此ノ際書籍ノ寄贈ヲ得バ、最モ好都合ト思考ス(帝大図書館全焼、其ノ他市内諸大学ノ図書モ多数焼失セリ)此ノ際図書ノ種類ヲ指定スルハ困難ナルモ、法文科方面ノ書籍ヲ出来得ル限リ多数寄贈ヲ受ケタシ、送付ノ方法トシテハ外務省内協会仮事務所宛トナシ、震災寄贈書籍ナル旨明記セラレ度、其ノ分配方法ハ本協会ニ一任セラレタシ
 尚、米・仏・独等ノ協会ニ於テモ、同様ノ好意ヲ有セラルレバ喜ンデ受クル考ナリ。
   ○右日付明ラカナラズ。

    杉村ヨリ山川局長・堀内書記官ヘ
貴電第三十一号(英国協会ヘノ回答)英国協会幹部ヨリ委細諒承ノ旨回答アリ、猶英国側ハ日本協会ノ財政ガ震災ノ為、困難ニ陥リシヲ思ヒ、今後数年間一定ノ補助金提供方、当初ヨリ繰返シテ提議シタルモ右ハ諸般ノ関係ニ顧ミ直ニ受諾スヘキモノニアラスト認メ、単ニ其好意ヲ謝スルニ止メ、体好ク辞退シ来レリ、御含迄
   ○右日付明ラカナラズ。

    埴原大使ヘ
      聯盟協会々長渋沢子爵ヨリ
今回ノ震災ニヨリ、帝大図書館蔵書七十万ヲ初メ、其ノ他ノ諸大学ノ図書館烏有ニ帰セルモノ多ク、我学界ニ対シ多大ノ損失ヲ与ヘタルガ幸ヒ英国聯盟協会ヨリハ、災害救助ノ申出アリ、兎モ角図書ノ寄贈方ヲ依頼セリ、此ノ際米国ノ学術、平和団体等ニ於テ、日本学界ノ右大損失ニ対シ、図書補充方尽力セラルヽコトヽナラハ、日本国民ハ深ク感謝スルノミナラス、同時ニ西洋文明紹介ノ中心機関ヲ復興シ、彼我文化ノ融合ノ上ニモ多大ノ貢献ヲナスコトヽナルヘキニ就キ、閣下ヨリ適当ノ向ヘ勧誘方御尽力願度、尚図書ノ種類ハ此ノ際、特ニ指定スルコト困難ナルモ、焼失図書ハ政治・法律・経済・文学・社会関係ノモノ最モ多シ
   ○右ハ発信日付不明ノ電文草案ナリ。後掲「会務報告第一四輯」ノ記事ニ、大正十二年九月十八日付トアリ。

 - 第36巻 p.491 -ページ画像 

(国際聯盟協会)会務報告 第一四輯 自大正一二年九月二七日至同年一〇月五日(DK360187k-0003)
第36巻 p.491 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第一四輯 自大正一二年九月二七日至同年一〇月五日
                    (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    三、図書補充計劃
 (イ) 九月十八日付渋沢会長より埴原大使宛発したる依頼状(前輯六の(ニ)参照)に対し、九月廿九日着電を以て埴原大使より、左の回答ありたり。
 『渋沢子爵より依頼の次第は、当国「キャラクター・エデュケーション・インスチチューション」(会長ミルトン・フェアチャイルド)其他関係の向へ通じたる外、国務省当局へも右貴電洋訳を交付し置きたる処、九月廿七日、同省当局より図書寄贈の件は、当国「カーネギー・インスチチュート・コングレッショナル・ライブラリ」、「スミソニアン・インスチチューション」等に於て、熱心に之に当るべしとのことなるに付、震災の為、損害を受けたる各図書館名及其損害の程度、並に焼失したる図書の種類、寄贈を希望せらるゝ図書に付、今少しく詳細なる報道をなるべく至急入手したき旨申出ありたり。就ては右の諸点に関し大要御電報の上、委細御郵報ありたし』
 右に対しては、直ちに電報を以て回答を発し置けり。
   ○「会務報告第一三輯」欠。埴原大使宛電文ハ前掲ノモノナルベシ。
 (ロ) 高柳賢三氏、帝国大学の図書補充の為め、海外に出張せらるゝに就き、同氏に対し本協会を通しての寄贈図書取纏に関する事務を依頼せり。


国際聯盟協会書類(一) 【(別筆) 国際聯盟協会より発せらるべき書状の翻訳】(DK360187k-0004)
第36巻 p.491-493 ページ画像

国際聯盟協会書類(一) (渋沢子爵家所蔵)
        (別筆)
        国際聯盟協会より発せらるべき書状の翻訳
        訳文・写一通・原文等何れも一括して書面を添へ、懇便を以て外務省内国際聯盟協会の青木節一氏へ送付せり 大正十二年九月廿九日
  The terrible earthquake of September the first 1923 which visited Tokyo, Yokohama and vicinity, and no less terrible conflagration occurring in more than seventy different places burnt down nearly half of Tokyo and the whole of Yokohama.
  In Tokyo alone about one million and five hundred thousand people (about sixty-five percent of the total population of the city) were made homeless; nearly four hundred thousand houses (about sixty-five percent of the total number) were burnt down; and the number of the dead and wounded swelled to more than one hundred and fifty thousand. Thus, these two cities were reduced to a huge pile of ruins, totally stripped of their former glory.
  Very fortunately, however, the Association of the League of Nations of Japan escaped the disaster of the fire, although
 - 第36巻 p.492 -ページ画像 
 it sufferred a considerable damage from the quake. This compelled us to remove our office to a temporary quarters at Kasumigaseki of the Kojimachi ward. The executive members and other officers of the Association are all safe.
  The government and people of Japan very deeply appreciate and are full of gratitude toward the nations for their profound sympathy and generous aid. The Association hopes to give a full account of the cataclysm in the October number of its official magazine for the enlightenment of general public. The international cooperation and mutual aid were fully demonstrated in this catastrophe, which fact encourages us to believe firmer than ever in the practicability of the idealism of the world unity, and to work more earnestly for its realization.
  You are well aware of the fact that the third General Conference of the League of Nations adopted the platform in which the principle that the world's civilization can be best promoted by the cooperation of the intelligent leaders of different nations was enunciated. It is hardly possible to give out an exact estimate at this moment how tremendous is the loss befallen the spiritual side of our life, when we consider that about one million and five hundred thousand volumes of books which were kept in the public libraries and in those of the Tokyo Imperial University and of four or five other universities of Tokyo,-the center of the civilization and scholarship of Japan-went up in smoke. Moreover, many of those lost books have stood as a medium through which the civilizations of the West and the East freely commingled. This latter fact makes the loss all the more lamentable as it is the world-wide one. Our Association set on foot the movement of collecting books in order to redeem this fearful loss. Therefore, the Association of the League of Nations of Japan will greatly appreciate the effort of your Association if it can contribute books and other scientific materials whereby Japan's renaissance may be achieved.
  Thanking you in advance for all your courtesies and assistances in this matter, we beg to remain
           Yours very truly,
               E. Shibusawa
               President, the Association
               of the League of Nations
               of Japan
Note : Beginning with the five hundred thousand volumes of the library of the Tokyo Imperial University, the libraries belonging to the Meiji University, Senshu
 - 第36巻 p.493 -ページ画像 
University, University of Commerce, Higher Technical School, the Medical College of the Jikeikai, Nihon University, Women's Higher Normal School and to the Foreign Language School were totally burnt up. Regarding the public and city libraries, begining with sixty-eight thousand volumes of the Ohashi library, the contents of the Hitotsubashi library together with several others were completely burnt up, making the total loss about one million. In addition to the above loss the schools and libraries of Yokohama were reduced to ashes. Hence the grand total of the lost books can not be less than one million and five hundred thousand !
  ○本資料編纂ニ当リ新タニ蒐集セル外国人書翰中ヘンリ・タフトヘ当テタル右ト同文ノ書翰アリ。発信日ハOct, 1st, 1923ト記ス。
   右訳文ノ大意ハ「国際知識」第三巻一〇号中ニ出ヅ。


(国際聯盟協会)会務報告 第一七輯 自大正一二年一二月二五日至大正一三年一月二四日(DK360187k-0005)
第36巻 p.493 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第一七輯 自大正一二年一二月二五日至大正一三年一月二四日
                     (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    五、図書寄贈依頼に対する反響
一、American Friends Servise Committee(米)より今後入手すべき図書の内より寄贈すべし(十一月七日附)
二、American Academy of Political and Social Science(米)同会今後の出版物を定期に送附スベシ(十一月九日附)
三、国際聯盟協会聯合会事務総長ルユイセン氏より回牒によつて、各国聯盟協会へ日本に図書寄贈ありたき旨の依頼をなし、尚ほ氏の蔵書を割愛すべしと(十一月二日附)
四、American Association for International Conciliation(米)より図書パンフレット送付し、帝大に配布ありたしとの希望附(十一月二十六日附)―受領済
五、チエコ国独逸人聯盟協会より十数部のパンフレツト寄贈(十一月二十六日)―附受領済
六、国際婦人平和自由聯盟(本部ジユネーヴ)より図書寄贈希望にて四十冊のリストを送付し来る(十一月四日附)
七、独逸聯盟協会は独逸平和聯盟(Deutsches Friedens Kartell)に提議した結果、同聯盟は日本図書復興の全国的運動を起すことになつた、同協会自身は近々送付する筈(十二月四日附)
八、濠洲聯盟協会は図書寄贈依頼の本協会の書状を公表し、アデレード大学、主となつて運動を起した(十一月七日附)
九、加奈陀聯盟協会は、本協会の依頼状を新聞に公表し、加奈陀人民の同情に訴ふる所があつた。


国際知識 第四巻第二号・第八九頁 大正一三年二月 図書寄贈依頼の反響(DK360187k-0006)
第36巻 p.493-494 ページ画像

国際知識 第四巻第二号・第八九頁 大正一三年二月
    図書寄贈依頼の反響
 - 第36巻 p.494 -ページ画像 
 昨年九月二十九日、本協会は理事会の決議に基き各国の聯盟協会其他の学術平和団体に向け、震災によつて焼失したる日本図書補充の為め、尽力ありたき旨の依頼状を発送した事は、本誌上にも度々報道し既に御承知の事と察するが、之に対し外国からの回答が、ボツボツ来初めたので、取りあへずその主なるものを紹介して見ようと思ふ。
1、米国Smithsonian Institute及びCarnegie Congressional Libraryは極力尽力すべき旨を埴原駐米大使に寄せ
2、American Academy of Political & Social Scienceは、同会今後の出版はその都度、寄贈する旨を回答し、(十一月二十九日)
3、American Friends Service Committeeは、先づ震災見舞を述べて、今後入手する書籍は出来得る限り割愛すべき事を約束し、且つSmith-sonian Institute宛て依頼状を出しては如何、と教へ来つた。(右Instituteに対しては上述の如く既に依頼済み)。(十一月二十九日)
4、International Conciliationより約書籍十冊、パンフレツト百五十部を寄贈した。(十一月三十日)


社団法人国際聯盟協会会務報告 大正十二年四月より大正十三年三月に至る 同協会編 第一二―二三頁 大正一三年四月刊(DK360187k-0007)
第36巻 p.494 ページ画像

社団法人国際聯盟協会会務報告 大正十二年四月より大正十三年三月に至る 同協会編
                      第一二―二三頁
                      大正一三年四月刊
    一三、震災焼失図書復興運動
 一九二三年、東京及び横浜に勃発したる大震火災の為め、東京の各大学其他の図書館焼失し、百五十万冊の図書を烏有に帰せしめた事は我国に於ける智的事業に重大なる打撃を与へ、且つ東西文明の融合発展を妨ぐるもの少なからざるを思ひ、我協会は理事会の決議を以て、海外各国の聯盟協会・其他学術・平和団の団体に、図書復興の為め尽力ありたき旨の依頼を発したに対し、三月末までに、左記諸団体が図書寄贈の申込をなし、又は図書蒐集の為め尽力さるゝに至つた。
  American Friends Service Committee; American Academy of Political and Social Science; Dr. Theodore Ruyssen, General Secretary, International Federation of Associations for the League of Nations ; American Association for International Conciliation; Deutshe Liga für Völkerbund und Völkerverständigung in der Tschechoslowakischen Republik; Women's International League for Peace and Freedom; Deutsche Liga für Völkerbund; Australian League of Nations Union; League of Nations Society in Canada; Ligue hellenique pour la Société des Nations; League of Nations Union; League of Nations Non-Partisan Association; World Alliance for International Friendship through the Churches.; Vereeniging voor Volkerbond en Vrede;


(国際聯盟協会)会務報告 第二六輯 自大正一三年一〇月二九日至同年一一月一七日(DK360187k-0008)
第36巻 p.494-495 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第二六輯 自大正一三年一〇月二九日至同年一一月一七日
                 (渋沢子爵家所蔵)
 - 第36巻 p.495 -ページ画像 
(謄写版)
    二、第四十七回理事会
 日時及場所 大正十三年十月二十九日午後四時於丸ノ内銀行倶楽部
 出席者 渋沢会長、添田副会長、宮岡・林・吉井・田川・内ケ崎・山川各理事、加藤主事
○中略左の事項を協議決定せり
協議決定事項
一、○略ス
二、海外寄贈図書処分方の件
 大正十二年の我国震災により焼失したる大学、其他の図書館復興の為め、外国の団体に対し図書寄贈を申入れたるに、今日まで英国聯盟協会を初め五ケ所より寄贈あり、右の中特に寄贈先を指定したる分はその通り取計ひ、指定なきものは、東京帝大に寄贈することゝし、他の図書焼失の大学に対しては寄贈図書のリストを送附し置き帝大に寄贈したる分につき閲覧するの自由を得しむる事とせり。
○下略


国際聯盟協会書類(二) 【(謄写版) 第五十一回理事会 大正十四年二月六日午後四時於王子渋沢会長邸】(DK360187k-0009)
第36巻 p.495-496 ページ画像

国際聯盟協会書類(二)        (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
第五十一回理事会 大正十四年二月六日午後四時於王子渋沢会長邸
御出席
 渋沢会長 阪谷副会長 添田副会長 林理事 穂積理事 内ケ崎理事 山川理事 山田理事 秋月理事 姉崎理事 下村理事 頭本理事 大倉監事 団監事 深井監督 加藤主事
協議事項
○中略
二、寄贈図書に対する表謝の件
 震災によりて焼失したる帝大其他各大学、及び図書館の図書復興の為め、外国関係団体宛図書寄贈方を依頼したるに、既に左記の如く寄贈あり
League of Nations Union. 115 copies
American Association For International Conciliation.
              Nos. 38-49, 1911.
              Nos. 50-61, 1912.
              Nos. 62-73 1913.
              Nos. 86-97 1915.
              Nos. 98-109 1916.
              Nos. 110-121, 1917.
              Nos. 122-133, 1918.
              Nos. 146-157, 1920.
Australian League of Nations Union. 125 copies.
Ligue Internationale des Femmes pour la Paix et la Liberté. 50cop.
Deutsche Völkerbundliga in der Tschechoslowakischen Republik.
 - 第36巻 p.496 -ページ画像 
12copies.
之を以て 一段落となりたるにつき、その配分方を第四十七回理事会決議通り取計ふに際し、右各団体に対し、本協会理事会の決議を以て謝意を表明したし。○下略


(国際聯盟協会)会務報告 第二九輯 自大正一四年二月六日至同年三月三一日(DK360187k-0010)
第36巻 p.496 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第二九輯 自大正一四年二月六日至同年三月三一日
                     (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    三、第五十一回理事会
 時、大正十四年二月六日午後四時 場所、王子渋沢会長邸
 出席者、○略ス
協議決定事項
○中略
二、図書寄贈に対する表謝の件
震災によりて焼失したる帝大、其他各大学及び図書館の図書復興の為め、外国関係団体宛図書寄贈方を依頼したるに、英国聯盟協会初め各団体より五百冊内外の図書寄贈あり、之を以て一段落となりたるにつき、理事会の決議を以て、寄贈団体宛謝状を送ることに決定。
   ○右文中五百冊トアルハ五百箱ノ誤リナラン。一箱約二百冊ヲ収メタリ。(姉崎正治報告)
○中略
    一二、図書寄贈に対する謝状
別項理事会の決議に基き、二月二十日総裁・会長・主事連名を以て、左記宛謝状を送附せり。
 League of Nations Union, London, England
 Australian League of Nations Union, Adelaide, South Australia
 American Association for International Conciliation, New York, U.S.A.
 Women's International League for Peace and Freedom, Geneva
 Deutsche Liga für Völkerbund in der Tschecho-slowakischen Republik  Prag.
○下略