デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.544-547(DK360196k) ページ画像

大正13年2月1日(1924年)

是日、当協会第四十一回理事会、東京銀行倶楽部ニ開カル。栄一出席ス。右理事会ノ決議ニ基キ、翌二日当協会理事井上準之助ニ対シ、リヨンニ開カルル国際聯盟協会聯合会第八回総会ニ出席センコトヲ求ム。


■資料

国際聯盟協会書類(一) 【(謄写版) 拝啓、弥々御清穆奉大賀候、陳者来る二月一日…】(DK360196k-0001)
第36巻 p.544-545 ページ画像

国際聯盟協会書類(一) (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
拝啓、弥々御清穆奉大賀候、陳者来る二月一日(金)午后五時半より丸の内銀行倶楽部に於て、本協会第四十一回理事会を開催し、左記事項に関し御協議相仰度候間、公私御繁用中洵に恐縮の至りに存候へ共何卒御繰合せ御来駕相煩度、此段御案内申上候 敬具
             国際聯盟協会々長 渋沢栄一
  一月○大正一三年二十三日
 - 第36巻 p.545 -ページ画像 
   (一行手書)
   子爵 渋沢栄一閣下
    協議事項
 一、報告(会長・副会長・主事より)
 二、堀内主事赴任せらるゝに就き、後任主事選任の件
 三、米国の聯盟加入促進の件(事務所提出)
 四、新嘉坡海軍根拠地に関する件(特別委員会起草の声明書案完成せり)
 五、軍備縮小に関する件(本件に関しては阪谷副会長の御出席を俟つて、更に審議することゝ相成居りし処、当理事会には阪谷副会長御出席の筈なり)
 六、衆議院議員立候補者に対する宣伝、並質問状発送の件(案文は起草委員に於て作成方完成せり)
 七、早稲田大学支部承認の件
 八、来る六月リヨンに於て開催せらるべき、国際聯盟協会第八回聯合総会に対する、本邦協会の提案並代表者選任の件
追て当日は、午后六時より簡単なる御食事を共に致度候間、御都合御一報相煩度候


(国際聯盟協会)会務報告 第一八輯 自大正一三年一月二五日至同年二月二九日(DK360196k-0002)
第36巻 p.545-546 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第一八輯 自大正一三年一月二五日至同年二月二九日
                    (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    二、第四十一回理事会
時所 大正十三年二月一日、銀行倶楽部に於て
出席者 渋沢会長、阪谷副会長、山田・山川・田川・林・内ケ崎・美濃部各理事、深井会計監督、加藤主事、
決定事項
 (一) 主事の選任
堀内主事海外赴任に就き、会長・両副会長に於て加藤外松氏を後任主事に推薦し、理事各位一致、同氏を選任することに可決す
 (二) 会計監督の選任
井上理事是迄会計監督の任を兼ねられたる所、此度渡外せらるゝに就き、金銭出納上忽ち困難を生ずべきを以て、後任として会長並に両副会長に於て、深井英五氏を推薦したる所其の承諾を得たるに依り、更めて本理事会に於て、同氏に右会計監督の事務を依頼せり
 (三) 米国の聯盟加入促進の件
本件に関しては理事各位の間に意見交換の結果、米国に於ても内部より各種の運動、殊に国際司法裁判所加入の提案もあることなれば、暫時形勢を観望することゝなれり
 (四) 新嘉坡海軍根拠地に関する件
本件に関しては、特別委員会の起草にかゝる声明案を討議の基礎とし種々意見の交換ありたる後、大体本理事会に於ける討議の趣旨に基き主事に於て案を起草し、林理事並に会長の同意を得たる上、英国々際聯盟協会に宛て会長署名の書簡を発送することゝなれり
 (五) 軍備縮少に関する件
 - 第36巻 p.546 -ページ画像 
本件に関しては、趣旨に於て軍備を縮少すへきは勿論賛成なるも、其の実効を納むるは容易の業に非ずと認めらる。故に軍備縮少の声を挙ぐるに先ち、主事に於て各国軍備の実情に就き、能ふ限り数字的調査を遂げ、次回理事会に更めて審議することゝなれり
 (六) 衆議院議員立候補者に対する宣伝並に質問状の件
○下略


国際知識 第四巻第三号・第一〇四頁大正一三年三月 ○日本国際聯盟協会の活動 第四十一回理事会(DK360196k-0003)
第36巻 p.546 ページ画像

国際知識 第四巻第三号・第一〇四頁大正一三年三月
 ○日本国際聯盟協会の活動
    第四十一回理事会
 二月一日銀行倶楽部に於て、第四十一回理事会開催、渋沢会長・阪谷副会長、山田・田川・山川・美濃部・林・内ケ崎各理事出席
一、堀内主事青島総領事とし赴任せらるる事となつたので、加藤外松氏を後任主事に推薦した。
二、会計監督であつた理事井上準之助氏渡欧された為め、日銀理事深井英五氏に会計監督を依嘱し御承諾を得た。
三、英国の新嘉坡海軍根拠地建設については、本協会で何等かの声明をなす積りで、その声明案について過般来、特別委員会で研究中であつたが、成案を得たので理事会に提出し、多少の修正を経て可決せられた。要旨は「該計画は華府条約の精神に反し、日英親善関係を阻碍するものと認める」と云ふ意味で、之は英国の聯盟協会に送る事となつた。
四、本年六月仏蘭西リヨン市に於て、聯盟協会万国聯合会が開かるゝ筈であるが、その議題として我協会より提出すべき案は「通商衡平待遇」「人種差別撤廃実行方法」等で、之については山田・山川・林三理事に、立博士・高木帝大助教授を加へた特別委員会を任命し之に研究を依頼する事となつた。
五、聯合会に派遣すべき本邦協会の代表者としては、井上理事の渡欧を好機とし、同氏及び杉村陽太郎氏中心となつて活動して頂く事に決した。
六、外国の名士を日本協会の名誉会長なり、名誉副会長なりに推薦しては如何との動議出で、先づ英国のバルフオア又はセシル等の名士に申出ずる事に決した。
七、早稲田大学に学生支部を設ける事を承認した。
八、支那の協会では、昨今の聯合会総会に廿一ケ条問題を持ち出して日支間に少々気まづい事があつたが、之は要するに平素、相互の了解を欠いてゐる為めである事を認め、今後如何にせば円満なる了解に達し得べきか、その方法を研究する事となつた。


(国際聯盟協会)会務報告 第一九輯 自大正一三年三月一日至同年三月三一日(DK360196k-0004)
第36巻 p.546-547 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第一九輯 自大正一三年三月一日至同年三月三一日
                    (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    六、知名外国人を本会の名誉総裁に推薦の件
右は前回○第四十一回理事会の決議なるが、林・石井両大使に意見を徴した
 - 第36巻 p.547 -ページ画像 
る処、林大使よりはバルフォアよりグレー又はセシルの何れかゞ適当なるべしとの意見あり、何れ石井大使よりの回答を俟ちて決定することゝす


国際聯盟協会書類(一) 【(写) 拝啓、益御清適奉賀候、然ハ昨日開催之貴協会理事会ニ於テ…】(DK360196k-0005)
第36巻 p.547 ページ画像

国際聯盟協会書類(一) (渋沢子爵家所蔵)
(写)
拝啓、益御清適奉賀候、然ハ昨日開催之貴協会理事会ニ於テ決議セラレ候井上氏ニ御依頼之件ニ関シ、別紙写之通リ相認メ、特ニ結城豊太郎氏ノ来邸ヲ願ヒ、渋沢子爵ヨリ御懇談致候結果、結城氏ニ於テ明日出発、神戸ニ赴キ同地ニ於テ井上氏ニ御面会之上、必ス同氏ヘ相伝ヘ可申旨答ヘラレ候間左様御承引相成度候、右申上度如此御座候
敬具
                   (二行手書)
  大正十三年二月二日        渋沢事務所
                      白石喜太郎
    国際聯盟協会
     青木節一殿
(別紙・写)
国際聯盟協会聯合会第八回総会ガ、今年六月仏蘭西『リヨン』ニ開カルルニ就キ、本協会理事井上準之助氏渡欧セラルルヲ機トシ、同総会ニ御出席願ヒタシ。尤モ杉村氏聯盟ノ帝国事務局次長トシテ巴里ニアリ、同氏ト御協力ノ上本協会代表ノ中心トシテ御尽力願ヒタシ、議案及ビ他ノ代表者ニツイテハ、後ニ詳報申上グ。
右ハ大正十三年二月一日、東京銀行集会所ニ開催セル本協会理事会ニ於ル決議ノ要領ヲ記載シテ、幸便ニ托シ進呈仕候間、何卒御旅程御繰合被下、御聞届之程御懇請仕候也
  大正十三年二月二日
              国際聯盟協会
               会長 渋沢栄一 栄一
    井上準之助殿