デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.610-613(DK360212k) ページ画像

大正13年6月25日(1924年)

是日、当協会第一回宣伝委員会、東京銀行倶楽部ニ開カル。栄一出席セズ。次イデ当協会第四十五回理事会同所ニ開カル。栄一出席シテ、アメリカ合衆国千九百二十四年移民法ニ対スル我国内ノ学生生徒等ノ思想善導方法ヲ協議ス。


■資料

国際聯盟協会書類(一) 【(謄写版) 大正十三年六月十八日】(DK360212k-0001)
第36巻 p.610-611 ページ画像

国際聯盟協会書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    大正十三年六月十八日
             国際聯盟協会主事 加藤外松
  (四字手書)
  渋沢会長殿
拝啓、来る六月廿五日午後五時より銀行倶楽部に於て、第四十五回定
 - 第36巻 p.611 -ページ画像 
例理事会開催相成候に就ては、当日午後四時より同所に於て宣伝委員会を開催、地方支部及学生支部其他宣伝拡張事業につき御協議相煩度存候間、甚だ御迷惑ながら定刻御来会被成下度、御依頼申上候
先は得貴意度如斯御座候 敬具


(国際聯盟協会) 会務報告 第二三輯 自大正一三年六月二五日至同年七月三一日(DK360212k-0002)
第36巻 p.611-612 ページ画像

(国際聯盟協会) 会務報告  第二三輯 自大正一三年六月二五日至同年七月三一日
                     (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    二、第一回宣伝委員会
六月廿五日理事会開会前に開催、添田副会長、内ケ崎・林・岡・田川各委員出席、左記の件につき協定し、直ちに之を理事会に提出せり。
イ、地方支部
 (一)北海道方面 八月四日より九日迄、田川理事他用にて出張さるゝを機とし、函館・小樽・札幌に各支部を作ること
 (二)関西方面 今秋(九月頃)会長の出張を得て、京都・神戸に支部を作り、兼ねて大阪支部総会開催のこと
 (三)山陰地方 鳥取支部講演会及島根支部発会式講演会に内ケ崎理事出張のこと
 (四)東北地方 十一月下旬より福島・宮城・茨城の各県に支部を設立の為め、内ケ崎理事、宮島幹之助氏に出張を依頼すること
 (五)朝鮮 八月初旬内ケ崎理事の朝鮮行きを機とし、京城に支部設立につき尽力を願ふこと
 (六)滋賀県大津 七月中旬同市の講演会に、岡理事出張さるゝを機として、支部設立のこと
ロ、学生支部
 (一)学生支部関東(又は関西)聯合会を組織し、相互の聯絡及協力の機関とすること
 (二)右聯合会をして機関雑誌を発行せしむること
 (三)女子の大学及専門学校に学生支部を設くること
 (四)学生支部員共通の徽章を制定すること
    三、第四十四回理事会《(五)》
時日 六月廿五日午後五時 場所 於丸ノ内銀行倶楽部
出席者 渋沢会長、阪谷・添田両副会長、林・穂積・岡・田川・山川頭本・内ケ崎・下村各理事、加藤主事
報告 加藤主事より五月七日乃至六月廿四日の会務報告
協議決定事項
(一)対米輿論の善導に関する件
 日米問題に関し誤れる事実の宣伝流布され、米国に対し過激なる言動をなす者多し、殊に教育者に於てこれを題材として、生徒に敵愾心を鼓吹する向あり、或は少くもこの問題を如何に解釈して、生徒に教ふべきかに迷へる者多し、この際日米問題の最も正確なる事実を最も分り易く解説し、国際協調主義によりて問題の解決に努むへき事を、教ふる小冊子を印刷して配布する必要ある事を認め、主事に於て右文案を作り、之を林・山川・穂積三理事より成る特別委員
 - 第36巻 p.612 -ページ画像 
に審査せしめ、之を発表することに決せり、但し発表は何人かの名を以てすること
(二) 排日問題に関し、聯合会代表に対する訓電の件
 岡理事の提案に依り、聯合会本邦代表者に対し、次の訓電を発することを決議せり。
 「日本国際聯盟協会は、今回通過せる米国の排日条項を含む移民法案か国際協調の精神に反するものと認むるか故に、本問題の起因並に今日迄の経過と、日本国民か平和の為め隠忍せる事情、並に本協会か本問題に関し、日本国民の激昂せる輿論を鎮圧するにつき、不断の努力を払ひつゝある事実を、聯合会総会に於て説明せられ、各国協会の諒解を得ることにつき、貴下の御裁量により可然御尽力ありたし。」
(三) 地方支部及学生支部に関する件
 前記宣伝委員会に於ける決議案をそのまゝ承認。
(四) バークレー氏入会の件
 松江在住英国宣教師バークレー氏の入会を承認。
(五) 議員に対し宣伝の件
 総裁・会長及議員団の連名にて、貴衆両議員に対し本会の趣旨を宣伝し、その協力を依頼するの件を議決せり。
(六) 首相及外相招待の件
 本会の目的及事業につき了解を得る為め、渋沢会長か適当の機会に於て一夕招待会を開催するの件を決議せり。
(七) 大熊幹事海外派遣の件
 各国聯盟協会との聯絡及海外の事情を研究せしむる為め、七月より半ケ年間、幹事大熊真を派遣することに決定。
 (因に理事会は七月、八月休会)


国際聯盟協会書類(一) 【(謄写版) 第四十五回理事会 (大正十三年六月廿五日 於銀行倶楽部)】(DK360212k-0003)
第36巻 p.612-613 ページ画像

国際聯盟協会書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
第四十五回理事会 (大正十三年六月廿五日 於銀行倶楽部)
御出席
渋沢会長 添田副会長 林理事 穂積理事 岡理事 田川理事 内ケ崎理事 山川理事 頭本理事 加藤主事 下村理事《(別筆)》
報告
会務報告 第廿二輯 (自五月七日至六月廿四日)参照
協議事項
一、対米輿論の善導に関する件
日米問題に関し誤れる事実の宣伝流布され、米国に対し過激なる言動をなすもの多し、殊に教育者に於てはこれを題材として、生徒に対し敵愾心を鼓吹する向あり、或は少くともこの問題を如何に解釈して生徒に教ふべきかに迷へる者多し、この際日米問題の最も正確なる事実を、最も分り易く解説し、国際協調主義によりて問題の解決に努むべき事を教ふる小冊子を印刷し、広く配布する必要あるべし、右は小委員に文案の起草を依頼しては如何。
 - 第36巻 p.613 -ページ画像 
(欄外、栄一墨書)
  此問題ニ付テハ種々ノ意見アリタルモ、終ニ理事者ニ於テ原稿ヲ起草シ、三名ノ委員(林・山川・穂積)ニ於テ審議決定スル事ト協議ス
  ○国際聯盟協会(後、日本国際協会ト改名)ガ所蔵スル「理事会自大正一三年四月至大正一四年三月」ト題スル書類ニハ右資料ト同一ノ謄写版刷記録ヲ綴込ミ、別ニ原資料ヲ存セズ、今栄一ノ書入アルニヨリ本書ヲトル。右ハ理事会開催ニ当リ、出席者、議題等ヲ示シテ、議事運営ノ便宜トセルモノナルベシ、従ツテ議事ノ結果ニツイテハ、会務報告ニ依ツテ見ルベキモ右ハ席上、若シクハ後刻栄一ノメモヲ加ヘタルモノナルベシ。