デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.630-632(DK360224k) ページ画像

大正13年12月11日(1924年)

是日、当協会主催国際聯盟事務次長新渡戸稲造帰朝歓迎晩餐会、生命保険会社協会ニ開カル。翌十二日同人講演会日本工業倶楽部ニ開カル。


■資料

国際聯盟協会書類(一) 【(葉書表) 日本橋区兜町二第一銀行内 渋沢事務所 渋沢栄一殿】(DK360224k-0001)
第36巻 p.631 ページ画像

国際聯盟協会書類(一)               (渋沢子爵家所蔵)
(葉書表)
日本橋区兜町二第一銀行内 渋沢事務所 渋沢栄一殿 (別筆朱書) 十二月十一日後五
(裏印刷)
拝啓、ジユネーヴ国際聯盟事務局に、創設当初より事務次長として御在任相成居候法・農学博士新渡戸稲造氏今般休暇を得、御帰朝相成候に就ては、多年国際聯盟の為め尽瘁されたる博士の労を謝し、併せて博士より聯盟最近の事情につき御講話を拝聴致度、左記次第により晩餐会相催し候間、万障御繰合せの上御来会相成度、此段御案内申上候
                           敬具
  大正十三年十二月一日
         社団法人国際聯盟協会々長 渋沢栄一
 日時 拾弐月拾壱日(木)午後五時
 場所 丸ノ内保険協会
 会費 金参円(当日御持参の事)
  尚ほ準備の都合も有之、来る九日までに御出席の有無御廻答相願度候


集会日時通知表 大正一三年(DK360224k-0002)
第36巻 p.631 ページ画像

集会日時通知表  大正一三年       (渋沢子爵家所蔵)
十二月十一日 木 午後五時 国際聯盟催新渡戸博士歓迎会
十二月十二日 金 午後六時 国際聯盟催新渡戸博士講演会(工業クラブ)
十二月十三日 土 午前十時 国際聯盟青木氏来邸
  ○右ニ記入アレドモ次掲ノ記事ニハ栄一ノ名ヲ欠ク。或ハ出席セザリシカ。
  ○栄一是年年末ヨリ翌十四年一月二十五日迄湯河原ニ転地ス。感冒ヨリ喘息ヲ発セルナリ。三月ニ至リ再発約半歳摂養セリ。


国際知識 第五巻第二号・第一一三―一一四頁大正一四年二月 ○本部だより 新渡戸博士帰朝歓迎会(DK360224k-0003)
第36巻 p.631-632 ページ画像

国際知識  第五巻第二号・第一一三―一一四頁大正一四年二月
 ○本部だより
 新渡戸博士帰朝歓迎会 新渡戸稲造氏は、創設以来よりゼネバ国際聯盟事務局次長として、平和の為めに活躍されてゐたが、昨年十二月久し振りで、あの温和な博士の姿を、日本に迎へた事は、本会の大に喜びとする所であらねばならぬ。従つて博士の故国を外に万里の異域で、人道と平和との建設事業に尽瘁された労を感謝すべく、昨年十二月十一日夕、同氏歓迎会を東京丸ノ内保険協会で開いた。
 昨年九月、聯盟総会に時ならぬ波紋を捲き起した所謂日本事件も、吾人の耳朶に新たなる際とて、此の遠来の客を迎ふる人々の面上には一種緊張の気さへ張り、参会者実に二百余名、朝野の紳士を網羅し本協会がこれまで催した諸集会中でのレコードを突破した盛況さであつた。
 先づ阪谷本会副会長、歓迎の辞を述べ、主賓に敬意を表せば、続い
 - 第36巻 p.632 -ページ画像 
て新渡戸博士立ち、滔々一時間に亘つてゼネバ生活の感想を批瀝せらる。その言や実に真をうがつ事徹底的にして、深刻な啓示を我等に与へずにゐなかつた。当日は丁度嘗て本協会のために尽されし田中館博士が、外遊帰りで見えたので、同氏も一席の感想を談じられた。食堂閉鎖後、別室に於て有志の人々は新渡戸博士と個人的の会話を交はし質疑やら応答やらで賑ひ、歓談裡に午後九時散会した。
  ○本款大正十四年二月六日送別会ノ条参照。
  ○右文ニ云ヘル所謂日本事件トハ、同年九月ヨリ十月ニ亘リテ、スイス国ジュネーヴニ開カレタル第五回国際聯盟総会ニ於ケル、平和議定書ノ討議ニ際シ、安達大使ガ九月二十五日ノ第一委員会ニ於テ、国家間ノ争点トスル問題ガ国内問題ト決定セル場合ニ於テモ亦、聯盟理事会ガ其調停ヲ試ムベキ規定ノ設置ヲ主張セルニヨリ、生ジタル一大波紋ヲ指ス。右ニ関スル事情ハ左ノ論文ニ詳記セラレタリ。
   三宅哲一郎稿「第五回国際聯盟総会に於ける軍縮問題」(「国際知識」第四巻第一一号・第一一四―一四〇頁大正一三年一一月所載)