デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
27款 東洋関係諸団体 4. 大亜細亜協会
■綱文

第38巻 p.293-298(DK380032k) ページ画像

大正10年10月1日(1921年)

是日、当協会設立セラレ、栄一顧問ニ推薦セラル。

在任歿年ニ及ブ。


■資料

青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編 竜門雑誌第五一九号別刷・第二一頁 昭和六年一二月刊(DK380032k-0001)
第38巻 p.293 ページ画像

青淵先生職任年表 (未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編
               竜門雑誌第五一九号別刷・第二一頁 昭和六年一二月刊
    大正年代
  年  月
 一〇 一〇 ―大亜細亜協会顧問―昭和六、一一。


大正十年十月一日創立 大亜細亜協会 趣意書会則(DK380032k-0002)
第38巻 p.293-297 ページ画像

大正十年十月一日創立 大亜細亜協会 趣意書会則 (渋沢子爵家所蔵)
    大亜細亜協会創立趣意書
 亜細亜大陸の天地は広袤世界の三分の一を領し、人衆世界の一半を占む、而かもその自然的勢力は当に克く泰西を凌駕して余あるへしと雖も、却て常に欧米の諸国に牽制せらるゝものあるは何そや、我亜細亜民族の文化は淵源最も古く、光輝ある歴史を有す、而して我極東今日の開明は優に能く世界を指導するに足るへしと雖も、事実は寧ろ毎に西欧諸邦の後塵を拝するの状あるは何そや、請ふ往いて此大陸を査到せよ、此民族を検覈せよ、興亡幾変遷、国破れて山河ありとの感を深ふすること、何そ夫れ甚たしき、亜州の全面積三百万方里、その大半は即ち西欧諸邦に隷属して、文物制度皆各々外族悸道の準縄に服従するの悲境にあり、惟ふに世道月に壊れ、人心年に荒みて、追随模倣の習遂に嵩み、質実剛健の気塊亦漸く掃はれ、徒らに現世西欧唯物文化に眩惑して、高遠の真理を究明するの志を失ひ、民族精神の作興、智徳の並進共にその途を空ふせしに因らすんはあらさるなり、嗚呼民族自覚の声今にして高調せすんは、抑も十億民族の将来を奈何せむ、亜細亜民族にして今に於て尚奮起せすんは、其前途終に知るへからず我徒之を憂ふること年あり、蹶然玆に起ちて本協会を創設する所以の
 - 第38巻 p.294 -ページ画像 
ものは、大に亜細亜特有の文化を発揚し、盛に経綸を行ひ、以て天下の大道を啓発し、世界万衆恒久の福祉を招齎し、東西文明統一調和の急先鋒となり、進んて宇内真文明の牢乎たる基礎を築成せむとするに外ならす、冀くは与天下正義人道を熱愛するの士、奮つて賛同あらむ事を
  大正十年十月一日
                    大亜細亜協会
  会則目次
第一章 名称及ビ位置
第二章 総則
第三章 目的及ビ事業
第四章 資産
第五章 会員
第六章 支部
第七章 総会
第八章 役員
附則
    大亜細亜協会会則
   第一章 名称及ビ位置
第一条 本会ハ大亜細亜協会ト称ス。
第二条 本会ハ本部ヲ日本帝国東京ニ、支部ヲ各国枢要ノ地ニ置ク。
   第二章 総則
第三条 本会ハ正義ヲ基礎トシテ亜細亜民族ノ大同団結ヲ期シ、其特有ノ文化ヲ暢揚シテ東西文明ノ調和ヲ徹底シ、以テ人類永遠ノ福祉ヲ齎来セントスル主旨ニ会同スル団体ナリ。
第四条 本会会則ハ総会ノ議決ヲ経ルニ非ザレバ、改廃加減スル事ヲ得ズ。
第五条 本会則ヲ実施スルニ当リテ必要トサルベキ細則ハ、評議員会ノ決議ヲ経テ別ニ之ヲ定ム。
第六条 本会ノ事業年度ハ毎年一月一日ヲ以テ始リ、毎年十二月卅一日ヲ以テ終ル。
第七条 本会ノ解散ハ、総会ノ議決アルニアラザレバ之ヲナス事ヲ得ズ。
   第三章 目的及ビ事業
第八条 本会ノ目的ハ本会則第三条ノ主旨ヲ達成セムタメ、所期ノ事業ヲ遂行スルニアリ。
第九条 本会ノ事業要項ハ左ノ如シ。
 一、亜細亜会館ノ設置。
   亜細亜会館内容。
   甲、亜細亜諸民族ノ宗教習慣ニ適応セル居室並ニ食事等好便ナル旅舎ノ経営。
   乙、亜細亜各国人学生ノ実費寄宿舎ノ経営。
 二、亜細亜物産陳列館ノ設置。
 三、東洋ニ於ケル哲学・芸術・科学、並ニ其一般経済状態・政治状
 - 第38巻 p.295 -ページ画像 
態ニ関スル研究。
 四、機関雑誌ノ発行。
 五、講演会ヲ開催スルコト。
 六、亜細亜各民族ノ代表ヲ交換シ、亜細亜団結ノ主義徹底ニ努メ、以テ内外ニ於ケル同種的各団体トノ連絡提携ヲ図ルコト。
 七、緩急時宜ニ応ジ諸外国政府ノ要路ト会シ、或ハ文書ヲ以テ本会ノ主旨ニ基ク建策ヲナスコト。
 八、本会ノ維持ニ必要ニシテ、本会ノ主旨ニ副ヘル各種営利事業ノ経営。
 九、商工業其他事業又ハ旅行等ニ関スル調査・広告・紹介・案内等ヲナスコト。
   第四章 資産
第十条 本会ノ資産ハ次ノ如シ。
 一、本会ノ所有ニ属スル動産・不動産。
 二、会員ノ寄附金及ビ会員ノ会費醵出金。
 三、篤志家ノ饋贈並ニ寄附ニヨリ金銭物品。
 四、本会ノ財産ヨリ生ズル収益及ビ雑収入。
第十一条 本会資産ノ保管、使用処分ニ関シテハ評議員会ノ議決ニ従フ。
   第五章 会員
第十二条 本会ノ会員ハ左ノ四種トス。
 一、名誉会員 本会総裁若クハ本会総会ノ決議ニヨリ、特ニ推薦セラレタルモノ。
 二、特別会員 本会ノ為メ特ニ功労アルモノニシテ評議員会ノ推薦ニヨルモノ、又ハ本会ノ主旨ニ賛シ金五百円以上ノ寄附ヲナセシモノ。
 三、賛助会員 本会ノ主旨ニ賛シ、金五十円以上ノ寄附ヲナセシモノ。
 四、普通会員 毎年金五円ノ会費ヲ納ムルモノ。
第十三条 会員ハ本会主催ノ諸講演、並ニ本会施設ノ諸機関ニ対シ、本会ノ主旨ニ副フ目的ヲ以テ之ヲ利用スルノ特権ヲ有ス。
第十四条 会員ニシテ本会ノ主旨ニ反シ、若クハ本会ノ体面ニ関スル行為発表ヲナセシモノニ付キテハ、即時総裁ノ裁量ニ依リ之ヲ除名ス。
   第六章 支部
第十五条 本会ハ本会ノ事業ヲ遂行スルニ必要アル時、各国枢要ノ必需地ニ支部ヲ設置ス。
第十六条 支部ノ細則ハ評議員会ノ決議ヲ経テ之ヲ定ム。
     支部ニ属スル会員相互ノ内規ハ、評議員会ノ承認ヲ得ルニアラザレバ之ヲ実施シ得ザルモノトス。
   第七章 総会
第十七条 総会ハ特別総会・通常総会ノ二種トシ、通常総会ハ年一回之ヲ召集シ、特別総会ハ理事会ニ於テ必要ト認メタルトキ之ヲ召集ス。
 - 第38巻 p.296 -ページ画像 
第十八条 総会ノ決議ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意アルヲ要ス。
第十九条 総会召集ノ通知、其召集要件ノ内容ハ総会施行ノ十日以前ニ於テ之ヲ会員ニ通知シ、若クハ新聞紙ソノ他適当ノ方法ヲ以テ広告ス。
   第八章 役員
第二十条 本会ハ総裁一名ヲ推戴ス。
第二十一条 本会ニ左ノ役員ヲ置ク。
  一、会長       一名
  二、評議員      若干名
  三、顧問       若干名
  四、理事       若干名
  五、専務理事     一名
第二十二条 理事ハ評議員ニ於テ選任ス。専務理事ハ理事ノ互選ヲ以テ選任ス。
第二十三条 評議員ハ総会ノ推薦ニ依リ総裁之ヲ任命シ、其任期ヲ四ケ年トス、但シ再任ヲ妨ゲズ。
第二十四条 評議員会ノ召集ハ総裁ノ裁量ニヨリテ随時之ヲ施行シ、其ノ議決ハ出席者ノ過半数ヲ以テ之ヲナス。可否同数ナルトキハ議長ノ所決ニ従フ。
第二十五条 顧問ハ総会ノ推薦ニヨリテ総裁ノ承認シタルモノヲ挙ゲ其ノ任期ハ不定トス、但シ任免ハ総会ノ議決ニヨル。
第二十六条 役員ノ権限範囲ヲ定ムルコト左ノ如シ。
      会長ハ本会ノ事業事務ヲ総理シ、総会・評議員会・理事会ノ議長トナル。理事ハ本会常務ノ執行機関ニシテ専務理事之ヲ代表シ、又ハ主トシテ之ニ膺リ会長事故アル時ハ緊急ノ事件ニツキ、会長ノ職務ヲ執行スル事アルベシ
 本会役員(大正十年十月一日創立当時ヨリ現在ニ至ル)
  顧問(次第不同)
  (故) 侯爵 大隈重信   (故) 男爵 園田安賢
  (故)    江原素六       男爵 八代六郎
         野田卯太郎      子爵 渋沢栄一
      子爵 後藤新平       子爵 上原勇作
         堀内文次郎         頭山満
         内田嘉吉          押川方義
    法学博士 平沼騏一郎      侯爵 大隈信常
  理事(次第不同)
  (故)    坂本金弥   (故)    石川安次郎
         長瀬鳳輔          米沢梅吉
         岡元甚五          伊藤綱治
         淵上義雄          季起東
         松田禎輔          森茂
  評議員(次第不同)○氏名略ス
   附
 △本会トツラン会、並ニ日本回教研究会トノ関係。
 - 第38巻 p.297 -ページ画像 
  本会本部内ニツラン会亜細亜同盟本部、並日本回教研究会ヲ置ク
                           (終)


(大亜細亜協会同人代表)書翰 渋沢栄一宛 大正一五年六月九日(DK380032k-0003)
第38巻 p.297 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

渋沢栄一書翰控 稲畑勝太郎他十名宛 大正一五年一〇月二日(DK380032k-0004)
第38巻 p.297-298 ページ画像

渋沢栄一書翰控 稲畑勝太郎他十名宛大正一五年一〇月二日 (渋沢子爵家所蔵)
拝啓、益御清適奉賀候、然ハ本書持参之谷山初七郎氏ハ永く第一高等
 - 第38巻 p.298 -ページ画像 
学校教授たりし関係より御懇意に致居候処、今般大亜細亜協会の件に付、拝願致度義有之候趣を以て御紹介致候様申出、老生ハ右会に付てハ詳細を承知不致候へとも、谷山氏との従来之関係より此書相添候次第に御坐候、拝趨之節ハ寸時御引見被下候ハ、幸甚ニ御坐候、右得貴意度如此御坐候 敬具
 尚々右大亜細亜協会に付てハ、谷山氏の外数氏尽力せられ候趣ニ有之、此等之人々にも過般御面会致候処、只一回之会見にて其人となり等知悉不致候得共、其希望ハ適当之儀と存じ候まゝ御紹介申上候又会之内容等に付てハ谷山氏より御説明申上候筈に候間、御聴承被下度候
  大正十五年十月二日
                      渋沢栄一
稲畑勝太郎殿
団琢磨殿    結城豊太郎殿  大川平三郎殿
根津嘉一郎殿  木村久寿弥太殿 大倉喜七郎殿
大橋新太郎殿  神田鐳蔵殿
男森村開作殿  服部金太郎殿  以上各通