デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
4節 国際記念事業
1款 エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会
■綱文

第38巻 p.300-322(DK380034k) ページ画像

大正11年2月11日(1922年)

是ヨリ先、一月十六日当祝賀会発起人会開催セラレ、栄一ソノ会長ニ推薦セラル。是日、其祝賀会、日本工業倶楽部ニ開カレ、栄一出席シテ祝辞ヲ朗読シ、且ツトーマス・エー・エディソンニ祝電ヲ発ス。


■資料

集会日時通知表 大正一一年(DK380034k-0001)
第38巻 p.300 ページ画像

集会日時通知表 大正一一年        (渋沢子爵家所蔵)
二月十一日 土 午後四時 エヂソン氏七十年誕生祝賀会《(五脱)》
             (日本工業クラブ)


帝国発明協会沿革 同協会編 第四一頁 大正十三年一月刊(DK380034k-0002)
第38巻 p.300 ページ画像

帝国発明協会沿革 同協会編 第四一頁 大正十三年一月刊
大正十一年
 □エヂソン翁第七十五回誕辰記念祝賀会
  二月十一日
同日ハ発明王米国人トーマス・エヂソン翁ノ第七十五回ノ誕生日ニ相当スルヲ以テ、本会之カ祝賀会ノ開催ヲ主唱シ、穂積陳重・加茂正雄 長岡半太郎・密田良太郎・浅野応輔ノ諸氏、並ニ電気学会・照明学会 啓明会・蓄音器商組合・活動写真同業者等、有志団体ノ賛同ヲ得テ渋沢子爵会長トナリ、午後四時半ヨリ祝賀会並祝宴ヲ日本工業倶楽部ニ於テ開催ス、来会者会長渋沢子爵以下二百二十四名、頗ル盛会ナリキ右ニ対シ農商務大臣ヨリ金二千三百八十円ヲ発明奨励費トシテ下付セラル


ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会報告 帝国発明協会編 第一一―一三頁 大正一四年五月刊(DK380034k-0003)
第38巻 p.300-301 ページ画像

ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会報告 帝国発明協会編
                   第一一―一三頁 大正一四年五月刊
 ○第四章 第一節 祝賀会及祝宴
    ○会長渋沢子爵祝辞
閣下並に諸君
 私は我日出づる国の神武天皇即位紀元二千五百八十二年の紀元節当日に於て、我国の学会・協会・学者・政治家・実業家其他多数の紳士を代表して、輝く星の国の大発明家エヂソン翁の第七十五回の誕辰を祝賀し、翁が多数重要なる発明を完成実施して、人類に与へられたる至大至広の恩恵を感謝する為め、玆に一言するの光栄を衷心の欣幸と存じます。
 翁の為したる発明の数は洵に多数にして、何れも人類の幸福と文化
 - 第38巻 p.301 -ページ画像 
の向上に偉大の貢献を為したるものであります、就中其の最も重要なるものは電灯・蓄音器・活動写真・電気通信に関するものであります而して其電灯の炭素線の発明は我が国の旧都たる京都府八幡の竹に依り完成せられたのであります、八幡の竹は我国武士の魂と称へらるゝ刀剣の目釘に用ひられて最良のものとせられて居りますが、其竹がエヂソン翁の大慈悲心と大円鏡智とに依り、人類に大光明を与へたるは軈て我国の武士の魂が、翁により平和の大光輝を発したるものとして甚深の感興を禁ずる能はざる次第であります、フランク・エル・ダイヤー氏及トーマス・マルチン氏共著『エヂソンと其生活及発明』を見ますると、其中にエマーソンの謂つた、『汝の車を星に着けよ』との語を用いて居ます、而して又フアラデーが工業の車輪を挙げて炭田と瀑布に直に着けたと述べて居りますが、私は翁は天上の星を地下に引下して街上にも室内にも散布したりと謂ふが適当であると考へ、其功績に思ひ至つては世の暗黒を照らして万古に輝くものと存じます、翁の蓄音器及活動写真の発明も亦、実に人類発達史を飾る一大創作であると信じます、天地の創造者は人類に死を与へて永久に其生命を奪つて居ります、然るにエヂソン翁は人をして無窮に活かしめました、即ち人間の生命のシンボルたる肉声と動作とを、永久に伝へしむることに成功したのであります、斯くてビスマーク・グラツドストン・テニスン・ブロウニングは今尚生き、現代の偉人は永世不死たることを得て各人は其欲する儘に其謦咳風貌に接することが出来るのであります、故に翁は生命の創造者として、特に恵まれたる新時代の一大偉人であると信じます、且つ蓄音器や活動写真は教育上・慰安上至大の効用あるものなることを思へば、翁は人類に平和と進歩とを齎したる天使なりと存じます。
 エヂソン翁は実に偉大なる発明家であります、翁は偶然の工夫に成功して名を天下に馳せたる発見家にあらずして、卓絶せる発明的能力と強烈なる精力とを傾倒して、成功したる古今独歩の一大発明家であります、而して翁の生活は唯勤勉努力の結晶でありまして、翁が謂つた『煩悶する勿れ唯働け、然らば有ゆる障碍を排して長命を得る事疑なし』との言は、紛糾錯綜せる現代社会に取りては誠に頂門の一針であります、今や翁は其第七十五回の誕辰を迎へられたのでありますが其千余に達せる大小の発明は悉く全人類の平和と幸福とに捧げられ国境と人種との隔りを超越し、時代を透徹して拡がりつゝあります、斯くて翁は実に人類を無窮に活かしめたると共に、翁の功業も亦無窮に活きるものと存じます、翁の恵沢を感謝し翁の高寿を祝福するは人類及国家の道徳上より考慮致しまして、極めて意義深長なるべき事を信じて疑ひませぬ、玆に感謝と祝賀の熱情を披瀝し、併せて翁の健康を祈る次第であります。
  大正十一年二月十一日
             エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会
                 会長 子爵渋沢栄一
○下略
 - 第38巻 p.302 -ページ画像 

中外商業新報 第一二九〇三号 大正一一年二月一二日 祝賀と讃美に満ちた光景を米国へ 工業倶楽部で開かれたヱヂソン翁の誕生祝賀(DK380034k-0004)
第38巻 p.302 ページ画像

中外商業新報 第一二九〇三号 大正一一年二月一二日
  祝賀と讃美に満ちた
    光景を米国へ
      工業倶楽部で開かれた
      ヱヂソン翁の誕生祝賀
ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会は、予報の通り紀元節の午後五時から日本工業倶楽部に催された、先づ祝賀会長
 渋沢子 のヱ翁の功業を讃美した祝辞を劈頭に、高橋首相・内田外相・野田逓相の祝詞代読、米国大使・山本農相・後藤市長・古在帝大総長の祝辞が続く間に、此光景を親しくヱ翁に贈るべく会場内を活動写真に撮影する。式後食堂を開きデザートコースに入ると、渋沢子爵は「私がヱ翁に遇つたのは明治四十二年だから、先づ
 旧い方 であらう」と言ふと、お隣の金子堅太郎子は「私がヱ翁に遇つたのはもつと旧い、明治三十八年だ」と渋沢子を凹ませ「ニユージヤシーのヱヂソン氏の電気工場を参観した時、青服の職工長にヱヂソン氏に紹介して呉れと言ふと『お尋ねの人は貴君の前に居る』と云ふたのに吃驚した」と興味ある
 懐旧談 をした、斯て席上から会長渋沢子の名でヱ翁に左の祝電を発した
 本会は発明を奨励する為め内閣諸大臣・貴衆両院議員・大学教授・理学者・工学者、主なる実業家其他各種団体、並に日本に在住する米国大使及主なる米国人に依り組織せられたるものにして、此目的の為め、玆に日本工業倶楽部に会合し、翁の誕辰を衷心より祝賀し其長寿を祈り、翁が其天才と百折不撓の精神的・生理的勢力に依りて各種の発明を為し、人類に与へたる幸福に対し、深甚なる感謝の意を表す
    ヱ翁記念の映画筋書募集
ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会では、祝賀記念事業の一として発明思想を鼓吹する活動写真の脚本筋書を、左の規定で懸賞募集する旨発表した。因に当選脚本は大正活映の手で映画が作製されるとのことである
 △内容発明思想を鼓吹するもの(題随意)△締切五月十日△発表七月一日(雑誌「発明」七月号紙上)△擬賞脚本筋書は会に属す△懸賞金一等一千円、二等五百円各一名宛て△宛所東京丸ノ内帝国発明協会内同会
  ○「竜門雑誌」第四〇六号(大正十一年三月)ニモ同記事アリ。


集会日時通知表 大正一一年(DK380034k-0005)
第38巻 p.302 ページ画像

集会日時通知表 大正一一年        (渋沢子爵家所蔵)
二月廿四日 金 午前九時九分 大磯駅発前十一時二分大森駅着
        自動車ニテ  日蓄川崎工場へ御出向(エヂソン翁誕辰祝辞ヲレコードスル為)


(ジェー・アール・ギアリ) 書翰 渋沢栄一宛 一九二四年一月七日(DK380034k-0006)
第38巻 p.302-303 ページ画像

(ジェー・アール・ギアリ) 書翰 渋沢栄一宛 一九二四年一月七日
                     (渋沢子爵家所蔵)
 - 第38巻 p.303 -ページ画像 
   INTERNANIONAL GENERAL ELECTRIC COMPANY
Kobe Office    INCORPORATED
32 Akashi-cho  SCHENECTADY, N.Y., U.S.A.
Meikai Building
                Kobe, Japan, Jan. 7th, 1924
Viscount E. Shibusawa
  No. 2 Kabutocho
  TOKYO
Dear Viscount Shibusawa :
           THOS. A. EDISON
  I have received the enclosed letter for you from Thos. A. Edison in acknowledgment of the memento which was presented to him upon the celebration of his seventy-fifth birthday in Tokyo, with which you had so much to do.
  At the request of the Society I sent on the little present to him through the New York Office of the General Electric Company. Our officials there have now sent me the enclosed letter from Mr. Edison to you, dated Nov. 21st, asking that I deliver the same.
  Trusting it will reach you safely, I am
               Sincerely yours,
                     (Signed)
                     J. R. GEARY
(右訳文)
           (栄一鉛筆)
           一月二十八日一覧
           来状ノ写ヲ会員ニ報知スル方法如何
 東京市                (一月十一日入手)
  子爵渋沢栄一閣下     神戸、一九二四年一月七日
                 ジエー・アール・ギアリー
拝啓、予而御配慮を忝ふせるエヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会に於て同翁に御贈呈相成たる記念品は、同翁に於て確に落手せる旨申来り、尚ほ閣下宛の書状をも送付せられ候に付、玆許同封転送仕候
小生は当時右祝賀会の依頼により、紐育のゼネラル電気会社へ該記念品を送附し、伝達方を依頼致置候処、同会社より十一月廿六日附のエヂソン翁の書状を送付し来り、閣下へ伝達方依頼せられたる次第に御座候、右得貴意候 敬具
  ○ギアリハ東京電気株式会社社長。
  ○同封書翰ハ次掲。


(トーマス・エー・エディソン) 書翰 渋沢栄一宛 一九二三年一一月二一日(DK380034k-0007)
第38巻 p.303-305 ページ画像

(トーマス・エー・エディソン) 書翰 渋沢栄一宛 一九二三年一一月二一日
                         (渋沢子爵家所蔵)
                  From the Laboratory
                      of
                   Thomas A. Edison,
                     Orange, N, J.
                         November 21, 1923
 - 第38巻 p.304 -ページ画像 
Viscount E. Shibusawa
  Tokyo, Japan
My dear Sir :
  Some time ago I received your courteous letter stating that you would forward to me certain mementos which were presented to me by the Organization for the Celebration of my 75th Birthday.
  I have recently received these mementos, which are as follows :
 1. Six pair of phonographic records of an address delivered by the president of the Organization on that occasion.
 2. One reel of the kinematographic film of the scene of the meeting at that time.
 3. One desk electric lamp stand.
  These all came through in excellent condition, and have afforded me much pleasure and gratification. The unique electric lamp stand has found an honored place in my home.
  I am deeply sensible of the esteem in which I am held by my friends in Japan, and desire to express my thanks to you and to my other friends for the honor that has been conferred upon me by these manifestations of high regard.
  Let me say in conclusion that I greatly enjoyed the motion picture film, which afforded an additional reality to the mementos so kindly sent to me.
                    Yours very truly,
                    (Signed) Thos. A. Edison
(右訳文)
 東京市                (一月十一日入手)
  子爵 渋沢栄一閣下
             オレンヂ、一九二三年十一月廿一日
                 トーマス・エー・エヂソン
拝啓、小生七十五回誕辰祝賀会に於て御恵与を忝ふせる記念品御発送の趣、先般御丁寧なる貴翰によつて承知致候
然る処最近右記念品左記目録の通り正に拝受仕候
一、祝賀会当日のエヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会会長演説蓄音器レコード六枚
二、祝賀会の景況実写活動写真フヰルム一巻
三、卓上電灯台一個
右諸品何れも無事到着、多大の満足と喜悦とを以て拝受仕候
珍らしき電灯台は拙宅の恰好なる場所に配備致置候
小生が日本の諸友人より如此敬意を受け候ことは感謝に堪えざる処にして、斯る名誉を老生に与へられたる閣下及諸友人に対し厚く御礼申上候
最後に右活動写真フヰルムは非常なる愉快を以て観覧致し、御鄭重な
 - 第38巻 p.305 -ページ画像 
る御贈物に対する感謝の念、更に深きを覚え候
右御礼まで如此に御座候 敬具


渋沢栄一書翰控 トーマス・エー・エディソン宛 一九二五年一一月一一日(DK380034k-0008)
第38巻 p.305 ページ画像

渋沢栄一書翰控 トーマス・エー・エディソン宛 一九二五年一一月一一日
                       (渋沢子爵家所蔵)
            (COPY)
          Tokyo, Japan, November 11th, 1925
Dear Mr. T. A. Edison :
  Under the separate cover, we are sending you a report of the Celebration of 75th Birthday of yourself held in Tokyo on the 11th February, 1922. It has been delayed so long in sending for which we beg your thousand apologies but we have sent it on at last trusting that the proverb "better late than never" is true also here.
  We hope that you will get from this an idea of how and in what manner we Japanese have conducted the Celebration of your Birthday. It is highly satisfactory for us to learn that we Japanese have thus expressed their admiration for the hero of invention and are unanimous in wishing happiness and prosperities of the one who has done so much in promoting the welfare of mankind.
  With the kindest regards and best wishes.
  We remain,
        Sir,
            Yours respectfully,
                渋沢栄一(署名)
                E. Shibusawa
              President of the Organization
              for the Celebration of the
              75th Birthday of Mr. Thomas
              A. Edison.


(トーマス・エー・エディソン) 書翰 渋沢栄一宛 一九二五年一二月一〇日(DK380034k-0009)
第38巻 p.305-306 ページ画像

(トーマス・エー・エディソン) 書翰 渋沢栄一宛 一九二五年一二月一〇日
                         (渋沢子爵家所蔵)
          From the Laboratory
              of
           Thomas A. Edison,
             Orange, N.J.
                   December 10, 1925
Baron E. Shibusawa,
  Tokyo, Japan
My dear Baron Shibusawa :
  I have had the pleasure of receiving your letter of November 11th enclosing a report of the proceedings on the celebration of my birthday at Tokyo on the 11th of February, 1922. The letter and report have been read by me with a great deal of
 - 第38巻 p.306 -ページ画像 
 interest.
It is a source of much gratification to me to learn that I have so many friends among the Japanese, and this testimonial of their regard for me is very deeply appreciated and heartily reciprocated.
  With kindest regards, I remain
               Yours sincerely,
               (Signed) Thos. A. Edison
TAE : O
(右訳文)
          (栄一鉛筆)
          此来翰ハ発明協会長阪谷男爵に承合せ可成ハ会員一同へ印刷配付致方可然と存候事 一月八日一覧
                   (十五年一月四日入手)
 東京市
  子爵渋沢栄一閣下
            オレンヂ、一九二五年十二月十日
                  トマス・エー・エヂソン
拝啓、十一月十一日附尊書正に落手難有拝誦仕候、御手紙並に御同封の報告書により、一九二二年二月十一日東京に於て催されたる小生誕生日祝賀会の景況を、多大の興味を以て拝承仕候
小生が日本に斯く多数之友人を有し候事を知り得たるは、大いに満足する処ニ候、此等の方々の小生に対する御厚意は深く感謝致し、謹んで御礼申上ぐると共に、小生よりも深厚なる敬意を捧げ申候
右御礼まで得貴意度如此御座候 敬具


エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会書類(DK380034k-0010)
第38巻 p.306 ページ画像

エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会書類 (渋沢子爵家所蔵)
                    白石
          (別筆)
          大正十四年三月十五日開会ノ予定ナリト七字氏語ル
    商議員会順序
一、エヂソン翁七五誕生祝賀会解散決議
 (右決議後直ニ実行委員ヨリ予テ選定セラレタル特別委員清算ヲ為ス)
二、記念事業ノ処置及残余財産ノ処分方法ノ決議
 (基金ニ付テハ別紙基金規程ノ如キ規程ヲ作リ、之ニヨリ処置致度)
三、清算人ヨリノ事業報告書ノ承認
(別筆)
備考、大正十四年二月廿八日、発明協会七字魁氏来訪、子爵ニ面会、別紙翁祝賀会記念基金規程案ニ付キ御話シタルニ、子爵ハ「祝賀会ノ残金ハ凡テ帝国発明協会ニ寄贈シ、後日翁ニ関スル記念事業ヲ為ス場合ハ右寄贈金額の範囲ニ於テ、同協会ヨリ支出スルコトヽシテ、向後の会合ニ提議スル様」ト七字氏ニ語ラレタリ明六
  ○別紙略ス。
 - 第38巻 p.307 -ページ画像 

エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会書類(DK380034k-0011)
第38巻 p.307 ページ画像

エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会書類 (渋沢子爵家所蔵)
  大正十四年三月三日
                 帝国発明協会
    増田明六殿
拝啓、エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会商議員会開催通知、別添之通り発送致し候間、会長渋沢閣下へ可然御伝下され度御依頼申上候
                           拝具
(別紙)
拝啓、時下益御清勝奉賀候、陳者先年御配慮相煩候エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会、左記事項に関し来る十五日(日曜)午后四時より、丸の内日本倶楽部に於て商議員会開催候間、御出席被成下度御案内申上候
一、エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会解散決議
一、記念事業の処置及残余財産の処分方法
一、清算人よりの事業報告書の承認
  大正十四年三月一日
        丸の内帝国発明協会内
           エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会長
                   子爵渋沢栄一


ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会報告 帝国発明協会編 第一―七五頁 大正一四年五月刊(DK380034k-0012)
第38巻 p.307-322 ページ画像

ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会報告 帝国発明協会編
                    第一―七五頁 大正一四年五月刊
    ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会報告目次
 第一章 沿革及趣意
  第一節 沿革
  第二節 趣意
 第二章 組織
  第一節 会則
  第二節 役員
  第三節 事務所及分課規程並事務分掌
 第三章 事業ノ準備
  第一節 宣伝
 第四章 事業
  第一節 祝賀会及祝宴
  第二節 其他ノ事業
   其一  「フヰルム」調製
   其二  頌徳辞吹込「レコード」調製
   其三  記念品
   其四  贈呈並其礼状
  第三節 翁ノ発明ニ関スル記念講演
  第四節 蓄音器及活動写真記念興業及宣伝飛行
   其一  活動写真記念興業
   其二  蓄音器記念興業及宣伝飛行
  第五節 展覧会及工場参観
 - 第38巻 p.308 -ページ画像 
  第六節 翁ノ小伝頒布
  第七節 発明ニ関スル活動写真用脚本筋書懸賞募集
   其一  審査規程
   其二  審査員
   其三  応募ト当選
   其四  二等当選脚本筋書
   其五  著作権譲渡登録及「フヰルム」ノ調製
  第八節 記念事業
  其一  記念発明発見振興基金設置
  其二  発明発見ノ為刊行物発刊
 第五章 会員
 第六章 会計
 第七章 解散

    ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会報告
  第一章 沿革及趣意
    第一節沿革
 大発明家トーマス・アルヴア・エヂソン翁の其誕辰を祝するは、欧米に於ては殆ど年中行事の一に属し、米国は勿論英・仏・独に於ても当日は学界・実業界・官界の知名の士相寄りて翁の誕辰を祝し其高寿を祈り、其仁恵を感謝するの例なり、我国に於ては大正十年八月帝国発明協会調査委員会電気部会に於て、大正十一年二月十一日(紀元節)即ち翁の第七十五回の誕辰日に於て、其祝賀会を開催せんとの議起り同日を以て盛大に之を催さんとし、爾来帝国発明協会長阪谷男爵・宿利専務理事・電気部長浅野応輔博士・委員密田良太郎博士を中心として、学界・実業界・官界・新聞社・有志と、大正十年十二月二十七日帝国鉄道協会に之が打合せ会を催し、引続き大正十一年一月十六日帝国鉄道協会に発起人会を開く、(当日出席者末項記載の如し)阪谷男爵座長席につき会名を『エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会』と定め会則を議決し、会長には米国より帰朝途上の渋沢子爵を推薦し、無線電信により同子爵の快諾を得たり。
 而して特許局亦本会の趣旨に賛同し、発明奨励費中より金弐千参百八拾円也を交付し、本会に対し多大の援助を与へられたり。
大正十一年一月十六日帝国鉄道協会に於ける発起人会出席人名
                       (イロハ順)
 松竹キネマ株式会社経理部長          井上重正君
 逓信省電気試験所技師             丹羽保次郎君
 帝国学士院長         法学博士 男爵 穂積陳重君
 東京帝国大学教授          工学博士 加茂正雄君
 逓信省電気試験所技師             笠井完君
 電気協会                   亀山庸一君
 照明学会                   亀田軍司君
 啓明会                    笠森伝繁君
 東京蓄音器株式会社常務取締役         米山正君
 - 第38巻 p.309 -ページ画像 
 味の素鈴木商店鈴木三郎助代理         吉田敬直君
 農商務次官兼特許局長官            田中隆三君
 警視庁検閲係長                橘高広君
 東京電気業組合書記長             田中孝三郎君
 日本蓄音器商会松村武重代理          武田直治君
 東京帝国大学教授          理学博士 長岡半太郎君
 帝国発明協会理事               中松盛雄君
 高島屋飯田株式会社              植原一郎君
 農商務省工業試験所技師            野口寅之助君
 帝国発明協会副会長              久米金弥君
 蓄音器組合員                 工藤豊次郎君
 農商務省工業試験所長代理 同所技師 理学博士 山崎甚五郎君
 東京電気株式会社               山口喜三郎君
 逓信技師兼国勢院事務官            前原助市君
 東京高等工芸学校長              松岡寿君
 東京市電気局理事               益田元亮君
 帝国蓄音器商会常務取締役           松村忠三郎君
 三光堂                    松本常三郎君
 東京電気株式会社研究所長           藤井鉄也君
 日本活動写真株式会社嘱託           福良浩一君
 帝国発明協会維持会員             安藤重兵衛君
 帝国発明協会長        法学博士 男爵 阪谷芳郎君
 電気学会主事                 木村保寿君
 帝国発明協会評議員              木戸伝君
 芝浦製作所             工学博士 岸敬二郎君
 帝国発明協会理事               湯浅藤市郎君
 電気試験所技師           工学博士 密田良太郎君
 帝国発明協会評議員         林学博士 志賀泰山君
 帝国発明協会専務理事             宿利英治君
 東京電気株式会社               清水与七郎君
 日米協会主事                 芝間〓吉君
 合資会社電友社                平野利貞君
    第二節 趣意
 吾人は自然法を尊重せさるべからず、何となれば自然法は其の万能を以て、心の清き人に事ふる事を願ふものなればなり、吾人は又誠実なる才能の士に感謝せざるべからず、誠実なる才能の士生るれば万国の民これに由て富み、時代は此等誠実才能の士に依り、総括代表せられ人類の幸福文化の向上を招来せらるればなり、而して人生に重要なる発明を完成、実施したる誠実の士は実に自然法の支配者にして、また実に人類の幸福及文化の向上につき時代を総括代表するものなり、予輩は恵智尊翁に於て其実証を見る。翁は西暦一八四七年二月十一日即ち我紀元二五〇七年弘化四年、我国孝明天皇の御宇米国オハイオ州のミランに生れ、七歳にしてミチガン州ホートヒユーロンに移り、幼年時代はヒユーロン湖畔の貧家に過し、学齢に達し学校教育を受くる
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事を得ず、十二歳の時デトロイドとヒユーロン間往復の大幹鉄道の新聞菓子等の売子となり家を助け、十六歳の時車室内に化学実験器を備へ閑暇を利用して読書実験に勉め、列車の貨物室を印刷所として大幹ヘラルドと称する週間新聞を発行し、乗客大に之を便とせり、英人ステフエンソンが米国旅行の際之を購読して、二倍の年長者の経営せる新聞紙よりも優れりと賞讃し千部を購買せりと謂ふ。一日燐の容器墜落破壊し発火せし為め、車掌ステヴエンソン氏の怒を招き一切の器具を放擲せられ、列車内の実験を廃止せざるを得ざるに至れり。予輩は之に因りて皇天の偉人を大成せんとする高遠の意を窺ひ得ると共に、英傑の才鋒は常に尖鋭を表はすを見るべく、また氏が夙に新聞記者の使命の甚重大なるを認知したるを見て、予輩の頗る快感に堪へざる所なり。氏はマウント・クレメンス停車場駅長マツケンジー氏の鍾愛を受けたるが、其十五年の時一日氏と閑談の際、マ氏の愛児が今や停車せむとして徐行し来れる列車の間を横ぎり、父の許に至らむとするを見て、エ氏身を躍らして列車の間に入り、小児を拉し去り無事に之を救助したるが為め、駅長は大に其の義勇を徳とし氏に電信法を教授せり、是実に氏が電気学に親み電気に関する幾多の発明をなすに至れる端緒なりと謂ふ、予輩は又エ氏が爾後完成せる自働中継器、二重電信法、四重電信法、電話器、電灯、蓄音器、ミクロタシメーター炭素抵抗加減器、活動写真機等多数の発明が、亦人類の欠乏と危難に対して身を挺して之が救済に当る義勇と慈愛の衷情より出でたるものにして実に自然法は心の清きものに事ふることを願ふものなりとのエマーソンの言予輩を欺かざるを喜ぶ、而して十九世紀以来、人類の幸福及文化の向上に貢献したる翁の如く鴻大なるもの尠し、誠実なる才能の士生るれば万国富み、時代は此等の士により総括代表せらるとのエマーソン氏の言も亦真なるを喜ぶ、而して翁は今や七十五歳の高齢に達せり、仁者寿なりとの古語亦信なるを慶す、予輩は此の現代の代表者たる誠実才能の士、エ翁の鴻大なる仁恵を感謝し、其の康寿を祝福するは吾人の徳義上の義務たるを信ず、来る二月十一日即ち我紀元二五八一年の紀元節日は翁の七十五回の誕辰に属す、我国各種の学会・協会学者・実業家等が、此の日に於て翁に対する感謝と祝福の意を表するは、特に其意義深長なるを感ず、況や今や日米両国が一層の親善を加へ、世界の平和に貢献せんとする此秋に際し、米国の代表的人物たる翁に対する我が国民敬愛の至情を表するは、軈て我が友国に対するものたるべきを思ひ、特に其の時機を得たるものなることを信じ国民の翕然として此の挙に賛同せむことを希望して止まず。
  第二章 組織
    第一節 会則
      第一章 総則
第一条 本会ハ多数重要ナル発明ヲ完成実施シ、人類ニ至鴻至大ノ慶福ヲ与ヘタルエヂソン翁ノ仁恵ヲ感謝シ、翁ノ享ケタル天与ノ高寿ヲ祝福スルヲ以テ目的トス
第二条 本会ノ事務所ヲ東京市麹町区有楽町一丁目一番地、帝国発明協会内ニ置ク
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第三条 第一条ノ目的ヲ達スル為メ、左ノ事項ヲ執行ス
  (一)翁ノ七十五歳ノ誕辰ニ相当スル大正十一年二月十一日(紀元節)当日ニ祝賀式及祝宴ヲ開クコト
  (二)祝電・祝賀状況撮影ノ活動写真フヰルム、頌徳辞吹込蓄音器レコード、及記念品贈呈
  (三)翁ノ発明ニ関スル記念講演
  (四)蓄音器及活動写真記念興業
  (五)翁ノ発明ニ関スル物ノ展覧会開催
  (六)翁ノ小伝頒布
  (七)発明ニ関スル活動写真用脚本懸賞募集
  (八)記念事業
    (イ)記念発明発見振興基金設置
    (ロ)発明発見振興ノ為刊行物発刊
      第二章 会員
第四条 本会ハ其ノ目的ニ賛同スル者ノ加入ヲ歓迎ス
第五条 会員ノ会費ハ金弐拾円トス、但シ其外寄附金ハ素ヨリ歓迎スル所ナリ
  祝宴ニ出席スル者ハ前項ノ外金七円ヲ支払フモノトス
第六条 会員ハ祝賀式ノ写真、及エ翁ニ贈呈シタル頌徳辞吹込蓄音器「レコード」ノ実費提供ヲ受クルコトヲ得
第七条 会員ハ本会ト特約アル工場観覧ノ便ヲ得ヘシ
      第三章 役員
第八条 本会ニ左ノ役員ヲ置ク
  一、会長  一名  二、副会長 若干名
  三、顧問 若干名  四、実行委員若干名
               (内一名ハ委員長トス)
  五、商議員若干名  六、書記  若干名
第九条 会長ハ会務ヲ統理ス
  副会長ハ会長ヲ補佐シ会長故障アルトキハ之ヲ代理ス
  顧問ハ会長ノ諮問ニ応ス
  実行委員ハ会務ノ実行ヲ分担ス
  商議員ハ会務ヲ参劃ス
  書記ハ庶務ニ従事ス
      第四章 会計
第十条 本会ノ経費ハ会費及寄附金ヲ以テ之ヲ支弁ス
第十一条 基金ハ左ノ事項ニ使用スルヲ以テ目的トス
  一、発明・発見・研究・試験ニ関スル費用ノ補助又ハ貸付
  二、発明発見振興ニ関スル蓄音器「レコード」及活動写真「フヰルム」ノ懸賞募集及其興業費
  三、発明発見振興ニ関スル出版物発行
  四、其他別ニ定ムル規程ニヨリ発明発見振興ノ為必要ト認メタル事項
      第五章 解散
第十二条 本会ハ祝賀式終了後記念事業成立ニ至リタルトキ、商議員
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会ノ決議ニ依リ解散ス、但シ其決議ハ商議員会ニ於テ出席員四分ノ三以上ノ同意ニ依ル、可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル、商議員会ノ議長ハ会長ヲ以テ之ニ充ツ
第十三条 解散ノ場合ニ於テハ実行委員清算人トナル
第十四条 記念事業ノ処置及残余財産ノ処分ハ商議員会ノ決スル所ニ依ル、此ノ場合ニ於テハ第十三条ノ例ニ依ル
第十五条 清算人前条ノ実行ヲ終リタルトキハ、事業報告書ヲ作リ商議員会ニ報告シ、其承認ヲ受ケ其謄本ヲ会員ニ送付スヘシ
第十六条 本則ハ実行上ノ都合ニ依リ、実行委員ノ決議ヲ以テ多少ノ変更ヲ為スコトヲ得
    第二節 役員
本会役員氏名左ノ如シ             (イロハ順)
  会長   子爵 渋沢栄一
  副会長  男爵 阪谷芳郎   同      秦豊助
  同       小川正孝   同      片岡直輝
  同       田中隆三   同      内田嘉吉
  同       真野文二   同      イー・ダブリユー・フレーザー
  同       藤山雷太   同      古在由直
  同       荒木寅三郎  同      ジエー・アール・ギヤリー
  顧問   男爵 穂積陳重   同   男爵 大倉喜八郎
  同    子爵 大河内正敏  同   子爵 金子堅太郎
  同    子爵 高橋是清   同      仲小路廉
  同       野田卯太郎  同   男爵 山本達雄
  同       安田善次郎  同   男爵 藤田平太郎
  同    男爵 古市公威   同   男爵 後藤新平
  同    子爵 清浦奎吾   同      平山成信
  商議員     池上四郎   同      岩垂邦彦
  同       早川千吉郎  同      西野恵之助
  同       星一     同      奥村猛
  同       大井才太郎  同      大谷嘉兵衛
  同       神戸挙一   同      金子直吉
  同       長尾半平   同      永田仁助
  同       宇佐美勝夫  同      久保田政周
  同       松本留吉   同      馬淵鋭太郎
  同       福沢桃介   同      昆田文二郎
  同       浅野総一郎  同      岸清一
  同       志賀泰山   同      杉原栄三郎
  実行委員    今西林三郎  同      石川芳次郎
  同       伊東祐忠   同      林愛作
  同       浜岡光哲   同      橋倉新五郎
  同       丹羽保次郎  同      鳥潟右一
  同       岡崎正也   同      大島弘義
  同       大谷竹二郎  同      加茂正雄
  同       吉武栄之進  同      米山正
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  同       高田善彦   同      橘高広
  同       内村達次郎  同      中原岩三郎
  同       中松盛雄   同      長岡半太郎
  同       野口寅之助  同      倉地誠夫
  同   委員長 久米金弥   同      工藤豊治郎
  同       窪田勘六   同      久米民之助
  同       山野伝次郎  同      山本久三郎
  同       山口貴雄   同      山川義太郎
  同       山口喜三郎  同      山崎亀吉
  同       増田明六   同      前原助市
  同       松尾要    同      松村武重
  同       松村忠三郎  同      松本常三郎
  同       松浦和平   同      牧田環
  同       松代松之助  同      藤井鉄也
  同       小林正直   同      青柳栄司
  同       浅村三郎   同      青木大三郎
  同       浅野応輔   同      木村駒吉
  同       岸敬二郎   同      白山善五郎
  同       湯浅藤市郎  同      密田良太郎
  同       宮岡恒次郎  同      宮内国太郎
  同       塩原又策   同      宿利英治
  同       関口八重吉
    第三節 事務所及分課規程並事務分掌
 執務機関の組織成りたるを以つて分課規程を定め、実行委員以下実務を鞅掌する役員の事務分掌を左の如く決定し、帝国発明協会内に事務所を設けたり
      分課規程
第一条 本会ノ事務ハ左ノ部ニ於テ分掌ス
  一、庶務部
  二、経理部
  三、事業部
第二条 庶務部ニ於テハ左ノ事項ヲ掌ル
  一、往復文書・式辞等ニ関スル事項
  二、広告・宣伝ニ関スル事項
  三、式場及宴会ニ関スル事項
  四、記念品ニ関スル事項
  五、頌徳辞吹込蓄音器「レコード」ニ関スル事項
  六、其他他部ノ主掌ニ属セサル事項
第三条 経理部ニ於テハ左ノ事項ヲ掌ル
  一、金銭物品ノ出納ニ関スル事項
  二、予算及決算ニ関スル事項
第四条 事業部ニ於テハ左ノ事項ヲ掌ル
  一、祝賀状況撮影活動写真「フヰルム」ニ関スル事項
  二、記念講演ニ関スル事項
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  三、蓄音器及活動写真記念興業ニ関スル事項
  四、展覧会ニ関スル事項
  五、翁ノ小伝頒布ニ関スル事項
  六、発明ニ関スル活動写真脚本懸賞募集ニ関スル事項
  七、エ翁記念発明発見振興基金ニ関スル事項
  八、発明発見振興ノ為メノ刊行物発刊ニ関スル事項
  事務分掌
   庶務部       中松盛雄
             窪田勘六
             工藤豊治郎
          部長 青木大三郎
             湯浅藤市郎
             密田良太郎
             宮内国太郎
             宮岡恒次郎
             宿利英治
   事業部       丹羽保次郎
             加茂正雄
             橘高広
          部長 長岡半太郎
             山口喜三郎
             牧田環
             松代松之助
             浅野応輔
         (兼) 密田良太郎
         (兼) 宿利英治
   会計部   (兼) 中松盛雄
             内村達次郎
          部長 山崎亀吉
         (兼) 山口喜三郎
             塩原又策
         (兼) 宿利英治
右の諸員各部の事務に従事せり
  第三章 事業の準備
    第一節 宣伝
 多数重要なる発明を完成実施し、人類に至鴻至大の慶福を与へたる翁の仁恵を感謝し、翁の享けたる天与の高寿を祝福すると共に、我邦に於ける発明思想を鼓吹する上に於て最も多く参会者を誘致するの必要あるを以て、広告宣伝の方法に就ては特に考慮を費したり、其施設梗概左の如し
 一、市内日刊の各新聞紙に賛同後援を依頼し、紙上に掲載の便宜を得たり。
 一、意匠を凝したるポスター千五百枚を印刷し、公共団体・都下大学・専門学校・中等学校・高等女学校・都下各種倶楽部・全国
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活動写真常設館及六大都市に配布掲示したり。
 一、帝国発明協会々員・電気学会々員・電気関係会社各官署員・蓄音器同業組合・活動写真関係者・各県知事市町村長郡長・各大使館・貴衆両院議員・各商業会議所会頭各位に会則・趣意書・役員名其他講演会展覧会に関する事項を印刷したるものを配布し宣伝に努力したり。
 一、エヂソン翁小伝二万余を印刷頒布したり。
 一、活動写真常設館々報に当会事業掲載の便宜を得たり。
 一、雑誌発明紙上に広告す。
 一、発明協会評議員森下博氏の好意に依り、仁丹広告中に当会事業及発明思想鼓吹「活動写真脚本筋書」懸賞募集の件掲載、大阪朝日・東京朝日・読売新聞等に一頁大の広告をなす。
 一、雑誌現代公論に一頁の広告を掲載されたり。
 一、「ハンドビル」数万枚を調製都下各新聞に折込み、講演会展覧会の宣伝をなす。
 一、帝国発明協会発明奨励講演会と結び活動写真講演会を開き宣伝に努む。
  第四章 事業
    第一節 祝賀会及祝宴
 大正十一年二月十一日、即我建国二千五百八十二年の紀元節日にして、エ翁の誕辰日は朝来一天雲無く風稍々強けれども、煦々たる太陽輝き金甌無欠の帝国に光彩を添へ、星の国の偉人を祝福する如くなりし。
 会場内中央正面壇上には、日米の国旗を交叉した上に翁の近影を掲げて、之を環る万国々旗は賑な気分を漾して居つた、翁から明治天皇に献上したものと謂はるゝ螺旋仕掛の床飾籠鳥は、ゼンマイを巻けば二羽の小鳥が尾を振り舌を動かして美妙に囀るので、今日の会場にふさわしい興を添へたのであつた。
 定刻前から参会者が続々と或は遠く青森から神戸からと、数十の係員は之が迎接に忙殺せらるゝの盛況を呈した、四時頃には既に渋沢会長・阪谷男爵・金子子爵も見へ、引続き米国大使ワーレン氏・後藤東京市長・フレーザー氏・ギヤリー氏・山本農相・古在帝大総長・秦逓信次官・田中特許局長官・宇佐美東京府知事・小川国勢院総裁等来場定刻午後四時半会員着席、五時来賓着席、阪谷副会長によつて開会は宣せられた、当日のプログラム次の如し
    祝賀式及祝宴プログラム
 一、午後四時三十分    会員参集
 一、同 五時       来賓着席
   会長挨拶
   祝辞演説
 一、同 六時三十分    食堂着席
 一、同 七時       開宴
 一、デザートコース後
   会長挨拶
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   来賓演説
 渋沢会長の式辞に引続いて小畑通訳の同上英訳朗読ありて後、エヂソン翁に電送すべき祝辞につき謀り、満場一致左の電文を可決す。
            TELEGRAM
Thomas Alva Edison
West Orange, New Jersey.
  Members of the Organization for the Celebration of the Seventy-fifth Anniversary of Thomas Alva Edison's Birthday, recently formed in Tokyo under the auspices of Japanese Society for the Encouragement of Inventions, including leader of Cabinet, Members of Imperial Diet, university professors, bankers, financiers, representatives of industry and commerce as well as of legal, medical and other professions, and the American Ambassador and other leading Americans who have met together for the purpose at the Industrial Club, Tokyo, heartily congratulate you on the return of the day, and wish you long life in the enjoyment of excellent health. At the same time we wish to present to you our grateful thanks for the great benefit you have conferred on mankind by the series of inventions which were accomplished only through a singular combination of genius and mental as well as physical energy which apparently flowed out more abundantly as the obstacles presented themselves.
           Shibusawa
               President.
 右電文は即刻無線電信により亜米利加合衆国ニユージヤーシー州オレンジパークの翁の許に発した。
 次で阪谷男爵、高橋首相代理として祝辞を朗読し、続て米国大使ワーレン氏の祝辞及バレンタイン氏の其邦訳あり、内田外相代理・山本農相・野田逓相代理・後藤東京市長の祝辞及古在東京帝国大学総長の祝賀演説ありて、午後六時三十分無事目出度祝賀式を終了す。
 午後七時より引続き祝宴に移り、翁の写真を中央に宴は開かれた、デザートコースに入り左の諸氏の演説ありたり。
               会長   渋沢子爵
               副会長  阪谷男爵
               顧問   金子子爵
               副会長  フレザー氏
               同    ギヤリー氏
                    長岡博士
 午後九時渋沢会長はヱヂソン翁の為と、合衆国大統領ハーヂング氏の為めに乾盃をなし、ワーレン大使は天皇陛下の万歳を三唱、盛会裡に散会す。
 当日参会者には本会発行ヱヂソン翁小伝一部、並に同翁近影一葉宛を贈呈す、猶祝賀式状況を松竹キネマ株式会社に依嘱して活動写真に
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撮影したり、当日参会者参百余名頗る盛会なりき。
式辞及祝辞左の如し
  ○会長渋沢子爵式辞 ○前掲ニツキ略ス
  ○会長渋沢子爵式辞(英訳朗読)
            Translation
             of the
          Congratulatory Address
               by
           Viscount E. Shibusawa.
         Excellencies and Gentlemen :
  It is most fitting on this national holiday which commemorates the twenty-five hundred and eighty-second anniversary of the coronation of the first emperor Jinmu ― the founder of the nation of the rising sun, to felicitate the great inventor Mr. Thomas Alva Edison who is a citizen whose national emblem is a group of the brilliant stars on his seventy-fifth birthday and express our sincere appreciation of his farreaching contributions to humanity through his many important inventions and their applications. Therefore I count myself happy in thus being honored to be the spokesman on behalf of the scholars, statesmen, businessmen and many other wellwishers of my country for him. Mr. Edison's inventions are indeed very numerous and every one of them helps to promote the happiness of mankind and the progress of civilization. The most conspicuous of them all are the inventions of electric light, phonograph, and cinematograph. In speaking of his invention of electric light it is a strange coincidence that the bamboo which is raised in Yawata of Kyoto the ancient capital of Japan and which it has been a long practiced custom of Japan's swordsmith to use as the best materials for the rivet of sword ― the sword which is the soul of Japan's valiant knight ― was picked up by the magic hand of this inventive genius to be converted to a carbon filament, thus intimating that the bamboo which was made a torch-bearer of the world by the wise and beneficent manipulation of Mr. Edison is a happy announcement of the fact that the soul of Japan's knight has finally revealed itself as an arclight to lighten the pathway of peace through him. In the book entitled as "Edison, His Life and Inventions" Emerson's epigram ― namely ― "Hitch your wagon to a star," and the following words are given : "To all the coalfields and all the waterfalls Faraday had directly hitched the wheels of industry." But Mr. Edison brought down stars from heaven and planted them on earth, scattering them on streets and in houses. His merits will shine out as long as electric light he
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 invented continues to lighten the world. His inventions of the phonograph and the cinematograph can be said to be marvellous human creations which embellish the pages of the history of civilization. The real Creator of the universe ordained man to die.
  He forever deprived man of his life, but Mr. Edison gave mankind eternal life, in other words, he succeeded in perpetuating the living voice and gestures of man, which are the expressions of his life. Thus Bismarck, Gladstone, Tennyson and Browning are still living among us today and those heroes who are actually living now shall be immortalized to stimulate the future generations for higher life. The inventor is a unique personality in that he succeeded in making himself a creator of life. Those two machines just referred to also contribute towards the promotion of education and happiness. In this sense the inventor is an angel of progress and peace.
  The stern lesson should be never forgotten that his inventive talent unsurpassed in the past and unrivaled at present is no lucky accident, but that it is the result of his incessant toil, pouring forth his native ability and inexhaustible energy. The life of Mr. Edison is a crystallization of diligenece and persisistence. His motto : Don't worry, but work, then you will live long, scorning every obstacle ― is a panacea which can cure the deplorable tendency of modern life that feverishly hankers after the maximum compensation for the minimum effort.
  Today Mr. Edison observes his seventy-fifith birthday, and his great and small inventions numbering more than one thousand are giving joy and comfort to mankind far and wide. He not only makes man live through ages to come, but also makes his own deeds immortal. Thus as the whole world stands as his great beneficiary it is only proper for us to express our profound appreciation of his grand achievements and congratulate him for his long useful career. May he continue to do good to the world, enjoying many returns of his birthday and the best of health !
○中略
祝賀会より発したる祝電に対しヱヂソン翁より礼状到着したり。
    原文
                   February 15, 1922
Viscount Shibusawa, President,
Japanese Society for Encouragement of Inventions,
Tokio, Japan.
My dear Sir
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  Allow me to express to you and to the members of the organization which you represent my sincere and cordial appreciation of the high honor you have paid me in celebrating in Tokyo, the seventy-fifth anniversary of my birthday, on February eleventh. It is an honor of which I am justly proud.
  Will you and your confreres please accept my warmest thanks for the sentiments and good wishes conveyed to me by the cable message you so kindly forwarded.
                     Yours very truly,
                        Thos. A. Edison
    訳文
会長閣下並に祝賀会々員諸君が、東京に於て二月十一日の私の第七十五回の誕生を御祝ひ下すつた事について、私は万腔の感謝の意を表します
閣下並に会員諸君が又祝賀文をわざわざ海底電線で送つて下さつた所の熱情と御好意に対して、私は心からの御礼を申上げとう御座います
  一九二二年二月十五日
           閣下の信実なる
               トーマス・アルヴア・エヂソン
    渋沢会長殿
   第二節 其の他の事業
      其一 フヰルム調製
 本会は祝賀会当日の状況を活動写真フヰルムに調製する為め、我国に於ける映画撮影界の権威松竹キネマ株式会社に依嘱して、技師の派遣を乞ひ、祝賀会当日会場の撮影をなし二月二十日完成す、尚次項記載の会長渋沢子爵の頌徳辞吹込状況をも撮影し、英文及邦文の字幕を附したるフヰルムを三月二十五日完成す、英文字幕のフヰルムは翁に贈呈するものなり。
      其二 頌徳辞吹込レコード調製
 二月二十四日会長渋沢子爵は翁に贈呈すべき頌徳辞レコード吹込みの為め大磯より特に帰京、神奈川県川崎町なる日本蓄音機株式会社工場に赴かる、当会よりは渋沢会長・小畑通訳・久米実行委員長・中松委員以下数名同行、日蓄側よりギヤリー社長・松村専務取締役等の斡旋尽力により邦語及英語の頌徳辞吹込を了し、午後二時半同社を辞す。
 三月十一日右レコード完成す、三枚一組にして英文と和文とを含むものなり。
      其三 記念品
 翁に贈呈すべき記念品は、種々協議の結果斯道の大家渡辺香涯の意匠及設計揮毫になれる奈良朝時代の懸灯台を模せる電気スタンドを、東京美術学校に依嘱調製する事となり、二月十一日依頼四月末日完成の予定なりしが、スタンドの竹材部の節数・長さ・太さに好適なるものを求むるに意外の日子を要し、大正十二年一月二十日に至り漸く完成せり。
 懸灯台は藤原式灯台の様式に法れるものにして、蝋燭型の電球と桐
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糸柾金砂子蒔詰め切箔置上代人物を極彩色にて画ける(此絵様は王朝時代貴姫読書及書写の体とす)反射盤を設け、此反射盤の裏面は黒漆塗とし贈呈記念文を金蒔絵とす、礎盤は桐木地を弁毎に寄せて花漆仕上とし、底部に覆輪上部に菊座金具を附して気候の変化より来る木地の狂ひを防ぎ、支柱の下部は竹の重藤巻き、上部は桐木地上下に金具あり、開閉器(スヰツチ)には朱房を附す、金具は総て金メタリコンなり、構造は大略口絵写真の如し、電線は支柱を通じて礎盤後面の小孔に拠り連絡せしむ、総高三尺反射盤の径一尺一寸礎盤の径八寸なり
(口絵参照) ○略ス 懸灯台裏面に記載したる贈呈文左の如し
 (邦文)
   大発明家トーマス・アルヴア・エヂソン氏の人類に寄与せる恵沢を感謝し、且つ其寿康を祝福せんが為に之を贈呈す
    西歴千九百二十二年二月十一日エヂソン翁第七十五回誕辰に際し日本に於ける祝賀会を代表して 子爵渋沢栄一 
 (英文)
               To
           Mr. Thomas Alva Edison
               in
Token of our regards to the great services he has rendered to the human race by his many and invaluable inventions, and wishing him a long and happy life on his 75th return of his birthday, the 11th day of February, 1922.
              Viscount Eiichi Shibusawa,
                 President of the Organization for the
                 Celebration of the 75th Birthday of Mr.
                 Thomas Alva Edison.
                         Tokyo, Japan.
      其四 贈呈並に礼状
 前記三品は懸灯台の材料蒐集並に製作に意外の時日を要し、漸く大正十二年一月二十日全部の完成を見たり、而して是等贈呈品の発送に関しては、久米実行委員長よりギヤリー氏に協議の結果、氏の配慮により北米合衆国ゼネラル・エレクトリツク・コムパニー技師、エスキル・バーグ氏帰米の幸便に托する事となり、氏にフヰルム壱巻、頌徳辞レコード六組、懸灯台一基、翁に贈呈方を依嘱したり、氏はかゝる名誉ある使命を托されたるを最も光栄なりとし、之を快諾せり、会長渋沢子爵は其の際左の如き書簡を翁に致したり
 世界的に又歴史的に名誉高き我親愛なるトーマス・アルヴア・エヂソン君閣下
予は昨年我国に於て挙行したる君の第七十五回誕辰祝賀会より貴下に贈呈する記念品
一、貴下の世界人類に与へられたる功績を頌する辞の蓄音器のレコード六組
一、エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会の景況を撮影したる活動写真のフヰルム壱巻
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一、貴下が世界人類に与へられたる光明を高調すると同時に、貴下の功績が日本と親密なる関係を有する事を喜ぶの意を寓したる卓上電灯器壱基
の製作漸く完成したるを以て、同祝賀会を代表して之等を貴下に贈呈するを光栄とす。
貴下は本年第七十六回の誕辰を迎へられたるも益々壮健にして、世界人類の幸福の為め尽力せられ、老の至るを知らざるが如し、予は貴下が長へに健康を保ち、人類界の為め益々創造に努められん事を衷心より切望して止まざるなり。
  西暦千九百二十三年四月十二日
             エヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会
               会長 子爵 渋沢栄一
 (右英文)
                    April, 12, 1923
To :
  Mr. Thomas Alva Edison,
  the Greatest Inventor in the World.
    Orange, New Jersey.
My dear Sir,
  In behalf of "the Organization for the Celebration of the 75th Birthday of Mr. Thomas Alva Edison," I have the honor of forwarding you the following articles which we decided to present you when the 75th anniversary of your birthday was observed here in Tokyo last year :
1. Six pairs of phonographic records of an address delivered by the President of the Organization on that occasion bearing on your great services to mankind.
2. One reel of the kinematographic film of the scene of the meeting at that time.
3. One desk electric lamp stand.
  Of these, the last named article was prepared for you as an emblem of marvellous light with which you are illuminating the human mind, and also as a reminder of a very close relationship which your great works have with Japan.
  In presenting these mementoes, it gives us a great pleasure to know that you have welcomed in good health another return of your birthday and we sincerely wish that you may continue to enjoy your life so as to further enrich the world with your creative genius.
              Yours very truly,
             Viscount E. Shibusawa,
              President of the Organization for
              the Celebration of the 75th Birthday
              of Mr. Thomas Alva Edison.
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  Tokyo, Japan
エスキル・バーグ氏の尽力により、記念品は無事翁の手許に着し、大正十三年一月十一日左の如き翁の礼状、会長渋沢子爵に到着したり。
○中略
  第七章 解散
大正十四年三月十五日、ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会規則第十二条・第十四条及第十五条ニ依リ、商議員会ヲ日本倶楽部ニ開キ左ノ通リ決議セリ
一、会則第十二条ニ依ル商議員会ニ於テハ、全会一致ヲ以テ本会ヲ解散スルコトヲ決議ス
二、清算人ハ直チニ清算ヲ遂ケ商議員会ニ報告シ、商議員会ハ之ヲ承認シタリ
三、会則第十四条ニ依ル商議員会ニ於テ、残余財産ノ所有権ヲ帝国発明協会ニ移転シ、基金ハ別紙参考案ノ趣旨ヲ参酌シ、規程ヲ設ケ之ヲ管理スヘキコトヲ全会一致ヲ以テ議決セリ
四、会則第十五条ニ依ル商議員会ニ於テハ、事業報告ヲ承認シタリ
 ○決議第三ノ所得基金ニ関スル別紙参考案左ノ如シ
    ヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会記念基金規程
第一条 本基金ヲヱヂソン翁記念発明奨励基金ト称ス
第二条 本基金ハヱヂソン翁第七十五回誕辰祝賀会々則第十一条第一号、乃至第三号及帝国発明協会評議員会ノ決議ニ依リ、必要ト認メタル事項ニ使用ス
第三条 本基金ハ元本ヲ消費スルコトヲ得ス、但シ帝国発明協会評議員会ノ議決ヲ経、十年以内ニ回収ノ見込アル事業ニ使用スルハ此ノ限ニ在ラス
第四条 本基金ノ支出ハ帝国発明協会調査委員会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
第五条 本基金ハ特別会計トシ、其ノ予算及決算ハ評議員会ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
                           終り