デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和2年5月12日（1927年）

是日栄一、アメリカ合衆国人ウィリアム・イー・グリフィスヲ、飛鳥山邸ニ招キテ午餐会ヲ催ス。

集会日時通知表　　昭和二年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
五月九日　　月　午前十一時半迄ニ　日本女子大学校ニ御向
　　○中略。
五月十二日　木　正午　　　　　　　グリフィス博士夫妻招待午餐会（飛鳥山邸）
　　○中略。
六月九日　　木　午後二時―五時　　グリフィス博士講演会（上野自治館）

竜門雑誌　　第四六五号・第七九頁　昭和二年六月
　　　　青淵先生動静大要
　　　　　　五月中
十二日　グリフィス博士夫妻招待会（曖依村荘）○下略

招客書類（二）　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　グリフィス博士招待午餐会、於飛鳥山邸
　　昭和二年五月十二日正午
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（太丸・太字ハ朱書）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○グリフイス博士
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○阪谷男爵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○穂積歌子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○鳩山春子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○石井筆子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○黒田琴子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○麻生正蔵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○上代たの子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○井上秀子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○正田よし子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　欠阪谷琴子
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○主人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　○小畑久五郎
　　　　　　　　　以上〆十五人内
　　　　　　　　　　　　　出席十四人
 - 第39巻 p.468 -ページ画像 
　　　　　　　　　　　　　欠席　一人
　料理　東洋軒　スープハスツポン、酒ナシ、シトロン、サイダー
　一、接待順序　先ヅ青淵文庫ニ御参集ヲ乞ヒ暫時御会談、午後〇時半頃ヨリ西洋玄関ヲ経テ食堂（書院）ニ入ル、食事後書院前庭ニテ記念撮影、終テ庭内案内ノ後晩香廬ニテ紅茶ヲ差上グ、玆処ニテ御散会

（原田助）書翰　　増田明六宛　（昭和二年）七月九日　　　（渋沢子爵家所蔵）
　東京　　　　　　　　　　　　　　七月九日　原田生
　　増田明六様　几下　　　　　　　　二、七、二三落手明六
○上略
グリフイス翁当地ニテ二週間滞在ノ後、本二日大陸ヘ出発セラレ申候日本ニテハ上下朝野ヨリ非常ノ大歓待ヲ蒙レリトテ心カラ感謝シオラレ申候、殊ニ渋沢子爵ニ両回交話ノ機会ヲ与ヘラレシ事ヲ喜ビ居ラレ申候、同博士歓待ニ就テハ定メテ貴台及小畑兄ニ種々御面倒ヲ煩シタル事ト存申候、併セテ御礼申上候也、先ハ拝酬旁匆々敬具

英文紹介状往翰（一）　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
控
拝啓、益御清適奉賀候、然ば今より六十年前我国に於て教化事業に従事し、ミカドス・ヱムパイアの著述を以て有名なる米国人ウヰリアムイー・グリフイス博士（八十四歳）は、旧臘来夫人同伴当地に滞在致居候処、昨十七日出発関西・九州・四国・北陸地方より進んで朝鮮まで漫遊の途に就かれ候、其主たる目的は更に日本に関する著書を為して世界に紹介せんとするに有之候間、可成其視察上の便宜を与へ度と存候に付ては、貴市拝訪の際は御迷惑ながら御差支無之限り相当御便宜御与へ被下候様願上候　敬具
　　昭和二年一月　日
　　　神戸商業会議所
　　　　会頭　　鹿島房次郎殿
　　　大阪商業会議所
　　　　副会頭　森平兵衛殿
　　　京都商業会議所
　　　　会頭　　浜岡光哲殿
　　○本資料第三十五巻所収「日米関係委員会」昭和二年一月十四日ノ条参照。