デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
5節 外賓接待
15款 其他ノ外国人接待
■綱文

第39巻 p.683-692(DK390301k) ページ画像

昭和5年5月1日(1930年)

是日栄一、アメリカ合衆国人デフォレスト・グラントヲ、飛鳥山邸ニ引見シ、日米問題ニ関シテ討論ス。


■資料

総長ト外国人トノ談話筆記集 【米人デフオレスト・グラント氏飛鳥山邸を訪問す】(DK390301k-0001)
第39巻 p.683-690 ページ画像

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(ダーウィン・ピー・キングズリー)書翰 渋沢栄一宛 一九三〇年一月三一日(DK390301k-0002)
第39巻 p.690-691 ページ画像

(ダーウィン・ピー・キングズリー)書翰  渋沢栄一宛 一九三〇年一月三一日
                       (渋沢子爵家所蔵)
         Darwin P. Kingsley
      51 MADISON AVENUE, MADISON SQUARE
           NEW YORK, N. Y.
                  January 31, 1930
My dear Viscount :
  I have given a brief and formal letter of introduction to you to Mr. and Mrs. Deforest Grant of 320 Park Avenue, New York City. I am writing this note to tell you a little more about them than I could conveniently in a letter of introduction.
  Mr. Grant is a graduate of Yale and both he and his wilfe are cultivated and delightful people. He is a member of the principal clubs around New York.
 - 第39巻 p.691 -ページ画像 
  They are great travellers and if you can give them any time I am sure you will find them very representative and interesting people.
             Very truly yours,
              (Signed) D. P. Kingsley
Viscount Eiichi Shibusawa,
 2 Itchome Marunouchi Kojimachiku,
 Tokyo, Japan.
P.S. I have no knowledge of when the Grants may visit Japan. As I have said, they are great travellers. There is apparently nothing you can do until they formally announce themselves if they do.              DPK
(右訳文)
          (栄一鉛筆)
          五年四月二十八日一覧、紹介人会見の後相当之回答発送可致事
 東京市                 (二月廿四日入手)
  渋沢子爵閣下
   一千九百三十年一月卅一日
          紐育市 ダーウイン・ピー・キングスレー
拝啓、益御清適奉賀候、然ば今般閣下宛の簡単なる紹介状を紐育市パーク・アヴエニユー街三百二十番地、デフオレスト・グラント氏夫妻に交附致候に付き、別に稍や委敷申上度本書拝呈仕候
グラント氏はエール大学の出身にて夫妻共に教養あり且愉快なる人々に御座候、同氏は紐育市内外に在る主なる倶楽部の会員にて夫妻共大旅行家に有之候
貴市拝訪の際、幸に御引見を賜はらば本人等の光栄と存候、閣下に於かせられても興味を以て斯る代表的人物に御会見被下事と拝察罷在候
                           敬具
 追伸 グラント氏夫妻は何日頃日本に到着致すや存じ申さず候、前述の通り大旅行家に候へば、貴地到着次第御都合御伺申上候事と存候 草々


渋沢栄一書翰控 ダーウィン・ピー・キングズリー宛 一九三〇年五月二二日(DK390301k-0003)
第39巻 p.691-692 ページ画像

渋沢栄一書翰控  ダーウィン・ピー・キングズリー宛 一九三〇年五月二二日
                   (渋沢子爵家所蔵)
(別筆)
                   五月七日御一覧済
    案
 紐育市
  ダーウイン・キングスレ殿
   千九百三十年五月二十二日    東京 渋沢栄一
拝復益御清適奉賀候、然者去一月卅一日付尊書を以てデフオレスト・グラント氏夫妻御紹介被下、興味を以て拝読仕候、同氏夫妻御上京の際老生秘書をして其ホテルを訪問為致拝光の期を約し、右によつて去る一日飛鳥山拙宅へ尊来被下御懇談仕候、唯夫人が北京以来の風邪御静養中の為、尊来を不得残懐の至に御座候
 - 第39巻 p.692 -ページ画像 
グラント氏は来示の通り意見ある人にして種々の問題に付談話し、特に移民問題に付大に論じ申候、不幸にして氏の議論と老生の主張とは遂に完全に一致するに至らざりしも、其信ずる所を御明示相成候は又面白く、且斯く赤裸々に磊塊を吐露せられ候人は、了解も亦従つて早かるべきを信じ欣慰罷在候、グラント氏の脈管には新英蘭土に移住したる清教徒の血液を蔵せるが如く、其信ずる所に厚く其弁ずる所多きは蓋し得がたき所なるべくと存候
懇切なる御紹介によりかゝる人々と相知り議論を交へ得たるは、老生の最も欣快と致す所に御座候
右拝復旁事情御報告申上度如此御座候 敬具