デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正12年9月（1923年）

是月以降、関東大震火災ニ対シアメリカ合衆国及ビ其他ノ国ノ栄一ノ関係団体及ビ友人ヨリ、栄一ニ見舞及ビ災害救援ノ申出アリ。栄一其都度其厚意ヲ謝シ、希望ヲ回答ス。

49．　ジョージ・ダブリュー・ウィカシャム

（ジョージ・ダブリュー・ウィカシャム）書翰　渋沢栄一宛一九二三年一〇月一九日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　40 Wall Street
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　New York
　　　　　　　　　　　　　　　　　　October 19, 1923
His Excellency,
　　　The Viscount Shibusawa,
　　Tokyo, Japan.
My dear Viscount :
　　I am most gratified to receive your letter of September 13th, and to know that you escaped the great disaster which overwhelmed your city, and that not only did you escape with your life, but that the members of your family are safe and your house but slightly damaged. All of your many friends in this country were most concerned as to your safety when they heard the news of the disaster, and all are deeply thankful that you have been spared for a continuance of your great usefulness to your country and to humanity.
　　With sincerest regards, believe me to be,
　　　　　　　　　　　　　　Yours faithfully,
　　　　　　　　　　　　(Signed) Geo. W. Wickersham
GWW-B
（右訳文）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（栄一鉛筆）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　十一月二十八日一覧
　　　　　　　　　　　普通之謝意を以て回答案作成可致事
　東京市　　　　　　　　　　　　　　　　（十一月十五日入手）
　　子爵渋沢栄一閣下
　　　　　　　　　　　　　　紐育、一九二三年十月十九日
　　　　　　　　　　ジョージ・ダブルユー・ウヰツカーシヤム
拝啓、九月十三日附の貴翰正に落手難有拝誦仕候、今回の大震災に際し、閣下には無事難を免れられ候のみならず、御家族御一同も御無事又御邸宅も被害僅少なりし由何よりの事と欣賀罷在候、米国の閣下の友人は震災の報に接するや、御安否につき深く憂慮致居候、然る処幸にも御無事にて、国の為、人道の為、益々御尽瘁可相成由を承り感謝
 - 第40巻 p.244 -ページ画像 
に不堪候
右御返事旁々御慶まで如此御座候　敬具
　　○右書翰ニ対スル返翰ニツイテハ、ジャッジ・イー・エッチ・ゲーリー宛大正十二年十二月三十日付栄一書翰参照。同文ナリ。
　　○是ヨリ先栄一、十月十二日付ヲ以テ、ジョージ・ダブリュー・ウィカシャムニ宛テ、エッチ・イー・コールマン紹介状ヲ、コールマンニ手交ス。ロバート・エヌ・リンチ宛同日付書翰参照。同文ナリ。