デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正13年6月10日（1924年）

是日藤山雷太、ジャワ在住ドイツ国人実業家ヘルフェリヒヲ自邸ニ招キテ園遊会ヲ催ス。栄一臨席ス。

中外商業新報　　第一三七四四号大正一三年六月一一日
　　　　藤山邸の外人招待
　　　　　　名士数百の歓会
藤山雷太氏は十日午後二時芝の自邸に、目下来朝中のジヤワ実業家独人ヘルフエリヒ氏を招待し、新緑の庭中に席を設け、江木文相・藤村逓相・鎌田・岡田前文相・鶴見農商務次官・渋沢子・大倉男・浅野総一郎・団琢磨・有賀長文・福井菊三郎・大橋新太郎・小池国三・藤原銀次郎・磯村豊太郎の諸氏を始め朝野の名士数百名もこれに来り会した。時節柄華美を避けた茶菓の饗に清興を尽し、席上藤山氏から氏を紹介、ヘ氏また立つて一場の挨拶を述べ、花時にまさるといふ緑蔭幽草の間に遠来の客を中心にして歓談時を移した

（増田明六）　日誌　　大正一三年　　　　　（増田正純氏所蔵）
六月九日　月　雨
○上略
午後五時蘭領東印度在住コミール・ヘルフヱリツヒ氏の為に日本工業倶楽部会員有志及南洋協会々員有志主催歓迎晩餐会に出席す、和田義正・酒井直経両氏を同伴す、同氏の演説（幻灯付）ありしも特ニ新らしき事もなかりき