デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和3年3月12日（1928年）

是日栄一、アメリカ合衆国人ロドマン・ワナメーカー死去ノ報ニ接シ、弔詞並ニ名誉棺側受諾ノ旨ヲ返電ス。

（ジョン・ワナメーカー）電報　　渋沢栄一宛一九二八年三月一〇日
　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　Philadelphia
　　　　　　　　　　　　　　　　　March 10, 1928
VISCOUNT SHIBUSAWA, ASUKAYAMA, TOKIO
　　WILL SINCERELY APPRECIATE IT IF YOU WILL ACT AS HONORARY PALLBEARER AT FUNERAL OF MY FATHER HONORABLE RODMAN WANAMAKER ON MONDAY NEXT 200 PM STMARKS CHURCH PHILADELPHIA
　　　　　　　　JOHN WANAMAKER JR
（右訳文）
　　　　電報（翻訳）　　　　　　　（三月十一日入手）
 - 第40巻 p.587 -ページ画像 
　東京飛鳥山
　　渋沢子爵閣下
　　　　　　　　　　　　　　　　ジヨン・ワナメーカー（小）
来る月曜日午後二時、費府聖マルコ教会に於て父ロツドマン・ワナメーカーの葬儀相営み候に付ては、閣下が名誉棺側たる事を御承諾被下候はゞ光栄の至りに存候

渋沢栄一電報控　　ジヨン・ワナメーカー宛昭和三年三月一二日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　返電
　費府
　　ジヨン・ワナメーカー（小）殿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東京　渋沢栄一
尊大人御逝去の訃報に接し哀悼の至りに堪へず、名誉棺側の儀御受け申す、遠隔の為め御会葬叶はざるを遺憾とす
　　昭和三年三月十二日

渋沢栄一電報控　　ロドマン・ワナメーカー夫人宛昭和三年三月一二日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　　　　　　（栄一鉛筆）
　　　　　　　　　三月十二日一覧、二様之電報通信ハ即時に処理したり
　　　　電報
　費府
　　ワナメーカー令夫人殿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東京　渋沢栄一
新聞紙上にて御良人逝去せられたる由の可悲通信を見驚愕哀悼の至りに堪へず、深く御愁傷を拝察し謹んで弔意を表す
　　昭和三年三月十二日