デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和2年5月12日（1927年）

是日栄一、重ネテ当会副会長ニ推サル。

斯文　第九編第六号・第六三頁昭和二年六月
　　　　○常議員会
　五月十二日午後四時より、本会事務所に於て常議員会を開く、現在常議員三十五名中、出席者委任状を合せて三十二名にして、大多数なり。寄附行為第四十六条に依り会長・副会長の推薦を為すに当り服部総務の発議により
　会長は徳川公爵に重任を請ひ、副会長は都合に依り二名を推薦することゝし、渋沢子爵及び阪谷男爵に重任を請ふの件は
一人の異議を唱ふる者なく、満場一致を以て之を可決せり。
　　　○右常議員会ニハ栄一出席セズ。

斯文　第九編第六号・第六二―六三頁昭和二年六月
　　　　○寄附行為変更認可
　本会寄附行為変更申請の事は前号に掲載せしが、四月十五日付文部大臣より認可の指令書を、同月二十七日本郷区役所より受領せり。其の改正の条文左の如し。
　第十四条　会長・副会長ハ常議員会ニ於テ之ヲ推薦ス、会長・副会長ノ任期ハ五年トス、但シ重ネテ之ヲ推薦スルコトヲ得
　第十五条　総務・会幹・部長及監事ハ常議員会ニ於テ之ヲ互選ス、但シ本部部長ハ総務之ヲ兼ヌルモノトス、総務・会幹及部長ヲ以テ理事トス
　第四十六条　本寄附行為第十四条二於テ会長・副会長ノ任期ヲ定メタルニ付、新ニ議員会ニ於テ推薦ヲ為シ、同時ニ従前ノ会長・副会長ハ其任務ヲ終了シタルモノトス

斯文　第九編第六号・第六三―六四頁昭和二年六月
　　　　○服部総務辞表及重任
　本会総務服部博士は去る三月二十四日、密封せる辞表を本会書記に手交し、五月十二日の常議員会後、之を開封して理事に提出し、辞意甚だ固かりしが、列席の理事一同は其の留任を切望し、又特に徳川会長及び渋沢・阪谷両副会長も同総務の在任を希望せるにより、遂に更めて重任することとなれり。