デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
2節 神社
7款 日光東照宮三百年祭奉斎会
■綱文

第41巻 p.597-599(DK410125k) ページ画像

大正3年(1914年)


 - 第41巻 p.598 -ページ画像 

是年、栄一当奉斎会ニ金二千円ヲ寄付ス。


■資料

竜門雑誌 第三一一号・第七九頁大正三年四月 ○東照宮三百年祭奉斎会(DK410125k-0001)
第41巻 p.598 ページ画像

竜門雑誌 第三一一号・第七九頁大正三年四月
○東照宮三百年祭奉斎会 昨年九月来、青淵先生に於て会長として尽力せらるゝ東照宮三百年祭奉斎会にては、事務所を麹町区内幸町一丁目三番地に設け着々事業の進捗を計りつゝあるが、紀念事業の重なるものを挙ぐれば、宝物陳列館建設・貴賓接待所建設・防火設備・杉並木延長十里の補植及び参拝者休憩所並臨時講話所建設等にして、要は世界の公園たる日光の風致を保護し霊境の尊厳を発揚すると共に、併せて参拝観光者殊に多数の外国人を致し国益に資するに在り、今回は之等の為に要すべき費用及び上野東照宮祭典費及募集を併せて其予算を約二十四五万円とし、祭典費二万円の外は全部を前記紀念事業及保存費に充当する予定にして、其費額募集の予定は栃木県三万円・東京府市郡十七万円・地方五万円にて、其中今日迄に決定したるは三井・古川両家の一万円、青淵先生二千円・第一銀行千円・大日本麦酒会社一千円・栃木県有志三万円にて、凡て今回の寄附者には夫れ夫れ応分の待遇を為し、又た紀念的贈物を頒つ由、猶ほ奉斎会の事業と全く別なれども、岡田栃木県知事等の企図として、日光・塩原を聯結し一大世界的遊園たらしめんとする計画も進捗しつゝありと


竜門雑誌 第三一八号・第六六頁大正三年一一月 東照宮三百年祭奉斎会(DK410125k-0002)
第41巻 p.598 ページ画像

竜門雑誌 第三一八号・第六六頁大正三年一一月
○東照宮三百年祭奉斎会 同会々長青淵先生及役員の鋭意熱心斡旋の結果、宮内省御下賜金一万円・鉄道院五千円・徳川家一門の三千九百四十九円以下個人の寄附額は第一回の報告に於て既に五万余円に達したるを以て、今後益々規模を拡張し所期の目的を貫徹する筈にて、一切の事務は華族会館内に於て取扱ひ居れりと。


集会日時通知表 大正四年(DK410125k-0003)
第41巻 p.598 ページ画像

集会日時通知表 大正四年         (渋沢子爵家所蔵)
三月十九日 金 午後六時 東照宮三百年奉斎会幹事会(ホテル)


渋沢栄一 日記 大正四年(DK410125k-0004)
第41巻 p.598 ページ画像

渋沢栄一日記 大正四年          (渋沢子爵家所蔵)
三月廿四日 半晴
○上略 午前十一時東京市役所ニ抵リ、高橋助役ニ面会シテ○中略東照宮三百年祭寄附金ノ事○中略等ヲ談話ス、又東京府庁ニ抵リ、久保田知事ニ面会シテ東照宮三百年祭寄附金ノ事ヲ依頼ス○下略


竜門雑誌 第三二二号・第八五頁大正四年三月 ○東照宮三百年祭奉斎会(DK410125k-0005)
第41巻 p.598-599 ページ画像

竜門雑誌 第三二二号・第八五頁大正四年三月
○東照宮三百年祭奉斎会 同会にては既報の如く目下基金募集中なるが、之に就きて同会々長青淵先生には東京日々新聞記者に対し左の如く語られたる由
 「三百年祭は来る四月十七日の新暦を利用するのと、又旧暦の同日に執行するのと、又九月に執行するのと区別がある、夫は新暦は東京で旧の方は日光で執行するのであるが、祭典執行方法に就ては宮司の受持で今自分に於ては之と云つてお話する程の事はない、然し
 - 第41巻 p.599 -ページ画像 
基金は目下七・八万円集まつて少くも募集締切迄には十五・六万円には達する見込であるが、或は予定の二十万円に達しないかも知れない、要するに此基金は三百年祭を期し紀念として日光に貴賓館を設け、而して日光廟の宝物を陳列して参拝者の参観に供し、其他神園の手入もしたいし、猶同所には消防の設備が全くないから是等を完全にしたいと思ふのである」云々