デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
3節 寺院及ビ仏教団体
2款 金竜山浅草寺関係 2. 浅草寺観音会
■綱文

第42巻 p.40-44(DK420007k) ページ画像

大正13年7月19日(1924年)

是日栄一、浅草寺観音会顧問ニ推サル。次イデ十一月十四日、浅草寺伝法院ニ於テ当会発会式挙行セラル。


■資料

浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0001)
第42巻 p.40 ページ画像

浅草寺関係書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)

        渋沢栄一殿
 嘱託浅草寺観音会顧問
  大正十三年七月十九日
                浅草寺貫首
                  大僧正 救護栄海


浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0002)
第42巻 p.40-41 ページ画像

浅草寺関係書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
謹啓
去ル十九日既報ノ如ク本会創立委員会ヲ開会シ、座長ニ高木益太郎氏ヲ推挙シ議事ヲ進メ、別紙ノ如ク会則・趣意書ヲ議決シ、委員ヲ推薦シ、幹事ノ任命アリ、更ニ該幹事合議ノ上顧問ヲ推薦シ、盛況裡ニ閉会仕候、就而ハ貴下ヲ本会顧問トシテ、諸事御指導ニ預リ度、此段御報告旁御願迄、如此ニ御坐候也 敬具
  大正十三年七月廿二日
 - 第42巻 p.41 -ページ画像 
                 浅草寺観音会長
                   大僧正 救護栄海
                       外幹事一同
    渋沢栄一殿


浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0003)
第42巻 p.41 ページ画像

浅草寺関係書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    浅草寺観音会趣意書
惟ふに、宗教の隆昌なる国家人類は必ず栄へ、其の昌へたる邦家万民も、宗教の衰亡と運命を共にするは、古今東西其例に乏しからず、近く東洋に於て見るも、印度に在りては仏教と乖離するや再ひ振ふ能はす、支那亦泰西独乙国と比肩して東洋随一の哲学国・宗教国たりしも仏教衰微するや徒らに紛争の巷と化す、其他之に類するの例枚挙に遑あらず、翻つて我か日本現下の社会相を観るに、明治維新の廃仏毀釈に依りて千数百年来我か国民思想を涵養し来れる仏教を廃毀したりしも、更に之に代るへき宗教・道徳・哲学あることなし、玆に於て国民は徒らに其帰趨に迷ひ、中心に惑へる折しも、滔々たる外来文物の輸入に依りて愈々其方向を失するに到れり、斯くして我か国民思想中より敬神崇仏の念慮を失ひ、而も科学文明の堵に安んせず、国民挙げて唯『不安』の一語に尽く、憂国の士何人か之を哀しまざらん、吾等此の状を視て深く憂慮する玆に年あり、今や本邦随一の霊場浅草観世音の冥護顕益に依つて、之を匡救せんと欲し、観世音の鴻徳を理解し、以て大慈大智大無畏の一大人格を修養せんとし、其の同信同行の相集る団体として、浅草寺観音会を創立す、冀くは吾等の微意を諒とし、振つて入会せられ、以て大日本帝国をして万歳の泰きにおかしめ、進んでは広く東西の大平和に光被せられんことを望む

      本会顧問(次第不同)
  渋沢栄一   高木益太郎  横田千之助
  太田信治郎  沢柳政太郎  頼母木桂吉
  安藤正純   岩崎勲
      本会創立委員(次第不同)
  松崎孫太郎  毛塚常七 ○外六十一名氏名略ス


浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0004)
第42巻 p.41-42 ページ画像

浅草寺関係書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    浅草寺観音会清規
第一条 本会は浅草寺観音会と称し、浅草寺内に設く
第二条 本会は観世音菩薩を信仰し、正しく其教を理解し、且之を内外に宣揚するを以て目的とす
第三条 本会の目的を賛する人は、本会役員の紹介に依り入会することを得
第四条 本会は其目的を達成する為左の事を行ふ
 一、毎月信仰講演会を開催し、思想の善導に努むる事
 - 第42巻 p.42 -ページ画像 
 一、毎月信仰に関する小冊子等を発行し、会員に配布す
 一、仏典の研究及講義
第五条 本会に左の役員を置く
 一、会長 一名 一、顧問 若干名
 一、評議員 若干名 一、幹事 若干名
第六条 会長は浅草寺住職を推戴す、顧問及評議員は幹事合議の上之を推薦す○中略
  ○以下第七条ヨリ第九条マデ略ス。
第十条 会員は会費として年額金参円を納付すべし
                        以上


渋沢栄一書翰 控 救護栄海宛(大正一三年)七月二五日(DK420007k-0005)
第42巻 p.42 ページ画像

渋沢栄一書翰 控  救護栄海宛(大正一三年)七月二五日 (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 益御清適奉賀候、然は本月廿二日付御書面落手拝見致候、然者貴会顧問御引受致候様御懇嘱に候処、過般の御来談は沢柳氏と共に浅草寺信徒総代たることを御勧誘有之、御引受致候儀にて、観音会顧問に付ては御示し無之候様存じ候、就ては何か行違かと存じ候間、御伺申上度如此御座候 敬具
  七月廿五日
                    渋沢栄一
   浅草寺観音会
    会長 救護栄海殿
尚々御嘱託書・規則書等一括御返付致候間、御受取被下度候
  ○右ノ栄一ノ書翰ニ対スル浅草寺ノ返信ヲ存セズ。八月一日付ヲ以テ信徒総代就任ニ対スル礼状ノミアリ。(本款第一項「金竜山浅草寺」所収)蓋シ観音会顧問ノ職モ信徒総代トシテ当然就任ヲ見ルニ至リシモノカ、後掲ノ如ク同会顧問ノ肩書ヲ以テ歿年ニ至ルマデ当会ノ案内状ヲ受ク。


浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0006)
第42巻 p.42 ページ画像

浅草寺関係書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
              (別筆朱書)
              大正十三年十月二十二日
                   浅草寺観音会々長
                    大僧正救護栄海氏
謹啓、秋冷之候益々御多祥奉賀候、然ハ予テ顧問トシテ御配慮ヲ蒙リ居候本会モ、愈々来ル十一月十三、四、両日頃発会式挙行仕度候、就テハ是非閣下ノ御臨場ヲ得テ、御講演ヲ願度、右両日間之中於テ御都合被下得ル日付、乍恐縮御一報被成下度奉願候、尚発会式ハ賑ハシク挙行仕度候ニ付、何卒万障御一排御出席被成度、特ニ願上候 敬具
  大正十三年十月二十二日   浅草寺観音会々長
                 大僧正 救護栄海(印)
   本会顧問
    子爵 渋沢栄一閣下


浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0007)
第42巻 p.42-43 ページ画像

浅草寺関係書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
            (別筆朱書)
             大正十三年十月二十八日
                 浅草寺観音会々長
                  大僧正救護栄海氏
 - 第42巻 p.43 -ページ画像 
拝啓
先般本会発会式に就而子爵閣下之御臨場を仰く為め御都合相伺候処、早速御返事被下難有拝誦仕候、就而は閣下之御都合を主として、来る十一月十四日午前十時に挙式する事に決定仕候間、此旨御上申之上、是非御臨席、一場之御挨拶被下候様御取計被下度、此段得貴意申候、尚印刷物等出来上り候上は御送附可申上候 早々
  大正十三年十月廿八日
             浅草寺観音会々長
              大僧正 救護栄海浅草寺印
   本会顧問子爵渋沢栄一閣下
    執事 酒巻幾三郎殿


浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0008)
第42巻 p.43-44 ページ画像

浅草寺関係書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
謹啓、来ル十四日観音会発会式に際し、予て御願ひ申上候通り、本会顧問として会員に対し一場の御挨拶を願ひ度、別紙プログラムの通り印刷配布仕候間、何卒万障御繰合セ御賁臨被下度願上候
 尚本会も会員数約千三百名に達し候に付、併せて御報告申上候
  大正十三年十一月九日
                浅草寺観音会々長
                    救護栄海
    (宛名手書)
    顧問 渋沢栄一殿
(別紙、印刷物)
    浅草寺観音会発会式(式場――客殿)
 会場  浅草寺大伝法院
 日時  十一月十四日午前十時開会
      式次
 一、法楽       導師   会長 救護栄海
 一、開会ノ辞          幹事 清水谷恭順
 一、会務報告          同  松波治郎
 一、天台座主訓諭
 一、祝辞
            文部大臣岡田良平○外五名氏名略ス
 一、挨拶
            顧問   子爵 渋沢栄一
            同  司法大臣 横田千之助
            同 憲政会総務 頼母木桂吉
            同政友会幹事長 岩崎勲
            同    伯爵 清水谷実英
            同    代議士 安藤正純
            同    代議士 高木益太郎
            同    代議士 太田信治郎
 一、閉会ノ辞 幹事 壬生雄舜
      余興○略ス
 - 第42巻 p.44 -ページ画像 
        ――午後四時 散会――


集会日時通知表 大正一三年(DK420007k-0009)
第42巻 p.44 ページ画像

集会日時通知表  大正一三年        (渋沢子爵家所蔵)
十四日○一一月午前十時 浅草寺観音会発会式(大伝法院)
  ○右ト同様ノ記事「竜門雑誌」第四三五号(大正十三年十二月)青淵先生動静大要中ニアリ。


浅草寺関係書類(一)(DK420007k-0010)
第42巻 p.44 ページ画像

浅草寺関係書類(一)            (渋沢子爵家所蔵)
                 (別筆朱書)
                 大正十三年十一月廿五日
                    浅草寺観音会幹事
(謄写版)
謹啓、初冬難凌朝夕ニ有之候節、益々御健勝ニ在らせられ候事何より之事に存し奉慶賀候、陳は予て僧俗同信同行之楔たらん事をつとめ申候観音会発会式も、去る十四日無滞完了候ハ誠に同慶之至りに不堪、然も当日貴顕紳士当局為政者の祝辞挨拶の栄を得、会員参加数ハ□《(不明)》予想外之大多数にして尚且混雑も候ハさりし事、一に日頃観音会之為ニ蔭となり日向と成らせられ御尽粋賜り候ひし御努力と御信念とに依る事言を俟ち申さず、玆に芽出度発会式後ニ於て、幹事一同其責に大過なかりし御同情ニ御礼を兼ね、尚将来御高庇を切望懇願奉候 敬具
  大正十三年十一月二十五日       浅草寺観音会
                      幹事一同
    (宛名手書)
    渋沢栄一殿