デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
4節 キリスト教団体
1款 救世軍
■綱文

第42巻 p.116(DK420033k) ページ画像

大正9年11月13日(1920年)

是日、当軍第二十五年大会、神田一ツ橋救世軍中央会館ニ開カル。栄一祝辞ヲ寄ス。


■資料

渋沢子爵と救世軍 山室軍平稿(DK420033k-0001)
第42巻 p.116 ページ画像

渋沢子爵と救世軍 山室軍平稿       (財団法人竜門社所蔵)
○上略
一、大正九年十一月十三日救世軍の日本に於ける第二十五年大会を神田一ツ橋の中央会館に営む、それに対し子爵が病中筆を呵して認められたる祝辞は左の如し。
○下略
   ○祝辞次掲。


渋沢栄一祝辞 大正九年一一月一三日(DK420033k-0002)
第42巻 p.116 ページ画像

渋沢栄一祝辞 大正九年一一月一三日    (救世軍本営所蔵)
    祝辞
救世軍が始めて我邦に其陣営を置きしより、既に二十有五年を経過せりといふが、老生に於ては、殊に歳月不待人の観なくむはあらさるなり、蓋し当時にありては、人情を異にし習慣を同ふせざる我邦人より幾多の妨害を加へられしならむも、本軍の将士能くこれに耐忍し、黽勉努力、所謂久しく屈するの中に伸ひて、遂に一般の認識するものとなり、以て今日の盛況を見るに至りしは、実に感賞措く能はざる所なり、而して老生が特に本軍の挙措に敬服する所以は、常に博愛弘済の大道を基礎とせられ、其事を処するや真摯質実にして、苟も形式理論に偏せす、要は其事物の真想に徹底するにありとす、是を以て其費途僅少にして能く優秀の成績を見る、是れ本軍の一特長所にして、而して其世間を裨補するの功亦偉大なりといふを得べし、然りといへとも人事は悠久にして本邦人文の発展も昔日の比にあらざるなり、故に本軍の前途も将に大に望ありといふを得へき歟、玆に本軍が二十五年の祝典を挙行するに当りて、老生の一言を徴せらる、因りて平生の所感を叙して、以て祝辞に代ふると云爾
  大正九年十一月
                      子爵 渋沢栄一
                  
   ○右ハ大正九年十一月十三日救世軍ノ日本ニ於ケル第二十五年大会 (神田区一ツ橋通中央会館ニ開カル)ニ寄セラレタル祝辞ナリ(山室軍平談)