デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
5節 修養団体
2款 講道館 1. 財団法人講道館
■綱文

第43巻 p.360-361(DK430053k) ページ画像

昭和6年6月15日(1931年)

是日栄一、当館館長嘉納治五郎ノ地方遊説ノタメニ、紹介状ヲ認ム。


■資料

渋沢栄一書翰控 関一宛 昭和六年六月一五日(DK430053k-0001)
第43巻 p.360-361 ページ画像

渋沢栄一書翰控 関一宛昭和六年六月一五日  (渋沢子爵家所蔵)
拝啓、爾来御疎情に打過候処、益御清適の条欣慰の至に御座候、然ば講道館長嘉納治五郎氏に於て、柔道の一般普及、柔道を基礎とする精力善用、国民体育の為年来努力致居、頃日右用務を以て貴地方に罷出有力者諸氏に御懇談申上度旨申出候処、御承知の通り近年貴地方諸氏との接触少く、自然振合等承知不致困却仕候まゝ、御迷惑ながら尊台
 - 第43巻 p.361 -ページ画像 
に百事御高配願上度、本書相付候間、参上の節はよろしく願上候、御承知の老人故、講道館柔道を試みたることは無之候得共、柔術は多少承知致居、嘉納氏の年来の努力を多と致居候者に有之、且同氏とは従来御懇親に致居関係より、同氏の希望達成を念じ居候次第に御座候
右拝願申上度如此御座候 敬具
  昭和六年六月十五日              渋沢栄一
    関一殿

渋沢栄一書翰控 阿部房次郎外四名宛 昭和六年六月一五日(DK430053k-0002)
第43巻 p.361 ページ画像

渋沢栄一書翰控 阿部房次郎外四名宛昭和六年六月一五日 (渋沢子爵家所蔵)
拝啓、益御清適奉賀候、然ば本書持参の嘉納治五郎氏は柔道の権威にして、現に主宰する講道館が明治以来の斯道興隆に主として寄与せし義は、既に御承知の事と奉存候、然るに同氏は柔道が単に道場内に制限せらるゝを遺憾とし、場所・服装・時間の如何に拘らず広く一般に行はれ、以て国民健康の増進に資し、進んで精神修養に及ばんことを目的とし、精力善用、国民体育を標榜し、年来努力致居、老生も予て懇親に致居関係より、時々模様を承り欣慰罷在候次第に御座候
右は有力者諸氏の御同情御支持によるにあらざれば到底目的を達し得ざる義に有之、今般貴地方に罷出候に付、是非尊台拝訪御懇願申上度由にて、御紹介申上候様依頼せられ、本書相付候間、御多忙中恐縮ながら御面会被下、詳細親しく御聴納被下候はゞ幸甚に御座候、右得貴意度如此御座候 敬具
  昭和六年六月十五日
                        渋沢栄一
    阿部房次郎殿
    小倉正恒殿
    加藤晴比古殿  各通
    川西清兵衛殿
    岡崎忠雄殿
(欄外別筆)
  昭和六年六月十五日、嘉納氏旅行先ナル神戸市嘉納氏宛此六通ノ紹介状書留封書ニテ発送済