デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
5節 修養団体
3款 社団法人日本弘道会
■綱文

第43巻 p.374-378(DK430057k) ページ画像

大正2年10月(1913年)

是月栄一、当会特別会員ニ推薦セラル。


■資料

弘道 第二五九号大正二年一〇月 特別広告(DK430057k-0001)
第43巻 p.374 ページ画像

弘道 第二五九号大正二年一〇月
    特別広告
○上略
○特別会員推薦
        男爵 渋沢栄一君
○下略


弘道 第二六一号大正二年一二月 日本弘道会会員姓名録(大正二年十一月現在)(DK430057k-0002)
第43巻 p.374 ページ画像

弘道 第二六一号大正二年一二月
    日本弘道会会員姓名録(大正二年十一月現在)
○上略
      ○特別会員
○中略
東京府北豊島郡滝野川村 男爵渋沢栄一


日本弘道会書類(DK430057k-0003)
第43巻 p.374-378 ページ画像

日本弘道会書類        (社団法人日本弘道会所蔵)
    社団法人日本弘道会定款
      第一章 総則
第一条 本会ノ目的ハ、明治二十三年十月三十日ニ賜ハリシ勅語ヲ奉体シ、本会ノ要領ヲ実行シ、以テ邦人ノ道徳ヲ高クシ、国家ノ基礎ヲ鞏固ニスルニ在リ
第二条 本会ノ要領ハ左ノ如シ
        甲号
  忠孝を重んずべし     神明を敬ふべし
  皇室を尊ぶべし      本国を大切にすべし
  国法を守るべし      国益を計るべし
  学問を勉むべし      身体を強健にすべし
  家業を励むべし      節倹を守るべし
  家内和睦すべし      同郷相助くべし
  信義を守るべし      慈善を行ふべし
  人の害を為すべからず   非道の財を貪るべからず
  酒色に溺るべからず    悪しき風俗に染まるべからず
  宗教を信ずるは自由なりと雖も、本国の害となる宗教は信ずべからず
        乙号
  世界の形勢を察すること  国家の将来を慮ること
  政治の良否を見ること   国家の経済を知ること
  教育の適否を考ふること  無識の者を教化すること
 - 第43巻 p.375 -ページ画像 
  道徳の団結を固くすること 正論を張り邪説を破ること
  国民の風俗を改善すること 社会の制裁を作ること
第三条 本会ハ明治九年西村茂樹ノ創設ニ係リ、大正三年三月六日民法第三十四条ニ依リ主務官庁ノ許可ヲ得テ社団法人ト為ス
第四条 本会ハ日本弘道会ト称ス
第五条 本会ハ第一条ノ目的ヲ達スル為メ雑誌発行・道徳講演・学校経営、其他適切ナル事業ヲ行フ
第六条 本会ハ事務所ヲ東京市神田区西小川町二丁目一番地ニ置ク
第七条 本会ハ皇族ヲ名誉推戴員ニ仰グコトアルベシ
第八条 本会ハ第一条ノ目的ヲ達スル為メ財産ヲ取得シ、又ハ処分スルコトヲ得
第九条 本会ノ資産ハ従来ノ日本弘道会ノ所有財産及将来取得スルコトアルベキ財産ヲ以テ組成ス
 基本金其他資産ニ関スル規定ハ主務官庁ノ認可ヲ得テ別ニ之ヲ定ム
      第二章 事務ノ分担
第十一条 本会ノ事業ヲ遂行スル為メ左ノ五部ヲ置ク
    一、本部
     本会ノ枢機ヲ掌リ庶務・会計ヲ処理ス
    二、宣伝部
     講演・講習、其他本会趣旨ノ宣伝普及ニ関スル事項ヲ処理ス
    三、教育部
     社会教化、学院ノ経営、其他教育事業ニ関スル事項ヲ処理ス
    四、調査部
     時代ノ風教及思潮ノ調査研究ニ関スル事項ヲ処理ス
    五、編輯部
     雑誌其他必要ナル図書ノ編輯発行及本会文庫ニ関スル事項ヲ処理ス
      第三章 総裁
第十二条 総裁ハ名誉推戴員中ヨリ評議員会ノ協賛ヲ経テ会長之ヲ推戴ス
      第四章 役員職員及会議
第十三条 本会ニ理事九名、監事二名ヲ置ク
 理事ハ会長・副会長・総務・各部長・主事中ノ二名ヲ以テ之ニ充テ監事ハ財務監督ヲ以テ之ニ充ツ
第十四条 本会ニ左ノ職員ヲ置ク
 会長一名、副会長一名、総務一名、部長四名、財務監督二名、評議員廿五名乃至三十五名、参与若干名、主事若干名、講師若干名、委員若干名、編輯員若干名、書記若干名
第十五条 本会ニ顧問若干名ヲ置キ、評議員会ノ協賛ヲ経テ会長之ヲ推薦ス
第十六条 顧問ハ会長ノ諮詢ニ応ジ、重要事項ノ協議ニ参加ス
第十七条 会長・副会長ハ会員中ヨリ総会ニ於テ選挙ス
 - 第43巻 p.376 -ページ画像 
第十八条 会長ハ会務ヲ統理シ本会ヲ代表ス
 会長ハ定款ノ規定ニ従ヒ財産ノ管理及処分ヲ為シ、職員ヲ委嘱或ハ任命ス
 会長ハ総会・評議員会及理事会ヲ招集シ其議長トナル
 会長ハ評議員会及理事会ノ査定シタル案件其他重要ナル案件ヲ決裁ス
第十九条 副会長ハ会長ヲ補翼シ、会長事故アルトキハ其職務ヲ代理ス
 副会長ハ本部ノ長トナル
第二十条 総務・部長ハ評議員会ニ於テ会員中ヨリ選挙シ、会長之ヲ委嘱ス
 主事ハ当該部長ノ推薦ニ依リ会長之ヲ委嘱ス、但シ内二名ハ理事トシ、評議員会ノ協賛ヲ経テ委嘱スルモノトス
第二十一条 各部長ハ其ノ部ニ関スル事務ヲ掌理ス
第二十二条 総務ハ本会ノ枢機ニ参加シ、事業ノ連絡統一ニ関スル事務ヲ掌理ス
第二十三条 各部ニ主事ヲ置ク、主事ハ部長ノ旨ヲ受ケ其ノ部ニ関スル事務ヲ処理ス
第二十四条 会長・副会長ノ任期ハ五年トス、但シ重任スルコトヲ得
第二十五条 総務・部長・主事ノ任期ハ三年トス、但シ重任スルコトヲ得
第二十六条 参与ハ理事会ノ協賛ヲ経テ会長之ヲ委嘱シ、本会ノ重要ナル事務ニ参与ス
 参与ノ任期ハ三年トス、但シ重任スルコトヲ得
第二十七条 財務監督ハ評議員会ニ於テ会員中ヨリ選挙シ、会長之ヲ委嘱ス
 財務監督ノ任期ハ三年トス、但シ重任スルコトヲ得
第二十八条 理事又ハ監事ニ欠員ヲ生ジタルトキハ之ヲ補欠スベシ
 補欠ノ理事又ハ監事ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
第二十九条 評議員ハ理事会ノ協賛ヲ経テ会員中ヨリ会長之ヲ委嘱ス
 評議員ノ任期ハ三年トス、但シ重任スルコトヲ得
第三十条 評議員ニ欠員ヲ生ジタルトキハ補欠スベシ
 補欠評議員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
第三十一条 理事会及評議員会ハ其ノ過半数出席スルニアラザレバ開会スルコトヲ得ズ
第三十二条 理事会及評議員会ノ議事ハ出席者ノ多数決ニ依リ之ヲ定ム、可否同数ナルトキハ議長之ヲ決ス
第三十三条 緊急止ムヲ得ザル必要アルトキハ評議員会ノ開催ニ代ヘテ書面ヲ以テ議案ニ対スル表決ヲ為サシムルコトヲ得、此場合ニ於テハ表決ヲ為シタル評議員ノ過半数ヲ以テ議事ヲ決ス、可否同数ナルトキハ議長之ヲ決ス
第三十四条 左ノ事項ハ評議員会ノ決議ヲ経ルヲ要ス
    一、経費ノ予算決算
    二、資産ニ関スル重要ナル事項
 - 第43巻 p.377 -ページ画像 
    三、総裁推戴ニ関スル事項
    四、顧問ノ推薦ニ関スル事項
    五、職員ノ選挙ニ関スル事項
    六、其他特ニ重要ナル事項
第三十五条 理事ハ其執行シタル重要ナル事務ニ付キ評議員会ニ報告スベシ
第三十六条 宣伝部及教育部ニ各講師若干名、各部ニ委員若干名ヲ置ク
 講師ハ理事会ノ協賛ヲ経テ会長之ヲ委嘱シ、委員及編輯員ハ当該部長ノ推薦ニ依リ会長之ヲ委嘱ス
第三十七条 講師及委員ノ任期ハ一年トス、但シ重任スルコトヲ得
第三十八条 書記ハ部長ノ推薦ニ依リ会長之ヲ任命ス
第三十九条 主事・講師・編輯員・書記ニハ手当又ハ俸給ヲ支給ス、其他ノ職員ニハ報酬ヲ贈ルコトアルベシ
第四十条 本会ノ会計規則其他会務ヲ執行スルニ必要ナル諸規定ハ別ニ之ヲ定ム
      第五章 会員
第四十一条 本会ノ社員ヲ会員ト称ス
第四十二条 本会ノ会員ハ左ノ四種トス
    一、名誉会員
    二、特別会員
    三、協賛会員
      以上、三種ノ会員ハ会長之ヲ推薦ス
    四、正会員
     正会員ハ会費一ケ年金一円八十銭以上ヲ納付スルモノトス一時金二十五円以上ヲ納付シタルモノハ終身会費ヲ要セズ(諸物価騰貴ニ依リ当分会費金三円トシ、一時納金五十円トス、大正七年以降実施ス、大正七年臨時総会決議)
第四十三条 従来ノ日本弘道会員及将来本会ノ主旨ヲ賛成シ、別ニ定メタル入会ノ手続ニ依リタル者ヲ会員トス
第四十四条 退会セント欲スルモノハ其ノ理由ヲ記シテ之ヲ届出デ、本会ノ承認ヲ経ルヲ要ス
第四十五条 会員ニシテ本会ノ体面ヲ汚損スル行為アルトキハ理事会ノ決議ヲ経テ之ヲ除名スルコトアルベシ
第四十六条 本会ニ会友ヲ置ク、会友ニ関スル規定ハ別ニ之ヲ定ム
      第六章 総会
第四十七条 総会之ヲ分チテ通常総会及臨時総会トス
第四十八条 通常総会ハ毎年一回之ヲ招集スルモノトス
第四十九条 通常総会ニ於テハ本会事業ノ状況及会計ノ報告ヲ為スモノトス
第五十条  臨時総会ハ会長副会長ノ選挙其他会長ニ於テ必要ト認ムルトキハ之ヲ招集ス、総□《(会カ)》員二十分ノ一以上ヨリ会議ノ目的タル事項ヲ示シテ請求シタルトキ亦同ジ
第五十一条 総会ハ会長ニ於テ其ノ日数及場所ヲ定メ、会議ノ目的タ
 - 第43巻 p.378 -ページ画像 
ル事項ト共ニ、機関雑誌若クハ通知状ヲ以テ予メ会員ニ告知スルヲ要ス
第五十二条 総会ノ議事ハ予メ通知シタル目的事項ノ外ニ渉ルコトヲ得ズ、但シ会長ニ於テ緊急ト認メタル事項ハ此限リニアラズ
第五十三条 総会ニ出席セザル会員ハ書面ヲ以テ又ハ代理人ヲ出シテ表決ヲ為スコトヲ得ズ
第五十四条 総会ノ議事ハ出席会員ノ過半数ヲ以テ決ス
      可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第五十五条 定款ノ変更ハ総会ノ議決ヲ経ルヲ要ス、此場合ニ於ケル総会ハ総会員二十分ノ一以上出席スルニ非ザレバ議決ヲ為スコトヲ得ズ、而シテ其ノ議事ハ出席会員三分ノ二以上ノ多数ヲ以テ決ス、総会ノ出席者定数ニ満タザルト雖モ、会長ニ於テ緊急ナリト認ムルモノニ付テハ、出席シタル会員三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ仮決議ヲ為スコトヲ得、此ノ場合ニ於テ会長ハ仮決議ヲ総会員ニ通知シ、三十日以内ニ更ニ第二回ノ総会ヲ開クベシ、此ノ場合ニ於テハ仮決議ヲ以テ議題ト為シ、出席者ノ員数ニ拘ラズ可否ヲ決シテ有効トス

    日本弘道会の主張
一 人格の完成に努力し、以て家庭国家世界人類の為めに奉仕する所以の根本を樹立すること
二 物質的生活偏重の弊竇を脱し、精神的生活の向上発達を期すること
三 物質的生活を以て心を累はさゞらんが為め、各其の程度に応じて生活の簡易を図ること
四 生活の簡単を図ると同時に健全なる趣味の養成に努め、一は以て生活の没趣味に陥るを防ぎ、一は以て精神的生活の向上発達に資すること
五 唯物主義に本づく階級闘争の偏見を排し、所謂階級の共存が社会的生活の必須条件たることを明にすること
六 人類共存の本義に拠り他国民に対する敬愛の精神を養成し、彼我戮力して世界文化の発達と人類福祉の増進とに寄与せんことを期すること
七 社会的生活は国家の統制の下に於てのみ完全に遂げらるゝものなれば、苟も言論行動にして国家の基礎を危くするの虞有るものは之を排すること
八 職業地位の如何に論無く一身の国家に繋ることを知り、念々国家の二字を忘るべからざること
九 国家と一体不二にして至公至仁なる 皇室を奉戴し国民挙つて国体の尊厳を発揚するに努むること
十 祖先の遺志を継承し、列聖の大訓を遵奉し、以て君民一徳の理想を実現し、国運の隆昌を協翼せむことを期すること