デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
5節 修養団体
3款 社団法人日本弘道会
■綱文

第43巻 p.400-403(DK430061k) ページ画像

大正15年11月25日(1926年)

是ヨリ先、関東大震火災ノタメ焼失シタル弘道会館再建ノ議アリ、是日栄一、同会館復興建築並ニ事業資金ノ寄付金募集部ノ顧問ヲ委嘱セラル。


■資料

諸会発起趣意書(四) 【委嘱状 寄附金募集部顧問ヲ御委嘱仕候也】(DK430061k-0001)
第43巻 p.400 ページ画像

諸会発起趣意書(四)         (渋沢子爵家所蔵)
    委嘱状
 寄附金募集部顧問ヲ御委嘱仕候也
  大正十五年十一月廿五日
             日本弘道会長 伯爵 徳川達孝
    子爵 渋沢栄一殿


日本弘道会書類(DK430061k-0002)
第43巻 p.400-403 ページ画像

日本弘道会書類            (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    日本弘道会々館復興費
              寄附募集趣意書
    日本弘道会事業資金
 - 第43巻 p.401 -ページ画像 
熟々我ガ国現下ノ世態事相ヲ観察致シマスト、都鄙ノ別ナク軽佻浮薄ノ習漸ク萌シ、過激奇矯ノ風モ亦加ハリ、眼ニ見ルモノ耳ニ聞クモノ一トシテ頭ヲ悩マシ心ヲ痛マシメヌモノハアリマセン。人心日ニ険ハシク世道月ニ荒ミツヽアル今日、之ガ匡救ヲ講ジナケレバ国家ノ前途ハ測リ知ルコトガ出来マセン。嗚呼是レ真ニ志士仁人ガ奮然蹶起シテ狂瀾ヲ既倒ニ廻ラスベキ秋デアリマス。
我ガ日本弘道会ハ 明治大帝ノ侍講ニシテ新興学界ノ明星デアツタ、故文学博士西村茂樹先生ノ創立ニ係リ、既ニ五十余年ノ歴史ヲ有シテ居リマス。我々会員ハ不敏ナガラモ会祖ノ遺業ヲ紹ギ遺志ヲ体シ、国民道徳ノ振興ニ努メテ参リマシタ。曩ニ一百有余ノ支会ト約一万ノ会員ヲ擁シ、東都ノ神田街ニ弘道会館ヲ起シテ本部トシ、講師ノ派出図書ノ刊行等ニ、会旨ノ普及宣布ヲ謀リ、又社会教化学院ヲ設ケテ、時代指導ノ人材ヲ育成スル等国家ニ貢献スル所モ尠クハアリマセンデシタガ、不幸ニシテ大正十二年ノ震災ニ罹リ、会館ハ烏有ニ帰シ、諸般ノ事業ニ一大頓挫ヲ来シマシタ。今ヤ道徳的危急存亡ノ秋ニ際シ、昔日ニ百倍シテ勇往邁進スベキノ機ニ臨ミ、根拠ノ地ガ空シク焦土ニ化シタコトハ実ニ悲痛慨歎ニ堪ヘヌコトデアリマス。然レドモ我々ハ徒ニ災禍ノ前ニ屈伏スル者デハナク、寧ロ反撥的ニ勇猛心ヲ奮起シ、会館及ビ従来ノ事業ヲ復興スルハ勿論、更ニ進ンデハ時代ニ適切ナル幾多ノ新事業ヲモ起シ、改風易俗明ルキ社会ヲ作リ、昇平和親楽シキ人世ヲ開ク覚悟デアリマス。而シテ新ニ進展ノ大計ヲ樹立シ、既ニ会員一同ハ相率ヰテ弘道報国ノ第一線ニ立ツテ、猛進シテ居リマスガ、是等回天的至難ノ事業ヲ遂行スルニ、先立ツモノハ申スマデモナク資金ノ造成デアリマス。希ハクハ同志ノ諸賢、現下ノ世相ト国家ノ将来トヲ顧慮セラレ、且ツ我等ノ微衷ヲモ諒察セラレテ、多大ナル御同情ト御援助トヲ与ヘラレン事ヲ。伏シテ懇願致シマス。
      募集金
 一金五拾万円也    募集金最低見込額
    内訳
  金拾五万円也    日本弘道会会館建築並設備費
  金参拾五万円也   本会事業資金

    日本弘道会資金募集規程
第一条 本会ハ会館復興費及事業資金トシテ寄附金ヲ会員並ニ有志者ヨリ募集スルモノトス
第二条 本会ハ寄附金募集ニ関シ臨時左ノ職員ヲ置ク
    委員長    一名  寄附金募集ニ関スル事務ヲ統理ス
    副委員長   一名  委員長ヲ補佐シ委員長事故アルトキ之ヲ代理ス
    顧問    若干名  寄附金募集ニ関スル重要ナル事項ニ付委員長ノ諮問ニ応ス
    監事     二名  寄附金募集ニ関スル財務ヲ監査ス
    参与    若干名  寄附金募集ニ関スル重要ナル事務ニ参与ス
 - 第43巻 p.402 -ページ画像 
    主事     二名  委員長ノ旨ヲ承ケ寄附金募集ニ関スル一切ノ事務ヲ処理ス
    募集委員  若干名  寄附金募集ニ従事シ、尚臨時ニ委員長ノ指揮ヲ受ケ事務ニ参加ス
    幹事及書記 若干名  委員長又ハ主事ノ命ヲ承ケ事務ニ従事ス
第三条 委員長・副委員長・顧問・監事・参与・主事及募集委員ハ会長之ヲ委嘱シ、幹事及書記ハ委員長之ヲ任命ス
第四条 寄附金募集ニ関シ名誉賛助員及特別賛助員ヲ置キ、会長之ヲ委嘱ス
第五条 寄附金ノ醵出方法ハ年賦・月賦・即納ノ三種トシ、寄附者ノ随意トス
第六条 寄附金ハ振替貯金又ハ郵便為替ヲ以テ本会ニ払込ムモノトス
    但シ便宜左ノ銀行ニ振込モ妨ナシ
    三井銀行・三菱銀行・安田銀行・第一銀行
第七条 寄附金ハ適当ノ方法ヲ以テ公表シ、又寄附者ニ対シテハ会長ヨリ相当ノ謝意ヲ表スルモノトス
第八条 寄附金ハ総テ特別会計トシ、其ノ規程ハ別ニ之ヲ定ム
第九条 寄附金ノ募集期間ハ大正十五年九月二十二日ヨリ向フ三ケ年トス
          寄附金募集部
           寄附金募集委員長 伯爵 堀田正恒
           同   副委員長    繁田武平
           顧問       伯爵 松平直亮
           同        子爵 渋沢栄一
           監事          矢野恒太
           同           福島甲子三
           参与          中条精一郎
           同           宗像逸郎
           主事(本部主事)    広江万次郎
           同(本支会連絡拡張部主事) 寺本与左衛門
           幹事          島谷義武
           幹事          持田欣久
           募集委員
                       石原勘一郎
                       海老原丑之助
                       江平林作
                       小谷茂実
                       大津長三郎
                       加賀美国光
                       草間豊吉
                       沢田五郎
                       高木八太郎
 - 第43巻 p.403 -ページ画像 
                       寺本与左衛門
                       東条卯作
                       原忠篤
                       松平稲吉
                       四谷炳鏘