デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
2節 女子教育
12款 其他 9. 向山寮
■綱文

第45巻 p.104-106(DK450038k) ページ画像

昭和6年(1931年)

是ヨリ先、丸山千代、東京遊学ノ女子学生ノ補導ヲ目的トシ、当寮ノ建設ヲ計画ス。栄一其趣旨ニ賛シ、是年資金トシテ金五百円ヲ寄付ス。


■資料

諸会報告書 (六) 【(印刷物) (ゴム印) 受取 七年弐月廿参日 女子学生寄宿舎 向山寮】(DK450038k-0001)
第45巻 p.104-105 ページ画像

諸会報告書 (六)           (渋沢子爵家所蔵)
 - 第45巻 p.105 -ページ画像 
(印刷物)
                  (ゴム印)
                  受取 七年弐月廿参日
    女子学生寄宿舎 向山寮
地方から勉学の目的を以て上京される若き女性が誰でも一番当惑されますことは其の宿舎に付てゞあります。下宿等の不適当なことは今更申すまでもなく、去りとて多数同性の雑居する学校寄宿舎も亦色々な点で必しも満足を得られないところが少くないと思ひます。此の意味に於いて明るく朗らかにして家庭的な、自由にして規律あり、新鮮にして而かも湿ほひある温かな生活を目的とする私共の向山寮は、必ずや堅実なる方々の御信頼を頂ける寮であると信じます。
  一、名称   向山寮 (昭和七年一月新築)
  一、所在   東京市外渋谷町八幡通り二丁目十六番地
         (市電省線共に渋谷下車五分)
  一、収容人員 約三十名
  一、室    一室二人
  一、費用   一ケ月二十四円、全月不在ノ時ハ舎費トシテ七円。
   寮主    東京女子高等師範学校出身 丸山千代
  顧問          頭山満
  同      文学博士 吉田静致


諸会報告書 (六) 【(印刷物) (ゴム印) 受取 七年弐月廿参日 御援助金領収御通知】(DK450038k-0002)
第45巻 p.105 ページ画像

諸会報告書 (六)           (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
                  (ゴム印)
                  受取 七年弐月廿参日
    御援助金領収御通知
            (順序不同)
一金五百円也       故渋沢栄一殿
 同            平生釟三郎殿
一金参百円也        増田義一殿
一金六拾円也        山中えん殿
一金五拾円也        佐々木長治殿
○下略


諸会報告書 (六) 【(印刷物) (ゴム印) 受取 七年弐月廿参日 拝啓 御尊家皆々様目出度く御迎年のこと…】(DK450038k-0003)
第45巻 p.105-106 ページ画像

諸会報告書 (六)           (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
                 (ゴム印)
                 受取 七年弐月廿参日
拝啓 御尊家皆々様目出度く御迎年のことゝ後れ馳せながら謹んで新春の御祝詞を申上げます。旧年中は私共のために一方ならぬ御芳情を賜はり厚く御礼申上げます。尚本年も亦倍旧の御後援と御指導を下さいますやう御願ひ致します。扨予ねて多大の御同情を頂きました女子学生寄宿舎の拡張建設計画は其後何かと捗らず延引に延引を重ね、為めに御報告も出来ず皆様に御心配をかけて居りましたが、先程漸く東京市外渋谷町八幡通り二丁目十六番地に敷地一六五坪を購入、約三〇名を収容し得る建坪一三〇坪の新築工事を完成し新春早々転居の運び
 - 第45巻 p.106 -ページ画像 
に到りました。之一重に皆様の御厚情に由りますことゝ唯々難有く感謝致すばかりで御座います。此の上は愈々私共に与へられました使命の重大なることを覚え之が遂行に全力を尽す所存で御座います。玆に御年賀を兼ねて工事竣成と転居の御報らせを申上げ共に御喜びを頂き度いと存じます。
筆末ながら御高堂の御健勝を祈り上げます。 敬具
  昭和七年一月 日
            東京市外渋谷町八幡通り二ノ一〇
                    向山寮
                      丸山千代
    (宛名手書)
    渋沢敬三様