デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
3節 其他ノ教育関係
2款 財団法人埼玉学生誘掖会
■綱文

第45巻 p.195-198(DK450064k) ページ画像

明治45年3月21日(1912年)

是日栄一、当会寄宿舎副監督斎藤阿具ト、埼玉県立各中学校卒業式ニ贈ル会頭ノ祝辞ニツキ協議ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四五年(DK450064k-0001)
第45巻 p.195-196 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四五年       (渋沢子爵家所蔵)
三月二十一日 晴 軽寒
午前七時起床、入浴シテ朝飧ヲ食ス、後斎藤阿具氏来リ埼玉学生誘掖
 - 第45巻 p.196 -ページ画像 
会ノ事ヲ談シ、且地方各学校ヘノ祝詞ヲ協議ス○下略


埼玉学生誘掖会十年史 同会編 第五一―五二頁大正三年一〇月刊(DK450064k-0002)
第45巻 p.196 ページ画像

埼玉学生誘掖会十年史 同会編  第五一―五二頁大正三年一〇月刊
 ○第一期 埼玉学生誘掖会史
    第一期 会員組織時代
○上略
県下学生奨励のため優等学生を表彰するは、本会々則第四条の明示する所にして、従来は便宜上埼玉学友会之を実施し来りしも、本年○明治四一年より県地中学校生徒《(立)》に対しては本会直接に之を実施することゝし、其卒業証書授与式の日、本会より理事監督の内一人参列し、会頭の名を以て祝辞を朗読し、最優等卒業生に賞品を贈与することに定めたり乃ち本年三月下旬挙行の各中学校の卒業式に際しては○中略参列し左記優等生に賞品を贈与せり。
○中略
当日朗読セル会頭ノ祝辞左ノ如シ。
 玆ニ本日ヲ卜シ埼玉県立某中学校卒業証書授与式ヲ挙行セラル。敢テ一言ヲ陳ヘテ慶賀ノ意ヲ表シ、併セテ将来ニ望マサルベカラズ。今ヤ我国運ハ隆々トシテ進歩シ、旭日登天ノ勢ヲ示シ、世界ノ列国皆之ヲ瞻望シテ我カ国体ト歴史ノ研究ニ汲汲タリ。此際ニ処スル我国民ノ責ヤ重且大ナルヲ以テ吾人ノ前途ハ実ニ多望ナリト謂フヘシ諸子今ヤ中等教育ノ業ヲ卒ヘテ各其志ス所ニ従ハントス。或ハ進ンテ高等専門学校ニ入ルモノアルベク、或ハ直ニ家業ニ従事スルモノアルベシ。志ス所一ナラズ、従フ所同シカラスト雖ドモ、均シク国民ノ中堅タルモノナリ。由来国運ノ振不振ハ一ニ此中堅国民元気ノ強弱ニ関ス。庶幾クハ諸子夙夜ニ思フテ怠ルナク、奮励努力以テ国家有用ノ材タランコトヲ期セヨ。聊カ蕪辞ヲ陳シテ祝辞トナス。
此後年々卒業式の日を以て祝辞を朗読せしも、概ね大同小異なるを以て、単に本年に限り之を玆に掲げ以後は凡て省略すべし。
○下略



〔参考〕渋沢栄一 日記 明治四五年(DK450064k-0003)
第45巻 p.196 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四五年         (渋沢子爵家所蔵)
五月二十三日 晴 軽寒
○上略 大井台司氏来リ、埼玉学生誘掖会ノ事ヲ談ス○下略
五月二十四日 晴 軽寒
○上略
朝、埼玉学生誘掖会大井台司来話ス
  ○中略。
六月二十三日 晴 暑
○上略 相川貞吉氏来リ話ス、学生誘掖会ノ事ヲ談ス○下略



〔参考〕埼玉学生誘掖会十年史 同会編 第九二―九五頁大正三年一〇月刊(DK450064k-0004)
第45巻 p.196-198 ページ画像

埼玉学生誘掖会十年史 同会編  第九二―九五頁大正三年一〇月刊
 ○第一篇 埼玉学生誘掖会史
    第二期 財団法人組織時代
○上略 六月八日○明治四五年第二回維持員会を開き、本会維持基金の一部を以
 - 第45巻 p.197 -ページ画像 
て有価証券を購入する件、並に寄宿舎規則改正案を議決せり。
      埼玉学生誘掖会寄宿舎規則
       第一章 総則
 第一条 本会寄宿舎ハ東京市牛込区市ケ谷砂土原町三丁四二十一・二番地ニ設置ス。
 第二条 本会寄宿舎ハ埼玉県出身ノ学生ヲ寄宿セシメ、修学上ノ保護及監督ヲ為ス所トス。
 第三条 寄宿舎ヲ分チテ青年・中年・及幼年ノ三寮トシ、各寮ニ対スル規定ハ別ニ之ヲ定ム。
 第四条 舎生ハ本会設立ノ趣旨ヲ体シ、寄宿舎要義ヲ服膺シテ之ガ実践躬行ヲ期スベシ。
       寄宿舎要義
  一 教育勅語ノ聖旨ヲ奉体シ至誠以テ君国ニ報ユベシ。
  二 剛毅以テ志ヲ立テ自重以テ事ニ処スベシ。
  三 自ラ責ムルコト厳ニシテ、人ニ対スルコト寛ナルベシ。
  四 親愛ノ情ヲ厚クシ共同ノ精神ヲ発揮スベシ。
  五 勤倹ヲ尚ビ放縦ヲ誡ムベシ。
  六 規律ヲ重ジ礼節ヲ正ウスベシ。
  七 体育ニ力メ摂生ニ注意スベシ。
       第二章 役員
 第五条 寄宿舎ニ左ノ役員ヲ置ク。
  監督           一名
  副監督          一名又ハ二名
  舎監           一名又ハ三名
  舎医           一名
 第六条 監督ハ寄宿舎ヲ管理シ舎務ヲ総理ス。副監督ハ監督ヲ補佐シ、監督事故アルトキハ之ヲ代理ス。
 第七条 舎監ハ監督・副監督ノ命ヲ受ケテ舎務ヲ処理シ、舎生ノ指導及取締ノ任ニ当ル。
 第八条 舎医ハ寄宿舎ノ衛生並ニ舎生ノ診療ヲ掌ル。
 第九条 監督・副監督ノ嘱託並ニ舎監ノ任命ハ会則ノ定ムル所ニ拠ル。
  舎監ノ中一名ハ本会主事ヲ以テ之ニ充ツ。
 第十条 舎医ハ会頭之ヲ嘱託ス。
       第三章 商議員及委員
 第十一条 寄宿舎ニ商議員ヲ置ク。
 第十二条 商議員ハ寄宿舎管理ニ関スル重要ナル事項ノ商議ニ参与ス。
 第十三条 商議員ハ寄附者中ヨリ会頭之ヲ嘱託シ、其任期ヲ三ケ年トス。
 第十四条 寄宿舎ニ委員ヲ置キ、舎生ノ互選ニ依リ舎監之ヲ嘱託シ其任期ヲ二学期トシ、各学期毎ニ半数宛改選ス。委員ハ舎監ヲ輔ケ舎務ヲ取扱フ。
       第四章 入退舎及外泊
 - 第45巻 p.198 -ページ画像 
 第十五条 入舎ヲ望ムモノハ、第一号書式ノ願書ニ履歴書ヲ添ヘ、保証人連署ノ上本会ニ願出ヅベシ。但シ保証人ハ本会寄附者ニ限ル。
 第十六条 入舎ヲ許可セラレタルモノハ、第二号書式ノ誓約書ニ写真ヲ添ヘ差出スベシ。
 第十七条 退舎セントスルモノハ書面ニ其理由ヲ詳記シ、保証人連署ノ上願出デ許可ヲ受クベシ。
 第十八条 外泊又ハ旅行セントスルモノハ、書面ニ理由ヲ詳記シ、舎監ノ許可ヲ受クベシ。但外宿ノ場合ニハ保証人ノ証明ヲ要ス。
 第十九条 舎生若シ疾病ニ罹リタルトキハ、退舎若クハ外宿ヲ命ズルコトアルベシ。
 第二十条 本会ノ設備ニ係ルモノノ外、舎生ノ寝具其他ノ修学上必要ノ器具ハ自弁トス。
 第二十一条 本会ノ諸規則ニ背キ、役員ノ指揮ニ従ハズ、其他本会ノ体面ヲ汚ス行為アルモノハ、譴責又ハ退舎ノ処分ヲ為スベシ。
       第五章 会計
 第二十二条 寄宿舎ニ属スル会計ハ本会会計主任ノ指揮ヲ受ケ、本会主事之ヲ掌ル。
 第二十三条 主事ハ寄宿舎金銭ノ出納及物品ノ管理ニ関スル一切ノ事務ヲ取扱フモノトス。
 第二十四条 主事ハ毎月出納計算簿ニ一切ノ証憑書類ヲ添ヘ、翌月十日迄ニ会計主任ニ提出シ、其監査ヲ受クルコトヲ要ス。
 第二十五条 舎生ハ毎月舎費食費トシテ指定ノ金額ヲ前納スベシ。
       附則
 第二十六条 本規則ハ維持員会ニ於テ決議シ、会頭ノ認可ヲ経ルニアラザレハ変更スルコトヲ得ズ。
○下略
  ○右第二回維持員会ニ栄一ノ出席明確ナラズ。尚、明治三十六年六月制定セラレタル旧寄宿舎規則ハ本資料ニハ収載ヲ略セリ。