デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
3節 其他ノ教育関係
2款 財団法人埼玉学生誘掖会
■綱文

第45巻 p.243-244(DK450084k) ページ画像

大正9年8月(1920年)

是ヨリ先、当会ハ加藤三吾ニ依嘱シテ埼玉人物誌ヲ編纂ス。是月栄一、ソノ序文ヲ書ク。


■資料

渋沢栄一書翰 斎藤阿具宛(大正六年)一二月三一日(DK450084k-0001)
第45巻 p.243 ページ画像

渋沢栄一書翰  斎藤阿具宛(大正六年)一二月三一日  (斎藤阿具氏所蔵)
拝読、益御清適奉賀候、然者誘掖会事業として著述之事ニ付而ハ其後種々御高配被下、埼玉人物志を作ることニ御決之由拝承仕候、而して其作者ハ加藤三吾氏と御撰定之趣、彼是容易ならさる御手数と感謝此事ニ御坐候、老生何等異見無之ニ付貴案之通り御取極被下、可成早く進行候様頼上候、右不取敢拝復如此御坐候 敬具
  三十一日
                      渋沢栄一
    斎藤賢兄
       坐下


(埼玉学生誘掖会)評議書 大正四年一月―(DK450084k-0002)
第45巻 p.243 ページ画像

(埼玉学生誘掖会)評議書  大正四年一月―
                    (埼玉学生誘掖会所蔵)
                        (大井)
大正七年二月十日               主事(印)
 会頭 栄一
(本多)
  副会頭 (印)
     (諸井)(矢作)(斎藤)(滝沢)
   理事 (印) (印)  (印) (印)
     (山川)
   監督 (印)
    回議
  埼玉人物誌著作者嘱託ノ件
埼玉人物誌編纂委員長斎藤阿具氏ヨリ、加藤三吾氏ヲ其著作主任ニ推薦シ、且ツ左記条件ノ承認ヲ求メラレ候ニ付、之ヲ是認シ其経費ハ大正六年六月二十日ノ理事会ノ決議ニ依リ、渋沢奨学資金ノ利子ヨリ支出致スコトニ取計ヒ可然哉
 一、埼玉人物誌著作完成ノ上ハ報酬トシテ金参百円ヲ贈与スル事
 一、資料調査費トシテ金壱百円ヲ計上スル事
 一、挿入写真撮影等ノ為メ予備費トシテ金壱百円ヲ計上スル事
 一、著作ハ大正八年六月迄ニ成ルヘク脱稿スル事
  ○大正六年六月二十日ノ理事・監事会協議事項ノ中、第四項ニ次ノ如クアリ第四、渋沢奨学資金ヨリ生シタル利子(寄附ノ日ヨリ大正七年九月迄ノ分)ハ左ノ事業費ニ充ツルコト、但シ其割合ハ理事会ノ決議ニ依ル
   一、埼玉人物誌編纂出版費
   二、貸費金
   三、優秀学生表彰費


渋沢栄一 日記 大正八年(DK450084k-0003)
第45巻 p.243-244 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正八年          (渋沢子爵家所蔵)
 - 第45巻 p.244 -ページ画像 
六月一日 晴 軽暑
○上略 加藤三吾氏ノ来訪ニ接シ、埼玉県下人物史著作ノ事ヲ協議ス○下略


渋沢栄一 日記 大正九年(DK450084k-0004)
第45巻 p.244 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正九年          (渋沢子爵家所蔵)
一月十一日 快晴 寒威強シ
○上略 加藤三吾氏来リ埼玉人物誌編纂ノ事ヲ協議ス○下略


埼玉県人物誌 加藤三吾著 序大正一〇年一〇月刊(DK450084k-0005)
第45巻 p.244 ページ画像

埼玉県人物誌 加藤三吾著  序大正一〇年一〇月刊
  埼玉県人物志序
今を距る九年前我か埼玉学生誘掖会は、県下人士の精神修養に資せむが為めに、鎌倉開府前後に於ける武蔵一国に蕃衍せる武門諸党の史伝を編成し、武蔵武士と題して之を刊行せり、是れ敢て祖先の勇武を誇張せむが為にあらず、頼りて以て古武士の其勇敢義烈君父あるを知りて自己あるを知らさるの気象を描出して、以て今の各郡村の小中学校の子弟か、動もすれは知育に偏して質実敦厚の風を欠き、軽薄浮夸祖先奉公の遺風を諼れ利己逸楽に流るゝを慨し、聊か以て之か匡正に資せむとするの微衷に外ならさりしなり、武蔵武士発刊の後本会亦以為く、既に武人の史伝を詳悉したり、更に一歩を進めて武蔵の史乗を調査し、其古跡と人物とに論なく、苟も名教文化に資するものは宜しく之を網羅し、其伝記を討覈して、摸楷を県郡の子弟に示すべしと、是を以て其編纂を加藤三吾氏に属し、其書を名けて埼玉県人物志といふ抑も慎終追遠は人の履行すべき善事なり、吾儕先づ其端緒を開き、敢て先覚者を自任して天職を尽すに於ては、今後の青年諸氏も亦其蹤を尋ね其志を紹きて年と共に完備するに至らむ、果して然らは質実敦厚の美徳、祖先奉公の遺風も期せすして興隆するを得む乎、頃日加藤氏来りて稿成るを告け、余の序を求む、乃ち一言を巻首に弁し、前に刊行したる武蔵武士と相待つて文化の推移を知悉せしめ、併せて武蔵国民の士気の振作に資せむことを庶幾すと 云爾
  大正九年庚申八月
                   青淵渋沢栄一識