デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和5年5月24日（1930年）

是日栄一、当会ヨリ米寿祝賀記念トシテ贈ラレタ
 - 第45巻 p.279 -ページ画像 
ル清水良雄ノ描ケル肖像画ヲ受領シ、同日之ヲ埼玉学生誘掖会寄宿舎ニ寄贈ス。

集会日時通知表　　昭和五年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
五月二十四日　土　午前九時　埼玉県誘掖会舎友会新井源水外数人来約（飛鳥山）
　　○新井源水ハ寄宿舎監督トシテ肖像画ヲ受領ノタメ、他ノ舎友会幹事ト共ニ飛鳥山邸ニ赴キタルナリ。

（埼玉学生誘掖会舎友会）記録　　大正一〇年一〇月二二日―
　　　　　　　　　　　　　　　　（埼玉学生誘掖会舎友会所蔵）
五月廿四日○昭和五年
　会頭肖像額面贈呈（子爵邸ニテ若山・戸賀崎幹事ヨリ）
同五月廿九日　舎友会幹事会ヲ寄宿舎に開く、会頭米寿祝賀記念品贈呈ニ関スル報告、一般賛同者ヘノ報告打合
同六月七日　米寿祝賀記念品贈呈ニ関シ、弐百九拾六氏宛報告（賛同者三百四氏ノ内、外国在住ノ大島幾一・斎藤良弼二氏、死亡増田・大橋・関口・中山・堀口五氏）

埼玉学生誘掖会舎友会々頭渋沢子爵米寿祝賀記念品贈呈報告
　　　　　　　　　　　　　　　　（埼玉学生誘掖会舎友会所蔵）
（印刷物）
拝啓、初夏の候益々御清適の段奉賀候、扨て兼て御賛同を得候渋沢子爵閣下米寿祝賀に際し記念品贈呈の儀、幸に諸先輩並に舎友諸君大多数の御賛同を得、閣下の御肖像画を贈呈せんものと、斯界の泰斗清水画伯に依頼致し置候処、今般漸く出来致し候に付去る五月二十四日、幹事及寄宿舎委員立合の上子爵邸に於て芽出度贈呈を了し候、閣下に於ても殊の外御満悦に見受けられ候まゝ、玆に収支明細書と共に御報告申上候、尚該御肖像画は直に閣下に請ひ之を寄宿舎に頂戴仕り、永くその御温容に接し子弟育英の資に供する事と致し候間、他日寄宿舎に御立寄りの節は御一覧願上候
　追而残金に就ては、図書購入の上寄宿舎図書館に寄贈すべき筈の処閣下の御承引を得て全部渋沢子爵奨学資金へ繰り入れ申候間、之れ又御了承願上候、先は右御報告旁得貴意度如斯に御座候
　　昭和五年六月七日　　　　　　　　　　　　　　　幹事
　　　　　　　　　　殿
　　　　収支明細書
　　　　　　収入の部
一金九百拾四円也　　　　　　三百四名より醵金金額
一金弐拾弐円七拾六銭　　　　右金額に対する利子
　計金九百参拾六円七拾六銭
　　　　　　支出の部
一金五百円也　　　　　　　　肖像画揮毫料金
一金弐拾七円　　　　　　　　集金委託手数料四百五十通分
一金拾参円六拾銭　　　　　　同為替料二百七十二通分
 - 第45巻 p.280 -ページ画像 
一金壱円参拾銭　　　　　　　再度通知郵券代
一金壱円弐拾銭　　　　　　　振替料金領収通知代
一金九円八拾銭　　　　　　　収支報告印刷代金
一金五円　　　　　　　　　　雑費
　計金五百五拾七円九拾銭
　差引残金参百七拾八円八拾六銭　渋沢奨学資金へ繰入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上