デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正7年8月2日（1918年）

是日、当会評議員会開催セラレ、理事及ビ会長改選ノ結果、栄一再ビ会長・理事ニ選任セラレ、九月二十一日就任ヲ承諾ス。

二松学舎六十年史要　　国分三亥編　第一一〇頁　昭和一二年一二月刊
　○第二編　財団法人二松学舎沿革
　　　　第二章　財団法人二松義会時代
○上略
八月二日○大正七年評議員会開催、理事及会長を左の如く選任す。
理事　男爵渋沢栄一　　速水柳平　　　池田四郎次郎（以上再選）
　　　尾立維孝　　　佐倉孫三（以上新選）
会長　男爵渋沢栄一
九月二十一日、男爵渋沢栄一、会長理事たることを承諾す。
○下略

財団法人　二松義会第拾六回会報　　第一―二頁　大正八年二月刊
　　　　自大正七年一月至同年十二月　財団法人二松義会第十六回会報
　　　　　　第一　本会経過紀要
○上略
一、理事改選ニ付七月二十三日ヲ以テ書類ヲ評議員ニ送付シ、八月二日ヲ以テ開票セシニ、当選者左ノ如シ
　　会長　男爵渋沢栄一　　池田四郎次郎
　　　　　　　速水柳平　　尾立維孝
　　　　　　　佐倉孫三
○下略

二松学友会誌　　第四〇輯・第四八頁　大正八年五月
　　　　財団法人二松義会記事　自大正七年八月至同年十二月
一理事は本年八月を以て満期となるを以て改選投票を行ひ、八月二日を以て之を開きたるに、其の結果左の如し
　　男爵渋沢栄一（再任）　　池田四郎次郎（再任）
　　速水柳平（再任）　　尾立維孝　　佐倉孫三
　因て互選の結果、従前の通り渋沢男は会長に当選せられたり

渋沢栄一書翰　　山田準宛　大正七年八月九日　　　（山田準氏所蔵）
一昨日之尊翰今朝伊香保客舎ニ於て拝読仕候、爾後賢台益御清適之条奉賀候、老生月初より家族同伴当地ニ避暑いたし、不相替頑健ニ消光罷在候、御省念被下度候、先年来篤二・正雄等之豚児共種々御世話ニ相成候由感謝之至ニ御坐候、過日二松義会ニ於て偶然拝眉之際ニハ右等染々御礼も不申上欠敬此事ニ御坐候、老生従来賢台之盛名を知るハ右等自己之関係も有之候得共、陽明学会之雑誌ニ於て毎々高説を拝読いたし、時々方谷先生之事共思ひ浮へ候義ニ御坐候、先日ハ特ニ老生
 - 第45巻 p.563 -ページ画像 
之事務所へ御過訪被下候由、不在中ニて別而失礼仕候
二松義会之事ニ付而ハ御承知之如く老生ハ別ニ漢学素養有之候者にも無之候も、只年来中洲翁と別而御懇親ニ致候為め、右等之縁故より当撰致候事と今日ハ頗る困却罷在候、殊ニ学舎之経営も調和も兎角不充分之点有之、先般ハ幹事たる人稍奇矯之挙動ニ出て、理事一同少しく迷惑いたし候処、今日ハ又従来之理事二名突然落撰と相成候ハ、将来之寄附金募集等ニも種々之障碍を来し可申と痛心仕候、何れ本月下旬ニハ帰京、篤と事情承合候上ニて何分之決意可仕と存候、乍序此段申上置候、右御細書ニ対する拝答旁近情申上度如此御坐候　敬具
　　八月九日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　山田賢台
　　　　　　　研北拝復
　　○封筒ニ「大正七年八月九日」トアリ。