デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
3節 其他ノ教育関係
29款 其他 6. 暁星中学校
■綱文

第46巻 p.180-182(DK460042k) ページ画像

大正13年2月(1924年)

先ニ当校関東大震火災ニ罹災シ、其修繕並ニ小学部再築ノタメ、是月寄付金募集ニ着手ス。栄一金二百円ヲ寄付ス。


■資料

修繕再築費寄附芳名録 暁星中学校編 第一―一六頁大正一四年一〇月刊(DK460042k-0001)
第46巻 p.180-181 ページ画像

修繕再築費寄附芳名録 暁星中学校編 第一―一六頁大正一四年一〇月刊
    暁星学校 中学部修繕小学部再築 寄附金報告
 大正十二年の大震災に依て蒙た暁星学校の損害は相当に甚大でありまして、最初から約参拾万円位と推定致しました。
 同年十月一日授業開始後間もないことでありましたが、生徒の父兄・出身者・知人の方々で、修繕再築の費用に充当するやうにと、自発的
 - 第46巻 p.181 -ページ画像 
に寄贈された金額が四千〇四拾参円七拾参銭となりました。
 昨年修繕再築のため寄附金を募集することになりましたので、学校当事者は二月其依頼状を発し、生徒の父兄・出身者・知人各位に訴へて、多少に拘らず暁星学校復旧のために援助を与へられんことを懇願致しました。
 欧米諸国からの寄贈金が多分拾万円位はありませうとの見込から、内地に於ては弐拾万円を得たいものと希望致しました、なほ此書状に拾七名の復旧醵金後援者連名の依頼状を添付致しましたが、これには暁星学校当事者の挙を熱心に賛同致しまして、是等後援者の意見による同校救援の主なる理由を述べました。
 さて寄附申込金額は、募集着手の際に求めました弐拾万円の高には達しませんでしたが、総額拾四万壱千五百五拾参円参拾弐銭といふ多額に上り、これが申込者は七百拾八名、其多数は現に暁星学校に在学する生徒の父兄各位であります。
 それでこれのみでもなほ五万八千四百四拾六円六拾八銭といふ不足額がありますが、幸に同校が欧米殊に仏国政府・印度支那政府・羅馬白耳義其他個人の方々から受領致しました寄贈金と、日本政府貸付の震災応急施設費金参万〇壱百弐拾円及び内務省下附の価格約七千五百円の材木などで、修繕再築費の不足を補ふことが出来ました。
 さて中学部の修繕は昨年九月に終りましたが、其経費は六万弐千七百五拾円参拾壱銭を要しました。又小学部の再築は本年二月に竣工致しまして、其工費弐拾参万九千九百四拾七円九拾参銭であります。依て今日までの修繕再築費用を合算致しますと、総額参拾万弐千六百九拾八円弐拾四銭でありまして、今後に残てゐるのは小学部の特別教室の備品と其敷地北側境界の塀とでありますが、これは経費約五千円位を要する見込であります。
 此様な次第でありまして暁星学校が今日比較的早く復旧の喜びを見まして正規の授業をなし得るやうになりましたのは、全く前記のやうな多額の寄附金を与へられました各位の賜物と信ずるものであります殊に震災による莫大な損失や財界の不況やに拘らず、窮状に在る暁星学校救援のために、かくまで御好意を忝う致しました御同情の程は何とも感銘に堪へない次第であります。どうか私共が玆に表する熱心誠実なる感謝と最も深い敬意とをお受け下さらんことを切望致します。
 今次に御寄贈各位の芳名を掲げまして、永くこれを銘肝致したいと思ひます。
  大正十年十月十九日     暁星学校長エミール・ヘツク
                復旧醵金後援者一同
                幹事 長江邦四郎
    修繕再築費寄附芳名録(ABC順)
○中略
 一金弐百円 子爵 渋沢栄一殿
○下略

 - 第46巻 p.182 -ページ画像 


〔参考〕御揮毫物控 【(大正六年七月) 一暁星学校】(DK460042k-0002)
第46巻 p.182 ページ画像

御揮毫物控              (渋沢子爵家所蔵)
(大正六年七月)
一暁星学校              石川雄之助