デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
4節 教育行政関係
1款 教育調査会
■綱文

第46巻 p.297-301(DK460087k) ページ画像

大正5年6月17日(1916年)

是年六月九日、文部大臣官邸ニ於テ、当調査会第三回懇談会開催セラレ、文部省提出ノ大学令案ニ付テ、特別ノ委員ヲ設ケテ再調査ヲナスコトヲ決ス。栄一出席ス。六月十二日、同所ニ於テ当調査会総会開催セラレ、右委員ノ指名ヲ文部大臣ニ一任ス。

是日栄一、特別調査委員ニ指名セラル。


■資料

竜門雑誌 第三三五号・第六七頁大正五年四月 ○大学令案の賛否両派(DK460087k-0001)
第46巻 p.297-298 ページ画像

竜門雑誌  第三三五号・第六七頁大正五年四月
○大学令案の賛否両派 教育調査会の懸案たる大学令案に就て、委員中の反対者と意思の疎通を図る為め、三月二十九日高田文相及び福原同次官は岡田・小松原両氏と会見し懇談したる由なるが、未だ全く意思の疎通を見るに至らず、再会を約して相別れたる由、因に賛否両派
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の氏名は左の如くなりといふ
△反対派 江木千之・小松原英太郎・三土忠造・蜂須賀茂韶侯・山川健次郎男
△賛成派 青淵先生・加藤彰廉・荘田平五郎・江原素六・嘉納治五郎・手島精一・鵜沢総明・成瀬仁蔵・鎌田栄吉・高田早苗・山根正次・中野武営・花井卓蔵・早川千吉郎・高本兼寛男・菊池大麓男・九鬼隆一男
△賛否不明 (結局賛成)水野直・桑田熊蔵


集会日時通知表 大正五年(DK460087k-0002)
第46巻 p.298 ページ画像

集会日時通知表  大正五年        (渋沢子爵家所蔵)
六月九日 金 午后二時 教育調査会ノ件(文相官邸)


中外商業新報 第一〇八三二号大正五年六月一〇日 ○学制案懇談会 委員設置の相談(DK460087k-0003)
第46巻 p.298 ページ画像

中外商業新報  第一〇八三二号大正五年六月一〇日
    ○学制案懇談会
      委員設置の相談
大学令案に関する教育調査会員賛否両派の懇談会は九日午後一時より文部大臣官邸に開催、文部省側よりは高田文相、福原次官、大津・小山正副参政官、委員側よりは渋沢男・菊池男・高木男並に小松原・江木・岡田・嘉納・鎌田・成瀬諸氏出席、帝国大学及高等学校処分案に関する特別委員の選定に付協議する所あり、結局本邦学制の根本的研究を遂ぐる為め、右処分案に関する特別委員十五名、及び地方経済と教育との関係を調査すべき特別委員九名を選定するに決したるが、這は勿論下相談に過ぎざれば、来十二日の教育調査会総会に於て、大学令案の審議に先ち、右両種の委員を設置すべき事を諮り、其上にて公式に、会長より指名する事となるべし、尚懇談会の席上に於て、此等の委員には教育調査会員以外に、大学教授其他を加へては如何との説も出でたれど、斯くするには、教育調査会の官制を改正する必要ありて、俄に実行し難き故、別に文部省より補助員を附する事に内定し散会せり


竜門雑誌 第三三七号・第九七頁大正五年六月 学制案の再調査(DK460087k-0004)
第46巻 p.298 ページ画像

竜門雑誌  第三三七号・第九七頁大正五年六月
○学制案の再調査 六月九日午後二時より文相官邸に於て開会せる学制案に就ての第三回懇談会には、青淵先生にも出席せられたる由なるが、賛否両派懇談の結果、更に委員を挙げて再調査を為すことに決せりといふ、即ち左の如し
 一、議長指名十五名の委員を挙げて、帝国大学高等学校並に中・小学校の全般に渉り根本的調査を為さしむること
 二、議長指名九名の委員を挙げて、教育と地方経済との関係を調査せしむること
 三、以上の二委員会に対しては文部省より若干の補助員を任命し、其調査を幇助せしむること


集会日時通知表 大正五年(DK460087k-0005)
第46巻 p.298 ページ画像

集会日時通知表  大正五年        (渋沢子爵家所蔵)
六月十二日 月 午后二時 教育調査会総会ノ件(文相官邸)

 - 第46巻 p.299 -ページ画像 

中外商業新報 第一〇八三五号大正五年六月一三日 ○教育調査総会 大学案採決延期(DK460087k-0006)
第46巻 p.299 ページ画像

中外商業新報  第一〇八三五号大正五年六月一三日
    ○教育調査総会
      大学案採決延期
大学令案に関する教育調査会総会は十二日午後二時より永田町文相官邸に開きたるが、文部省は高田文相・福原次官・松浦専門学務局長、会員側は蜂須賀侯以下全部出席、高田文相議長席に着き、新に会員に任命されし陸軍省人事局長菊池慎之助少将を紹介せる後、前回に引続き
△大学案を議題 に上し、特別委員長菊池男の報告に基きて同案の可否を採決すべき事となりしが、高木兼寛男は緊急動議ありとて発言を求め「本案に関する委員長の報告に依れば、帝国大学及高等学校の処分案を速かに提出すべき事を附帯条件として可決せりとの事なるが、斯くの如き条件を附したる儘にて本案の可否を決せんよりは、寧ろ本案の採決を延期し、別に帝国大学及高等学校の処分案を調査して大学令案と同時に可否を決するが可ならん、尚之と関聯して本邦学制に関する
△根本的の調査 をなすの要ある故、帝国大学及高等学校の処分案を調査する為め特別委員十五名を挙ぐる外に、小中学に関する調査委員九名をも挙げ、此等委員に依りて具体的成案を得る迄大学令案の採決を延期する旨の決議を行はれん事を望む」と述べ、右に対し三土・関・蜂須賀・花井・鵜沢・菊池・江木諸氏より、主として手続上に関する質問ありしも強ひて高木説に反対するにもあらず、殊に鵜沢氏は「大学令案の採決を延期する旨改めて決議するは如何にも事々しくて、益益之が解決を長引かしむる嫌ひある故、単に
△採決を猶予す るとの申合せをなすに止め置かん」と述べ、衆議之に従ひ、結局高木男の動議成立したるが、尚帝国大学及高等学校処分案の調査委員十五名は教育調査会見中より文相之を指名し、別に文部省側より若干の専任補助員を附する事となり、地方経済と教育との関係(即ち小中学制度)を調査すべき委員九名も、教育調査会員中より文相の指令により選挙するに決し、午後四時散会せり


中外商業新報 第一〇八四〇号大正五年六月一八日 ○特別委員決定 教育調査会委員(DK460087k-0007)
第46巻 p.299-300 ページ画像

中外商業新報  第一〇八四〇号大正五年六月一八日
    ○特別委員決定
      教育調査会委員
曩に十二日の教育調査会に於て高田文相に指名を一任せし両特別委員は、十七日発表されたり
 △帝大改正等に関する調査特別委員 菊池大麓男・鎌田栄吉・成瀬仁蔵・渋沢栄一男・花井卓蔵・鵜沢総明・嘉納治五郎・高木兼寛男(以上賛成者)小松原英太郎・江木千之・岡田良平・山川健次郎・三土忠造(以上反対者)
 △地方経済と教育との関係に関する特別調査委員 九鬼隆一男(枢密院側)水野直子・江木千之・桑田熊蔵・高木兼寛男・江原素六(以上五名上院側)関直彦(下院側)早川千吉郎・荘田平五郎(以上二
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名実業家側)
右の如く決定せるを以て、来る二十三日午後二時より文相官邸に於て右特別委員会を開催する筈


竜門雑誌 第三三八号・第八〇頁大正五年七月 教育調査会の特別調査委員(DK460087k-0008)
第46巻 p.300 ページ画像

竜門雑誌  第三三八号・第八〇頁大正五年七月
○教育調査会の特別調査委員 教育調査会委員たる青淵先生には六月十七日帝国大学改正案に関する特別調査委員に推選せられたる由。


集会日時通知表 大正五年(DK460087k-0009)
第46巻 p.300 ページ画像

集会日時通知表  大正五年      (渋沢子爵家所蔵)
六月廿二日 木 正午 教育調査会ノ件ニ付、成瀬氏等ト御会合(中央亭)
六月廿三日 金 午后二時 教育調査会(文相官邸)


中外商業新報 第一〇八四八号大正五年六月二四日 ○学制案委員会(DK460087k-0010)
第46巻 p.300 ページ画像

中外商業新報  第一〇八四八号大正五年六月二四日
    ○学制案委員会
教育調査会の大学処分案及地方経済と教育との関係に関する両委員会は、二十三日午後二時より永田町の文部大臣官邸に初会合を開けり、九鬼男の事故欠席せる外は全員出席、大学処分案に関する委員会は小松原氏の指名にて菊池大麓男を委員長に推選し、次回は来る三十日午後二時より文相官邸に会合、今後の調査方針に就て協議を行ひ、爾後成る可くは毎金曜日に開会するに決し、地方経済と教育との関係に関する委員会は高木兼寛男を委員長に推し、来る廿九日午後二時より委員会を開くに決し、何れも午後四時散会せり


集会日時通知表 大正五年(DK460087k-0011)
第46巻 p.300 ページ画像

集会日時通知表  大正五年        (渋沢子爵家所蔵)
七月十四日 金 午后二時 教育調査会ノ件(文相官邸)


中外商業新報 第一〇八六九号大正五年七月一五日 ○大学案委員会 各種事項の調査(DK460087k-0012)
第46巻 p.300-301 ページ画像

中外商業新報  第一〇八六九号大正五年七月一五日
    ○大学案委員会
      各種事項の調査
教育調査会の大学並に高等学校改正特別委員会は十四日午後二時より永田町文相官邸に開会、小松原・岡田・鎌田・三土四氏の外全員出席文部省よりは松浦専門学務局長等臨席、劈頭江木千之氏より小委員会の結果を報告し、之に対し出席委員より質問若くは意見の陳述ありしが、結局小委員会にて決定せる処を容れ、大要次の如き事項の調査を文部省に委托し、尚該調査の結了せざる以前に於ても委員会は之に拘泥せず調査を進むべき事を申合せ、午後四時半散会せり、因に次回の委員会は九月二十二日開会の筈
      調査事項
 一、東京帝大法科卒業者と各種試験合格の関係、一、私立大学卒業者(法政経済)と各種試験合格の関係、一、帝大各分科卒業生の年齢及成績の関係、一、同上就職別調査表、一、同上卒業せし年に於て就職せし者と就職せざる者の調査、一、同上死亡調査、一、官公私立大学卒業者の在学年数、一、高等学校優等入学者入学後の成績
 - 第46巻 p.301 -ページ画像 
 一、医専卒業者にして内国に於て自己の研究に依り学位を受けたる者の数、一、高等学校入学志願者・入学試験出席者及び入学者の数並に入学前の履歴・年齢、(其他十数項略之)



〔参考〕集会日時通知表 大正五年(DK460087k-0013)
第46巻 p.301 ページ画像

集会日時通知表  大正五年        (渋沢子爵家所蔵)
九月廿九日 金 午后二時 帝国大学改正案等調査特別委員会(文部大臣官邸)
  ○中略。
十一月二日 木 午后二時 大学改正案等ニ関スル教育調査特別委員会(文部大臣官邸)