デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
7款 帰一協会
■綱文

第46巻 p.426-435(DK460117k) ページ画像

明治45年6月20日(1912年)


 - 第46巻 p.427 -ページ画像 

是日、栄一外十一名発起人トナリ、当協会組織相談会ヲ上野精養軒ニ開キ、規約並ニ趣意書等ヲ決定、当協会成立ス。栄一外四名幹事ニ就任ス。次イデ七月十日第一例会ヲ開ク。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四五年(DK460117k-0001)
第46巻 p.427 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治四五年         (渋沢子爵家所蔵)
六月十四日 曇 暑
○上略 午後一時事務所ニ抵リ○中略成瀬・浮田・姉崎三氏来リ、宗教統一ノ事ニ関シテ近日一会ヲ開クノ手続ヲ協議ス、二十日上野精養軒ニ於テ集会ノ事トシテ、諸方ノ通知ノ手配ヲ為ス、畢テ成瀬氏ト共ニ大隈伯ヲ早稲田ニ訪ヘ、宗教統一論ヲ為ス、伯ヨリ種々ノ意見ヲ述ヘラル午後六時半帰宅、夜飧後皆川晃雄氏来リテ、頃日ギユルク氏ヨリ寄贈セラレタル基督教要義中同氏特ニ注意シ来レルモノヲ熟読ス
○下略
   ○中略。
六月二十日 雨 暑
○上略 午後四時上野精養軒ニ抵リ、帰一協会設立ニ付来会者ニ一場ノ開会趣旨ヲ演説ス、後座長ニ推サレテ議事ヲ整理シ、本会設立ノ事ニ決定ス、来会者一同ト食卓ヲ共ニシテ夜食ス、夜十時過散会ス
○下略
六月二十一日 曇 暖
午前七時起床、入浴シテ○中略成瀬仁蔵氏来リ、昨夜精養軒会同ノ事ニ関シ種々ノ協議ヲ為ス○下略
   ○中略。
七月一日 晴 暑
○上略 午後二時事務所ニ抵リ、庶務ヲ処理ス、成瀬仁蔵氏来リ、帰一協会ノ事ヲ談ス○下略


帰一協会記事 一 【帰一協会組織相談会】(DK460117k-0002)
第46巻 p.427-429 ページ画像

帰一協会記事 一            (竹園賢了氏所蔵)
    帰一協会組織相談会
○六月廿日○明治四五年(木曜日)於上野精養軒
 拝啓益々御清適ノ段奉賀候、然ハ先般来協議ヲ重ネ候帰一協会ノ義ニ関シ、本日別紙ノ通リ夫々案内状相発シ置キ候ニ付テハ、当日ハ開会前一応ノ御打合セ致度候間、何卒御繰合セ午後四時廿分迄ニ上野精養軒ヘ御尊来被成下度切望仕リ候、尚趣意並規約及意見書仮印刷出来候ニ付キ、別封ニテ各三部宛御送附致候間、御落手被成下度候、此段御通知申上度如斯御座候 敬具
  六月十四日              成瀬仁蔵
                     浮田和民
                     姉崎正治
                     渋沢栄一
  追伸、御手数乍ラ御参否御一報願上候
右案内状左ノ如シ
 拝啓時下益々御清適奉賀候、然ハ小生等今般別紙尊覧ニ供シ候趣旨
 - 第46巻 p.428 -ページ画像 
目的ヲ以テ、一ノ協会ヲ組織仕度ト存シ候ニ付テハ、其ノ組織及将来ノ劃策ニ付キ御高見相伺ヒ篤ト御協議ノ上、愈々組織実行ノ運ヲ相進メ申度ト希望仕候間、御多忙中恐レ入リ候得共、来ル廿日(木曜日)午後四時三十分上野精養軒ヘ御来会被成下候ハヾ幸甚ニ奉存候、尚当日御差支ニテ御参会無之場合ニ於テモ、別紙趣旨御賛同被下候ハヾ、乍御手数其旨御一報被成下度願上候、右書中得貴意度如此御座候 敬具
  明治四十五年六月十四日
                    発起人
                      井上哲次郎
                      原田助
                      中島力造
                      成瀬仁蔵
                      上田敏
                      浮田和民
                      桑木厳翼
                      松本亦太郎
                      姉崎正治
                      ギユーリツク
                      渋沢栄一
                      森村市左衛門
  追伸当日ハ粗餐用意可仕候ニ付御来否貴答願上候
六月廿日 欠席者趣意賛否調
 早川千吉郎     賛否何レトモナシ
 新渡戸稲造     海外旅行中
 豊川良平      賛否何レトモナシ
 和田豊治      賛
 加藤正義      賛否何レトモナシ
 鎌田栄吉      旅行中ニテ不明
 高楠順次郎     海外旅行中
 添田寿一      同
 益田孝       賛否ハ可然機会ニテ篤ト承リテ
 近藤廉平      賛否何レトモナシ
 手島精一      熟考ノ上。賛
 朝吹英二      賛否何レトモナシ
 荘田平五郎     賛
 釈宗演       賛
 吉川重吉      賛、病気欠席
      帰一協会集会記事
六月廿日 組織相談会ヲ上野精養軒に開キ、組織ノ目的・方法ニ付キ協議シ、且ツ規約並趣意書ヲ発起人原案ニ付テ討議シ、二・三修正ノ後確定。当日出席者左ノ如シ(姓名不順)
 服部宇之吉   服部金太郎
 床次竹二郎   大橋新太郎
 - 第46巻 p.429 -ページ画像 
 大内青巒    片山国嘉
 筧克彦     高田早苗
 坪野平太郎   中野武営
 村上専精    海老名弾正
 八代六郎    佐藤鉄太郎
 阪谷芳郎    目賀田種太郎
 杉浦重剛    井上哲次郎
 中島力造    成瀬仁蔵
 浮田和民    姉崎正治
 渋沢栄一    森村市左衛門
 デ・シー・グリーン シドニー・ギユーリック
  (右ノ中杉浦氏ハ不入会)
此ノ外趣意賛同ノ旨通知ヲ得タル諸氏左ノ如シ
 江原素六    沢柳政太郎
 和田豊治    手島精一
 荘田平五郎   釈宗演
 吉川重吉
尚本会合ニ於テ発起人十二人ヲ以テ評議員トシ、其中幹事五名ノ互選アリ、即チ左ノ如シ
  評議員(○印ハ幹事)
 井上哲次郎   原田助
 中島力造   ○成瀬仁蔵
 上田敏    ○浮田和民
 桑木厳翼    松本亦太郎
○姉崎正治    シドニー・ギユーリック
○渋沢栄一   ○森村市左衛門


帰一協会会報 第壱・第二六頁大正二年二月 帰一協会組織相談会(DK460117k-0003)
第46巻 p.429 ページ画像

帰一協会会報 第壱・第二六頁大正二年二月
    帰一協会組織相談会
○明治四十五年六月二十日 組織相談会を上野精養軒に開き、組織の目的方法に付き協議し、且規約並趣意書を、発起人原案に付て討議し二・三修正の後確定。出席者左の如し。
   ○出席者前掲ニツキ略ス。賛意表明者・幹事関係ノ記事並ニ氏名モ略ス。


竜門雑誌 第二九〇号・第七〇―七四頁明治四五年七月 ○帰一協会の設立(DK460117k-0004)
第46巻 p.429-434 ページ画像

竜門雑誌 第二九〇号・第七〇―七四頁明治四五年七月
    ○帰一協会の設立
青淵先生には予て現代の混沌たる思想界改善に付て講究せんと考慮せられつゝありしが、本年四月十一日午後飛鳥山自邸に於て、同志井上哲次郎・中島力造・姉崎正治・浮田和民・上田敏・ギユリツキの諸博士及成瀬仁蔵氏等と相会して具に討論攻究する所あり、次で五月十三日午後にも、前記諸博士と同邸に会合協議せられ、愈々帰一協会と名くる一協会を設くることに決し、一の成案と為して六月二十日上野精養軒に同志者を招きて之を附議し、種々意見の交換ありて後、左記の通趣旨・意見書及規約を決定せられたり。
 - 第46巻 p.430 -ページ画像 
      趣旨
 明治維新の始め開国進取の方針定まりて以来、我が国運は諸種の方面に於て、駸々として隆昌の実を挙ぐると雖も、而かも、社会万般の問題に関して、紛糾せる難問題続出し、解釈の前途未だ容易に楽観し難きものあり。その原因が諸種の方面に亘りて錯雑したるものあるは勿論なるも、之を内にしては、国民の道徳信念が安住を得ず之を外にしては、西洋の新文明に接して応接に遑なきために、新旧の思想文物が未だ円熟の調和を得ざるは、その主要なる原因たらずんばあらず。約して之を言へば、開国進取の形先づ成りてその精神の確立せざるは、実に今日の難関に遭遇する所以なりと信ず。
 果して然らば、今日国家の中堅たるべき人士にとりての急務は、一方、殖産致富の努力によりて、国力の充実を図ると共に、他方にて一国文明の基本を確定するために、道徳・教育・文学・宗教等の精神的問題に関して、堅実なる努力と、真摯なる研究とを勉むるにあるべし。此の目的のためには、我が国民性の特色を維持し、国体の精華を発揮すると共に、又博く世界の思潮に接して之を包容し同化し、以て開国進取の実を、精神的方面にも発揚せざるべからず。此の如きは、容易の事業ならざると共に、又実に前途多望の天職たらずんばあらず。
 今日社会の実況を見るに、政治家・軍人・実業家・教育家・思想家の別なく、道徳信念の問題につきては、各々思慮考究する所あるも未だ社会全般を支配すべき統一の勢力を得ず、諸種の思想信念は、この国民の天職を中心として、多少帰一の傾向を呈し来れるも、尚ほ未だ明晰なる帰着に到達せず。此の際、国民の中堅として、指導誘掖の位置にある者は、公明なる精神を以て、社会万般の問題を研究し、特にその基礎を明瞭確実にするの任務を負はざるべからず。人々各々その信ずる所に拠り、又各々その職務に尽力すべきは勿論なるも、是と共に、共同の精神を発揮し、摯実なる研鑽によりて、一は以て各自の信念を鞏固にし、一は以て国運の基礎を盤石の安きに置かざるべからず。
 是を以て、本会は先づ社会の各方面に亘りて、憂を共にし志を同ふせる人士の糾合によりて、研究と修養とに勉め、進んで世界万国と共に、将来の文明に対する共同の精神を発揮し得んことを期す。
 上来記載の趣旨によりて、本会は、先づ国内の精神的統一を図り、更に別紙の意見書の如く、漸次外国の同志をも合同せんことを企図す。その事業方法に至りては、先づ会合集議の中心を作り、研鑽討論の機関を設け、出版講演の方面にも、一着一歩を占め、終には国際的運動に資せむとす。依つて左の規約を定め、有志の賛同加入を請ふ。
     意見書
 二十世紀の文明は、全世界を打つて一団となし、通商交通の上は勿論、精神上の問題に於ても、人種及び国家の差別を打破せんとする勢を示せり。特に基督教の世界的布教と、宗教・道徳・文学等の比較研究と、其の他、一般に科学の進歩とは、世界の思想界に遍通す
 - 第46巻 p.431 -ページ画像 
る波動を及ぼし、思想感情の上に於ける関係交渉は、日日に頻繁なるに至れり。然れども、現今世界の主動者たる西洋の文明に、希臘羅馬以来の遺伝あるが如く、東洋の思想にも亦、印度・支那等数千年来の素習ありて、特質俄に変化し能はざるものあり。之に加ふるに、商工業の利害より生ずる国際の競争、移住殖民より起る人種感情の紛糾等、亦其の勢を加へ、為めに、往々にして人類の平和を破り、融和を害することなきにあらず。此の時に当りて、国民相互の友誼を増進し、国際の道義を擁護するには、世界諸国民、特に東西両洋人民間の同情を増進せざるべからず。同情を増進するためには先づ相互の理会によりて、情意を疏通するの要あるや、勿論なり。今や世界の交通は、益々自由に、学術の研究は、愈々弘く思想界を動かしつゝあるも、其の根柢に横はれる、信仰理想の大本に至りては、東西相互の理会に於て、尚ほ遺憾とする者少なからず。国際の利害及び政策の上に於ける関係の調摂は、今日の急務たるに相違なきも、尚ほ其の蘊奥に入りて、信仰理想の上に於て、東西相理会し同情と尊敬とを以て、相交るの気運を促進するは、永遠に世界人類の平和を増進する為めに、欠くべからざる要務たらずんばあらず。思ふに、近世の学術は、天然万有の秘奥を探り、利用厚生に資する上に於て、長足の進歩を遂げたるのみならず、又精神的及び社会的理想に於て、人心の根柢、人情の契合を明かにしたるもの少しとせず。独り自ら信ずること篤きが為めに、世界の活問題に参与せずして、自ら孤立するが如きは、国民としても、宗教としても、其の発展を遂ぐる所以にあらざるべく、人類の文明は、今後或る点に於て帰一の針路を執るに至るべし。故に、諸の国民、諸の宗教は各々其の特質を発揮し、之に依りて世界の人文を豊富にすべきは、勿論なるも、其の主張と抱負とは、皆人類理想の大合奏に対して孤立すべからざるは、明白の事なり。
 且つ、世界の諸国民は、各々其の歴史と特色とを有するに拘らず、現代文明の波及と共に、何れも皆共通の問題に逢着し、同一の難関に遭遇せるを見る。近代的活動の結果として起り来れる、個人主義と国家的団結との関係如何。商工業の革命より生じ来れる、社会組織の変動、即ち諸種の経済問題、社会政策等の問題と、従来の思想信仰との交渉如何。科学研究の為めに起り来れる実証主義の気風と宗教的理想主義とは、終に相背かざるを得ざるべきか。又社会の現実に応ずべき教育と道徳とは、如何にして形而上の信仰と相和し得べきか。数へ来れば、此等の問題は、実に多々にして、東西両洋共に同一の難関に処して、未だ解釈の出路を発見したりと云ひ難きもの少からず。果して然らば、諸の国民は各々其の特質主張に応じて之が解釈に向て、最善の努力をなすべきと共に、又東西南洋は、多くの点に於て、協力同心の態度を以て、此間に処するの必要少なしとせず。蓋し世界的文明の難関は、世界的の解釈を経るにあらざれば、満足の結果を獲る能はざるべし。思ふて此に至れば、我等は将に、精神上の問題を基礎として、世界文明の将来に寄与すべき団結を結ぶの切要なるを認む。此の団体たるや、自己の主張を他に強ひ
 - 第46巻 p.432 -ページ画像 
其の教旨を外に宣伝するが為めにあらずして、其の目的は、偏に公明正大なる態度を以て、古今の東西の思想を研究し、以て相互の理会を増進し、又相互の同情尊敬を深くするに在り。是を以て、此の団体の各員は自ら最良と信ずる所を提説して不可なきと同時に、亦他の特長を容るゝに吝ならざるを要す。
 此の目的を達する為めに着手すべき事業の如きは漸を以て定むべきも、先づ思想交通の機関として、毎年数回、精神問題を主とする雑誌を発行し、宗教・哲学・道徳・社会・教育・文学等の方面に亘りて、或は歴史に溯りて之を研究し、或は現在に就て評論し、又は将来を指導すべき論文・報導等掲載すべく、次に講演及び出版の方面に於ても、本会の発展に伴ひ各国学者の往来、其他、国際的会合、会議、講演等の事を画策し、又は観察旅行に就て相互に便宜を計る等、東西相互の理会に資すべき事業は着々之に参与し、又は自ら之を実行せんことを期す。
 要するに、此の団結は、諸の国民の間に、精神的問題に関する共同の運動を起し、以て世界文明の将来に資せんことを目的とす。依て此の趣意に賛成の人士は、思想家・教育家・政治家・実業家の別なく、各々其の従事する方面より賛助協力せられんことを望む。
      規約
第一条 本会ハ会員組織トシ之ヲ帰一協会ト称ス
第二条 本会ノ目的ハ精神界帰一ノ大勢ニ鑑ミ、之ヲ研究シ之ヲ助成シ、以テ堅実ナル思潮ヲ作リテ一国ノ文明ニ資スルニ在リ
第三条 本会ハ前条ノ目的ヲ達スル為メ左ノ事業ヲ行フ
 一、会員研究会ノ開催
  但毎月一回例会毎年一回大会及ビ必要ノ都度臨時会ヲ開クベシ
 二、雑誌ノ発行
 三、公開講演
 四、出版
 五、其他必要又ハ有益ナル事項
 前項第二号以下ハ事ノ緩急ヲ計リ漸次之ニ着手スルモノトス
第四条 本会ハ仮事務所ヲ東京市小石川区指ケ谷町七十八番地姉崎正治方ニ置ク
第五条 本会ノ会員タラント欲スル者ハ会員弐名以上ノ紹介ヲ以テ本会ニ申込ムベシ、其諾否ハ評議員会ニ於テ之ヲ決ス
第六条 会員ハ会費トシテ毎年金六円ヲ納付スベシ
第七条 本会ハ評議員会ノ決議ヲ以テ学識名望アル人士又ハ資金ヲ寄贈セル特志家ヲ推シテ賛助員トナスコトアルベシ
第八条 会員退会セントスルトキハ本会ニ通告スベシ
第九条 本会ニ左ノ役員ヲ置ク
 一、評議員 若干名
 一、幹事 五名
 一、書記 若干名
第十条 評議員ハ大会ニ於テ会見中ヨリ之ヲ選挙シ、幹事ハ評議員ノ互選ヲ以テ之ヲ定ム
 - 第46巻 p.433 -ページ画像 
第十一条 評議員ノ任期ハ二ケ年トス
第十二条 評議員ハ本会ノ会務ヲ評議決定ス
第十三条 幹事ハ評議員ノ決議ニ従ヒ会務ノ執行ニ任ス
第十四条 幹事ハ会務ノ必要ニ鑑ミ其互選ヲ以テ庶務・会計其他各部ノ事務ヲ分担スルコトヲ得
第十五条 本会ハ毎年一回ノ大会ニ於テ会務及ビ会計ノ報告ヲナス
第十六条 此規定ハ大会ニ於テ出席者過半数ノ同意ヲ経テ之ヲ変更スルコトヲ得
  而シテ当日左記十二名ヲ評議員ニ推薦シ、尚其互選ヲ以テ左ノ通リ幹事ヲ定メラレタリ
 評議員(*ハ幹事)
   ○前掲ニツキ略ス。
 又現在会員ハ左ノ如シ
  会員
  井上哲次郎  服部宇之吉       服部金太郎
  原田助    早川千吉郎       床次竹二郎
  大橋新太郎  大内青巒        和田豊治
  加藤正義   片山国嘉        筧克彦
  高橋是清   高田早苗        坪野平太郎
  中野武営   中島力造        成瀬仁蔵
  村上専精   上田敏         浮田和民
  桑木厳翼   デ・シ・グリーン    八代六郎
  松本亦太郎  江原素六        海老名弾正
  手島精一   朝吹英二        姉崎正治
  沢柳政太郎  佐藤鉄太郎       阪谷芳郎
  吉川重吉   シドニー・ギューリッキ 目賀田種太郎
  荘田平五郎  釈宗演         渋沢栄一
  森村市左衛門
越えて七月十日午後五時上野精養軒に於て会員第一例会を催し、左記問題に就て協議せられたりといふ。
      帰一協会研究問題要目案
              (便宜撰択して着手すべきもの)
(一)信仰問題
 一、宗教信仰の性質、宗教と宗派との関係
 二、神道各派の特質、その伝播区域
 三、仏教各派の特質、その伝播区域
 四、キリスト教各派の特質、その伝播区域
 五、儒教倫理の特質並にその実状
 六、現在諸宗教の相互関係
 七、現代の社会的生活と宗教信仰との関係
 八、内外精神界の趨勢と宗教信念
(二)風教問題
 一、従来の徳教と現在並に将来の道徳問題
 二、現代社会の思潮と社会生活との関係
 - 第46巻 p.434 -ページ画像 
 三、教育と国民道徳との関係
 四、科学本位の教育と徳育との関係
 五、実業教育と道徳観念との関係
 六、大学教育と道徳問題
 七、女子教育の諸問題
 八、通俗教育並に一般の社会的教化
 九、軍事思想と社会気風との関係
(三)社会・経済・政治問題(精神的方面より観たる)
 一、実業並に交通の発達と道徳問題
 二、都会と地方との関係
 三、社会の変遷と生活問題
 四、資本と労働との関係
 五、感化救済事業並に諸種の共済組織
 六、公民教育並に政治思想と道徳観念
 七、地方自治体と民風道徳との関係
 八、現行法律と道徳との関係
 九、監獄教誨、工場教誨等の問題
(四)国際並に人道問題
 一、国際関係と国民間の精神交通
 二、国際関係と経済問題並に国際道徳問題
 三、人道の観念と国民道徳
 四、平和運動とその道徳的意義


中外商業新報 第九三九四号明治四五年六月二四日 ○帰一協会の設立 学者・実業家等発起(DK460117k-0005)
第46巻 p.434 ページ画像

中外商業新報 第九三九四号明治四五年六月二四日
    ○帰一協会の設立
      学者・実業家等発起
 渋沢男爵・森村市左衛門・井上哲次郎・原田助・中島力造・成瀬仁蔵・上田敏・浮田和民・桑木厳翼・松本亦太郎・姉崎正治及びギユリーキ同志社教授等十二名の学者・教育家及び実業家に依り、帰一協会なるもの発起せられたり、会の目的及び発起の趣旨は、要するに混沌たる現代思想界を統一して一の帰趣すべき勢力、換言せば帰一的思想信念を探求せむとするにありて、平たく云へば、曩に我内務省が企てたる所謂三教会合の趣意に一歩を進めたるもの也、多様多端なる思想界を纏めて、一の帰趣すべき明晰なる到達点を見出す事は、果して不可能なりや否やの問題に就ては、従来識者の間に幾度か研究されしが本年三・四月の頃より、図らずも是等志を同ふする以上の諸氏、再三飛鳥山の渋沢男邸に会合を重ねし結果、議熟し愈々去廿日上野精養軒に於て発会式を挙げ、玆に帰一協会なる最も真摯なる団体の成立を見たり、発会式当夜の出席者は左の如くにして、皆同会の挙を賛し、姉崎博士発起の趣意を述べ、来賓中数氏の賛成演説あり、盛大を極めて散会したりと、同夜出席者並びに趣旨賛成者左の如し
   ○氏名略ス。


帰一協会会報 第壱・第二七―二八頁 大正二年二月 帰一協会第一例会(DK460117k-0006)
第46巻 p.434-435 ページ画像

帰一協会会報 第壱・第二七―二八頁 大正二年二月
 - 第46巻 p.435 -ページ画像 
    帰一協会第一例会
○明治四十五年七月十日 本会第一例会を午後五時より上野精養軒に開く、当日出席者十三人あり。
本例会に於て評議員十名を加ふる事に確定し、夫々承諾を得たり。次にブリュッセル府万国聯合会中央事務局に加入の事に決定し、又新入会員の事につきては、九月以後の例会に於て協議する事に決定せり。
尚本会の趣旨等に関しては努めて会の堅実を図るにありとし、之にて議事を終り、最後に阪谷男の宗教と教育並に家族に関する談話ありて後、出席会員の質問研究ありたり。