デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
8款 財団法人理化学研究所
■綱文

第47巻 p.154-158(DK470025k) ページ画像

大正8年1月27日(1919年)

是日、東京商業会議所ニ於テ、当研究所評議員会
 - 第47巻 p.155 -ページ画像 
開カル。栄一出席シテ、寄付金募集ニ関スル報告ヲナス。


■資料

渋沢栄一 日記 大正八年(DK470025k-0001)
第47巻 p.155 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正八年           (渋沢子爵家所蔵)
一月十八日 半晴 寒
午前七時起床、入浴シテ朝飧ス、後○中略 水谷清氏来リ、理研理事所長報酬ノ事ヲ談ス○下略
  ○中略。
一月二十七日 曇 寒
○上略 午前十時半、東京商業会議所ニ抵リ、理研ノ評議員会ヲ開キ、要件ヲ議シ、後一同ト午飧ヲ共ニス○中略
(欄外記事)
[理研評議員会ニ於テ午飧食卓上一場ノ意見ヲ述フ○下略


集会日時通知表 大正八年(DK470025k-0002)
第47巻 p.155 ページ画像

集会日時通知表  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
一月廿七日 月 午前十時半 理化学研究所ノ件(商業会議所)


評議員会決議録 自設立総会 至大正十年九月(DK470025k-0003)
第47巻 p.155-156 ページ画像

評議員会決議録  自設立総会 至大正十年九月  (財団法人理化学研究所所蔵)
    大正八年一月定期評議員会議事録
一、日時  大正八年一月二十七日午前十時三十分開会、正午閉会
二、場所  東京商業会議所
三、出席員 評議員古市公威氏外十一名
      此外書面ヲ以テ他ノ評議員ヲ代理人ト為ス旨通知セシ者二十七名
四、議事  出席評議員ノ推薦ニ依リ古市公威氏議長ト為リ、別紙第一号大正八年度事業計画、第二号大正八年度事業費予算ヲ附議シテ原案ノ通可決シ、次テ左ノ通理事二名・監事二名・評議員拾名ヲ推薦セリ
      理事農商務次官犬塚勝太郎君・文部次官南弘君
      監事男爵住友吉左衛門君・久原房之助君
      評議員農商務次官犬塚勝太郎君・文部次官南弘君・商工局長岡本英太郎君・男爵住友吉左衛門君・久原房之助君鈴木岩次郎君・侯爵前田利為君・麻生太吉君・長野善五郎君・浜口吉右衛門君
五、報告  渋沢評議員ハ寄附金募集方ニ関スル件ヲ、古市議長ハ左ノ諸件ヲ報告セリ
      (一)上山・田所両理事、岡評議員ノ退任並中野理事死亡ノ件
      (二)昨年九月以来政府ノ例ニ準シ専務職員ニ当分ノ内毎月俸給月額ノ二割五分乃至四割五分ノ臨時手当ヲ給スルコト、並ニ内国旅費ヲ当分ノ内五割増給スルコトト為シタル件
      (三)資金ノ現況
      (四)研究事項並其成績
 - 第47巻 p.156 -ページ画像 
尚当日ハ桜井博士ノ欧米視察談アリ、蔵川工務課長・平野技師並ニ部長以下在京研究員等九名参会、一同午餐ヲ共ニセリ
右之通ニ候也
  大正八年一月二十七日
            財団法人理化学研究所
             議長 評議員 古市公威(印)
                評議員 桜井錠二(印)
                評議員 高松豊吉(印)
  ○別紙略ス。「理事会決議録」ニヨル大正八年度事業計画書ヲ次ニ掲グ。


自第壱回 至第三十八回 理事会決議録(DK470025k-0004)
第47巻 p.156-157 ページ画像

自第壱回 至第三十八回 理事会決議録   (財団法人理化学研究所所蔵)
    大正八年度事業計劃書
研究事業並ニ事業費
 目下研究ニ従事セル職員ハ部長二名・研究員七名(専務一名・兼務六名)・研究員補十二名(専務八名・兼務四名)・助手九名(専務七名・兼務二名)・職工二名・雇員五名・研究生五名ニシテ、本年度ニ於テ新ニ研究員補約三名・助手約十名、職工・雇員等約五名、研究生約五名ヲ任用シ、曩ニ借入レタル東京・京都・東北ノ各帝国大学ニ於ケル研究室ノ許ス範囲ニ於テ研究事業ノ拡張ヲ図ラムトス、尚目下留学中ノ研究員補三名ノ内二名ハ本年九月帰朝スルノ予定ナルヲ以テ、本年度ニ於テ更ニ前記職員中ヨリ研究員補二名、外ニ職工一名ヲ選抜シテ、ニケ年間ノ予定ヲ以テ海外ニ留学セシメムトス而シテ本年度事業費ハ、大正七年度末ニ於ケル現在資金見込高ヨリ本年八月東京府ヘ仕払フヘキ敷地代十一万円ヲ控除シタル残額百六十五万円、本年度御下賜金十万円、政府補助金二十五万円及寄附金ノ一部約五万円、合計金弐百五万円ヨリ生スル利息約十二万円、及大正七年度事業費剰余金五万円、合計金十七万円ヲ以テ支弁セムトス
建設事業並ニ建設費
 化学部ハ附属家素建工事既ニ落成シ、目下本館基礎工事中ニシテ、本年度内ニ其建築ヲ了ヘ、附属家ト共ニ其設備ニ着手スル予定ナリ物理学部ハ本年八月東京府ヨリ敷地ノ引渡ヲ受ケ、敷地ノ整理其他建築ニ必要ナル諸準備ニ着手スル予定ナルモ、既ニ帝国大学内ニ於テ開始セル研究ノ一部ハ、研究室ノ搆造等之カ研究ニ適セサルモノアルヲ以テ、敷地ノ引渡ヲ俟タス直ニ搆内空地ニ右研究ニ適応スル研究室ノ建築ニ着手シ、本年度内ニ其設備ヲモ完成セシメムトス、而シテ是等建設費ハ大正六年申込寄附金第三回払込金四拾九万円、大正七年申込寄附金第二回払込金七万円及大正八年申込寄附金第一回払込金以テ之ニ充ツル予定ナリ
寄附金
 寄附金申込高ハ大正八年 月 日現在金弐百八拾壱万八千七百円ニシテ、今後募集スヘキ予定金額ハ約弐百拾八万円ナリトス、右ハ全国富豪有志ノ同情ト官民諸氏ノ後援ヲ得テ之カ募集ニ努メ、本年度ニ於テモ相当ノ寄附金ヲ得ル見込ナリ
 - 第47巻 p.157 -ページ画像 
  大正八年一月


竜門雑誌 第三六九号・第六六頁 大正八年二月 ○理研評議員会(DK470025k-0005)
第47巻 p.157 ページ画像

竜門雑誌  第三六九号・第六六頁 大正八年二月
○理研評議員会 理化学研究所にては、一月廿七日午前東京商業会議所に於て定期評議員会を開き、青淵先生を初め大橋新太郎・浅野総一郎・団琢磨諸氏評議員一同出席の上、大正八年度事業計画並に事業費予算に関する報告、役員推薦の件、上山・田所両氏退任並に中野武営氏死去の件、職員臨時手当支給、及び資金の現況、現在着手若くは完了せる当所研究事項に関する説明等ありたる由なるが、前記推薦役員は左の諸氏なりと。
  ○推薦役員氏名略ス。


自第壱回 至第三十八回 理事会決議録(DK470025k-0006)
第47巻 p.157 ページ画像

自第壱回 至第三十八回  理事会決議録   (財団法人理化学研究所所蔵)
                          (大橋)(水谷)
    第二十五回理事会               (印) (印)
大正八年三月十二日午前九時、当事務所ニ開会
出席 古市・高峰・高松・桜井・和田各理事及原監事
○中略
      決議事項
  ○一略ス。
二、留学生ノ給与ニ関スル規程原案可決
  ○三略ス。
四、田丸研究員ノ渡欧ヲ機トシ本所ノ設備上購入ヲ要スル諸物品ノ調査ヲ為サシムル為、調査手当金壱千円ヲ支給スルコト
五、東北帝大助教授野村博氏ハ、第十九回理事会ノ議決ニ依リ、本年度内ニ研究員補ニ任用シ海外ニ留学セシムル予定ナリシモ、文部省ノ都合ニ依リ同省留学生トシテ派遣セラレタルニ依リ、同氏ニ代ヘ久保田研究員補ヲ欧洲ニ留学セシムルコト
六、石川研究員補ヲ欧洲ニ留学セシムルコト
七、目下米国ニ留学中ノ西川・浅原両研究員補ノ留学期間ヲ約半ケ年乃至一ケ年間延期シ、欧洲ニ転学セシムルコト 以上
 (朱書)
 本理事会ハ出席者定数ニ充タサル為、欠席者中ノ大橋理事ニ本議事録ヲ提示シ、決議事項ニ就キ賛成ヲ得タリ



〔参考〕財団法人理化学研究所第二回(大正七年度)事業報告書 第一頁(大正八年)刊(DK470025k-0007)
第47巻 p.157 ページ画像

財団法人理化学研究所第二回(大正七年度)事業報告書  第一頁(大正八年)刊
    第一章 研究事項並ニ研究ノ経過概要
大正七年度ニ於テ新ニ就職セシ研究部職員ハ研究員二名・研究員補五名・助手七名・職工及雇員四名ニシテ、海外ニ留学ヲ命シタル者ハ研究員補三名・職工一名ナリトス、此外大正七年帝国大学ヲ卒業セル者ノ中ヨリ六名ヲ抜擢シテ研究生ニ採用セリ、即チ大正七年度末日現在研究ニ従事セル者ハ研究員七名(内兼務六名)・研究員補十二名(内兼務四名)・助手十名(内兼務二名)・職工及雇員九名・研究生六名ニシテ○下略



〔参考〕財団法人理化学研究所第二回(大正七年度)事業報告書 第二六―二七頁(大正八年)刊(DK470025k-0008)
第47巻 p.157-158 ページ画像

財団法人理化学研究所第二回(大正七年度)事業報告書  第二六―二七頁(大正八年)刊
    第二章 建築及設備
 - 第47巻 p.158 -ページ画像 
建築及設備ハ予定計劃ニ基キ先ツ化学部ヨリ着手スルコトトシ、該建築工事ハ大倉組・清水組及戸田組ノ三者ヲ指名シ入札ニ附シタルニ、附属家建築工事ハ金三万千四百三十八円ニテ、本館基礎工事ハ金四万五千六百六十五円九十銭ニテ、何レモ戸田組ニ落札シ、附属家工事ハ大正七年四月下旬起工シ、同年九月下旬素建工事ヲ了ヘ、本館基礎工事ハ同年十一月下旬起工シ、年度内ニ大体ノ工事ヲ終了セリ
右建築工事ニ伴フ諸般ノ設備ハ未タ其設計ヲ完結セサルモ、研究上必要ナル器具機械ノ一部ハ既ニ海外ニ注文ヲ発シ、或ハ内地ノ製造業者ニ其製作ヲ委托セリ、又純良ナル水ノ供給ハ、緊要ナル設備ノ一ナルカ故ニ、水道布設方ニ付予メ市当局ニ交渉スル所アリシモ、予定水量ノ供給ヲ受ケムニハ鉄管ノ布設其他多額ノ経費ヲ要スルノミナラス、近来市ノ発展ニ伴ヒ給水益不足シ、永久的施設トシテ水道ニ倚頼スルコト能ハサルヲ以テ、調査ノ結果本所ニ使用スヘキ水ハ之ヲ自給スルノ得策ナルニ鑑ミ、一昼夜約一万五千石ヲ得ル見込ヲ以テ深度約五百呎ノ鑿井ヲ設クルコトヽシ、大正七年十二月日本鑿泉合資会社ヲ指定シ、金二万九千六百円ヲ以テ該工事ヲ請負ハシメタリ、年度内ニ未タ其完成ヲ見ルニ至ラサリシモ、既ニ深度約四百呎ニテ純良ナル水ノ予定水量ヲ得ルコトヲ確メタリ