デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
8款 財団法人理化学研究所
■綱文

第47巻 p.158-162(DK470026k) ページ画像

大正8年6月25日(1919年)

栄一、是ヨリ先四月三十日ニ開カレタル当研究所理事会、並ニ是月十六日ノ理事会・評議員会ニ出席、更ニ是日、帝国ホテルニ新聞記者ヲ招キテ開カレタル、当研究所第一回成績報告及ビ今後ノ計画発表会ニ出席シ、報告ヲナス。


■資料

集会日時通知表 大正八年(DK470026k-0001)
第47巻 p.158 ページ画像

集会日時通知表  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
四月三十日 水 午前九時 理化学研究所理事会(商業会議所)


自第壱回 至第三十八回 理事会決議録(DK470026k-0002)
第47巻 p.158-159 ページ画像

自第壱回 至第三十八回 理事会決議録   (財団法人理化学研究所所蔵)
    第二十六回理事会議事録
大正八年四月三十日午前九時開会、十一時散会
出席 古市・渋沢・桜井・高松・和田・大橋・荘各理事及原監事
古市所長ハ、寄附金勧募方ニ付桜井副所長ト共ニ原首相ヲ訪問シ政府ノ援助ヲ懇請シタル件、並ニ桜井副所長カ帝大教授ヲ辞職シタル件ヲ報告シ、渋沢男爵ハ、右寄附金勧募方ニ関シ一同ニ諮ル所アリ、次テ大正七年度決算報告、臨時手当支給改正方ニ関スル件等ヲ附議シ、左ノ通議決セリ
      決議事項
一、寄附金勧募方ニ就テハ、古市・桜井両理事ヨリ更ニ山本農相ニ協議シ、渋沢男爵ノ病気快癒ヲ俟テ再ヒ首相ト会見協議スルコト
二、大正七年度決算報告ハ原案ヲ承認スルコト
三、専務職員臨時手当支給改正ノ件ハ原案ヲ可決スルコト
四、飯盛研究員補ヲ二ケ年間ノ予定ヲ以テ、英仏両国ニ留学セシムル
 - 第47巻 p.159 -ページ画像 
コト
五、桜井博士ハ帝大教授ヲ辞職シタルニ付、専務副所長トシテ就職スルコト、但シ臨時手当ハ同博士ノ辞退ニ依リ当分ノ内之ヲ給セサルコト
六、構内立木約六百本ヲ評価約一千四百円ヲ以テ東京府ヨリ譲受クルコト
  ○七略ス。
                        以上
  ○栄一、二月十五日以来微恙四月中旬マデ静養ス。(「竜門雑誌」第三七〇号(大正八年三月)・第三七二号(同五月)ニヨル)


渋沢栄一 日記 大正八年(DK470026k-0003)
第47巻 p.159 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正八年          (渋沢子爵家所蔵)
六月五日 雨 暑
○上略 二時ヨリ原首相官舎ニ抵リ、桜井氏ト理化学研究所寄附金ノ事ヲ首相ニ依頼ス○下略
  ○中略。
六月十六日 雨 冷気
○上略 十二時頃式○井上東京府知事府葬 畢リテ鉄道協会ニ抵リ、理化学研究所ノ評議員会及理事会ニ出席シ、要件ヲ議決ス、午飧後物理学ノ試験ヲ一覧
○下略


集会日時通知表 大正八年(DK470026k-0004)
第47巻 p.159 ページ画像

集会日時通知表  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
六月十六日 月 午前十一時 理化学研究所理事会(鉄道協会)


自第壱回 至第三十八回 理事会決議録(DK470026k-0005)
第47巻 p.159-160 ページ画像

自第壱回 至第三十八回  理事会決議録   (財団法人理化学研究所所蔵)
    第二十七回理事会
大正八年六月十六日帝国鉄道協会ニ開会
古市・渋沢・桜井・大橋・和田・団・荘・犬塚各理事及原監事出席
本理事会ハ午前十時半開会ノ予定ナリシカ、当日故井上知事ノ葬儀アリタル為、十一時過キ開会セルモ評議員会開会ノ都合上中止シ、更ニ午後二時開会シ、午前桜井・団・荘・大橋各理事等協議中ナリシ研究生ノ任命方ニ関シ団・荘両理事ヨリ研究者ノ養成ハ本所ノ必要ナル事業ノ一ナルモ、目下ノ資金状態ニテ広汎ナル意味ノ研究者ヲ養成スルコトハ大ニ考慮ヲ要スルヲ以テ、既ニ採用セル研究生ヲ研究員補又ハ助手トシテ任用シタキ希望ヲ述ヘタルニ、古市・桜井両理事ハ現在五名ノ研究生ハ何レモ将来本所ノ職員ト為ルヘキ了解ノ下ニ研究ニ従事セル者ナルヲ以テ、相当ノ期間ヲ経タル上ハ研究員補トシテ任用スル見込ニシテ、今後ノ研究生採用方針ハ団・荘両理事ノ意見ニ依ル旨ヲ陳述シ、又渋沢男爵ハ今回三名ノ研究員補ヲ任用スル件ニ就テハ承認スルモ、今後職員ノ任用方ニ関シテハ篤ト将来ヲ考察スルノ必要アル旨ヲ述ヘタルニ、一同前記研究生採用方ノ件ト共ニ其旨ヲ諒トシ、次テ左ノ諸件ヲ議決セリ、尚古市所長ハ専務ノ職員ニ対シ前期ノ例ニ準シ大正八年上半期賞与ヲ支給スル件、帝国大学内研究室ニ於ケル所員以外ノ小者ヘ手当ヲ支給スル件、並ニ近ク物理学部一部ノ建築工事ニ着手スル旨ヲ報号セリ
 - 第47巻 p.160 -ページ画像 
      決議事項
一、兼務職員大正八年上半期手当支給ノ件原案ノ通
二、研究生ヘ当六月ヨリ職員ニ準シ臨時手当ヲ支給スルコト
三、理学士西村常吉氏・農学士山本亮氏ヲ研究員補ニ任用スルコト
四、在シカゴ石田義雄氏ヲ研究員補ニ任用シ、帰朝ノ途次欧米諸国ノ研究所ヲ視察セシムルコト
五、死亡シタル会員(法人ヲ除ク)ノ相続人ハ、会員ニ準シ待遇スルコト
                        以上


評議員会決議録 自設立総会 至大正十年九月(DK470026k-0006)
第47巻 p.160 ページ画像

評議員会決議録 自設立総会 至大正十年九月   (財団法人理化学研究所所蔵)
    大正八年六月定期評議員会議事録
一、日時 大正八年六月十六日午前十一時半開会、正午閉会
二、場所 帝国鉄道協会
三、出席 古市公威氏外十三名此外書面ヲ以テ他ノ評議員ヲ代理人ト為ス旨通知セシ者二十八名
四、報告 出席評議員ノ推薦ニ依リ古市公威氏議長ト為リ、左ノ諸件ヲ報告シテ承認ヲ得、尚大正七年度事業報告書ハ目下印刷中ニ付近ク頒布スル旨ヲ述ヘ、又渋沢男爵ハ資金募集ニ関シ其後ノ経過ヲ報告セリ
     (一)大正七年度事業概況
     (二)大正七年度決算
  ○(三)(四)(五)略ス。
五、評議員ノ推薦 古市議長ヨリ、東京帝国大学理学部長・同工学部長並ニ横浜正金銀行頭取ノ更迭、商工局ノ分離、南満洲鉄道株式会社長就任ノ件ニ付説明アリ、全会一致左ノ諸氏ヲ評議員ニ推薦セリ
   東京帝国大学理学部長 理学博士 藤沢利喜太郎君
   東京帝国大学工学部長 工学博士 寺野精一君
   農商務省工務局長 男爵 四条隆英君
   横浜正金銀行 頭取 梶原仲治君
   南満洲鉄道株式会社長 工学博士 野村竜太郎君
当日ハ在京研究員及研究員補参会○中略
右之通ニ候也
  大正八年六月十七日
                 議長  古市公威(印)
                 評議員 桜井錠二(印)
                 評議員 大橋新太郎(印)


渋沢栄一 日記 大正八年(DK470026k-0007)
第47巻 p.160-161 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
六月十七日 曇 冷気 今朝ハ頃日ニ比シテ少ク暑気アルヲ覚フ、但シ天候ハ梅雨濠々トシテ雨ナラサルモ朗晴ノ時ナシ
○上略 午後四時高橋内閣書記官長ヲ訪ヒ、又原首相ニ会見シテ○中略 理研寄附金ノ事等ヲ談話ス
 - 第47巻 p.161 -ページ画像 
○下略
六月十八日 晴 暑
午前六時半起床、入浴ヲ止メ洗面シテ朝食ス、畢テ○中略又水谷清氏来リ、理研ノ事務ヲ談ス○下略
  ○中略。
六月二十一日 雨 暑
午前六時起床、入浴ト朝飧ヲ畢リ○中略 水谷清氏来リ、理研ノ事ヲ談ス
○下略
  ○中略。
六月二十五日 晴 暑
午前六時半起床、入浴ト朝飧ヲ畢リ○中略 水谷清氏来、理化学研究所ノ事ヲ談ス○中略 十二時帝国ホテルニ抵リ、古市・桜井二氏ト理研ノ事ニ関シテ新聞記者ヲ招集シテ午飧ヲ共ニシテ、設立以後ノ経過ヲ説明ス
○下略


集会日時通知表 大正八年(DK470026k-0008)
第47巻 p.161 ページ画像

集会日時通知表  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
六月廿五日 水 正午 理化学研究所ノ件(ホテル)


竜門雑誌 第三七四号・第四九―五〇頁 大正八年七月 ○理化学研究所第一回報告(DK470026k-0009)
第47巻 p.161 ページ画像

竜門雑誌  第三七四号・第四九―五〇頁 大正八年七月
○理化学研究所第一回報告 青淵先生其他諸名士の発起に依り大正六年三月に創設せられたる理化学研究所に於ては、六月二十五日正午より帝国ホテルに於て第一回成績報告及今後の計画を発表せられたる由なるが、其際同副総裁青淵先生の報告は左の如くなりという。
本所は物理学及化学に関する独創的研究を為し又之を奨励し、以て工業其他一般産業の発達に資せんことを期す、此目的を達するが為研究所の行ふべき事業の主なるものは
 一、純学理的研究
 一、学理及応用の統一的研究
 一、研究の依頼応諾
 一、全国官公私立試験所及研究所との聯絡
 一、研究者の養成
 一、自由研究の許可
 一、研究の表彰及補助
 一、発明考案の完成
 一、研究成績の公表及談話会の開催
斯くて智能及生産力の充実を期し、永遠に亘りて富強の基礎を鞏固ならしむると共に、焦眉の急務に処し、以て一般産業界の発達に資すべきは勿論にして、工業界其他の本所を利用して受くべき直接の便益も亦多大なるべしと信ず、蓋し理化学研究に於て我国は欧米諸国に後るゝこと甚しきを以て、姑息なる方法にては到底其目的を達成すること能はざるが故に、其規模を大にし基礎を堅実にし、以て我国産業界の重要機関たらんことを期するものなれば、江湖の充分なる助力を切望す云々


渋沢栄一 日記 大正八年(DK470026k-0010)
第47巻 p.161-162 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正八年      (渋沢子爵家所蔵)
 - 第47巻 p.162 -ページ画像 
六月二十八日 晴 曇
午前六時起床、入浴・朝飧例ノ如クシテ、後○中略 水谷清氏来リ、理研ノ寄附金勧募ニ付種々ノ協議ヲ為ス○下略
  ○中略。
七月七日 雨 冷
○上略水谷清氏来リ、理研寄附金ノ事ヲ談ス
○下略