デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
8款 財団法人理化学研究所
■綱文

第47巻 p.163-168(DK470028k) ページ画像

大正8年11月26日(1919年)

是日、帝国ホテルニ於テ、当研究所総裁伏見宮貞愛親王奉戴式挙行セラル。栄一列席シ、当研究所ノ沿革及ビ現況ヲ報告ス。


■資料

集会日時通知表 大正八年(DK470028k-0001)
第47巻 p.164 ページ画像

集会日時通知表  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
十一月廿六日 水 午前十時四十五分 伏見大宮殿下理研総裁奉戴式(帝国ホテル)


理化学研究所彙報 第一輯第一号・第八二頁 設立の経過並に現況 書記 水谷清(DK470028k-0002)
第47巻 p.164 ページ画像

理化学研究所彙報  第一輯第一号・第八二頁
    大正一二年二月再版刊
    設立の経過並に現況
                  書記 水谷清
○上略
    設立
○中略
 総裁宮殿下の奉戴式は、其の当時挙行すべき筈でありましたが、何分設立匆々の際でもあり、寄附金も予定の半にも達しないので、式は暫く延期することゝなりまして、大正八年十一月二十六日、帝国ホテルに殿下の台臨を仰で式を挙げました○下略


宮殿下ニ関スル書類(DK470028k-0003)
第47巻 p.164-165 ページ画像

宮殿下ニ関スル書類         (財団法人理化学研究所所蔵)
来ル十一月二十六日午前十一時、帝国ホテルニ於テ総裁奉戴式挙行致度候ニ付
総裁貞愛親王殿下ノ御台臨奉仰度、尚式後午餐ヲ奉呈シ、卓上ニ於テ本所設立ノ経過・現況並ニ学術講話ヲ御聴聞ニ達シ度候間
御裁可被為在候様可然御執成被下度、別紙式辞・令旨奉答文案並ニ次第書案相添ヘ此段御依頼申上候也
  大正八年十一月 日
         財団法人理化学研究所
              所長 工学博士 古市公威
    伏見宮附則当 馬場三郎殿

      案内先(三百九名)
名誉職員(副総裁・顧問・理事・監事・評議員)
会員(寄附者)
設立発起人
職員(所長・副所長・部長・研究員・研究員補)
建設係(委員・技師)
閣員(大隈・寺内・原各内閣ニ於ケル首相・書記官長・農相・文相・蔵相・宮相並ニ次官)
監督局員(局長・課長・参事官)
内蔵頭
両院議長
各帝大総長
学士院長
七大府県知事
伏見宮附(別当・武官・事務官)
東京市長
    拝謁
 - 第47巻 p.165 -ページ画像 
副総裁・理事・監事・顧問
親任官又ハ同待遇者以上

      総裁奉戴式次第(大正八年十一月二十六日午前十一時)
一、諸員着席
一、総裁台臨(副総裁御先導)          諸員起立
一、所長式辞
一、令旨                    諸員起立
一、所長令旨拝受
一、所長奉答
一、農商務大臣祝辞
一、文部大臣祝辞
一、総裁御退出(副総裁御先導)         諸員起立
      午餐会次第
一、諸員着席
一、総裁合臨(副総裁御先導)          諸員起立
一、午餐
   両陛下万歳奉祝(君カ代吹奏)       諸員起立
   副総裁設立経過並ニ現況報告
   池田菊苗博士製塩ニ関スル講話
   研究生仁科芳雄金属膨脹計実験
一、総裁御退出(副総裁御先導)         諸員起立
              以上


財団法人理化学研究所 第三回(大正八年度)事業報告書 第三〇―三三頁大正九年六月刊(DK470028k-0004)
第47巻 p.165-166 ページ画像

財団法人理化学研究所 第三回(大正八年度)事業報告書 第三〇―三三頁大正九年六月刊
    第二章 総裁奉戴式
大勲位伏見宮貞愛親王殿下ニハ、嚮ニ本所ノ創立ニ際シ総裁トシテ奉戴ノ上願ヲ御允許アラセラレシカ、事業漸ク其ノ緒ニ就キタルヲ以テ大正八年十一月二十六日、帝国ホテルニ殿下ノ台臨ヲ仰キ、奉戴式ヲ挙行セリ、参列者ハ渋沢副総裁ヲ初メ役員・会員、重ナル職員及来賓等百余名ニシテ、式ハ副所長ノ式辞ヲ以テ始マリ、次テ殿下ニハ優渥ナル令旨ヲ賜ハリテ、副所長之ニ奉答シ、最後ニ農商務・文部両大臣ノ祝辞アリテ式ヲ了レリ、式後殿下ニハ参列者ト共ニ午餐ヲ召サレ、席上渋沢副総裁ノ本所沿革及化学部長池田菊苗博士ノ製塩ニ関スル講話ヲ聞召サレ、又仁科研究生ハ物理学部長長岡半太郎博士指導ノ下ニ考案シタル金属膨脹計ノ実験ヲ台覧ニ供シ奉レリ
式辞・令旨・奉答文及祝辞左ノ如シ
      式辞
 本所嚮ニ
 殿下ヲ総裁ニ推戴シ奉リシニ辱クモ允許アラセラル、今ヤ本所ノ事業漸ク其ノ緒ニ就キタルヲ以テ、本日ノ嘉辰ヲ卜シ台臨ヲ仰キテ奉戴ノ式ヲ挙ク
 恭シク惟ミルニ、理化学ノ研究ハ文化開進ノ根元、物資増殖ノ基礎ニ居リ、其ノ事業ハ以テ国家ノ盛衰ニ関係ス、今ヤ世界ノ大戦既ニ
 - 第47巻 p.166 -ページ画像 
其ノ局ヲ結ヒ、各国競ヒテ其ノ研究ニ務メ、人文ノ進歩ニ貢献シ、産業ノ発達ヲ促進スルニ際シ、我邦ニ在リテハ殊ニ大ナル努力ヲ要スルモノアリテ、本所ノ任務益々其ノ重キヲ加ヘタリ、此ノ秋ニ方リ錠二等本日ノ盛事ニ遭遇ス、何ノ光栄カ之ニ如カン、玆ニ錠二諸員ニ代リ謹ミテ栄恩ヲ謝シ奉ル
  大正八年十一月二十六日
          財団法人理化学研究所副所長正三位 勲一等 理学博士 桜井錠二
     令旨
理化学ハ文化ノ淵源、富強ノ根本ニシテ、之カ研究ヲ務ムルハ即チ国運発展ノ基礎ヲ鞏固ナラシムル所以ナリ、貞愛此ノ趣旨ヲ以テ設立セラレタル本所ノ総裁ニ推サレタルハ深ク欣ヒトスル所ニシテ、職員及有志ノ協翼ニ依リ本所ノ事業ヲ遂行シ、邦家ノ為貢献スル所アラムコトヲ庶幾フ、職員及協賛ノ諸員斯ノ意ヲ体シテ益々努ムル所アレ
 大正八年十二月二十六日《(一)》
            大勲位功二級 貞愛親王
    奉答文
本日
殿下ノ台臨ヲ辱フシ、深厚ナル令旨ヲ賜ハル、本所ノ光栄之ニ過キス、錠二不敏ト雖モ同志ト共ニ協力奮励シテ、殿下ノ盛意ニ対ヘ奉ラムコトヲ期ス、謹ミテ奉答ス
 大正八年十一月二十六日

          財団法人理化学研究所副所長正三位 勲一等 理学博士 桜井錠二
  ○祝辞略ス。


中外商業新報 第一二〇九五号大正八年一一月二七日 ○理研総裁宮奉戴式(DK470028k-0005)
第47巻 p.166 ページ画像

中外商業新報  第一二〇九五号大正八年一一月二七日
    ○理研総裁宮奉戴式
理化学研究所にては、予て請願中なりし伏見宮貞愛親王殿下を総裁に仰ぐ事となりしより、二十六日午前十一時帝国ホテルに於て奉戴式を挙行せり、渋沢副総裁・副所長桜井博士・顧問山川男・理事犬塚農商務次官・南文部次官・高松豊吉博士・団琢磨・和田豊治・大橋新太郎・荘清次郎、監事岩崎小弥太・三井八郎右衛門・古河虎之助各男、久原房之助・安田善三郎、其他諸氏百二十七名出席、桜井副所長の式辞に次ぎ、殿下には優渥なる令旨を賜ひ、畢つて古市所長の奉答(桜井博士代読)山本農相・中橋文相の祝辞ありて式を終り、正午午餐会を開き、午後二時半散会せり


竜門雑誌 第三七九号・第四八頁 大正八年一二月 ○理化学研究所の総裁奉戴式(DK470028k-0006)
第47巻 p.166-167 ページ画像

竜門雑誌  第三七九号・第四八頁 大正八年一二月
○理化学研究所の総裁奉戴式 財団法人理化学研究所に於ては、十一月二十六日午前十一時半より、帝国ホテルに於て総裁奉戴式を行ひたり。副総裁青淵先生・山川顧問・古市所長・桜井副所長、南文部・犬塚農商務両次官以下、理事・監事・評議員等百五十余名参集し、古市所長の式辞朗読に次いで、伏見総裁宮殿下には優渥なる令旨を賜ひ、古市所長の奉答、山本農相代理犬塚次官・中橋文相代理南次官の祝辞
 - 第47巻 p.167 -ページ画像 
あり、右にて式を終り、更に副総裁青淵先生より本所設立経過及現況報告ありて、午餐会を開き、デザートコースに入るや青淵先生の発声にて、両陛下の万歳を奉唱して、午後一時過散会せる由。


東京朝日新聞 第一二〇一二号大正八年一一月二九日 お金の心配を学者にさせまいと 理化学研究所が新に追加基金を募る(DK470028k-0007)
第47巻 p.167 ページ画像

東京朝日新聞  第一二〇一二号大正八年一一月二九日
    お金の心配を学者にさせまいと
      理化学研究所が新に追加基金を募る
理化学研究所は曩に八百万円の基金募集計画の下に設立されたが、今日迄御内帑金を加へて六百万円に過ぎず、猶予定額には二百万円の不足を告げて居るが、研究所の事業としては謂はゞ漸く
 緒に就けるのみで、今後種々の施設、機械用具の購入等に多大の経費を要するので、副総裁渋沢男はこの国家的事業に頓挫を来すを憂ひ更に同基金の募集を新たにして、民間の援助を仰ぐ事とし、原首相とも協議の上、更に従来不足の二百万円以外に三百万円位も募集する計画にした、渋沢男は語る『何とか一般の助力を仰ぎ、同所の
 基礎を鞏国にして十分の効果を挙げたいと思ふ、金の不足は初め予算を立てた時より今日に於ては材料が悉く騰貴して来たので、経営難の状態に陥る様な事があつては如何にも残念だから、十分学者の為めに後顧の憂ひなき方法を講じなくてはならぬ、金額其他の方法はよく一同と相談する積りである』


集会日時通知表 大正八年(DK470028k-0008)
第47巻 p.167 ページ画像

集会日時通知表  大正八年     (渋沢子爵家所蔵)
十二月七日 日 午後五時 理化学研究所理事会(鉄道協会)


自第壱回 至第三十八回 理事会議事録(DK470028k-0009)
第47巻 p.167-168 ページ画像

自第壱回 至第三十八回 理事会議事録   (財団法人理化学研究所所蔵)
   (桜井)
    (印) 第二十九回理事会議事録
大正八年十二月七日午後五時帝国鉄道協会ニ開会、十時閉会
出席 渋沢・桜井・高松・荘各理事、原監事、四条工務局長
当日古市所長病気欠席ニ付、桜井副所長ヨリ各議題ニ対シ詳細ナル説明アリ、左ノ通議決シ、尚去ル十月下級職員ニ対シ本俸ノ半ケ月分ヲ特別臨時賞与トシテ支給シタル旨ヲ報告シ、一同ノ承認ヲ経タリ
      決議事項
一、兼務職員大正八年下半期手当ハ原案ニ二割ヲ増額支給スルコト
二、専務職員大正八年下半期賞与ハ原案各階級ニ半ケ月分ヲ加算シタル額ヲ最高額トシ、各勤務振ヲ考査シテ右ノ範囲内ニ於テ支給スルコト
三、給与規程中俸給及手当額改訂並ニ職員増俸ノ件ハ暫ク延期スルコト
四、大正九年度事業計画並ニ事業費予算案ハ原案ヲ承認シ、来ル一月定期評議員会ニ附議スルコト
五、留学中ノ職工手当現在日給金参円ヲ大正八年十月分ヨリ金四円ニ増額スルコト
六、東北帝国大学助教授理学博士山崎栄一氏ヲ兼務研究員補ニ任用スルコト
 - 第47巻 p.168 -ページ画像 
七、其後ノ一万円以上ノ寄附者十一名ヲ評議員ニ推薦方、並ニ大正九年三月三十一日理事七名・監事五名任期満了ニ付新ニ理事・監事予選方ヲ、来ル一月定期評議員会ニ附議スルコト
八、経費約四万円ヲ以テ下級職員合宿所一棟・職工長住宅一棟・職工長屋一棟及倉庫一棟ヲ建築スルコト、但シ本件ハ前理事会ノ議決ニ依ル建設費予算変更案ト共ニ、来ル一月定期評議員会ニ附議スルコト
九、資金ノ補充ハ一般寄附金ニ倚リ難キニ付、国庫補助金増額方ヲ申請スルコト
                        以上
                    (古市)(団)(大橋)
                      (印)(印)(印)
備考 第二十九回理事会ハ出席者定数ニ達セサルヲ以テ、前記決議事項ニ付古市・団・大橋三理事ノ承認ヲ得、又席上協議スルコト能ハサリシ桜井副所長ノ下半期賞与ハ渋沢・荘両理事ノ意見ニ依リ金六百五十円ヲ給スルコトニ付、前記三理事ノ同意ヲ得タリ
                          (水谷)
                           (印)