デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
8款 財団法人理化学研究所
■綱文

第47巻 p.204-208(DK470038k) ページ画像

大正12年11月20日(1923年)

是年二月四日、当研究所総裁伏見宮貞愛親王薨去セラル。栄一、所長大河内正敏トハカリ、新総裁ニ伏見宮博恭王奉戴ニ決ス。是日、当研究所第一号館ニ於テ、総裁奉戴式行ハレ、栄一列席ス。


■資料

宮殿下ニ関スル書類(DK470038k-0001)
第47巻 p.204 ページ画像

宮殿下ニ関スル書類         (財団法人理化学研究所所蔵)
貞愛親王殿下予テ銚子御別邸ニ於テ御不例之処、今四日午後九時五分御本邸ニ於テ薨去被遊候、此段御通知申進候也
  大正十二年二月四日
              伏見宮附別当 佐藤愛麿
    理化学研究所長殿

 - 第47巻 p.205 -ページ画像 

集会日時通知表 大正一二年(DK470038k-0002)
第47巻 p.205 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年       (渋沢子爵家所蔵)
五月十八日 金 午前十時 理化学研究所理事会(工業倶楽部)


自卅九回 至七十四回 理事会書類(DK470038k-0003)
第47巻 p.205 ページ画像

自卅九回 至七十四回 理事会書類   (財団法人理化学研究所所蔵)
 (大河内)
  (印) 第四十七回理事会議事要録 栄一
一、日時及場所、大正十二年五月十八日午前十時半日本工業倶楽部ニ開会、正午閉会
一、出席 大河内・渋沢・大橋・岡本・高松・内藤・赤司・塩原・森村各理事、古市顧問、片山研究員代表
一、報告
 (イ)総裁伏見宮殿下ハ去ル四月六日薨去《(マヽ)》アラセラレタルニ付、故殿下カ当所ト同様総裁トシテ立チ賜ヒシ済生会・明治神宮奉賛会等ノ振合ヲ聞合セ、所長ハ所ヲ代表シ宮邸ヘ弔問、御葬儀ニ参列シ且ツ御霊前ニ御供物、御陵ヘ真榊ヲ奉呈シタルコト
 (ロ)第四十六回帝国議会ニ於テ当所ニ対スル国庫補助金増額案通過シ、今後十年間ハ年々弐拾五万円宛ノ補助ヲ受クルコトヽナリタルコト、但シ政府ニ於テハ十年後ト雖モ引続キ補助スルコトニ了解セルコト
  ○(ハ)(ニ)略ス。
一、決議事項
 (イ)大正十一年度決算 原案(別紙○略ス)承認
  ○(ロ)略ス。
 (ハ)一万五六千円ノ予算ヲ以テ半工業室約百坪ヲ建築スルコト、但シ此経費ハヴイタミンA販売収入ヲ以テ之ニ充ツルコト
  ○(ニ)(ホ)略ス。
 (ヘ)新ニ総裁奉戴方ニ関スル件ヲ副総裁及所長ニ附託スルコト
                         以上


集会日時通知表 大正一二年(DK470038k-0004)
第47巻 p.205 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年       (渋沢子爵家所蔵)
六月廿七日 水 午前十一時 理化学研究所評議員会(日本工業倶楽部)


評議員会決議録 自大正十一年一月 至大正十五年十二月(DK470038k-0005)
第47巻 p.205-206 ページ画像

評議員会決議録  自大正十一年一月 至大正十五年十二月 (財団法人理化学研究所所蔵)
    大正十二年六月定期評議員会議事要録
一、日時及場所 六月二十七日午前十一時日本工業倶楽部ニ於テ開会正午閉会
一、出席  渋沢○外評議員一二名 大日本人造肥料株式会社各評議員、小野日本興業銀行総裁、片山研究員代表
      此外他ノ評議員ヲ代人ト為ス旨通知セシモノ二十名、
  出席評議員ノ推挙ニ依リ渋沢子爵議長ト為リ、大河内所長ヨリ別項ノ報告ヲ聴取シ、次テ議事ニ移リ大正十二年度決算承認並ニ役員推薦ノ件ヲ可決セリ
  追テ総裁奉戴ノ件御裁可ノ上ハ速ニ奉戴式ヲ挙行スルコト尚其式場ハ日本工業倶楽部ヲ之ニ充ツルコトニ一同申合ハス所アリタリ
 - 第47巻 p.206 -ページ画像 
  報告事項
一、総裁奉戴方ノ件ハ曩ニ第四十七回理事会ニ於テ渋沢副総裁及所長ニ一任セラレタルニ付、宮内省ノ内意ヲ伺ヒタル上、故総裁貞愛親王殿下ノ第一子伏見宮博恭王殿下ヲ奉戴スルコトニ決定シ、目下上申中ナルコト
二、国庫補助ニ関スル大正五年法律第十六号ノ改正案ハ幸ニ第四十六回帝国議会ノ協賛ヲ経テ、大正十二年度ヨリ十ケ年間毎年経常費トシテ二十五万円ヲ補助セラルヽコトヽナリタルコト
  ○三、四、五略ス。
  決議事項
一、大正十一年度決算、承認
二、大橋・和田・高松・団・荘・渋沢各理事、岩崎・原・安田・古河三井各監事任期満了ニ付再選スルコト
三、高峰保全株式会社、日本興業銀行総裁小野英二郎君ヲ評議員ニ推薦スルコト
                        以上


理化学研究所書類(一)(DK470038k-0006)
第47巻 p.206 ページ画像

理化学研究所書類(一)         (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
拝啓 陳者来ル十一月二十日午後一時、当所第一号館ニ於テ、総裁伏見宮博恭王殿下ノ台臨ヲ仰キ、総裁奉戴式挙行致候間御参列相願度、此段御案内申上候 敬具
  大正十二年十一月十二日   財団法人理化学研究所
            所長 工学博士 子爵 大河内正敏 
    (宛名手書)
    子爵 渋沢栄一殿
 追テ挙式ハ時節柄略式ニ致スヘク候間御了承相成度、尚当日御参列ノ有無来ル十五日迄ニ御一報相煩シ度候也


理化学研究所書類(一)(DK470038k-0007)
第47巻 p.206-207 ページ画像

理化学研究所書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
来ル十一月二十日午後一時
総裁伏見宮博恭王殿下 ノ台臨ヲ仰キ、総裁奉戴式挙行致候ニ付テハ左記ノ事項御注意相成度、依命此段及御通知候也
  大正十二年十一月十六日           事務所
    記
一、総裁御着午後〇時五十五分 御退出午後三時半頃
一、奉迎送場所 大玄関前
一、総裁御休憩所 第一号館一二二号室(池田博士)
一、式場 第一号館二二一号室(会議室)
一、農商務大臣及役員休憩所 第一号館一一二号室(鈴木博士)
一、式場参列者 役員及研究員
一、式後各室ニ台臨アラセラルヽニ付、其際各自其位置ニ在テ敬礼スルコト
一、台覧ニ供スヘキ成績品等ハ各室ニ準備シ置クコト
 - 第47巻 p.207 -ページ画像 
一、当日昼食ハ午前十時半ヨリ十一時半迄
一、室内ヲ清潔ニシ備付物品材料等ヲ整頓シ置クコト
一、奉戴式次第及台覧順序左記ノ通
      奉戴式次第
一、農商務大臣・副総裁以下役員及研究員着席
一、総裁台臨 (所長御先導)   諸員敬礼
一、式辞             所長
一、令旨
一、奉答             所長
一、総裁御退出 (所長御先導)  諸員敬礼
       台覧順序○略ス


理化学研究所書類(一)(DK470038k-0008)
第47巻 p.207 ページ画像

理化学研究所書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    式辞
本所ハ新ニ
博恭王殿下ヲ総裁ニ推戴シ奉リシニ、畏クモ允可アラセラレタリ、因テ本日ノ佳辰ヲ卜シ、謹ミテ
殿下ノ台臨ヲ仰ギ、奉戴ノ式ヲ挙グ
抑々理化学ハ人文開明ノ淵源国家富強ノ基礎ニシテ、世界各国鋭意之カ振興ニ勉メ、国防ノ充実、産業ノ発達ヲ謀ラザルハナシ、今ヤ我ガ国ハ過般ノ激震ニヨリテ未曾有ノ災禍ヲ蒙リ、帝都復興ノ大業ヲ実行スルニ当リ、理化学ノ研究ハ最モ急ヲ要シ、本所ノ任務益々重キヲ加ヘタリ、豈一層奮励シテ力ヲ国運ノ発展ニ尽サヾルベケンヤ、正敏等辱ク本日ノ盛儀ニ遇ヒ、何ノ光栄カ之ニ加ヘン、玆ニ所員一同ヲ代表シテ、謹ミテ隆恩ヲ感謝シ奉ル
  大正十二年十一月二十日
    財団法人理化学研究所長 工学博士子爵 大河内正敏


理化学研究所書類(一)(DK470038k-0009)
第47巻 p.207 ページ画像

理化学研究所書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
令旨
惟フニ理化学ノ研究ハ文化ノ開発ヲ促シ、富強ヲ増進スル所以ニシテ国運発展ノ基礎実ニ此ニ存ス。今予先考ノ後ヲ承ケテ、新ニ本所ノ総裁ニ推サレタルハ、深ク欣幸トスル所ナリ。冀クハ職員及ビ協賛諸員ノ輔翼ニ依リ、益々本所ノ事業ヲ拡充シテ、紹述ノ実績ヲ挙ゲンコトヲ。諸子ヨク斯ノ意ヲ体シテ、国家ニ貢献スル所アレ。

奉答辞
玆ニ新ニ
総裁宮殿下ヲ奉戴スルコトヲ得タルハ、本所ノ最モ光栄トスル所ナリ
本日
殿下ノ台臨ヲ辱ウシ、且ツ優渥ナル令旨ヲ賜ハル。洵ニ恐懼感激ノ至ニ堪ヘズ。正敏等協力奮励シテ事ニ当リ、以テ 台旨ニ副ヒ奉ラムコトヲ期ス。謹ミテ奉答ス。

 - 第47巻 p.208 -ページ画像 

集会日時通知表 大正一二年(DK470038k-0010)
第47巻 p.208 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年       (渋沢子爵家所蔵)
十一月二十日 火 午後一時 理化学研究所総裁奉戴式(同所)


渋沢子爵親話日録 第一 自大正十二年十一月 至同年十二月 高田利吉筆記(DK470038k-0011)
第47巻 p.208 ページ画像

渋沢子爵親話日録 第一 自大正十二年十一月 至同年十二月 高田利吉筆記
                     (財団法人竜門社所蔵)
○十一月二十日
○上略
△午餐後理化学研究所に赴かる、今度、伏見宮博恭王殿下を総裁に奉戴することゝなり、今日其式を挙行するによりてなり、所長以下と共に殿下を奉迎し、本所設立の趣意顛末を委く聞え上けられたるに殿下はかゝる事業に深き御趣味を持たせ玉ふよしにて、いたく御喜ひあり、将来の発達を望ませ玉ふよし仰せらる、それより各室を御巡覧あり、主任以下実務者の説明を一々熱心に聞召されしを以て、一時より三時に至るも御巡覧尚了らず、子爵は他に御面会の約あるを以て、殿下に先だち辞して事務所に向はる○下略