デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
9款 財団法人東照宮三百年祭記念会
■綱文

第47巻 p.247-252(DK470057k) ページ画像

大正15年3月30日(1926年)

是ヨリ先、当会ハ財団法人組織ニ改メラレ、栄一引続キ評議員タリ。是日栄一、華族会館ニ於ケル当会評議員会ニ出席ス。尚寄付金募集ニ尽力ス。


■資料

東照宮三百年記念会書類(二)(DK470057k-0001)
第47巻 p.247-250 ページ画像

東照宮三百年記念会書類(二)       (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    財団法人東照宮三百年祭記念会寄附行為
第一条 本財団ハ財団法人東照宮三百年祭記念会ト称ス
第二条 本財団ハ育英奨学ニ関スル事業ヲ為スヲ以テ目的トス
第三条 前条ノ事業ハ学術ノ高等研究ヲ助成スルヲ主眼トシ其ノ種類左ノ如シ
  一、海外留学又ハ出張ニ必要ナル費用ノ給与
  二、特殊調査研究ニ必要ナル費用ノ給与
  三、賞品又ハ賞金ノ贈与
 - 第47巻 p.248 -ページ画像 
  四、其ノ他本財団ノ目的ヲ遂行スルニ適当ナル事業
第四条 本財団ノ事務所ハ之ヲ東京府豊多摩郡千駄ケ谷町大字千駄ケ谷参百参拾番地公爵徳川家邸内ニ置ク
第五条 本財団ノ資産ハ左ニ掲クルモノヨリ成ル
  一、徳川家一族一門ヨリ醵出セル基本金(別紙基本金目録)
  二、基本金トシテ寄附ヲ受ケタル金品
  三、諸種ノ財産ヨリ生スル果実
  四、寄附金
  五、雑収入
第六条 本財団ノ経費ハ前条第三号乃至第五号ニ掲クル財産ヲ以テ之ニ充ツ
第七条 本財団ノ趣旨ヲ翼賛シテ本財団ニ寄附セラレタル金円及有価証券ハ之ヲ基本金ニ編入ス、但シ用途ヲ指定セルモノハ其ノ指定ニ従フ
第八条 基本金其ノ他ノ金円ハ国債証券其ノ他確実ナル有価証券ヲ買入レ又ハ確実ナル銀行及信託会社若ハ郵便官署ニ預ケ入ルルモノトス
第九条 基本金ハ之ヲ支消スルコトヲ得ス
第十条 本財団ノ事業ヲ協賛シテ金品ヲ寄附セル者ヲ賛助員トス
第十一条 本財団ニ総裁一名、副総裁二名ヲ置キ、評議員会ニ於テ徳川家一門ノ中ヨリ之ヲ推選ス
第十二条 本財団ニ左ノ役員ヲ置ク
  一、理事 十名
   内一名ヲ理事長トス
  二、監事 二名
  三、調査員 若干名
   内一名ヲ調査員長トス
  四、評議員 若干名
第十三条 総裁ハ本財団ヲ総轄ス
 副総裁ハ総裁ヲ輔佐シ総裁事故アルトキハ之ヲ代理ス
第十四条 理事長及理事・監事ハ評議員中ヨリ総裁之ヲ嘱託ス
 理事ノ互選ヲ以テ常務理事三名ヲ定メ、予メ理事ノ決議ヲ以テ定メタル事項ニ限リ専行セシムルコトヲ得
第十五条 監事ハ財産ノ状況並理事ノ業務執行ノ状況ヲ監査ス
第十六条 評議員・調査員長及調査員ハ総裁之ヲ嘱託ス
第十七条 理事長及理事ハ理事会ヲ組織シ、本財団事務執行ニ関スル一切ノ事項ヲ担任ス
第十八条 調査員長及調査員ハ調査会ヲ組織シ、理事ヨリ提出セル事業ノ選定ニ付審議シ及研究事項ノ成績ヲ調査ス
第十九条 評議員会ハ毎年一回総裁之ヲ招集ス
第二十条 評議員会ニ於テ議定スヘキ事項左ノ如シ
  一、本寄附行為ヲ実行スルニ必要ナル規則ノ制定及変更
  二、歳入出ノ予算及決算
  三、第二条ニ掲クル事業ノ選定
 - 第47巻 p.249 -ページ画像 
  四、総裁ヨリ諮詢セラレタル事項
第二十一条 評議員会ハ評議員総数三分ノ一以上出席スルニ非サレハ決議ヲ為スコトヲ得ス、但シ同一事項ニ付再招集ヲ為シタル場合ニ於テハ出席者ノ数ニ拘ハラス決議ヲ為スコトヲ得
 評議員会ニ出席スルコト能ハサル評議員ハ書面ヲ以テ表決ヲ為シ、又ハ他ノ評議員ニ委任シテ表決ヲ為スコトヲ得、此ノ場合ニハ出席者ト看做ス
第二十二条 評議員会ノ決議ハ出席者ノ過半数ニ依ル、可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第二十三条 評議員会ノ議長ハ総裁トス
 総裁及副総裁事故アルトキハ理事長ヲ以テ議長トシ、理事長事故アルトキハ理事ノ互選ニ依リ議長ヲ定ム
第二十四条 理事ニ於テ必要ト認メタルトキ又ハ評議員三分ノ一以上ノ請求アリタルトキハ臨時評議員会ヲ開クコトヲ得
第二十五条 役員ノ任期ヲ三年トス、但シ重任ヲ妨ケス
 補欠又ハ増員ノ場合ニ於ケル任期ハ現任者ト同時ニ終了スルモノトス
第二十六条 本財団ノ事業年度ハ毎年四月一日ニ始マリ翌年三月末日ニ終ル
第二十七条 本財団ニ有給ノ事務員ヲ置クコトヲ得
第二十八条 本寄附行為ノ規定ハ理事ノ発議ニ基キ評議員三分ノ一以上ノ多数ヲ以テ議決シ且主務官庁ノ認可ヲ得ルニ非サレハ之ヲ変更スルコトヲ得ス
第二十九条 本財団設立当初ノ役員ハ設立者之ヲ定ム

    財団法人東照宮三百年祭記念会役員
総裁
 公爵 徳川家達
副総裁
 侯爵 徳川義親   侯爵 徳川圀順
評議員
 侯爵 徳川頼貞   伯爵 徳川達孝   伯爵 徳川達道
 男爵 徳川厚    伯爵 松平頼寿   男爵 徳川誠
 子爵 松平義為   男爵 徳川義恕   子爵 松平頼和
 子爵 松平頼平   子爵 松平頼孝   子爵 松平頼安
 子爵 徳川武定   侯爵 松平康荘   子爵 松平康春
 伯爵 松平直亮   伯爵 松平直之   子爵 松平直徳
 子爵 松平直幹   子爵 松平直平   子爵 松平直一
 子爵 松平慶民   男爵 松平斉光   伯爵 酒井忠良
 伯爵 柳沢保恵   伯爵 井伊直忠      榊原政敬
 子爵 小笠原長生  子爵 大河内正敏  伯爵 久松定謨
 子爵 山口弘達      石渡敏一      稲田竜吉
    林春雄       堀鉞之丞      鎌田栄吉
    川瀬善太郎     田中政明      成田勝郎
 - 第47巻 p.250 -ページ画像 
    室田義文   男爵 山内長人      山口勝
    松原行一      松本三郎      藤浪剛一
    藤沢利喜太郎 男爵 古市公威      福原脩
    阪本釤之助     桜井錠二      木下友三郎
    三宅米吉      三輪修三   子爵 渋沢栄一
    柴田桂太      塩沢昌貞      塩谷温
 男爵 平山成信      平山信
理事長
    成田勝郎
理事
    稲田竜吉      堀鉞之丞      松本三郎
    福原脩       木下友三郎     三輪修三
    塩沢昌貞      塩谷温       平山信
監事
 男爵 山内長人      田中政明
調査員長
 男爵 平山成信
調査員
    石渡敏一      林春雄    子爵 大河内正敏
    鎌田栄吉      川瀬善太郎     松原行一
    藤浪剛一      三宅米吉      柴田桂太


東照宮三百年祭記念会会議録(三)(DK470057k-0002)
第47巻 p.250 ページ画像

東照宮三百年祭記念会会議録(三)     (徳川公爵家所蔵)
    大正十五年三月三十日
      午餐会、評議員会
一、午前十一時半華族会館ニ於テ本会役員其他ノ午餐会開催
  出席者 桜井帝国学士院長・姉崎同院幹事・総裁公爵徳川家達・成田理事長、稲田・松本・福原・木下・三輪・塩沢各理事、田中監事、平山調査員長・石渡調査員
一、午後一時半華族会館ニ於テ本会評議員会開会(出席者別表ニアリ)
  理事会及調査委員会ニ於テ審議ノ上調査委員会ヨリ提議シタル大正十五年度歳入歳出予算、大正十四年度歳入歳出決算、大正十五年度研究補助事項ハ全部原案通リ可決シ、尚総裁ヨリ欠員中ノ副総裁推選ノ件ヲ諮リタルニ、平山男爵其他ヨリ総裁ニ一任シタキ旨申出アリ、依テ裁総ハ侯爵徳川圀順殿ヲ副総裁ニ推選ノ旨宣言セラレ、一同異議ナク可決ス
  午後二時十分散会
  散会後渋沢子爵・平山男爵・成田理事長、三輪・木下・福原各理事居残リ、寄附金募集方法ニ付協議ス、午後三時散会
   上野山速記者ハ開会時間ニ遅レタルタメ本年ハ速記セズ


東照宮三百年祭記念会会議録(三)(DK470057k-0003)
第47巻 p.250-251 ページ画像

東照宮三百年祭記念会会議録(三)     (徳川公爵家所蔵)
大正十五年三月三十日
                     (太丸ハ朱書)
    財団法人東照宮三百年祭記念会午餐会(○印出席者)
 - 第47巻 p.251 -ページ画像 
○帝国学士院長  桜井錠二
○同    幹事 姉崎正治
○総裁   公爵 徳川家達
欠副総裁  侯爵 徳川義親
○理事長     成田勝郎
○理事      稲田竜吉
欠同       堀鉞之丞
○同       松本三郎
○同       福原脩
○同       木下友三郎
○同       三輪修三
○同       塩沢昌貞
欠同       塩谷温
欠同       平山信
欠監事   男爵 山内長人
○同       田中政明
○調査員長 男爵 平山成信
○調査員     石渡敏一
欠同       林春雄
欠同    子爵 大河内正敏
欠調査員     川瀬善太郎
欠同       藤浪剛一
欠同       三宅米吉
欠同       柴田桂太
    評議員会ヘノミ出席者
○評議員  子爵 渋沢栄一
○同       阪本釤之助
○同    子爵 大河内正敏
○        室田義文
○        鎌田栄吉
 議案賛成委任状三十二通



〔参考〕東照宮三百年祭記念会会議録(三)(DK470057k-0004)
第47巻 p.251-252 ページ画像

東照宮三百年祭記念会会議録(三)     (徳川公爵家所蔵)
    東照宮三百年祭記念会評議員会議事速記録
        昭和二年三月三十一日午后一時三十分開会
○上略
○理事長(成田勝郎君) ○中略 次ニ寄附金募集ノ件デゴザイマスガ、是ハ先年申上ゲマシタヤウニ、渋沢子爵ヲ煩ハシマシテウマイ方法ヲ講ジテ戴カウト存ジマシテ御願ヒヲ致シマシタノデ、ソレゾレ御配慮ヲ下サイマシタ結果、実業家方面ニ於ケル一・二ノ人ニ其御話ヲ致シテ下サイマシテ、又其方々カラ知己ノ御方ヘ御話ヲシテ下サイマシタサウシテ其後ノ状況ヲ調ベテ下サイマシタガ、其御方々ノ御話ニ依リマスト、財界不況デアツテ誠ニ面白クナイカラシテ、暫ク中止ガ然ル
 - 第47巻 p.252 -ページ画像 
ベキデハアルマイカト云フコトヲ私共ニモ話ヲシテ呉レマシタ、又其事柄ヲ渋沢子爵ヘモ話ヲシテ呉レマシテゴザイマス、其結果ト致シマシテ渋沢子爵ハサウ云フ工合ナラバ記念会ノ方デモ暫ク見合セルガ適当デアラウト云フ話ガゴザイマシタ、其結果トシテ遺憾ナガラ唯今予メノ準備ハ致シテ居リマシタガ、実行スル運ビニ参リマセヌ、近ク渋沢子爵カラ依頼ヲ受ケマシタ人々ニ再ビ会ツテ話ヲ聴キマスト、最早サウ長ク待テヌコトデアルカラ、本年ハヤツタ方ガ宜カラウト、斯ウ云フヤウナコトモ言ハレマシタノデ、近イ内ニソレソレニ続キマシテ予ネテ御一族御一門ノ方ニハ三年程前カラ第二回ノ基金ヲ募ラヌケレバナラヌカラシテ、何分ノ御寄附ヲ再ビ御願ヒスルト云フコトヲ申出デマシテ、段々御賛成下サイマシタノデ、昨年中ニ総テ纏メマシテゴザイマス、其結果ト致シマシテ八万一千余円ダケヲ御一族御一門デ御寄附下サルコトニナリマシタ、ソレカラ其金高ヲ申上ゲマスルト、千駄ケ谷ノ公爵ガ一万円、小石川ノ公爵ガ五千円、尾州様ト紀州様ガ一万五千円、ソレカラ水戸様ガ五千円、達孝様ガ二千五百円、達道様ガ二千五百円、松平頼寿様ガ八千円、徳川義恕様が一千円、松平頼和様ガ一千円、徳川武定様ガ一千円、其他三百円、百五十円、百円ノ方ガゴザイマス、ソレカラ松平康荘様ガ三千五百円、松平康春様ガ二千円、松平直亮様ガ六千円、松平直之様ガ一千円、松平直徳様ガ七百円、其他三百円、二百円、百円ノ方ガゴザイマス、合セマシテ八万一千余円集マリマシテゴザイマス、公債ハ一時、現金デゴザイマシタラ五ケ年賦デ苦シウゴザイマセヌト云フコトヲ申上ゲマシタ、ソレゾレ御家ノ御都合デ以テドチラカラ御採用ニナツテ居リマス、其結果ト致シマシテ唯今マデ集マリマシタモノガ公債証書ニ於テ二万五千ナニガシ、ソレカラ現金ニ於テ一万一千ナニガシト云フモノガ、唯今申上ゲマシタ八万ナニガシト云フモノヽ中デ集ツタモノデアリマス、之ヲ三井信託ヘ公債ハ託シマシテ、現金ハ住友信託ヘ託シマシテ、是ハ監事ノ御方ニ諮リマシテ両方ニ分ケタ方ガ宜カラウト云フコトデ、サウ云フコトニ致シマシタ、随ツテ総テノ基金ヲ……二回ノ基金ヲ募集致シマスコトヲ一般ニ知ラセマスマデノ間ハ、ソレカラ由ツテ生ズル利ハ元金ニ加ヘマスコトガ適当ト考ヘマスノデ、サウ云フ風ニ致シテアリマス、是等ノ事ハ本月ノ七日ニ監事両人ヲ煩ハシマシテ会計ノ検査ヲ総テシテ御貰ヒ申シマシタガ、間違ナイト云フコトデ、総裁ノ方ニ御届ヲ致シテゴザイマス、アト基本金・財産ノ事ガゴザイマスガ、是ハ決算・予算ノ方ノ側ニ移リマシテ、再ビ申上ゲルコトニ致シマス○下略