デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
2節 演芸
1款 帝国劇場
■綱文

第47巻 p.371-374(DK470091k) ページ画像

明治43年2月26日(1910年)

是日栄一、東京商業会議所ニ於テ開カレタル、当劇場臨時株主総会ニヨリ、取締役ニ再選セラレ、更ニ互選ノ結果、取締役会長ニ就任ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四二年(DK470091k-0001)
第47巻 p.371 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四二年         (渋沢子爵家所蔵)
八月五日 晴 大暑
○上略 午前十一時帝国劇場会社ニ抵リ、重役会ヲ開キ要件ヲ談ス○下略


(帝国劇場株式会社)第六回報告書 明治四二年下半期・第一―三頁 刊(DK470091k-0002)
第47巻 p.371-372 ページ画像

(帝国劇場株式会社)第六回報告書
               明治四二年下半期・第一―三頁 刊
 ○第六回報告書
    第一 第五回定時株主総会
明治四十二年八月二十八日(土曜日)午前十時、東京市麹町区有楽町一丁目一番地東京商業会議所ニ於テ、第五回定時株主総会ヲ開ク、出席人員委任状共六拾名、株数壱万壱千八百拾五個ニシテ、取締役会長男爵渋沢栄一氏旅行中欠席ニ付、専務取締役西野恵之助氏代テ会長席ニ就キ、明治四十二年上半期事務報告・貸借対照表・財産目録・利益金処分案等ヲ議シ、総テ原案ノ通リ承認シタリ
    第二 事業ノ経過
本期間ニ於ケル劇場建築ノ工程ハ予期ノ如ク進捗セリ、今各工事ニ就テ記述セバ大要左ノ如シ
一、地礎工事ハ前期ニ於テ起工シタル左右玄関根切及コンクリート打ハ八月九日竣工シ、煖房汽鑵室基礎ハ十二月二十九日起工シ、期末其大半ヲ了ヘタリ
一、石材工事ニ在テハ、前期ヨリ継続施工中ナリシ本館側石・窓台石及左右玄関等ノ工事ハ当期間孰レモ完成シ、正面大柱双盤石及地下室地覆並ニ楣石工事ハ加工ヲ了ヘ、期末据付ヲ余スノミニシテ、汽鑵室根石及ドライエリヤ縁石ハ目下施工中ナリ
一、煉瓦工事ニ於テハ、前期ヨリ施工中ノ側壁其他煉瓦積ハ当期間ニ全部完成セシムル予定ナリシモ、備前焼蛇腹其他擬石ノ納入遅延セシ為メ、目下軒蛇腹及外側化粧張付ヲ余スノミ
一、鉄骨工事ハ各部トモ殆ンド完成シ、今猶施工中ニアルモノハ正面及左右側ノ鉄庇並ニ軒蛇腹鉄骨ノ一部ナリ
一、木材工事ハ、前期ヨリ著手シタル屋根工事ハ十一月一日竣工シ、各床工事ハ梁及根太ノ取付ヲ了ヘ、目下床板張込中ニシテ、其他楽屋内部階段及木摺工事モ大半ヲ了ヘ、入口枠並ニ窓枠・幅木・腰羽目工事ハ工事請負者ニ於テ施工準備中ナリ
 - 第47巻 p.372 -ページ画像 
一、家根工事ハマルソイド下葺及スレート葺工事共竣工シ、銅板其他金属工事モ大体完成シ、今尚施工中ニ係ルモノハ他工事ニ関聯スル一部分ノミナリ
 其他舞台外側ノ鉄筋ハ十一月十六日竣工シ、各床鉄筋ハ正面第一階大階段室及二階大階段室ヲ初メトシ目下其七分強ノ工ヲ了ヘタリ
前期ヨリ募集中ナリシ附属技芸学校第二期女優生徒ハ、愈十月一日ヲ以テ、合格生拾弐名ノ入校式ヲ施行シタリ
予テ建築中ナリシ第一号附属屋一棟ハ予定ノ通リ十二月二十日落成セシヲ以テ、本社事務所並附属技芸学校ハ同二十二日ヲ以テ、之レニ移転ヲ為シタリ
附属技芸学校ニ於テハ、生徒技芸奨励ノ為メ、毎月一回学校内ニ於テ試演会ノ催ヲナセルノ外、十一月二十八日ニハ京橋区南鍋町交詢社ニ於テ秋期試演会、又一月八日ニハ麹町区有楽町有楽座ニ於テ米国観光団歓迎余興劇ヲ催セシガ、漸次成績ノ見ルベキモノアルニ至レリ
  ○帝国劇場株式会社ノ営業年度ハ上半期二月一日―七月三十一日、下半期八月一日―一月三十一日ナリ。


(帝国劇場株式会社)第七回報告書 明治四三年上半期・第一―四頁 刊(DK470091k-0003)
第47巻 p.372-374 ページ画像

(帝国劇場株式会社)第七回報告書
               明治四三年上半期・第一―四頁 刊
 ○第七回報告書
    第一 第六回定時株主総会及臨時株主総会
明治四十三年二月二十六日(土曜日)午後二時、東京市麹町区有楽町一丁目一番地東京商業会議所ニ於テ、帝国劇場株式会社第六回定時株主総会ヲ開ク、出席人員委任状共七拾八名、株数壱万四千六百九拾個ニシテ、専務取締役西野恵之助氏会長席ニ就キ、明治四十二年下半期事務報告・貸借対照表・財産目録・利益金処分案等ヲ議シ、総テ原案ノ通リ承認シタリ、引続キ臨時株主総会ヲ開キ、取締役及監査役全員満期ニ付キ改選ノ処、取締役ニ男爵渋沢栄一・大倉喜八郎・福沢桃介西野恵之助・日比翁助・益田太郎・田中常徳・手塚猛昌ノ八氏、又監査役ニ浅野総一郎・村井吉兵衛ノ二氏、即チ孰レモ重任ニ決定セリ、更ニ取締役会開催、左ノ通リ互選ナリタリ
            取締役会長 男爵 渋沢栄一
            専務取締役    西野恵之助
    第二 事業ノ経過
本期間ニ於ケル劇場建築ノ工程ハ大要左記ノ如シ
 一、地礎工事ハ前期ヨリ続継施行中ノ煖房汽缶基礎工事ハ三月十日竣工シ、煙突下地礎工事ハ三月二十二日起工、五月二十七日竣工シタリ、其他蓄電所地形ハ七月二十二日ヨリ著手シ、外塀・下水排水溜桝等ノ工事ハ七月十九日ヨリ著手、目下進工中ナリ
 一、石材工事ニ在テハ、前期ヨリ施行中ノ正面大柱双盤石及地下室地覆並ニ楣石・汽缶室根石及笠石・玄関階段石及幅木石ハ、当期中孰レモ竣工シ、南側切符売場根石及各入口袴石、外廻ドライヱリヤ縁石・煙突根石及笠石等モ竣工ヲ告ゲタリ、而シテ目下施工中ノ下水及人道ノ石工事並ニ玄関腰廻及階段手摺子・大
 - 第47巻 p.373 -ページ画像 
階段室幅木及笠石・切符売場彫刻石・玄関敷石等ノ大理石工事ハ著々進工中ナリ
 一、煉瓦工事ハ、普通煉瓦積ハ二月二十日ニ竣工シ、外部張付化粧煉瓦ハ四月二十五日大体ノ工ヲ了ヘ「テラコツタ」積込ハ正面大柱ヲ除キ他ハ竣工シ、汽缶室及煙突煉瓦積ハ六月十五日竣工シタリ
 一、鉄骨及金属工事ハ、軒蛇腹鉄骨ハ六月十日竣工シ、正面及側面鉄庇工事ハ期末其九分通リヲ了ヘ、南北玄関手摺鉄物・窓廻手摺鉄物・南北木製大階段手摺子・南北両玄関ホールヂングゲートコンクリート階段手摺金物・切符売場金物・二階広間上部手摺鉄物等ハ目下施工中及準備中ニシテ、正面出椽手摺鉄物並ニドライエリヤ鉄柵・正面出椽下持送リ鉄物工事等ハ其取付ヲ余スノミナリ
 一、鉄筋コンクリート及泥工事ハ、前期ヨリ施工セシ床コンクリート打ハ三月三十一日全部竣工シ、各階壁及天井等ノ泥工事ハ目下夫々準備中ニシテ、楽屋廻リハ期末起工シタリ
 一、木工事ハ、間内床工事・入口及幅木工事・便所及携帯品預室工事、北側木製階段・観客席造作工事ハ何レモ九分通リ了ヘ、扇風器室造作、第一階携帯品預室二ケ所・楽屋パラベツト及庇工事、換気筒工事等ハ竣工シ、大休憩室造作・外部切符売場・正面庇工事ハ目下施工中ナリ
 一、板金工事ハ、前期ヨリ続継施行中ノ屋根及軒蛇腹工事ハ殆ンド完成ニ近ヅキ、正面庇屋根工事・汽缶室庇工事・扇風器室銅板張・舞台屋根避雷針台及空気抜窓張工事等ハ施工中ニシテ、蓄電所屋根工事ハ施工準備中ナリ
 一、電灯及煖房工事ハ、煖管ノ配置ハ既ニ八分通リヲ了ヘ、電線ノ布設又舞台内部ヲ除キタル全部ノ配線八分以上了ヘタリ
 一、衛生工事ハ、各階便所ノ諸設備ハ五月二日ヨリ起工シ、目下他ノ関聯工事ト相俟テ著々進工中ナリ
 一、楽屋廻リ及本館内部ペンキ塗工事ハ施工中ナリ
当期間工事ノ概要ハ略ボ前述ノ如クニシテ、予定ノ通リ夫々順序能ク進行ヲ遂ゲツツアリ、尚ホ来期ニ於ケル工事ノ重ナルモノハ電灯・煖房・舞台設備・室内装飾設備・館外排水道路・供待其他ノ諸工事ナリトス
劇場内ニ於ケル電灯ハ、営業上ノ主要物ナルニ付、光力ノ安全ト日常経費ノ減少ヲ計ル為メ蓄電式ヲ採用シ、自家発電トナスコトニ決定シタリ、又観覧席用椅子ハ観客ニ直接接近スル所ノモノニシテ、座居ヲ以テ慣レタル我ガ多数ノ観客ニ対シテ普通ノ分ニテハ何分不充分ノ感アルニ付研究ヲ凝ラシ、座居ニモ応用シ得ルノ構造トナスコトニ決定シタリ、尚又観覧席天井並ニ大休憩室小壁ノ装飾画ハ画伯和田英作氏ニ揮毫ヲ依頼シタリ
工事及設備ノ進捗以上ノ通リニシテ、営業開始ノ期モ漸次近ヅキツヽアルニヨリ、脚本募集・洋楽隊練習生募集ヲ始メ其他予メ準備ヲ要スルモノハ、緩急ニ応ジ実施或ハ取調ベニ著手シ居レリ
 - 第47巻 p.374 -ページ画像 
○下略


渋沢栄一 日記 明治四三年(DK470091k-0004)
第47巻 p.374 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四三年         (渋沢子爵家所蔵)
五月十七日 曇 暖
○上略 十二時中央亭ニ抵リ、帝国劇場会社重役会ヲ開キ、要件ヲ議決ス
○下略
  ○中略。
六月十七日 曇 冷
○上略 劇場会社ニ抵リ、西野氏ニ面会シ、建築場ヲ一覧シ、又社務ヲ談シ、試演ヲ一覧ス、正午第一銀行ニ抵リテ午飧ス○下略
  ○中略。
六月二十一日 曇 冷
○上略 十一時中央亭ニ抵リ、劇場会社ノ重役会ヲ開ク○下略