デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
3節 美術
2款 財団法人帝室博物館復興翼賛会
■綱文

第47巻 p.472-475(DK470120k) ページ画像

昭和4年4月1日(1929年)

是ヨリ先、二月二十日、当会補助金下付申請書ヲ政府ニ提出ス。貴衆両院ノ議決ヲ経テ是日法律第四十二号公布セラル。栄一副会長トシテ之ニ与ル。


■資料

財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革(DK470120k-0001)
第47巻 p.472-473 ページ画像

財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革       (同会所蔵)
    (昭和四年)
二月二十日
 本会事業費補助トシテ金参百五拾万円下付セラレ度旨文部大臣・大蔵大臣及内閣総理大臣宛各別ニ申請ス、申請書及申請理由左ノ如シ
    補助金下付申請書
 一金参百五拾万円也
 右金額本会事業ニ対スル補助金トシテ御下付被成下度、別紙理由書及其ノ他ノ参考資料相添ヘ、此段奉願候也
    年 月 日
                         会長
    内閣総理大臣
    文部大臣    宛(各通)
    大蔵大臣
      補助金下付申請理由書
 抑々美術ハ一国文化ノ精華ナリ、是故ニ其ノ作物ハ国家ニ於テ之ヲ完全ニ保存シ永久ニ伝フルノ方策ヲ講スルヲ要スルハ明ナリ、是レ啻ニ来者ノ為メニ健全ナル芸術発達ノ好指針タラシムル為メニノミ
 - 第47巻 p.473 -ページ画像 
ナラス、又実ニ現代人ヲシテ祖先累積ノ精華ニ近接触著セシメ、延イテ以テ国民思想善導ノ為メ裨補スル所アラシメ、又外人ヲシテ我国文化ノ欽美崇重ス可キ所以ヲ知ラシメ、以テ我カ文化的尊信ヲ拡充セシムル上ニモ緊要欠クヘカラサルコトヽス、而シテ美術博物館ハ実ニ此ノ需用ノ為メニ文明国ニ於テハ必ス其ノ経営ヲ怠ル可カラサル所ノモノニ属ス、翻ツテ観ルニ、我カ国ノ美術ハ今ヨリ一千数百年ノ古ニ於テ既ニ其ノ精華ヲ発揮シ、爾来一貫シテ発達ヲ遂ケ来リ、其ノ優美ナルモノハ帝室ノ御府ニ蔵セラルヽモノヽ外、古社寺ノ宝蔵ニ貯ヘラルヽモノ、一個人ノ蒐蔵スルモノ等、其ノ数甚タ多キニ拘ラス、現ニ之カ保存陳列ヲナスノ場所ハ唯一ノ帝室博物館ヲ除キテハ甚シク不十分ニシテ、多クノ古美術品カ散佚破壊ノ厄ヲ免レ難キコトハ真ニ遺憾措ク能ハサル所ナリ、而モ此殆ト唯一ナル帝室博物館ハ東京及奈良ノ二箇所ニ存スト雖モ、其ノ本館ナル東京帝室博物館ハ去ル大正十二年ノ大震災ノ厄ニ罹リテ破壊セラレタル儘今尚ホ復興ノ運ニ至ラス、是レ真ニ我カ国ノ一大不幸ト謂ハサル可カラス
 帝室ニ於カセラレテハ固ヨリ東京帝室博物館本館ノ復旧計画ヲ企図セラルト雖モ未タ其ノ確定ヲ見ルニ至ラス、此ニ於テカ本会ハ
 今上陛下御即位ノ大礼ヲ記念スルノ目的ヲ以テ官民合同シテ資金ヲ醵集シ東京帝室博物館本館ノ建設ヲ為シ、之ヲ献上シテ以テ帝室ノ文化的御事業ヲ翼賛シ奉リ、一大東洋古美術博物館ノ完成ヲ企画セントスルモノニシテ、方ニ是レ国家的枢要ノ事業ナリト謂フモ敢テ過言ニ非サル可キヲ信ス
 然リ而シテ、之ヲ世界ノ大博物館ノ例ニ較覈シテ比較的理想ニ近キモノヲ建設センカ為メニハ、東京帝室博物館旧本館ノ三倍以上ノ規模ニシテ、其ノ総延建坪、約七千壱百五拾坪、経費約八百五拾万円ヲ必要トス、而シテ右経費ノ内五百万円ハ之ヲ全国有志者諸君ノ寄附ニ俟チ、参百五拾万円ヲ政府ノ補助ニ仰キ、以テ此ノ国家的一大事業ノ達成ヲ期セント希望スルモノナリ、民間募集予定額五百万円ノ応募ハ別紙ノ通リ可能確実ナリトス、依テ本会ハ玆ニ前掲補助金下附ノ申請ヲ為スモノナリ
   ○別紙略ス。


財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革(DK470120k-0002)
第47巻 p.473-474 ページ画像

財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革       (同会所蔵)
    (昭和四年)
三月八日
 本会事業費補助ニ関スル法律案並ニ予算案衆議院ニ提出セラル
三月十四日
 本会事業費補助予算案〔昭和四年度歳入歳出総予算追加案(第一号)及同特別会計歳入歳出予算追加案(特第一号)〕衆議院ニ於テ満場一致可決セラル
三月十六日
 本会事業費補助ニ関スル法律案衆議院ニ於テ満場一致可決セラル
三月廿三日
 - 第47巻 p.474 -ページ画像 
 本会事業費補助ニ関スル法律案貴族院ニ於テ満場一致可決セラル
三月廿五日
 本会事業費補助予算案〔昭和四年度歳入歳出総予算追加案(第一号)及同特別会計歳入歳出予算追加案(特第一号)〕貴族院ニ於テ満場一致可決セラル
三月廿八日
 本会事業費補助ニ関スル昭和四年度歳入歳出総予算追加ノ件官報ヲ以テ公布セラル


法令全書 昭和四年 内閣官報局編 刊 【朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル…】(DK470120k-0003)
第47巻 p.474 ページ画像

法令全書 昭和四年 内閣官報局編 刊
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル大礼記念帝室博物館復興翼賛会事業費ノ補助ニ関スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
 御名 御璽
  昭和四年四月一日
              内閣総理大臣 男爵 田中義一
              大蔵大臣      三士忠造
法律第四十二号(官報四月二日)
昭和四年度ニ於テ大礼記念帝室博物館復興翼賛会ノ事業費ニ対スル補助金ニ充用スル為造幣局資金ノ内三百五十万円ヲ限リ一般会計ニ繰入ルルコトヲ得


財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革(DK470120k-0004)
第47巻 p.474 ページ画像

財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革      (同会所蔵)
    (昭和四年)
同日○七月一三日
 寄附行為第六条ニ依リ、補助金参百五拾万円ノ保管方法ヲ左ノ通リ議決シ、且之ガ承認方ニ付、補助金下付条件第一項ノ趣旨ニ従ヒ即日文部大臣宛申請シタリ
      記
 補助金参百五拾万円ハ之ヲ三井信託株式会社・三菱同・住友同・安田同及川崎同ノ五信託会社ニ平分シテ預託スルモノトス


財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革(DK470120k-0005)
第47巻 p.474 ページ画像

財団法人帝室博物館復興翼賛会沿革      (同会所蔵)
    (昭和四年)
八月十五日
 本会事業費補助金参百五拾万円全額現実ニ政府ヨリ交付セラル


大礼記念帝室博物館復興翼賛会書類(一)(DK470120k-0006)
第47巻 p.474-475 ページ画像

大礼記念帝室博物館復興翼賛会書類(一)   (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
  昭和四年八月十五日                   (印)
              財団法人帝室博物館復興翼賛会主事(印)
    (宛名手書)
    副会長 子爵 渋沢栄一殿
拝啓予て申請中の政府補助金参百五拾万円也本日下付相受、理事会決定通り左記の如く保管致候間御了承被成下度、此段不敢取御報告申上候 敬具
 - 第47巻 p.475 -ページ画像 
      記
一金七拾万円也 三井信託株式会社
同       三菱信託株式会社
同       住友信託株式会社
同       安田信託株式会社
同       川崎信託株式会社